ここはジャパリ文庫
SSシリーズを投稿するスレです。
多分何言ってるかわからんと思うからざっくり説明すると、
出版社みたいにここでたくさんの作者さんがSSを投稿し、みんなを楽しませる感じのスレ、
個人で出すよりこういう感じで出した方が知名度も上がるかもしれないし、何より人気投票とかも取るつもりだから(取らないかもしれないけど)みんなももっともっとSSという存在に触れられると思うんだ。
だけど作者さんが傷つくようなことは言うなよ、おかしいと思ったらおかしいっていうのは悪いことじゃないがアドバイスって形で言ってよな
1・まず宣伝をする。
「漫画雑誌とかでいう読み切りみたいなの、ざっくりとしたあらすじとか書いたらいいと思う。[近々公開]とか[○月○日公開予定]とかも書いていいよ(これは好きな時に書いてね)」
2・投稿する。
「書いた自分の作品を投稿しよう。長さはどんだけでもいいしクロスオーバーでもいい、面白い作品を作ろう(読者さんは感想などを書こう。作者さん、喜ぶよ)」
3・続きを投稿する
「続きは一週間後くらいに投稿しよう。予定や気分で投稿できないなら作者かわかるようにしてから[今回は投稿できません]と書いておこう」
自分の作品を投稿して、君もスターになろう!!
・すでにSSスレで投稿している作品でも、こちらで投稿しても良いとする。(ただし、SSスレとここと両立されて投稿すること)
・すでにSSスレで投稿している作品をこちらで投稿する場合、すでに書いている話を一気に投稿しても良いとする
・一人につきSSは何作品も投稿しても良いとする
(投稿できないなどのことは自己責任でお願いします)
・クロスオーバー作品を書く場合はなんの作品とのクロスオーバーなのかを明確にする。
(タイトルの横に「けもフレ×???」という形で書いておくなど…)
・最新話を上げる時、前回のアンカー付けを忘れずに
・SSの最後に予告をつけてもいいとする。
又はつけなくてもいいとする。
・書けるSSは、けものフレンズのSSのみとする。
・ SSを投稿する場合は
ラベルをつけて投稿すること
《【現在連載中の作品】》
・【アラフェネぶらり旅〜まんまるを探して2周目〜】(完結)
・【サバずきんちゃん】
・【アナザーワールド・サンドスターストーリーズ】
・【けものフレンズ2】
・【虫喰いでないフレンズ】
宇宙からの侵略者L
これは自分の妄想であり
ストーリーはけも3ですがアプリは未経験の者
ブラックな内容となっており
そしてこれは特別に地球語で翻訳されています
ある日、変わった見た目の人?が隊長になった、色は黒色で鍵穴みたいな体系しており
触角がついてあり黄色い蝶ネクタイをつけている身長は人間と同じだった
最初はパークの職員やフレンズ達はおどおどした様子だったが、
フレンズの管理はしっかりしておりフレンズ達からも好印象をもっていた
しかし、彼が隊長になってから奇妙なことが起こった、セルリアンの発見の報告がなくなったり
研究所のセルリウムが盗まれたり、四神を含む守護けものが行方不明になり...
そこでパークの職員はCARSC研究員であるカレンダを呼んだがCARSCの目的はセルリウムの採取
だったがセルリウムを探してもどこにも見つからず、彼女はCARSCの応援を呼んだ
武装した隊員や戦闘ヘリや軍艦...まさにパークを占領するつもりだ
目的はセルリウムの採取はもちろんや邪魔な隊長達を捕らえること(抵抗があれば射殺)であったが
どこに行ってもフレンズや隊長達は見当たらず捜索を続けると何故か湖から
空気が沸き上がりそこからなんと隊長にそっくりな巨大なロボットが現れ襲いにかかったのです!
CARSCの隊員達は必死に抗戦したが全く歯が立たず軍艦に乗り込み逃げましたが
ロボットは追ってこようとはしませんでした。ジャパリパークから遠く離れた大海原
に来て安心したと思いきやなんと!さっきのロボットが海からに現れたのです!
陸が見えない大海原へ沈めるそうです!するとロボットからこんな言葉が聞こえました
「ザー...ワレワレニハムカウチキュウジンヨ、キミタチノサガシテイルセルリウムハ
モウコノヨニハナイ、フレンズタチハアンゼンナトコロ二ヒナンサセテイル
ソシテパーク二イルモノハミンナワレワレノナカマ二ナッタ、キミタチハココデ
ウミノモズクトナリ、ジゴクヘ...イヤ、テンゴクヘイキナサイ。ザー....」
といいCARSCの隊員たちは最後の抵抗をしたがそれもむなしく
ロボットのビームで軍艦は沈められ...隊員は全員海のもずくとなりました....
おわり
虫喰いでないフレンズ
虫喰い
「俺はお前だけ来れば良かったんだ」
ドブネズミ
「みんながどうなってもいいっていうのか?今までわたしだけを直接襲わなかったのはそのためか?あのくそ暑いところではどう考えてもわたしごと葬ろうとしてただろ」
虫喰い
「そんなことがあったのか?砂漠には手を出していないから、野良のやつだろう。まあ、吹っ飛ばしてやったおかげでおまえは予定より早く来られたようなものなのだからな」
ドブネズミ
「それまで計算済みってか」
虫喰い
「ここまでの旅路の土産話は俺にはいらない。逆におまえに言いたいことがあってずっとここにいるんだ」
ドブネズミ
「なに?」
ドブネズミには、虫喰いの言葉は裏の意味を感じる危険なものにしか聞こえない。現に、セルリアンを利用しけしかけられた経験を何度も仲間とくぐり抜けている。
先ほどの虫喰いの言葉については、これまで一緒にセルリアンに対処してきたアフリカゾウとイエネコのことが邪魔だという内容でとらえて返答した。
ドブネズミ
「それは『邪魔なあの二人を片付けて俺とのコンビを組め』ってことか?そんなにフレンズを片付けたいとは、お前も最早セルリアンと同じに見えるな」
虫喰い
「なんでそうなる。イラ立ち過ぎだ。落ち着け。アフリカゾウにはそもそもこの会話は聞こえていない。そこの鳥のやつにもな」
ドブネズミ
「なっ………そ、それはまたおまえの新しい能力か」
虫喰い
「どうだろうな。じゃあ本題に入るが」
ドブネズミ
「そうだった」
虫喰い
「実はさっきのお前の偏見も、あながち間違いじゃあない。いくら非道に走ったとしても、フレンズを排除したりはしない。本当はお前がマイについて思ってるであろーことについて言うつもりだった」
ドブネズミ
「それはなんなんだ?あまり伸ばすとアフリカゾウが来ると思うがな」
虫喰い
「心配はいらない。そもそも『お前自身』の姿のこと、フレンズについての理解はどれくらいだ?セルリアンとの戦い続きで考えることはなかったんじゃないか?それが今からの話について重要なことだ。俺は研究所でフレンズのこともセルリアンのことも調べ尽くしてから脱出してきたから相当に詳しいつもりだ」
ドブネズミ
「『わたし自身』?」
虫喰い
「フレンズと呼ばれる存在についての基礎知識を、お前自身が理解しているかが、お前や俺を含めたこの島の未来を決める。
いいか?
フレンズはおおまかには『動物にサンドスターが反応して生まれる特殊な動物』なのはマイから聞いてると思う。
ここではお前の行動の理由を明かすために、少し入り組んだ話をする。
今いる生き物に似た別の生き物が少し前の時代にいるように、フレンズにも今いる者に似た別のフレンズが過去にもいる。
俺とお前のことをいう『ドブネズミ』のフレンズが、ちょっと前には『別のやつ』としていたということだ。
その『別のやつ』は『先代』と呼ぼうか。
この『先代』のことは研究所で聞いてると思ったが、何も知らないのか?」
ドブネズミ
「わたしはそんなこと聞いてないな、そんなことがあったとは。
で、それが言いたいことの全部か?」
虫喰い
「まだだ。
『先代』が一体『何があっていなくなったか』が焦点だ。
それは、『コノシマ・マイ』の企みが原因だという説が有力だということだ。
これを、一番お前に言いたかった。
セルリアンをけしかけてきたのもこのためだ」
コノシマ・マイという名を聞いたドブネズミは、その存在を初めて脅威として意識した。
名を本人が明かしたときは何を考えているかわからない、なんとなく怪しさがあるくらいにしか思わず、呼ばれて会いに行ったときも警戒せずに近づいた。
そのときはアフリカゾウが一緒にいて、なおかつそっちが本命の様子だったので気が引き締まらなかったのもあるが。
とにかく、ドブネズミはこの場で初めてマイを不気味に思った。
心当たりが一切ないのにも関わらず。
ドブネズミ
「………お前が、わたしに………言いたいことがなんとなくわかった気がする」
虫喰い
「そうだろう。
お前以外でなければ、俺は敵以外なんでもないやつで終わっている」
ドブネズミ
「お前は他のフレンズとはどこか違うように見えることを、より強く実感するようになったよ。イエネコが警戒するわけだ」
虫喰い
「なんとでも言ってもらっていい。
まあ、お前が心の中で整理がつくまで俺に聞きたいことでも言ってくれればいい」
ドブネズミ
「整理がつくまでか………。
なら、聞きたいことがある」
虫喰い
「いいだろう。何だ?」
ドブネズミ
「どうして、お前はわたしからは誰にも言っていない、思ってることを知っている?
お前とわたしはこの姿では初対面なんだが。老いた人間たちの棲家で別れて以来だろ」
虫喰い
「それか。大ざっぱに言えば直感からだ。
正確には記憶の共有、つまりお前が見たり聞いた物事が俺にボンヤリと流れてくるし、逆に俺の体験したこともお前はなんとなく知ってんだよ。
『この身体』特有の利点ってところだ。
それが、『先代』と『今の俺たち』にも成り立ってて、お前は『コノシマ・マイ』に不信感を持ってる。
つまり、理由はわからないが『先代』はマイに明確に敵意をもってたんだ」
ドブネズミ
「そうだったのか。
わたしのこのマイへの違和感は、過去の別のドブネズミがマイにムカついたことの延長なのか」
虫喰い
「そうだ。
俺に聞きたいことが他に無ければ外の奴らを迎えようか。
今話したことを伝えるかどうかはお前の好きにしていいが、俺からはなるべくやめておくことを薦める。
実感があるこの二人以外だとなにもわからなくて、ちょっと頭が混乱するだろう」
ドブネズミ
「そうか…………………」
ドブネズミは虫喰いの話を受けてやるべきことを見出しつつあったが、二人にこのことを話すのは、実感のないアフリカゾウとイエネコには掴みどころのない話だったと思いとどまった。
もしもそのままに話してしまうと、虫喰いと結託して敵対しているふりをしつつセルリアンに襲わせるよう仕向けていたと思われるのではないか、などといった想像を振り払っていると、イエネコとアフリカゾウが追いついてきた。
アフリカゾウ
「ちょっと!いきなり、飛び出しちゃって、何かあったらどうしようかと、思ったじゃん!」
ドブネズミ
「おお、ごめん。何のために虫喰いが今までこんなことをしてきたかどうしても知りたくてな。結果、やっぱり虫喰いはわたしたちの敵じゃなかったみたいだな」
イエネコ
「ずるいわ、ハヤブサに乗るなんて。ハヤブサはどこにいるの」
イエネコもアフリカゾウに続いて辿り着いた。ドブネズミだけを運んだハヤブサに贔屓の理由を聞こうとしているようだ。ハヤブサは、揺さぶってくるイエネコを面倒くさそうにふり払いながらも話し相手をした。
アフリカゾウは、虫喰いを警戒して不安そうにドブネズミの背後に隠れようとしていた。しかし、後ろに立って肩に両手を置くその行動は、背がドブネズミより低くないために、逆にドブネズミの強力な近距離パワータイプのスタンドに見えるようになってしまった。
ドブネズミは、アフリカゾウに虫喰いをすぐに攻撃する様子がないことを確認してからこの場にいる全員に聞こえるように呼びかけた。
ドブネズミ
「イエネコ、今は忙しいかもしれないがちょっと聞いてくれ。さっき、虫喰いから聞いた話をわたしはこの場で話しておくことにする。わたしは覚悟を決めた」
アフリカゾウ
「ほんと?」
ドブネズミは、つい先ほど虫喰いが話したこと【マイを倒す計画】をアフリカゾウとイエネコにも明かした。先代のドブネズミの件も余さず説明し、情報共有を進めた。イエネコは話が終わった直後、ハヤブサに興味をなくしドブネズミに迫った。
イエネコ
「あんた………そんな突拍子もない話信じるの?そりゃあ、私はあんたじゃあないからものの感じる程度が違うって知ってるわよ、けど。だけど………私自信の判断が一番信じられる。あんたがこれからしようとしてること、やっぱり止めなきゃならない。痛いのはちょっとだけだからおとなしくしなさい、ネズミたち」
ドブネズミ
「待て!わたしは虫喰いの話を信じてはいるが、本当にマイのことを狩ってやろうとしてると思われたら困る!」
イエネコ
「何それ?言い訳はふん縛ってから聞くわ」
虫喰い
「イエネコ………そうか。お前はあいつの家の者だったな」
イエネコ
「虫喰い!無駄なおしゃべりはよしなさい!」
ドブネズミ
「ああっ!話から聞いたこと信じるなら今の言葉も信じるもんじゃあねえのかッ!?お前こそ大人しくしろ!」
イエネコは、ネズミ二人のことが危ない企みをしているようにしか見えなくなっていた。アフリカゾウの力を持ってすればこの場を収めることは容易いが、その力はしばらくの間だけ沈黙することを選び、代わりに虫喰いに耳を傾けた。
アフリカゾウ
「虫喰い。今さっきなんて言った?私の耳が良いのは知ってると思ってたけど」
虫喰い
「ほう。あいつをここまで連れてきただけはあるな。さっき言おうとしたのはそこのネコのアニマルガールのことだが、俺の調べた情報が確かなら、あいつはマイが研究所に連れてきた飼い猫だ。しかも、俺やお前たちと違って、生きた動物がサンドスターによってヒト化している。唯一、奴の想定外の出来事」
アフリカゾウ
「ドブネズミちゃんのことは連れてきたわけじゃないんだけど………そうなんだね。それが関係してるの?ドブネズミちゃんのさっきの話のことは………」
虫喰い
「正直、それはわからない。奴に直に問い詰める以外に確認のしようがない。と、もういいだろう。俺はこれで失礼する。あのイエネコに捕まったら、俺のセルリアンでも逃げるのは難しそうだしな。お前たちは、また多くのセルリアンに出くわすだろうが、俺にはどうしようもない。頑張って、研究所までもどるんだ。調査に協力しているフリをしてな」
アフリカゾウ
「あ、どこ行くの?」
虫喰い
「使えそうなセルリアンをまた調達しに行く。各地の食料の在り処をお前たちのために残しといてやろう。じゃあな」
アフリカゾウ
「ま、まって!ちょっとしか……」
虫喰いは少しだけ離れると地中から現れたセルリアンの中に入り込み、地面の振動で探知できるアフリカゾウにも行方がわからなくなってしまった。
一瞬の出来事のため、アフリカゾウは何が起きたのかが頭中を駆け巡っていた。追いかけっこをしていたドブネズミとイエネコには、急に気配が消えたように感じられ、それまでのハチャメチャが嘘のように大人しくなった。
アフリカゾウ
「どこかに行っちゃった………虫喰い、ドブネズミちゃんに似てるからすんなり話しかけられたけど、やっぱりちょっと怖いな」
ハヤブサ
「そんなことないぞ。やつとはまだ縁を切らずに済みそうだ」
アフリカゾウ
「ハヤブサちゃん?大丈夫だった?」
ハヤブサ
「ああ。やつから仕事の依頼がきた。これでまた私の住処で待つ二人を安心させることができる。急がないと間に合わなさそうなんで、これでしばらくお別れだ」
未だネコとネズミの二人は虫喰い探しに没頭しているため、アフリカゾウだけが飛び立つハヤブサを見送ることができた。
アフリカゾウ
「まったく。あの二人の世話は大変だね。でも、それがいいんだよね」
旅の中では積極的に動き、ドブネズミとイエネコを見守ってきたアフリカゾウはハヤブサと自身を重ねて見ていた。
To Be Continued
29話>> 898
28話>> 813
3ヶ月以上更新が止まってましたが、ちびちびと書き連ねてここまで来ました。ようやく半分くらいの予定です。
絵を描くことでも『虫喰いでないフレンズ』を表現できることに気が付き、だんだん遅くなってきました。
虫喰いでないフレンズ
前話>> 953
次話>> 964
特殊動物部門・飼育員
「おはようございます、コノシマさん」
マイ
「おはよう」
飼育員
「すみません、このような時間で申し訳ないのですが相談がありまして」
マイ
「今は大丈夫です。何ですか、相談の内容は」
飼育員
「はい。先月逃走したアニマルガールのことで…」
マイ
「先月逃走した、か。ドブネズミか?」
飼育員
「いえ、オランウータンです。例の被験体が元の、あの悪賢いのがやらかしていたと思われる事件が発覚しまして」
マイ
「事件?君の担当なんですか?」
飼育員
「はい。あ、いえ、そうなんですが、あの個体についての観察記録は少なくとも抹消すべきです。手に負えませんでした。マスコミが来る前に逃げてくれたのは不幸中の幸いといったところですが………いえ、そんなことよりも!」
マイ
「落ち着いてください。まずは何があったのかを伝えたいんですよね?」
───────────────────
ドブネズミ、アフリカゾウ、イエネコの三人は虫喰いに逃げられる形で別れたことで前に進めるようになっていた。
旅の当初の目的であるセルリアンの調査にかかる作業は、ほとんどアフリカゾウがこなしている。あとの二人は、たまにドブネズミが様子のおかしいセルリアンについての性質を見破ってマイに電話口でそれを伝える以外は何も、役に立っていなかった。つまり、イエネコは途中でメンバーに入っただけで、危機らしい危機での戦闘でしか働きをしていないのである。仕方ないというアフリカゾウからすれば、イエネコは研究所のことを知らないらしく、調査用の道具の使い方を何一つ知らない上に、無理にやらせる必要はないということだった。ドブネズミも大方はアフリカゾウと同意見だ。そうは言えど、アフリカゾウがおいしいと言う果物が残りわずかになって揉めたときにそれを我がものとするために上述のことを引っ張り出し、十分な働きをしている自分こそが得るべきなのだと力説した挙げ句に実力で負けて取られている。
負けず嫌いなドブネズミも少しは策を弄することで勝利を収めることもあるが、基本的にドブネズミにとってのイエネコは面倒な隣人 となっていた。
イエネコ
「なによ」
ドブネズミ
「なんだとうっ」
この小競り合いを鎮めることが可能なのは、もはやアフリカゾウただ一人といっても良かった。アフリカゾウは今日も、諍いを鎮めるべく山のように立ちふさがる。
アフリカゾウ
「もう。私は『二人で分ければいい』っていったよね」
イエネコ
「分けたわ。分けたんだけど、2つとも狙ってくるから意味がないのよ」
ドブネズミ
「元は1つなんだから2つになっても同じことだろ」
イエネコ
「すぐそーやってわからないこと言う」
アフリカゾウ
「はいはい、スマトラゾウちゃんのマンゴスチンは美味しいし簡単に分けられるんだから。ちぎってちぎって、はいぱくっ」
ドブネズミ
「はむっ」
イエネコ
「あ、ずるい!」
アフリカゾウ
「イエネコちゃんの分もあるよ。はい」
イエネコ
「ありがとう。助かったわ」
アフリカゾウが溜め込んでいる果物を頬張りながら向かう先は、岩礁地帯である。
イエネコが虫喰いを追っていた理由の、セイウチが虫喰いの被害に遭っていたということについて、虫喰いに直接会ってからアフリカゾウが疑問に思ったため、そのことを確かめに行くところだった。イエネコが言うには、寝ていたところを姿を見せずに突かれたということらしい。言い換えれば、ちょっかいを出していたという。逃げ去る間際にちらりと見えた姿を聞くにはドブネズミと虫喰い以外に該当する者は居らず、ドブネズミがヒトの姿を得る前の事件となると虫喰い一人に絞られる。しかし虫喰い本人から聞き出すことはできず、会って話してみて考えられる性格からは、とても虫喰いがそのようなことをするとは思えないとアフリカゾウが反論したのだった。
ドブネズミは、これまでに聞いてきた虫喰いのものと思われる言葉もすべて本人が考えたこととすると本人説を捨てるのは危ないとして、セイウチに会って確かめるべきと主張した。さらにドブネズミはもう一つの可能性として、特殊能力が備わったセルリアンの犯行という説を唱えるものの、話し合いの末、それを確定するには尚早と決まり、セイウチのいるところまで行くことになった。
そうして、談笑しながら海へ近づく一行は、一際目立つものを見つけた。それは無人の船であった。
岩礁に完全に乗り上げた、サビだらけの船舶が居座っていた。遠洋で漁をするためにそれなりの機能が備わっていたであろう、大きさについてはまともな船だった。ただし、塗装が剥げているどころではなく操縦席の窓ガラスは割れ、至るところにフジツボやカイメンのような生物の跡が残っていた。構造物の劣化を著しく抑えることで知られるサンドスターの影響が及ぶ島に上陸しているものが、見るからに劣化していた。これほど朽ちているものをアニマルガールが見れば、まずは一定の好奇心が湧き上がるというもの。
ドブネズミ
「ヒエ〜ッ、こんなものがなんでここにあるんだ?」
イエネコ
「きったないわね………近寄らないようにしましょう」
アフリカゾウ
「不気味ぃ………この船だけが目を引くくらいボロボロだねぇ………」
口々に光景の感想を言っていると、誰かが近づいて来た。比較的大柄なフレンズのようだ。
「こんにちは〜、どうかされました?あ、アフリカゾウさん」
アフリカゾウ
「こんにちは!うん、オランウータンちゃんだっけ?」
「うん、あたしはオランウータンだけど、『フォーエバー』って呼んでほしいな。『永遠』って意味だったかな?みんなはなんていうの?」
イエネコ
「『オランウータンのフォーエバー』?私はイエネコだけど」
ドブネズミ
「よお、フォーエバー。ドブネズミだ。これのことか?あんまりに朽ちてるもんだから気になってたんだよ。まさか、これはお前の物だと言う訳じゃあないよな?」
オランウータン
「いいえ、まだ今は『誰のものでもありません』。これから自分の者にしようとする方がいらっしゃらなければの話ですが」
イエネコ
「うぇ………欲しいんならそんなもんすぐに持ってっちゃいなさい。見たくもないわ。セルリアンが取り付いた後みたいだものね」
アフリカゾウ
「そういうことなんだ、なるほど。イエネコちゃん、これはセルリアンが取り付いた物ってこと?なら、見張っていれば向こうから現れるんじゃあないかな?」
イエネコ
「いいえ、それは違う。セルリアンが一度取り付いてボロボロになったものには興味を持たないはずだから、『ボロボロにされる前』に似てる物を探せばいいと思うわ」
セルリアンの性質という重要な情報を突然話したイエネコに、ドブネズミは体を向けて問いただそうとした。
ドブネズミ
「イ、イエネコ?それ、いつ知った?セルリアンのことをそんなに知ってるなら、もっと早く教えてくれれば良かったのに」
イエネコ
「セルリアンらしい動きのやつはあんたと会ってからでは、見つかってないのよ。あんたのその変な力のせいじゃない?ドロォってなっちゃうやつ」
ドブネズミ
「『ラット』はわたしの一部だ。アフリカゾウも、似たような力を身に着けたところだ。ハヤブサと会った頃にな。お前にも早く目覚めるといいな」
いつものギャーギャー騒ぎを二人で始められては困ると、アフリカゾウは早めに切り上げて先を急ぐことにした。
ドブネズミもイエネコも、素直に従ってフォーエバーへ向き直り別れの挨拶をした。
アフリカゾウ
「ちょ、ちょっと二人とも!フォーエバーちゃん、ごめんね。あの船はもういいみたいだから、またね」
フォーエバー
「ええ。ありがと。またね」
イエネコ
「キレイにするっていうなら、また見に来てやってもいいわよ!じゃあね!」
ドブネズミ
「セルリアンと会ったらわたし達を呼んでくれよ!『パッセンジャーズ』とは知り合いだから、気軽に相談してくれると思うぞ!いつかまたな!」
フォーエバー
「ええ、わかった。ありがとうね。またねぇ………………っ」
(ナイスすぎる!アフリカゾウ、知り合いを連れてくるとは!グフフ、流石にここまでくれば人間共も厄介なスタンド使いも来られまい!独り占めのときは来たんだよォ!フォッホホ!)
時をドブネズミ一行が朽ちた船舶との出会いの半日後、島の研究所職員が同所研究員の相談に乗っていた。
「突然ですが、ドブネズミのアニマルガールについてご存知ですか?」
「え、ええと、申し訳ありませんがわかりません。その子はどのような子ですか?」
「はい。ドブネズミの名に違わない泥くさい生き方を好むような性格です。とても直感的で、迷いがない。ところが、それだけではありません。既に仕組まれたシナリオに則って動いているかような感じがあるのです」
「うん?それは、単に迷いが無ければ、そう見えることもあるのではありませんか?」
「いいえ、彼女の記憶に動物の頃の思い出がある可能性が高いと考えられる部分が見つかっているのです。これをご覧ください」
「はい。これは、現在のドブネズミのアニマルガールの資料ですか?」
「そうです。現在の(ドブネズミのアニマルガールの)個体は、たった二匹で町の外の田園地帯に放されたことで危険と見做され、駆除されたというのです。しかも、『人間社会にとっての危機』というほどの大げさに聞こえる文言があるのです」
「『大げさに聞こえる』?まさか、それが事実だなんておっしゃるんですか?」
「はい。わたしも目を疑いました。しかし、あの巨大な財団が関わる資料ですから、信憑性は決して低くありません」
「こ、怖い話ですよね、まさかそんな動物の死体をこの研究所に運び込んでいたなんて」
一人が話を丁度終えたタイミングで、二人のいる部屋の扉をノックする音が三度響いた。
この部屋は資料室となっており、研究に携わる職員(研究員)が主に人事の業務をしているもう片方(事務員)を呼びつけて相談していた。
ところが先程のノックで会話を盗聴されたと思った研究員は、焦ったのか身を屈めてやり過ごそうとした。
一方、事務員は扉を叩いた者を見ようと、入口まで行き返事をして開けてしまった。
扉が開いた音がした方に振り返った研究員は思わず大声を上げて事務員を呼ぶ。
それと同時に扉が開き、部屋の前に立つ者の姿があらわになった。
マイ
「こんばんは。こんな時間に調べ物ですか?」
「こんばんは。あれ、コノシマさん。
ぼくはなんでここにいるんでしょう?
いえ、何でもありません。研究資料を拝見するのもこの離島での数少ない娯楽の一つなので、お許しください」
マイ
「いえいえ、謝らないでください。問題ありませんよ。夜も遅いので、早めにしないと、身体に毒です」
「それもそうですね。これで失礼します。おやすみなさい」
マイ
「おやすみなさい。………………………………」
事務員の姿が視界から消えたのをみて、マイは部屋に入った。そして、部屋の隅々まで覗き誰もいないことを確認してから部屋を後にした。
そして翌日からも、誰もいないその部屋の表札『資料室』は、その研究員を見ることはなかった。
【LB・GT】
グラ…
火山性地震だ。
今年もそんな時期か・・・
噴火が起こり、またフレンズが増えるようなら、個体ごとに合ったジャパリまんの準備・増産が必要になる。
それがもしセルリアンだったら・・・僕たちにはどうしようもないけれど…
見回りをしていると、草むらの中に「帽子」を見つけた。
・・・メモリーを検索するまでもなく見覚えがある…ような気がする。
近付いて観察してみる・・・
そんなことがあるだろうか?
「ミライの被っていた帽子・・・?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
???
「・・・はパークに遊びに来たお客さんじゃないんですよ!
こんな事態を引き起こしたのは、私たちの責任でもあるんでしょ?
なのにフレンズさんたちのために出来ることもせず、置きざりにして逃げようなんて・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
???
「ラッキー、留守をよろしくね。
きっと、また・・・ あ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
???
「フレンズや私たちにとって、とても大事なものが埋設されていることがわかりました。
その場所は・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いけない、久しぶりに発作トリップを起こしてしまっていた・・・
アライ
「キエァァァァァァァ! ボスがシャベッタァァァァァなのだー!」
フェネック
「ホントだね~ 初めて声聞いたよ~」
マズい! 聞かれてしまった!?
好奇心の強い2人だ。
しつこく問いただされると厄介なことになる。
ドーーン!!
アライ
「噴火なのだ?」
フェネック
「噴火だね~」
サンドスターが降り注ぎ、その1つが帽子に当たる。
「!」
セルリアン化の方か!?
グラグラッ…
アライ
「のだーーーー!」
フェネック
「アライさ~ん、どこに行くんだ~い?」
アライ
「落ちてるだけなのだーーー!」
アライさんはバランスを崩し、崖を転げ落ちていった。
フェネックはそれを追い掛け、ゆっくり降りていく。
ギャグ補正を味方につけているアライさんだ。 放置しておいても大丈夫だろう。
帽子の方に目を向けると、幸いなことにフレンズの形が立ち現れてくる。
その個体を軽く一瞥すると、僕はその場を去った。
(ヒトのフレンズか・・・ 初めてだな)
そんなことを考えながら・・・
僕の名前はラッキービースト。けもの の従僕(LACKEY BEAST)」に甘んじている。
ここ、ジャパリパークのガイド見習いロボットだ・・・った。
過去形なのは試験官だったヒトが居なくなってしまったからだ。
今は他の機体と同じく「
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かつて僕をガイドロボに育て上げようとしたミライさんは、実は自称パークガイドだ。
最初はガイドになるつもりで就職し、研修を受けたらしいが、
本人曰く「フレンズさんたちの余りのかわいらしさ」に衝動が抑えきれず
何かとコミュニケーション(という名の接触)を図るので、上からガイド失格の烙印を押されている。
確かに、展示品に手を出すガイドなんて非常識にもほどがある。
それなのに隊服を着て、バスを乗り回し、問題行動を繰り返していながらクビにならなかったのは、
パーク七不思議の1つに数えられている。(残り6つは募集中だ)
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そんな「ヒトに任せる」ことに懲りたのか、上層部はロボットに白羽の矢を立てた。
ラッキービースト計画・・・僕もその1体だ。
ジャパリまんの配給・施設のメンテが主な業務だが、
牧羊犬のようにフレンズを管理・監視する役目も任されている。
なにしろフレンズは力が強く、知能もそれなりに備わっている。
反乱を起こして、または島から脱走→ヒトに危害を加えるようなことがあってはならない。
表向きこそ「けものの従僕」だが、実質は「けものをヒトに従属させる」ためのコントローラーであり盾だ。
そこに<私情>があってはいけないのだ。
そんな中、ガイドロボのプロトタイプとして開発された僕だったが、
プログラムに不備があることが発覚し計画は頓挫。 僕は処分される寸前だった。
それを「記録媒体として使うから」と言って拾ってくれたのがミライだ。
恐らく「似た者同士」だったからだろう。
自分の「ガイドになる」という夢を僕に託したかったのかもしれない。
(少し性癖を抑えれば良かっただけのような気もしたが…)
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いつものようにさばんなちほーの巡回と配給を終えた僕は思い出に浸っていた・・・
僕はいつまでこんなことを続けるのだろう?
今度は、何年も考えて答えの出ない問いを頭の中で繰り返す。
明日はどうしよう・・・このまま茂みに隠れてボイコット?
そんな非現実的なことも頭をよぎる。
可能か不可能かで言えば出来ないことではない。
他の機体と違って僕には<心>があるからだ。
そのせいで不良品扱いされスタッフの手で廃棄されるという心配も、今となっては無い。
ふとサーバルのことを思い浮かべた。
僕を含むLBたちがどれだけ機械的(ビジネスライク)に接しても、
やった仕事に対しては必ず笑顔で「ありがとう」を言う良い子だ。
(これに関しては他のフレンズも例外ではないし、<ボス>と呼ばれるのも実は面映ゆい)
おともだちになろうよ、と言われたこともある。
僕だって、その気になれば・・・
「・・・夜行性だから!
きゃぁ~~!!」
そんなことを考えていると、当の本人の声が聞こえてきた。
「サーバルちゃん!あぶないよぉ」
続けてサーバルとは別の声が聞こえた・・・
!?
驚いた。 ミライと声紋が一致したからだ。
思わず草むらから出て、サーバルの呼び掛けも無視して歩み寄る。
ミライだ! そう直観した。
風貌こそ似ても似つかないフレンズだったが、間違いない!
ーというか、そんなことはどうでも良かった。
これはガイドロボット試験の続きなんだ!
僕は<心>を押し殺して話しかけた。
「初めましテ… 僕はラッキービーストだヨ よろしくネ」
こうしてLB と愉快な仲間たちのGT (壮大な旅)が今、始まる・・・
1期をボス視点から見た物語ですね?
ボスも旅を楽しんでいたように見えましたから、何を考えて一緒に行動していたのか意外と語られていないので面白そうです
あくまでプログラムに沿って行動していたようにも、
感情が芽生えたようにも見えるボスが
何を思ってかばんちゃんたちと旅をし、何を得たのか?
その辺を書いてみたいと思います。
ボス視点はとても斬新ですね。拝読させていただきます。
最近見つけた、とある方の考察→当時の考察の1つ
・・・から話を組み立てました。
裏ストーリーみたいになっていれば、と思います。
【LB・GT】
「君の名前を教えて 君は何が見たい?」
かばん
「か、かばんって言います。 図書館が見たいんですけど…」
僕はこの時、かばんを「君」と目上呼びし、お客さん扱い・・・
ーすることを隠れ蓑に実はミライを重ねて見ていた。
今思うと悪いことをしたと思う。
でもこの時の僕は「ガイドロボ試験の続きが受けられる」という考えで頭がいっぱいだったのだ。
「わかった、としょかんまでのルートを検索するヨ
その前にジャパリパークについて話すネ
ジャパリパークは気候を元にして幾つかの地方に分かれているヨ
それぞれに動物 植物が展示されているんダ
まず大きく5つの気候帯に分離、
フレンズと呼ばれる生き物達で彼女らは動物やその遺物と… あ・・・」
いけない。
ミライから
「ラッキーはガイドに夢中になると周りが見えなくなるところがありますね」
とよく注意されてたんだっけ・・・
???
「えー、おほん! テストテスト!」
サーバル
「あれ?」
???
「えーテステス。 聞こえますか? こちらさばんなちほーです」
続けて<発作>まで起こしてしまった。
サーバル
「びっくりしたよー。 ボスが喋れたなんて・・・
初めて聞いたけど、不思議な声してるんだね」
(マズい・・・)
サーバル
「みんなボスとお話したいと思うよ。 なんで今まで喋らなかったの?」
僕はこれ以上変に思われたくなくて押し黙り、呼び掛けられても無視を押し通し、
それでいて本気で怒っていないかと顔色を窺うしかなかった・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
明くる日。
ガイド試験の課題は、
『かばん(と付き添いのサーバル)をジャパリとしょかんに連れて行くこと』
に決まった。
もし、かばんが
「ぼくが何のフレンズか分かりますか?」と聞いていたら、その場で終わっていたところだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いざ始まってみると、試験内容は散々なものだった。
最初の方こそちゃんとガイドも出来たと思うし、かばんたちも観光を楽しんでいたが、
じゃんぐるちほーではツタに絡まり、橋が落ちていたことに落ち込み、
バスの充電のために山を登ろうとしたらロープウェイが無くてパニクったり、
さばくでスタックした時は砂嵐が目前に迫っていたこともあり、頭(どころか全身)が真っ白になってしまった。
これ以外にも、バスを目前にした途端、いの一番ではしゃいでしまったり、
ガイドにかこつけてトキにささやかな報復をしたことで、かばんを危険に晒したり・・・
「もうボスにはガイドを頼まない!」と言われても仕方ないような仕事ぶりだった。
実を言えば、バスさえ手に入れれば僕がいなくてもオートで任意の場所に送り届けることは可能だった。
なのに、それを申し出なかったのはもちろん解雇を恐れて、だ。
でも悪いことばかりではなかった。
ミライも言っていた。
「観光はアニメと同じで生き物です。
景色1つとっても初見では気付かなかったこと、2周目以降では新たな発見があったりするんです。
お客さんによっても何に注目するかが違う。
だからガイドは紋切り型で案内するだけではなく、
お客さん1人1人に寄り添いつつ、楽しむ手助けをするべきなんです」
この時は『ちょっと何言ってるか分からない』状態だったが、今なら分かる気がする。
「ほら! 大きい川に出るよ!」
きっとジャガーも渡し船の仕事をツライとは思ったことはないはずだ。
それは、乗るお客さんと『楽しみ』を共有することが出来ていて、
『ツアーコンダクターとしての喜び』をそこに見い出せていたからではないだろうか?
かばんたちも、僕の披露するパークや動物の知識には素直に感心してくれたし、
新たなちほーに入るたび変化する景色に驚いたり・・・
ちょっと気を抜くとガイドという立場を忘れ、一緒に観光を楽しみそうになっている自分がいた・・・
ついに(なんとか、だが)かばんをジャパリとしょかんに送り届けるという任務を果たす瞬間がやってきた。
・・・達成感はもちろんあったが、同時に不安も覚えていた。
自分でも薄々気付いていたが、『ガイド失格』という烙印を押されたら・・・
僕はどうしたらいいのだろう?
しかし試験の合否は伝えられなかった・・・
当然だ。
ガイド試験だと思っていたのは僕だけで、かばんたちにそんな気はさらさら無かったのだから。
・・・落胆と、そして安堵を覚えていた。
僕はどうしたいのだろう?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
一方で、かばんたちは次の目標を設定し、旅を続けることになった。
僕は「ヒトがどこにいったのか」を質問されなかったことをいいことに、頼まれてもいないガイドを続けた。
追試が受けられる、と思い込むことにして・・・
この時の僕は本当に自分勝手で、かばんやサーバルの気持ちなんてこれっぽっちも考えていなかったのだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ヒトの足跡を辿るというはっきりしない目的
ーに付け込んで、実質はミライとの思い出の地を巡っていた。
ミライ・・・
かばんもいずれはミライのように島を出て行ってしまうのだろう。
その時はサーバルもさばんなに帰ってしまうだろう。
そうなってしまえば、ガイドとしての僕は・・・?
考えたくないことだった。
『それまでの時間』を少しでも伸ばしたかった。
いっそビジネスとしてでなく、この2人と自由に旅が出来たら・・・
みずべちほーでPPPからヒトの情報を得た後、
直接「みなと」に行くことも出来たのに、あえて遠回りしたのは、そんなエゴも働いていたかもしれない・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「いや~、セルリアンの調査に来て、温泉が見つかるとは~…」
「こんにちはー 今日はロッジにやってきましたよー」
<発作>の回数も目に見えて増えていた。
ミライがパークを去った後、録音された音源をよく再生して想い出に浸っていた。
初めの頃こそ『いつか戻ってくるに違いない』というモチベーションに繋がっていたが、
『もう戻ってこない』という諦めに変わってからはヤメていた。
ーはずなのだが、ミライの帽子を発見してから意図せず再生するようになってしまった・・・
もしかしたら、かばんにミライだった頃の記憶を取り戻して欲しかったのかもしれない。
<失敗>も相変わらず続けていた。
ゆきやまではスタックを解消して調子に乗っていたらフリーズ(物理)してしまったし、
ろっじでは例の<発作>のせいで、かばんに濡れ衣を着せるところだった。
それでもやっぱり2人は、
ヒトでもフレンズでもない僕をのけものにしたりはしなかった。
時間稼ぎも限界に達し、ついに『みなと』に着いてしまった。
それまでも予感はしていたが、かばんはそこで決定的な言葉を口にした。
「サーバルちゃん…
僕、海の外に人を探しに行ってみたい」と。
正直、失望した。
かばんはやはり島を出るつもりなんだ。
ミライと同じように、僕たちを置いて・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
黒セルリアン、そしてハンターたちと出会ったのち、
僕はヒトにとって都合のいいパークの維持・管理・安全に関する条項を盾に、
サンドスター山に1人で行くことにした。
しかしそれは表向きで、実質は職務(かばんたちのガイド)の放棄だった。
何をするつもりでもなかった。 ただ現実から逃避したかっただけだ。
二度も捨てられるぐらいなら今度は自分の方から、という気持ちもあったかもしれない。
一人になりたかった僕の気持ちと裏腹に、かばんたちは付いてきた。
表面上こそ かばんたちを気遣うようなことを口にしていたが、内心穏やかではなかった。
かばんは周囲をよく観察し、僕の<発作>からも情報も得て、
黒セルリアンと対峙するハンターのサポートをしようとしたり、四神のレリーフを探したりと、
僕なんかよりよほどガイドらしいことをしていた。
そこまで考えが至った僕の感情は、とうとう暴発を起こしてしまった。
「大量のサンドスターローが放出されました。
超大型セルリアンの出現が予想されます。
パークの非常事態につき、お客様は直ちに避難して下さい。
ここからの最短避難経路は『ひので港』になります。
非常事態につき、お客様は直ちに避難して下さい」
かばん
「ラッキーさん、今はそんな場合じゃ…」
まったく、かばんの言う通りだった。、
パークを、そしてフレンズを守ろうとしている、
自分より能力的に優れたかばんに嫉妬し、追い出そうというのだから・・・
でも、この時の僕は完全に我を失っていた。
ボス
「だめです。
お客様の安全を守るのが、パークガイドロボットのボクの努めです。
直ちに避難して下さい」
どの口が言うんだろう?
今更なにを取り繕っているのだろう?
僕の本心は・・・
「どうせかばんは。
ミライと同じように。
そしてお客さんがおうちにおかえりになるように。
僕たちを捨ててパークを出ていくんだ!」
ーのクセに・・・
かばん
「ラッキーさん、ぼくはお客さんじゃないよ・・・
ハッとした。
やっと気付いた。
そうだ。
叶うことのないパークガイドの立場にしがみついていたのは僕だ。
『パークの掟に縛られること』に不満を持ちながら変えようとしなかったのは他ならぬ僕だ。
僕(しもべ)に甘んじていたのは、この僕の方だ。
だけど、
かばんは、
サーバルは、
お客とスタッフではなく、
上も下もなく、
同じ目線で僕と接してくれていたじゃないか!
かばん
「・・・みんなにすごく助けてもらったんです。
パークに何か起きてるなら、みんなの為に出来ることを…したい」
「・・・留守をよろしくね。
そしてラッキー、私はあなたとも出会えて本当に幸運でした。
私はもう、あなたに何もしてあげられないけど・・・
これからは、ガイドとかフレンズとかじゃなく、あなたの思うままに生きて欲しい」
なぜ忘れていたのだろう?
こんな大事なことを・・・
やっと冷静さが戻ってきた。
多分、ミライとの繋がりは『ガイドであること』しかない、
それを捨てたらミライとの別れを認めてしまうことになる、と思い込んでいたからだろう・・・
自分を偽ることで自分を守ろうとして、大事なものを見失っていた。
そし目の前の大事なものを自分から失おうとしていた・・・
僕は、かばんとミライを重ね合わせて見ていたことを今更ながら申し訳なく思った。
ミライはヒトの原作で、かばんはフレンズ。
同じでありながら違う存在なのだ。
そんな簡単なことに気付かなかった自分が情けなかった。
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でもかばんは、サーバルは、そんな僕のそばに居てくれた。
僕の居場所を作ってくれようとしていた。
僕の居場所を守ってくれようとしている。
ここを離れる決意をしたミライと、島を出ることを諦めたかばん。
どちらの選択が正しいかは分からない。
それぞれに出来ることを精一杯しているだけだ。
それなら僕は…?
いや『ボク』にしか出来ないことは・・・?
「分かったよ、かばん。
かばんを暫定パークガイドに設定。 権限を付与・・・」
実を言うと、そんな権限はボクには無い。
でも敢えて、そうウソをついた。
1つはフレンズたちを守ってくれるであろう、かばんに自信を持って行動してもらうため。
だからフレンズより格上に。
もう1つはボクがこれからやろうとすることに異を唱えられては困るから。
だから正ガイドであるボクの下に置いた。
誰に認められなくても、自分でそう決めた。
利用されるのではなく、利用する。
これまでは従僕として盾になる立場を求められていたが、
これからは上の立場としてフレンズたちを守る。
それがパークのガイドのもう1つの意味『導き手』としてのボクの役目!
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作戦会議は、かばんに助言するという形で、実質ボクが支配していた。
黒セルリアンは最初からボクが刺し違えるつもりでいた。
しかし黒セルリアンの能力は想定外だった。
サーバルが、そしてかばんが「ああいう行動」に出るのも想定外だった。
緊急通信で他のLBに助けを求めていたところを博士たちに見つかったのも想定外だった。
かばんの救出には成功したとはいえ、そのために多くのフレンズを危険に晒すことになった。
やはりボクはガイド失格なのかもしれない・・・
でも当初の予定通り、黒セルリアンを道連れに炎に包まれた船ごと沈みながら、
フレンズの誰も欠けることなく守り切る、という最低限の役目を果たせたことを誇りに思った。
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ーはずだった。
僕は砂浜に横たわっていた。
ボディこそ失っていたもののメモリーも無事だ。
「3人での旅、楽しかったヨ」遺言 のつもりでもあった。
あの時のセリフは思わずこぼれた本心だ。
そして
恐らく耳の良いサーバルに聞かれたことでフラグが折れてしまったのだろうか。
沈みゆく船では、
「サーバル、かばん、
キミたちに出会えて、とても幸運だったよ。
もうキミたちに何もしてあげられないけど・・・
ボクのことは忘れて思うままに生きて欲しい」
ほとんど聞こえなかっただろうけど、そんな遺言のやり直しまでしたのに・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2人はボク(の残骸にしか見えないもの)を手に泣いている。
『感動の再会』を演出するには良い頃合いだろう。
タイミングを見計らって、あえて日常的なセリフで声を掛けた。
ボス
「おはよう、かばん」
サーバル
「うわぁぁぁぁ! シャベッタァァァァァ」 (ノ・ω・)ノ⌒◇
ぽちゃん…💦
ボス
(ヲイ! サーバル、てめぇ! せっかく生き返ったのに殺す気か!)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
かばんたちは予備のボディに換装できないかと知恵を絞ってくれたが、ボクは謹んで辞退した。
むしろこのままの方が、かばんとは離れずに済むからだ。
ついでにボクは、かばん・サーバル・博士・助手に「フレンズと喋ることが出来る」というネタばらしをした。
(そもそもヒトのフレンズである、かばんと喋っていた時点で規約違反だったのだ)
それを聞いて、サーバルは堰を切ったように喋りかけてきたが、
(ほとんどはボクの知っている『この旅』についてのことだった)
そこはネコ科フレンズらしく、一晩話を聞いてやったらまんぞく…した。
面倒だったのは、たまたま『としょかん』に来て、それを聞きつけたツチノコだった。
禁則事項(今となっては有名無実だが)にズバズバ切り込んでくるのはまだしも、
『パークに関するありとあらゆることについて』を尽きることなく聞いてくるのだ。
見かねたかばんが
「ご自分で調べて発見した方が達成感があるんじゃないですか?」
と助け船を出してくれたおかげでやっと落ち着いた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そんなこともあって
『限定的であればフレンズと喋れる』
ところを他のフレンズたちの前で見せておいた方がいい、と博士たちが言い出した。
確かにリカオンなんかにバレたら大変なことになるだろう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「うーがお たべちゃうぞー」
「たべないでくださーい」
「サーバル、タベチャダメダヨ」
あんなに練習したはずなのに、ちゃばんちゃんたちの演技力ぅは壊滅的だった。
おかげで、つられたボクも機械的な反応になってしまった…
このやりとりは、このあと他の何人ものフレンズに付き合わされたこともあって、
ボクの中では思い出したくもない黒歴史だ・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ふぅ、最後に一回は乗っておかなくちゃね・・・」
サーバルの提案で乗った観覧車でボクは、ミライの声を再生した。
かばんたちには何のことだか分からないだろうけど、ボクにとってはどうしても必要なことだった。
ボクが前に進むために。 ミライとの決別の儀式として・・・
もう、ミライの声を再生することは無い。
<発作>を起こすこともないだろう。
ボクは音声データをメモリー内のフォルダに仕舞い、厳重に鍵をかけた・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
こうしてLBはミライに Good bye & Thank youを告げたのだった・・・
近日投稿(予定)~エピローグ~に続く・・・
泣いた😭
ラッキーさんには少なからず自我があったようにみえましたから、こんな事を考えてサーバルかばんと一緒に行動をしていたのだと思うと泣けてきます
影の主役ですね
いやぁ・・・
今回はいつものギャグをほとんど封印して心情描写に振ったので、
どんな反応が来るか心配でしたが、伝わって良かったです。
丁寧な心情描写での一期の再解釈、思わず映像が頭の中で構成されるほどに魅力的でした👍
エピローグも待ってます。
そう言って頂けて大変まんぞく…
黒セルリアンを外に出る手段(船)と共に沈めることを提案したかばんは、結局パークに残ることになった。
(かばんを引き留めるためもあって、そう仕向けたのはボクなので少し罪悪感…)
だが外の世界に未練が無いわけではないらしい。
サーバルが昼寝をする時間を見計らっては『としょかん』に通い、
蔵書やパークの過去の記録・資料を読み漁り、
「ヒトについての情報」「他の移動手段」が残っていないかを調べていた。
サーバルも、気配でかばんが居なくなるのを察知できるほどの野生は残っていたので、
そのことには気付いていた。
そこで、サプライズプレゼントをするのだと言う。
目の前にフレンズたちの協力で作られた船を出されては、さすがのかばんも断れないだろうという見立てだ。
サーバルもかばんの性格をよく分かっている。
こはんコンビ、じゃんぐるコンビ、ゆきやまコンビが中心となってバスの改造を進めるのを、ボクも手伝った。
(主にかばんが寝ている夜の間だ)
例えば、潰れたタイヤ(いつの間にか『まんまる』と呼ばれるようになっていた)は
他のバスから取るように言い、地図データも博士たちに渡した。
(博士たちはアライさんたちに任せたようだが、果たして間に合うのだろうか?)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
観覧車を降りた後、プレゼント(船)を渡すというイベントは、
かばんも素直に受け取ったことで成功裏に終わったに見えたが、その日の晩のうちに独りで島を出ると言い出した。
恐らく博士たちの『合わないちほーでの暮らしは寿命を縮める』発言が大きいのだろう。
(まったく余計なことを言いやがって、あの長たちは…)
予想できていたとはいえ、このままでは『3人での旅』が終わってしまう。
そこでボクは一計を案じた。
頑固ではあるが、押しには弱い性格であることを把握しているのはボクも同じだ。
そこを突けばいいのだ。
意外だったのはサーバルの反応だった。
一生懸命笑顔を取り繕ってはいたが、かばんの提案をあっさり受け入れた。
(てっきり駄々をこねる→かばんが宥める、というやり取りを一度はすると思っていた)
だが、一方のサーバルも付いて行きたい気持ちを無理して抑えているのは見れば分かる。
そこを突けばいいのだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ボクは、まず
「ゴコクエリアにはセルリアンが大量にいるらしい」
などと適当なことを言ってサーバルの不安を煽った。
更に『おともだち』の上位互換に『ふうふ』という関係があるのだが、
一定期間以上離れ離れになってしまうと効力を失ってしまう。
かばんはサーバルにその資格があるかを試そうとしている。
こんな回りくどい方法を取っているのは照れてるだけだ、と吹き込んだ。
サーバルはあっさり信じ、こうざんのガケノヴォリ並みにやる気を漲らせていた。(ちょろい)
そして、としょかんコンビ、ばすてきコンビ、LBたちも動員して客車の改造に当たらせ、
サーバルには、かばんを後から追うよう指示した。
サーバルが付いてきてしまえば、かばんも性格的に追い返したりは出来ないはずだ。(ちょろい)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ついに出発の日がやってきた。
しんみりとした空気が『みなと』を覆っている。
フレンズたちはそれぞれ思い出を語ったり、はなむけの言葉を贈ったりと別れを惜しんでいた。
演技力ぅですかねぇ…
この後の展開を知っている(というか演出した)ボクは、笑いをこらえるのに必死だった。
一方のかばんも、すっかり上達したキノヴォリを披露し、一人でも大丈夫なことをアピールしている。
フレンズたち
「おおーー!」
ダメだ、まだ笑っちゃダメだ・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
かばんは、やっと船に乗り込んでくれた。
「バスのときと ほとんど変わらないよ。 じゃあ、行こうか」
操作に戸惑っているかばんに、そう言葉を掛けたが、ぎこちなくなってしまったかもしれない。
ジャガー
「おーい、平気かー!」
ツチノコ
「だいじょぶそうか~!?」
カバン
「あは、あははは」
(なにわろとんねん、こっちは必死で笑いをこらえとんのに)
船
「ビ、ビーー!」
キョウシュウエリアが瞬く間に小さくなっていく。
かばん
「ラッキーさん、島が見えてきたよ。
あの島にも名前ってあるのかな?」
ボス
「ゴコクエリアだね。
管轄が違うから僕も詳しく知らないけども。
キョウシュウと同じように幾つもちほーがあったり・・・
今もフレンズがいる可能性があるね」
(・・・・・・)
サーバルの乗る客車が追い掛けてきたのをGPSで把握した。
そろそろ頃合いか・・・
「デデ…デンチ・・・ バスの電池が…」
ちょっとわざとらしくなってしまったかもしれないが、充電が切れたフリをしてバスを止める。
かばん
「えぇ… ここで!?」
思った通り、かばんはちっとも疑っていない。(ちょろい)
サーバル
「ストップ、ストーップ!」
がしゃ~ん!
(お。 追い付いてきたな)
かばん
「うぇっ!?
あ、サーバルちゃん、みんな~!」
(ん? みんな?)
見るとアライさんとフェネックまで同乗している。
「ちょ…! なんで付いてきてんの!?」
これじゃ『3人での旅~第二章~』計画が台無しじゃないか!
フェネック
「アライさんがどうしても『ふねてき』なものにも乗りたいって聞かなくてね~
まあどうせ、向こうに着くか着かないかって辺りでなんかやらかして
パーティーを離脱することになるからさ~・・・
アライ
「ふぇねっくぅーー!?」
フェネック
「・・・そしたら3人水入らずの旅が出来るよ~」
! 見透かされてる!?
やはりこの女狐だけは侮れない…!
フェネック
「なんか失礼なこと考えてない~?」
(・・・こぇ~)(;゚Д゚)
????
「なになに? どこ行くのー?」
かばん
「あ、あなたは何のフレンズさんですか?」
サーバル
「おともだちになろうよ」
ボス
「ちょっと! まだ話は終わってないよ!
何、勝手にメンツを増やそうとしてるの!?」
かばん
「たうぇ…」
サーバル
「え~ なんで~? いいじゃなーい」
アライ
「ボスがたくさん喋ってるのだ…」
フェネック
「意外と独占欲が強かったんだね~」
フェネックにだけは言われたかないが・・・
そう。 本来のボクはお喋りだ。 ボクの方こそ、ずっとフレンズたちとお話ししたかった。
それに調子乗りなところもあるし、わがままだし、隠し事もする。
実は、まだサプライズがあった。
メモリーからゴコクエリア以降のガイドデータを全消去したのだ。
(何度も「本当に消去しますか?」と聞かれてブチ切れそうになったが、なんとか丁寧に対応した)
一種の賭けだが、この子たちは呆れはしても怒ったりはしないだろう。
え? なんでそんなことしたのか、って?
理由は簡単だ。
帰ってきた頃にはメモリーの容量は、そんな想い出でいっぱいになっていることだろう。
『ボクのフレンド』たちとの・・・
こうしてLB と愉快な仲間たちのGT (壮大な旅)が、また始まる・・・
・ラッキー=LACKEYだった
・ボスは最初から意思を持っていた
・一期の流れを基本なぞる
・・・ぐらいで、そんなに細かい設定を作らずに書き始めましたが、
途中からはボスの掌の上…と言うか、筆者の思惑を超えてボスが物語をグイグイ『導いて』くれました。
ボスは有能なガイドです!
ちょっと腹黒くても本性は「3人で旅をしたい」なボスの物語、ありがとうございました。
自分の願いを貫くのはキレイゴトばかりじゃないけど、
それが純粋な想いからであれば叶うのがジャパリパークなのです。 きっと…
完結お疲れ様でした
3人目の主人公の心境を垣間見るお話、とても楽しく良い話でした👏
こうやって見てみると、ボスがけものフレンズという物語において必要不可欠な存在だったのだなというのがよくわかる物語でしたね
今頃はゴコクエリアを3人ですっちゃかめっちゃかしていることでしょう…
最後まで読んでいただきありがとうございます
この作品で、さばんなトリオの名は伊達じゃないことを証明できたと思います
虫喰いでないフレンズ
強い魂の持ち主 その②
(小説サイト・ハーメルンへのリンク)
長くなってしまったのと、内容がアブナいのでリンクとさせていただきます………
「風よ。僕はどこへ進めばいいかな?」
気高く聳え立つ峠は沈黙を貫く。
峠を吹き抜ける風は彼の真後ろから吹き付け、進む方向を教えた。
「はいはい。それじゃあ、向かおうかな。」
風を頼りに、ものぐさな少年は、歩みを始めた。
なにかの縁でここにきた。理由はわからない。年は十六。名はアルベルト。流れゆく風に身を任せた彼は、峠を一気にかけ降りた。
目前に広がるのは壮大な景色。こんな場所なら動物や鳥の一匹いるはずだが、見当たらない。
奥には建物と港らしきものが見える。あいも変わらず風に導かれ、港へと足を進めていた。
時々誰かに視線を向けられているような気もしたが、特に注意することもなく、進んでいった。
一つ大きな船が止まっていた。とても先進的な船。いかにも高速船のような風貌している。
港には数人人がいた。しかし、話す気にもならなくて、ただ淡々と足を動かした。
バサッ
何かが視界を奪った。どうやら紙のようで、見てみると封筒のようだ。中身を見ると、まるで幼児が書いたような下手な字で手紙が書いてあった。幸い読めないことはなく、名前と思われる欄にはカタカナでドールと書かれており、何度か誰かによる修正が加えられている。言葉と書き記された場所を頼りに足を進めようと決めた。
風にはお礼をして、自分の気持ちの赴くまま、進むことにした。
情景描写が上手いなぁ
盗み見習いたい唐突に謎の超短編SS始動!
博士
「まだ動く『機械』があったので設置してやるのです」
助手
「やたら電気?を食うのでココに置いておくのです」
アルパカ
「重くて大変だったでぃしょ〜? 紅茶でもどぅぞぉ〜」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ぎ〜〜〜
アルパカ
「あらぁ〜 いらっしゃ〜ぁい、って自販機くんじゃなぁい、どしたのぉ?」
自販機
「・・・! ・・・!」💢
アルパカ
「私に怒ったってしょうがないでぃしょ〜? お店の方にだってお客さん来ねぇんだからぁ〜」
トキ
「あら、ここじゃない?」
ぎ〜〜〜
アルパカ
「あらぁ〜 いらっしゃ〜い。 ねぇねぇ、なんに飲むぅ〜? コレにぇ…
自販機
「・・・! ・・・!」(^o^)wktk
かばん
「あのぉ、電池を充電出来る所がココにあると聞いて・・・」
アルパカ
「あぁ、それなら・・・」
自販機
「・・・」 orz
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1時間後・・・
バターーン!
かばん ☕
「たうぇ!?」
トキ ☕
「なに? あなたも私のふぁん?」
自販機
「・・・! ・・・!」💢💢
アルパカ ☕
「だぁってぇ〜 お客さん待たせる訳にはいかないでぃしょ〜?」
〜つづく〜
【がんばれ自販機くん】
自販機
「・・・!」
アルパカ
「え? 店にお客さんが来るようになったのに誰も買ってくれないってぇ~?
う~ん・・・もっと前に出て、がんがんアピール?してみたらどうかなぁ~?」
自販機
「!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
トキ ☕
「ねぇ、アルパカ。
あの自販機、なんであんな崖っぷちに立ってるのかしらね?」
つづく?
誰も買わないってことは伊藤園の自販機かな(売ってるラインナップが微妙)
今回は、
買いたくても自販機くんの前に立てないくらい崖っぷちに居る、ということです
カバ
「ふ~ やっぱり運動不足かしら?
足がパンパンになった、というサーバルを笑ってられませんわね・・・!?」
目の前に自販機くんが立ちはだかる。
カバが無視して横を通り抜けようとすると・・・
∈= ⊂(・∀・)つ = ⊂(・∀・)つ =3
自販機
(カバでぃ カバでぃ)
カバが右から行こうとすると自販機も右に、カバが左に動くと自販機も左にと
さながら2人でダンスでも踊っているようだった。
トキ ☕
「ん? 何してるのかしら?」
カバ
「なるほど。 大口勝負をしたいと」
自販機
(!?)
カバ
「確かに『取り出し口』は横に広いですわね」
ブン(゚Д゚;≡;゚Д゚)ブン
カバ
「行きますわよ!」
(ノ>Д<)ノ マッテマッテ!
パッカーーン!
ミ( ノ_ _)ノ
カバ
「大したことありませんでしたですわね」 …歩
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1. オリフレのみ掛け合い
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
B787(未登場) X B747LCF
B787(未登場)
「きみには恩がある。ぜひそれを返したいんだ。」
B747LCF
「どうも。でも、君はフレンズを運ぶことに専念してくれ。...僕の貨物室で扱えない奴もほんの少しだけだけど、頼むね。」
B787(未登場)
「ありがたい。先輩として尊敬するよ。」
A380 X B787(未登場)
A380
「君が787か。最近のボーイング社の製品、なんか不具合多くない?」
B787(未登場)
「私の問題も、B737MAXの問題も、数年前の話です。一概に製品が悪いわけじゃないですよ。」
A380
「まあ、問題はすべての製造会社じゃつきものか。」
63系 X N700S
N700S
「旧国の電車に出会えるとは、フレンズになるって巡り合わせにはいいのだな。」
63系
「へえ。お前は、相当速そうな見た目してるな...。一度乗せてくれよ。その速さ、実感してみたい。」
N700S
「わかった。最新の走り、戦後の電車に見せてやる。」
F-35 X Tu-22m(未登場)ゼロ戦 にでもこの話を吹っかけるのはどうだ?」
F-35ライトニングⅡ
「ロッキード・マーティンの飛行機は俺以外いねえか。まだ少ないとは聞いていたが。」
Tu-22m(未登場)
「それを言えば俺らのミグとかスホーイもまだ少ないな。アントノフはあのでかい奴らがいるがな。」
F-35ライトニングⅡ
「なあ、また
Tu-22m
「悪くない。奴に戦争の時の話を聞いて今後の俺らの糧にしよう。」
An-225ムリーヤ X マヘリ様(きまぐれヒコーキ様)
ムリーヤ
「マヘリ様、どうしたんです?僕を呼び止めて。」
マヘリ様
「ムリーヤ、すまないが、じゃぱりまんをくれんか?せめて、1kgは...。」
ムリーヤ
「500gで我慢してください。ほかのフレンズさんの分がなくなっちゃいます。」
マヘリ様
「そ、そんなぁ~。腹が減って倒れてしまうぅ。」
空水 X スナドリネコ(名無し(bc4ef@b0782)様)
空水
「スナドリネコさーん。また何かあそばない?」
スナドリネコ
「いいが、今度は何をするんだ?」
空水
「じゃあ、このペットボトルを一回転させて直立させるのはどうかな?」
スナドリネコ
「お、いいぞ。前にサモエドとやったから得意なんだ。」
タタレアⅠ X タタロボ(名無しのカンザシ様)
タタレアⅠ
「姉さん~、なんか世間話しようよ~。」
タタロボ
「オレノコトヲ「姉さん」トヨブナ。ヨンデモラッテイヤナキハシナイガ。」
タタレアⅠ
「やっぱりもっと「姉さん」と言い続けたほうが良かったかな?」
タタロボ
「ソウイウモンダイジャナイ!」
タタレアちゃんかまってちゃんですこです!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
2. フレンズXオリフレとの掛け合い集
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
F-35ライトニングⅡ X ハクトウワシ
F-35ライトニングⅡ
「...きみ、本当にアメリカのハクトウワシかい?」
ハクトウワシ
「な、なによ。私はちゃんと英語だって話せるもの!」
F-35ライトニングⅡ
「...ホーネット(F/A-18)、トムキャット(F-14)、ラプター(F-22)に来てもらって、お前に1から英語を教えてやろうか?」
Tu-22m X ハヤブサ
ハヤブサ
「私よりも一回りも二回りも大きいな。でも、どうせ遅いのだろう?」
Tu-22m
「確かに爆撃機という役割だが、俺でもマッハ2は出るんだ。舐められちゃあ困る。」
ハヤブサ
「じょ、冗談ではないのか?」
Tu-22m
「冗談だったらこんなに公言は出来ないぞ。」
ハヤブサ X はやぶさ(E5系)
ハヤブサ
「名前が似てるな。フォルムもきれいだけど、それで何キロ出るのよ?」
はやぶさ
「あー、320Km/h。君と競争したら初速は負けるけどすぐに追い越せるかな。」
ハヤブサ
「の、乗り物は恐ろしい...。」
はやぶさ
「あはは、人が作り上げた技術の結晶は便利だしすごいものが多いのさ。」
月光(581系) X ホワイトライオン
月光
「おーいホワイトライオンさん、もう終点ですから起きてくださいよー。」
ホワイトライオン
「うーん...。くりーみー....。」
月光
「...まあいいです。運用はずいぶん後ですし、このまま寝させてあげましょう。」
230G形蒸気機関車 X アミメキリン
アミメキリン
「あなたは、ヤギね!」
230G形蒸気機関車
「推理点がおかしい、そもそも外見でわかるのになぜわからない?私の推理では、あなたはどこかでものすごい思い違いをしている。」
アミメキリン
「グッ!お、おかしいわ。ホラー探偵ギロギロを毎回購読してるのに...。」
虫喰いでないフレンズ
短編
ミツヅノコノハガエル
わたし、ミツヅノコノハガエル!ミツコノって呼んでね!
得意技は、木の葉隠れの術!
木の葉がぶわ〜ってなって、そのうちにササっと隠れるんだ!
潜ったとき枯れ葉と見た目が同じだからかくれんぼで見つからないんだ!
でもあんまり見つからないと………
ミツコノ
「ししし、まだまだ隠れられるよ〜」
ヤブツカツクリ(ツクリ)
「はぁ…疲れたなあ。また明日にしようか」
「え〜〜〜!?帰っちゃうの!?ツクリぃぃぃ」
「ミツコノちゃん、見つけた!ゴメンねえ、そろそろ帰るよ。家の温度をみなきゃいけないし、ね」
「見つかった〜。う〜ん、お家を温かくしないとどうなるんだっけ?」
「大事なものを温められなくなっちゃうの。ミツコノちゃんは葉っぱがないと『このはがくれ』できないよね」
「そうだったね。葉っぱつながりだから、わかるよ。また明日ね〜」
「うん!明日ね。じゃーねー」
ツクリはヤブツカツクリのフレンズなの。
葉っぱを集めて山盛りにして、その中で『だいじなもの』を温めてるんだって。
葉っぱを全部どけないと『だいじなもの』は見られないんだけど、終わってから見てみた方がいいって言うからそのときまでのお楽しみ。
明日はなにしよーかな〜
(本来の名前を短縮した呼び名があることはNEXON版の世界観を意識していたことの名残です)
大まか設定
鉄道のフレンズは帽子を筐体として車両を呼び出すことができる。基本的に呼び出し状態で列車を運転し、もちろん置いておくことも可能だ。呼び出した電車は普通のフレンズが動かすことはできない。呼び出し状態の鉄道フレンズは帽子がない。
個々の鉄道フレンズの紹介
・月光
581系電車のこと。交流専用の寝台列車。
名前は581系だが、なんだか愛称として言うにはしっくりこないので、普段は「月光」と名乗っている。
寝台特急の中で、当時のサラリーマンを支えた車両ともあり、どんな人にも優しく接する。
・明星
583系電車のこと。交直両用の寝台列車。
こちらも愛称としてしっくりこないので普段は「明星」と名乗っている。
581系とは双子のような関係。性格も似ているし、声も似ているので、二人がいると、どっちがどっちかわからない。
違いを見抜くには電流の種類を見るか頭の帽子のミニ電車のマークを見ればいい。
・出雲・瀬戸
285系電車のこと。本当の名前は「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」。
普段は「出雲」「瀬戸」と名乗っている。瀬戸用編成と出雲用編成の両方がいる。
581系と583系以上に見分けがつかない。でも区別はあるらしい。性格は二人とも明るいほうである。
・瑞風
87系気動車のこと。電車ではなく気動車。
普段は「瑞風」と呼ばれている。ちなみに本当の名前は「Twilight Express 瑞風」。
乗車チケットがないと乗ることができない。しかし、サービスは一級品。
どちらかといえば慎重派である。
ここは、鉄道のフレンズたちが拠点とするパークセントラルに仮設置された駅舎。たくさんのフレンズたちが様々な場所へと行くための玄関口でもある。現在時間は午前8時。この時間は多方面から寝台列車たちがやってくる。現在ホームには明星が停車し、行先表示を変え出発まで待っていた。
そこにサンライズ出雲・瀬戸がやってきた。彼らはアンインちほーからフレンズたちを運んできたようである。たくさんのフレンズが降りてきた。眠い目をこすって歩き出すものから、すっきりしたような顔で出てくるものもいた。
全員が降り終わったあと、明星のもとに出雲、瀬戸がやってきた。
瀬戸
「いやーただいま。今日も疲れたな。明星、お前の車両のベッドで寝させてくれよ。」
出雲
「賛成~。僕も今日は疲れちゃった。何せ瀬戸と一緒に連結して運転してたものですし今日は特にフレンズが多かったのでサービス対応結構疲れました~。」
明星
「いいよ~。俺は普通に月光待ってるし、ゆっくりしてきな。」
出雲・瀬戸
「わーい!じゃあ寝てくるね!」
明星
(狭いけど承知だよね。)
さっさと出雲・瀬戸は眠りに行った。
しばらく待っていると午前9時頃に月光がやってきた。ホートクちほーの交流区間がある路線からやってきた。
さっきの出雲・瀬戸のように全員が降りた後に月光が疲れた顔して降りてきた。瑞風が車内を見回った後に月光と一緒に明星と駆け寄ってきた。
明星
「月光兄さんお疲れ~。というか瑞風君も一緒なんだ。」
瑞風
「たまたまホートクちほーで試運転してた時にワンマンで月光先輩が運転してたから、乗務員の名目で乗らせてもらってたんだ。」
月光
「ほれ、明星よ今日の弁当だ。」
明星
「どうも。今日も特殊弁当みたいだね。」
瑞風
「どこが特殊なんだ?ただのサンドイッチの弁当じゃないか。」
明星
「幕の内弁当以外の弁当は全部特殊弁当っていうんだよ。」
月光
「国鉄時代の分類なんだけどさ、結局特殊弁当とか言いながら別に特殊でも何でもないんだよね。」
なんとなく雑談をしながら、その後を過ごしていた。
彼らはその後、581系の寝台の中でゆっくり眠った。
風が吹き荒れる山。その火口近くで、事が行われていた。
意識が、朦朧としていて、以前までの記憶が、ない。覚えているのは、強い衝撃で誰かに叩かれたことだけ...。
前に立っているのは...だれ?人じゃない変な物質に触られている感じがする。
「...コレデ、アトツギガデキタ。ワタシノ子トナレ。」
何を言っている?私はセルリアン。ただただ人の体をして、人と特徴が似ているだけのセルリアン。...いやもうそう思い込む必要もないか。
体に感覚が戻り、とっさの判断で前にいた者を殴りわずかな隙間から逃げた。
「...予想外、ダガカナラズツレモドシニイクゾ。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
隙間から逃げて地上近くの洞穴に出た。ただ感覚がまた鈍りだした。
...話し声が聞こえてくる...誰?
ウレ
「...でさー、あの後が面白かったんだって。もぐりこんでそばまで行ってフレンズの顔の目の前に出てやったら赤っ恥かいて逃げて行ったんだよ。食いはしないけど、驚いた顔はフレンズもセルリアンもやっぱ面白い。」
よかった、セルリアンみたいだ。
アハル
「おい、あんまりやりすぎると、ハンターにつぶされちまうぞ。」
でも、今度は完全に力が入らなくなってきてる、せめて一言...。
「...あ。」
ウレ
「大丈夫だって、コアは常に地中の中だ。大丈夫だ...よ?」
ウレは何かに気づいた。
アハル
「どうした?ウレ」
ウレ
「いや、アハル後ろを見ろよ。」
手形のセルリアン、アハルは後ろを向く。そこには倒れた誰かがいる。
同じ手形のセルリアンのウレは、その姿を見て何か既視感を覚えている。
ウレ
「おい、こいつって女王に引っ張られてったセルリアンじゃないのか?」
アハル
「そんな気がする。確か、女王は後継ぎを探してたはずだ。」
セルリアンの女王は、近頃自分の体に限界が来ていることを察知して、自分の跡継ぎを複数探していた。
その一人がこの人型のセルリアンだという。ウレとアハルはこのセルリアンを起こす方法を考えた。
ウレ
「そうだ、あの石畳置くのはどうだ?」
そう言って自分の体で近くにあった日が差している石畳を指差した。
アハルは少し疑念を抱きながら言った。
アハル
「これ、こいつの何になるんだ?」
ウレ
「もしかしたら起きるかも。アハルだって、この石畳で復活したろ?」
アハル
「まあ、そうだが...。」
ウレ
「物は試しだ。さあ、石畳に運ぼう。」
そう言ってウレとアハルは石畳に人型のセルリアンを乗せた。
やがてその体が淡い光に包まれ始めた。その光は輝きを増す。
ウレ
「なんだこれ!目が、目がぁぁぁぁぁ!めっちゃまぶしい!」
アハル
「これ、本当に蘇生してんのか?」
やがて衝撃波が起こったようで、二匹ともそれで吹っ飛ばされた。
人型のセルリアンは起きていた。
「...ここは、どこ?」
ウレ
「起きたみたいだな。俺はウレ。ここは最高の場所さ。」
アハル
「アハル。そう呼べ。で、お前は?」
そう聞かれたものだから返答に困った。
私は、何なのだ?言葉が浮かばず、もごもごしているとウレが言った。
ウレ
「こいつには名前がないみたいだな...アハル、名前つけてやろう。」
アハル
「え、でも勝手にいいのか?」
ウレ
「いいだろ。...そうだな、お前の名前は『ガレイン』にしよう。ガレイン話を聞かせてくれよ。」
ガレインと名付けられたそのセルリアンは、口を開いてその返答に答えた。
ガレイン
「ああ、じゃあ私のことを話そう...。」
続く。
新企画始動!
【SS制作中】
これまでいろんな形式・ジャンルのSSを書いてきましたが、
今回は日記(不定期になると思いますが)風に『創作過程・工程』をありのままにさらけ出し、
SSとして完成(?)するまでを見て頂こうという試みです。
(ぶっちゃけ、ガチのぶっつけ本番なので、失踪の可能性は50%くらいあります)
〈登場人物〉
・フルル(フル畑任三郎)
・アオカゲ(ウマ泉くん)
・シロサイ(サイ園寺くん)
・PPP
・マーゲイ
・ヨシゴイ(ヨシさん)
・アミメキリンorダブルスフィア
〈大まかな話〉
フル畑任三郎VSヨシさんVSギロギロ組の推理対決?
はい。
見ての通り「何も決まってない」も同然です。
昨晩の田村正和さんの訃報、トコろんさんの『フル畑任三郎』イラスト、
カンザシさんの『ヨシゴイ』に関するコメントから着想しました。
ただ僕は古畑は観てましたけどうろ覚えだし、
刑事コロンボはほとんど知りませんし、
新たなトリックなんて思いつきません。
そもそもフレンズが事件を起こす、という発想もありません。
果たして完結するのか迷宮入りするのかは、カミさんのみぞ知ると言ったところでしょうか・・・?
???
「犯人は『インド』を冠するフレンズの中で唯一ハブられたことを腹に据えかね、マーゲイを〇〇した」
???
「どうして? 出番が無いのは脚本家であるタイリクオオカミのせいでしょ?」
???
「それは犯人が立場上タイリクお姉さまに意見できないフレンズだから・・・」
???
「だから犯人はマーゲイに手を掛けるまではしなかった。
逆恨みであることは分かっていたから」
???
「! ということは?」
???
「つまり犯人は・・・!」
~映画館~
アライ
「一体どうなるのだ?」
フェネック
「なに言ってるのさ~ 犯人はインカだよ~ 最初にネタばらししてたでしょ~」
アライ
「お~ さすがフェネック。 聡明なのだ」
しかし・・・
画面手前からインドオオカミが登場すると、カメラの前でカレーなダンスを踊り出す。
観客「ざわ…」
更に奥からインドゾウとインドホシガメ、
右からインドサイ、左からインドガビアルが登場してダンスに加わる。
観客「ざわ… ざわ…」
それだけに留まらず、どんどんキャラが増えていき画面いっぱいに・・・
これまで劇中に登場したフレンズが並んで息の合ったダンスを披露する。
パンカメ
「ナンでござるか、これは・・・
コナン劇場版みたいな映画を期待してたらインド映画が始まったでござる」
ニホンツキノワグマ
「いや、エンディングかと…」
アライ
「どういうことなのだ?
結局犯人は誰だったのだ?」
フェネック
「ん~ 犯人のインドオオカミがダンスシーンのトップバッター兼ソロパートを務めるということで
マーゲイと和解した、ということかな~?」
アライ
「お~ きっとそうなのだ。 名推理なのだ!」
フレンズたちがポーズをキメると画面は暗転し、ある文字がデカデカと映し出された。
【ジ・インド】
インド推し()になったのは、
1、ヨシゴイ(ヨシさん)に加え鬼のジャパ警を出そうと調べてみると面子の2/4がインド系で「多いな」と思ったのと、
2、雑談スレでの「恋ダンス」談義(インド映画=ダンスというイメージ)
⇓
ラストを唐突な展開にしないために、随所に伏線を張っていくことにする。
映画が当たったら次回作として「王様のリストラ」を
→フルル「それを言うならレストランでしょ?」 コウテイがリーダーから降ろされるのか?というツッコミ
「振り返ればヤクがいる」
→フルル「それを言うならヤツでしょ」 それはヤクが居るの?それともシマナメ? どっちも怖いよ
「真マヌル」
→「真田丸…かなぁ?」 よく分かったな! なんで分かるんだよ? 三谷さんってフレンズなの?
「きっとウマくいく」
→「それはインド映画で、三谷さんじゃないね」 だからなんで分かるんだよ!
マーゲイ
「せっかくPPPが映画に出るんですから、歌って踊るシーンも入れたいじゃないですか」
(序盤なので、それらしい理由で伏線臭さを消しておく)
コウテイ
「そういうもんかなぁ…?」
鬼のジャパ警(ハシビロ・ヨシゴイ・インドサイ・インドガビアル・インドホシガメ)の登場時、
誰かに「やたらインドフレンズが多いな」とツッコませる。
・映画館の売店メニューをポップコーンから「カレーとラッシー」に変えるよう圧を掛けている博士と助手
・インド神話(シヴァ・ガネーシャ)? とフレンズ(シヴァテリウム・インドゾウ)
など・・・
こういう制作過程の試行錯誤が見れるって中々斬新なSS
すげえ勉強になる
自分でも「基本に忠実だ」とは思ってないので、応用が効くかはまた別問題ですけどね…
どこか一部でも参考にしてもらえれば幸いです。
伏線は張るんじゃなくて逆算して後から置くと効果的になるとか、
起承転結の順番にこだわらず、出来るところから作っていくとか・・・
でも他人がSSを作ってる道中って中々みれるもんじゃないから面白い
SS作ってるヒトじゃないと意味わからないかもしれませんけどなw
〈マーゲイの映画愛編〉
マーゲイ
「でも、もし私がPPPのマネージャーをさせて頂いてなかったら
映画監督をやってたかもしれませんね」
ジェーン
「そう言えば先代のマーゲイさんは、サーバルさんを主役に海賊映画を作ってたとか…」
イワビー
「サーバルが主役って・・・大丈夫なのかぁ? それ」
コウテイ
「だけど今回は推理モノなんだな」
プリンセス
「そう言えばそうね。 どうして?」
マーゲイ
「私もPPPのことを調べるために[としょかん]にはよく出入りしてまして。
その時に製本を頼みにくるタイリク先生とも面識があったんですよね」
フルル
「あ〜 『ホラー探偵ギロギロ』〜」もぐもぐ…
マーゲイ
「はい! それだけでなく、としょかんにはDVDもありまして・・・
観てたらすっかり[みたにおにいさん]作品のファンにもなりまして、
いつかこんなドラマや映画を作れるようになりたいなと」
プリンセス
「じゃあ、どんどん夢が叶っていってるわけね」
ジェーン
「そのお手伝いが出来るなら私たちも嬉しいです」
マーゲイ
「ありがとうございます!
実は、この『フル畑任三郎VSPPP』が当たったら次の構想もありまして・・・」
イワビー
「気が早ぇな」
コウテイ
「おいおい、PPPライブのことも忘れないでくれよ?」
マーゲイ
「大丈夫です。 両立出来ますから!
それでですね。 次回作のタイトルは『王様のリストラ』にしようかと」
コウテイ(白目)
マーゲイ
「映画の話ですよ!?」
フルル
「それを言うなら『王様のレストラン』でしょ〜」 もぐもぐ…
イワビー
「皇帝でもねぇじゃねぇか! あとフルルは何でそんなことまで知ってんだぁ?」
マーゲイ
「その次が『振り返ればヤクがいる』でしょ?」
ジェーン
「それはヤクさんが背後に立ってるんでしょうか?
それとも今回シマ泉さん役をしてるシマナメさん?」
プリンセス
「どっちでも怖いのは変わらないわよ!」
イワビー
「ジェーンも配役には詳しいな!」
フルル
「それを言うなら『ヤツ』だよ〜」もぐ…
イワビー
「だからフルルは何でそんなに知ってんだ?」
マーゲイ
「それから『真マヌル』!」
プリンセス
「その三谷さんて、もしかしてフレンズなの?」
イワビー
「いや、マーゲイがボケてるだけだから…」
フルル
「真田丸…のことかな?」 もg…
イワビー
「よく分かったな!?」
ジェーン
「あぁ、そっちですか! シン・マヌルって読んじゃいましたw
すべてのマヌルネコさんに、さようならを告げるのかと…」
イワビー
「ジェーンもなんでそんなこと知ってんだ!?」
マーゲイ
「そして『きっとウマくいく』で締めたいですね」
フルル
「そんな作品あったっけ…?」 ごくん
プリンセス
「やっと食べるのをヤメたのね…」
イワビー
「フルルにも知らないことが!?」
ジェーン
「それはインド映画ですよ。
あとフルルさんて古畑さんて言うより『L』っぽいですよね」
イワビー
「まさかのジェーンが知ってた!
しかもまた別の作品の話まで持ち出してる!?」
マーゲイ
「せっかくPPPが映画に出るんですから、歌って踊るシーンは入れたいじゃないですか」
プリンセス
「え!? 私たちもさっきから言ってる映画に全部出るの!?」
コウテイ(白目)
ジェーン
「またコウテイさんが気絶してます…」
イワビー
「ずっとだよ! 作者にプチリストラされてな!」
マーゲイのボケに→フルルの知ってる修正→イワビーのツッコミを中心に
他のキャラを絡ませます。
この時大事なのは「らしさ」と「裏切り」
本家と同じことをさせているとキャラ崩壊は防げますが、二時創作の意味がありません。、
かと言って、あまり掛け離れたことをさせると読者は付いてこれなくなります。
その辺の匙加減が、二時創作の難しさであり面白さです。
今回はマーゲイとジェーンに「裏切り」役をしてもらいましたが、
他のキャラが「らしさ」全開なので、それほど違和感は無かったのではないでしょうか?
※後で読み返して「このキャラはこんなこと言わない」が無かったかのチェックは重要です。
あと気を付けるのは、
キャラが多いと空気キャラが生まれやすいことです。
発言機会がゼロのキャラが無いように気を付けましょう。
(今回はコウテイが早々に気絶してくれたので助かりましたw)
まんべんなくキャラを際立たせることの難しさは最近身をもって知ったぜ
特にちょっとギャグ寄りのシーンはどうしても使いやすいキャラに頼っちゃう感あるからそこら辺は知識を増やしてもっとギャグの幅を広げたい
オリフレの場合は特にそうですね
ボケ側orツッコミ側なのか、天然派orメタ派なのか?
などを把握して適材適所で使えるようになれるといいのですが…(僕も修行の身)
冒頭部を務める犯人役と、ラスト(予定)が決まったところで、軽く全体の流れを考えましょう。
(本来は最初に決めておくのがオーソドックスなやり方なんでしょうけど、
僕は思い付きと勢いで始めちゃうので…)
・・・・・・・・・・・・・・・・・
〈序〉
インドオオカミ
「ヤったわ… これで私が・・・」
ボスネットの画面の向こうでは血の海の中で倒れ伏すマーゲイ(指で五角形を描いている)
〈1〉
PPPとマーゲイ、映画のリハーサル
QK中に映画への熱い想いを語る
ボスネットでインドオオカミから着信→マーゲイ退場
タイリク&アミメが映画の脚本について相談に来る
他の容疑者もマーゲイにクレームを付けに来る
対応が大変なのと、戻ってくるのが遅いので呼びに行くと
マーゲイは部屋の中で倒れていて、周りは血の海
〈2〉
鬼のジャパ警(&ヨシゴイ)がやってきて捜査開始
アミメキリンやフルルと、どったんばったん大騒ぎな手掛かり探し&推理合戦
「分かった! 犯人は・・・」
〈3〉
〜映画館〜
スクリーンではインド映画さながらのダンスパート
戸惑う観客たち
フェネックの推理で種明かし(ラスト周りは要修正)
〜ジ・インド〜
昨日は完全にSSのことを頭から切り離していたので進捗無し。
今日も忙しくて掛かり切りにはなれなかったのですが、
かと言ってこれ以上間を置いてしまうと失踪の元なので、こういう形に…
作り方として、どこかのパートに根を詰めた方が作業は進むのですが、
その分、消耗が激しかったり時には嫌気が差すこともあります。
そういう時は全然違う(気楽なギャグ)パートだったり、
今回のような「作業の進め方」自体を考えたりして頭のリフレッシュをします。
(失踪防止にもなる)
終盤が近付くにつれ、逃げ場が無くなっていきますけどね…
〈1〉から「ボスネットでインドオオカミ・・・」を削除
タイリク&アミメが来て、
「マーゲイの発案通りのシナリオを書いてきたが、本当にこれでいいのか?」
マーゲイ
「F畑任三郎でも最後に踊ってたじゃないですか」
タイリク
「かなり毛色が違うと思うが…」なとなど
※F畑がK事コロンボのオマージュ作品であることも触れる。
※博士と助手から「映画館の売店でインドカレー・ナン・ラッシー」を提供すると言伝あり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
鬼ジャパ警チーム&クロサイ登場
「また盗撮?」
→インドフレンズたちがオーディションを受けにきたので、その付き添い&見学
インド系多い(伏線)&スマトラサイだけいない(ミスリード)
→インドサイに上着を羽織らせる(伏線)
アオカゲが登場。
どうしてキャストから外されたのか、と問い詰める(メタ)
マーゲイたじたじのところにボスネットに着信→また後で
→納得いかない、と追い掛けるが「見失った」と戻ってくる。
・・・・・・・・・・・・・・・・
マーゲイはオーバーワーク?
クレーム処理
さっきの盗撮って?
実はマーゲイはウブで、着衣状態のPPPしか隠し撮りしてない。
コウテイのプラネットツアーズカードも直視できず、鼻血を吹きそうになっていた。
→インドサイに上着&アオカゲにたじたじだったのも、ヘソ出しだったから。
インドフレンズ「オーディションはいつ?」
戻ってくるのが遅いので部屋に行くと血の海。
真犯人の手口に繋がる伏線、
他の容疑者の動機に繋がるミスリードを置くために修正。
基本ふざけた作風ですが、締めるところは締めておかないと
読者に見限られてしまいますから・・・
プロット段階で一発OKだったら・・・と思わないでもないですが、
案外プロでも何度も手直ししてから世に出してるんじゃないでしょうか?
【F畑任三郎】
田村正和さん追悼をきっかけにスタートしたこのSS。
古畑任三郎=フル畑任三郎(フルル)の出オチと思わせて、
最後にFェネック(フェネ畑任三郎)が美味しい所を持って行くというヒネったタイトル。
なかなかタイトルが決められなくて・・・
ラストがインド推しなのでそっち方面のタイトルもちらっと考えたのですが、
古畑とかコロンボとか推理対決とか煽っておいてそれは無いしなぁ…
そんな中、フェネックが種明かしをするという内容にしたのなら・・・イニシャルFじゃん!
ーという訳でこのタイトルに。
<タイトルの種類>
1.まんま
2.最初は意味が分からないが、読み進めて行くうちに分かる
3.ダブルミーニング(2重・3重の意味を持たせたもの。 これも一種の伏線系)
普段ならこの辺りで、投稿の目途が立ったと判断して【予告】を出しているタイミングですかね。
煮詰まってない部分も多々ありますが、
「何とかなるだろう」という楽観的な予測と、背水の陣を敷いて「逃げ」を防ぐ意味もありますw
なるほど、だましうち的にフェネックを持ってくるとは面白い展開
なんとなく流れは決まってきた感じだけど、実際ss作製やってみてすごく思うのはこのあたりまでは結構すんなり決まったりするけど、このへんから一気に難しくなってくるんだよなあってことですね
どういじっていくか興味深いのだ
マーゲイ
「では、シーン3 リハーサル行きます!
3、2、1・・・👉」
サイ園寺(シロサイ)
「被害者はPパプのマネージャー兼プロデューサーのMーゲイさん。
鼻から大量に出血したことが原因ですわ」
シマ泉(サバンナシマシマオオナメクジ)
「これは、ほらKープペンギンの仕業ですよ!
Iドル志望のKープがPパプに加入したくて
マネージャーのMーゲイさんに直談判したけど、
『へべれけキャラはプリンセスさんとかぶっちゃいます」とか言われて、
カッとなってヤっちゃったんですよ。 きっと…」
💥🙆♀️
シマ泉
「アタッ! おでこをはたくのはヤメ…
塩!? それはもっとダメです! 塩を構えるのは辞めて下さい!」
F畑任三郎(フルル)
「キミねぇ… 憶測だけでKープちゃんを犯人扱いしちゃいけないよぉ。 もぐもぐ…
あと本人は見えてないことをいいことに飲酒してない、って言い張ってるんだから
そこは信じてあげないとぉ… むしゃむしゃ…」
マーゲイ
「はい、カットー!
いいですよぉ、3人ともその調子です!
では次のカット、ペパプ登場のシーンを・・・」
コウテイ
「ちょっと待ってくれ」
マーゲイ
「はい、何でしょう?」
プリンセス
「なんなの? そのMーゲイとかKープとか・・・」
マーゲイ
「イニシャルトークってやつです。
知りません? 暴露系のトーク番組や雑誌で誰のことか分からないように…
実は本人さんたちには許可を取ってないので・・・」
ジェーン
「え? もしかしてタイトルの『F畑任三郎』も・・・?」
マーゲイ
「はい。 もしバレたら怒られると思います」
イワビー
「だったらもっと上手く隠せよ! バレバレだよ、Kープとか・・・
あとアイドルをイニシャルにするなら『A』だろ!?
・・・『Aイドル』にしたところで隠す意味ないけどな!」
マーゲイ
「そうですか…?
では、脚本はタイリク先生と相談して練り直します。
ひとまずQKにしましょう」
フルル
「あとスゴい今更なんだけどぉ、シマナメちゃんて喋れたんだねぇ」 もぐ…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
タイトル決定に伴った修正。
F畑(古畑やフル畑でないこと)の違和感をギャグで薄める。
マーゲイ
「では、シーン3 リハーサル行きます!
3、2、1・・・👉」
サイ園寺(シロサイ)
「被害者はPパプのマネージャー兼プロデューサーのMーゲイさん。
色仕掛けを受けたことによる興奮で鼻から大量に出血したことが原因だと思われますわ」
シマ泉(サバンナシマシマオオナメクジ)
「これは、ほらkープペンギンの仕業ですよ!
Iドル志望のKープがPパプに加入したくてマネージャーのMーゲイさんに直談判したけど、
『へべれけキャラはPリンセスさんとかぶっちゃいます」とか言われて、
カッとなってヤっちゃったんですよ。 きっと…」
💥🙆♀️
シマ泉
「アタッ! おでこをフリッパーではたくのはシャレにならないので…
塩!? それはもっとダメです! 塩を構えるのはヤメて下さい!」
F畑任三郎(フルル)
「キミねぇ… 憶測だけでKープちゃんを犯人扱いしちゃいけないよぉ。 もぐもぐ…
あと本人は、見えてないことをいいことに飲酒してない、って言い張ってるんだから
そこは信じてあげないとぉ… むしゃむしゃ…」
マーゲイ
「はい、カットー!
いいですよぉ、3人ともその調子です!
では次のカット、ペパプ登場のシーンを・・・」
コウテイ
「ちょっと待ってくれ」
マーゲイ
「はい、何でしょう?」
プリンセス
「なんなの? そのMーゲイとかKープとか・・・
あと私ってへべれけキャラなの!?」
マーゲイ
「イニシャルトークってやつです。
知りません? 暴露系のトーク番組や雑誌で誰のことか分からないように…
実は本人さんたちには許可を取ってないので・・・
あとプリンセスさんのは、もうすっかり定着してますよ」
ジェーン
「あの・・・ もしかしてタイトルの『F畑任三郎』も・・・?」
マーゲイ
「はい。 もしバレたら怒られると思います」
イワビー
「だったらもっと上手く隠せよ! バレバレだよ、Kープとか・・・
あとアイドルをイニシャルにするなら『A』だろ!?
・・・『Aイドル』にしたところで隠す意味ないけどな!」
マーゲイ
「そうですか…?
では、脚本はタイリク先生と相談して検討します。
ひとまずQKにしましょう」
フルル
「あとスゴい今更なんだけどぉ、シマナメちゃんて喋れたんだねぇ」 もぐ…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
タイリクオオカミ&アミメキリン
「こんにちは」
マーゲイ
「あ、ちょうどいいところに・・・」
タイリク
「ん?」
マーゲイ
「実はIニシャルでのセリフが不評でして…」
イワビー
「まだ引きずってるじゃねぇか!」
タイリク
「私もキミのプロットを文字起こししていて疑問を抱いているんだが、
最後のパートは前後の脈絡が無さすぎるんじゃないか?」
マーゲイ
「そうですか? 原作のF畑任三郎でも最終話で踊ってたじゃないですか」
タイリク
「同じダンスでも、こちらとはかなり毛色の違うものだったと記憶しているが・・・」
アミメ
「やっぱりこの作品って古畑任三郎を意識して作ったんですか?」
プリンセス
「あら、推理オタクが食い付いてきたわね」
マーゲイ
「そうです。 古畑任三郎が『K事コロンボ』のオマージュ作品だったように・・・」
ジェーン
「ウチのカミさんがねぇ…ですね」
フルル
「また髪の話してる…」
イワビー
「だからイニシャルギャグはいい加減にしろって!
ジェーンは相変わらず詳しいな!
フルル、そっちのカミじゃねぇよ!
コウテイ… そろそろ復活してくれ・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ハシさん
「ちょっと邪魔をするぞ」
プリンセス
「・・・今度は何?」
ハシさん
「実は上から『けもシコ取り締まりを強化せよ』とのお達しがあってな」
ヨシさん
「―というのは建前で・・・
ハシさん
「ちょっと失礼させてもらうぞ」
コウテイ
「鬼のジャパ警:デカ長ことハシビロコウ…さんじゃないか。
何かあったのか?」
マーゲイ
「まさか私の盗撮がバレて・・・」
プリンセス
「あなた、まだそんなことしてたの?」
ハシさん
「確かに上からは『けもシコの取り締まりを強化するよう』お達しはあったが…」
ヨシさん
「彼女たちが今度の映画に出るためのオーディションを受けたい、
ーというから、その付き添いと映画撮影の見学をさせてもらえないかと・・・
ミーハーですみませんな」
ハシさん
「だから今日はドワーフサイレンを連れてない。
あと、新メンバーも加わったので顔見せも兼ねている。
ヨシさんは知っているな?
みすてりぃツアーで面識があるだろう。
こう見えて犯人を追い詰める能力はとても高い」
ヨシさん
「よろしく。
あ、1ついいですか?
サーバルさんからは『刑事デカ』というニックネームをもらいました」
フルル
「刑事とデカってかぶってなぁい?」
イワビー
「ネーミングセンスのないサーバルらしいな…」
ジェーン
「なんだかK事コロンボっぽい風貌ですね」
マーゲイ
「本当ですね! 是非映画に出てくれませんか!?」
ヨシさん
「えぇ… 私がですか?」
ハシさん
「今はこれといった事件も無いですし、いいんじゃないですか?」
インドガビアル
「よして下さい」
インドサイ
「オーディションに来た私たちを差し置いて・・・ズルいですよ」
インドゾウ
「私は初めましてですね。
イワビー
「さすがダジャレデカ。 ぶっこむ機会を逃さないぜ」
コウテイ
「相変わらずの露出度… さすが幻惑デカだ」
プリンセス
「コウテイは人のこと言えないでしょ?」
マーゲイ
「ゔ… すいません。 これを羽織っててもらえません?」 👔
インドサイ
「あ、あぁ…」
インドホシガメ
「ホシなのにデカ、ことインドホシガメですわ。
オーディションに受かってインドの星になってみせますわ!」
ジェーン
「ホシ=犯人っていう警察用語があることを教えてあげなくていいんですか?」
イワビー
「普通はジャパ警のヤツらは何してんだ? 俺らはスルーだ、スルー」
インドゾウ
「デカいデカことインドゾウです。
・・・って私、そんなにデカいですか?」
フルル
「どことは言わないけどデカいよねぇ」
イワビー
「・・・なんかインド系のフレンズばっかだな」
フルル
「いないのはインドオオカミだけかぁ…」
マーゲイ
「う、うぅ…」
ハシさん
「どうした? 顔色が悪いぞ?」
ヨシさん
「ーというか、のぼせてます?」
LB
「TRRR TRRR…」
マーゲイ
「あ、ボスネットの着信が・・・
私、失礼させて頂きます」 …走
クロサイ
「あ・・・」
シロサイ
「あなたもオーディションを?」
ハシさん
「いや・・・道中でたまたま会っただけなんだが、行き先が同じだと言うんでな」
クロサイ
「違います!
姫様に地味な脇役しか与えないなど失礼千万!
是非とも姫様主役の映画に作り直してもらえるよう直談判に来たのです!」
シロサイ
「過保護も大概になサイ! 私はこの役にやりがいを感じています!
クレーマーのような真似事は断じて許しませんよ?」
クロサイ
「姫様、ご立派な考えにございます・・・ されども…
✊ やはり納得いきません! 待遇改善を求めて参ります!」 …走
シロサイ
「あ、待ちなサイ!」 …走
アミメ
(やけにサイのフレンズが多いわね… ここにいないのはスマトラサイだけ・・・?)
扉
「バーン!」
アオカゲ
「マーゲイは居る!?」
コウテイ
「!? ・・・マーゲイならあいにく席を外しているが…
何か急用かい?」
アオカゲ
「突然、説明も無く役を降ろされたんだ。
このままでは応援してくれていたクリゲやシロゲたちにも申し訳が立たない」
タイリク
「それは脚本担当の私から説明しよう。
シマ泉くんの役どころは『おとぼけ』で『おっちょこちょい』な性格だ。
しかしキミの性格は『お茶目』な部分はあるが『ストイック』だろう」
アオカゲ
「むぅ… 否定は出来ないな」
タイリク
「そこにミスキャスト感を覚えた、らしい」
アオカゲ
「らしい?」
タイリク
「これは私たちより『上位の存在』の意向だ。
決して逆らえないのだよ」
アミメ
「またそんな怖い言い方を…」 gkbr
フルル
「メタいね〜」
シマ泉
「それじゃあボクは降りられないと…?」
ジェーン
「え… あなたは役に不満を?」
シマ泉
「だって事あるごとにおでこをはたかれて、塩ハラだって・・・」
プリンセス
「なに? その塩ハラって・・・」
シマ泉
「やれ、キュウリの塩もみをしておけだの、塩むすびが食べたいだの…」
フル畑
「♪〜 ( ̄。 ̄ノ)ノ」
イワビー
「お前、そんなことしてたの?」
フル畑
「や、役作りの一環ですよぉ〜」
アオカゲ
「役を降ろされて良かったかも…」
アミメ
(どうやらマーゲイはずいぶん恨みを買ってそうね…)
はい、作者のお家芸(悪癖とも言う)
時事メタ(けもシコ取り締まり)を早速ぶっこんでみましたw
正直あまりオススメはしません。
なぜなら後から読んだ時にはまったく意味の分からない
ノイズになってしまう可能性があるからです。
僕の場合は、その場で身内が喜んでくれたら消耗品でいいと思っているので気にしませんが…
あと、何故かタイミングよくネタが降ってくるんですよね・・・
>> 1012の時点で予告を出したとして明日で1週間。
初回は大目に見るとしても10日。
それ以降は長くても1週間おきに投稿するのが理想と考えています。
なぜならプロの作品でも1週間経てば前回の話を忘れてしまうことはありますし、
1クール全12話として、初期の頃の話はもっと記憶が薄れていることでしょう。
ましてやオリジナル設定の多い二時創作では、
前回の話は忘れられている、と思います。
じゃあ、ということで前回のあらすじや、前話へのリンクを貼れば良いようですが、
長期連載になればなるほど読んでもらえない、と個人的には思っています。
(もちろん無いよりは有った方が断然良い)
なので、連載モノは
なるべく1話内(1回の投稿分)で起承転結を付ける(キリのいいところまで書く)。
ラストにフック(続きが気になる箇所)を置く。
投稿スパンは1週間以内。
ーを心掛けるようにしています。
〈確認事項〉
現場(密室か否か)・被害者(安否・外傷・凶器の有無)の確認
目撃者の有無、容疑者のアリバイ・動機の有無
(マーゲイの部屋の調査が必要かは保留)
〈推理の流れ〉
シマ泉やアミメのポンコツ推理→フル畑やヨシさんの論理的推理
不可能を消去して、最期に残ったものがいかに奇妙なことであっても、それが真実となる
(シャーロックホームズ)
〈容疑者〉
インドオオカミ(インド系フレンズで唯一ハブられている&被害者と最後に会話)
PPP(盗撮の話を回収)
クロサイ(マーゲイを追いかけて行ったのでアリバイが無い)
タイリク(第一発見者)
スマトラサイ(サイのフレンズで唯一ハブられている)
シマ泉(台本のせいでフル畑からハラスメントを受けている恨み)
アオカゲ(突然降板させられたことでの恨み)
トンデモな事件・結論であっても基本は押さえ、
論理的に迫る部分は部分でしっかり作る。(バトル・アクション・シリアスも同様)
ここで読者が腰を据えて読んでくれたら、ふざけたパートも引き立ち・・・
ーという相乗効果が生まれます。
匙加減が難しいんですけどね… (個人的には「いつもふざけ過ぎ」な気もする)
ぐにゅにゅ〜 (~_~;)仕事が忙しくてなかなか進められないのだ…
俺ももうちょっと更新のスパンを短くしないとなあ・・・
イニシャルギャグで違和感を薄めることで、うまくフェネックオチに持ってくわけか
実際に上手く持っていけるかどうかは「これから次第」で、
今はその基礎固め、といったところですね。
(このままでは作者のご都合主義に付き合わされた感じなので)
シマ泉くん予想通りフル畑にいじめられてて草
まあ、それが唯一の存在価値(ひどい)ですからw
アミメ
「分かりました!」
ジャパ警の面々
(また始まったよ…)
アミメ
「犯人は先生です!」
タイリク
「みすてりぃツアーでも第一発見者=真犯人だったろう?
もし2作続けてそうだったら読者もがっかりすると思うよ」
シマ泉
「じゃあPPPですよ!
さっき盗撮がどーのこーの言ってたでしょ?
何度言ってもマーゲイがヤメないからカッとなって・・・」
[マーゲイの盗撮に関する情報]
アミメ
「それかスマトラサイさんです!
ただでさえ露出の少ないマイナーフレンズなのに、
今回またサイのフレンズで唯一登場していません。
少しでも名前を売ろうとして・・・
出番の少ない哀れなフレンズの哀しい動機だったのです」
シマ泉
「いやアオカゲ」
アミメ
「シマ泉さんが」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アミメにお灸を据えるためタイリクが首、サイ園寺が足を持って引っ張る。
アミメ
「イタイイタイイタイ! 首が伸びてしまいます」
ニコニコしながら羽交い締めにするヨシさんと、
箸で摘まんだ熱々のおにぎりを近付けるフル畑
シマ泉
「アツアツの塩おむすびを近付けるのはやめてーー!」
ヨシさん
「1ついいですか? 推理モノのお約束というものがあります。
『犯人はこの中にいる!』というヤツですね。
つまりこの場にいないスマトラサイさんは容疑者から外れる、というわけですね」
フル畑
「推理モノ用語に『アリバイ崩し』というものがありますぅ。
さっき挙げた容疑者には完璧なアリバイがあるでしょう?」
クロサイに容疑がかかるが、シロサイは擁護。
被害者に外傷がないことで容疑から外れる
最後に会話したインドオオカミはリモートでどうやってマーゲイを?
五角形→互角→ウシのフレンズ?
このようにメモ→断片的な会話やト書き→徐々に増やして繋げる→修正
→タイムリーな面白ネタがあればブチ込み→修正→・・・・・・
→投稿前に読み返し、おかしな部分は手直し→投稿→読んでみる→ポカが見つかって手直し
ーといった流れになります。(zawazawaの修正機能さまさまです)
ぶっつけ本番に近いリアルタイムメイクなので、我ながらムチャな作り方だなw
と思いながらやってます。
なので当初の予定通り行くことはほぼ無く、
ストーリーの軌道修正はもちろん、読者の与り知らない内にラストが変わることも・・・
今作も>> 1004とは変わることになります。(唐突な衝撃の事実)
今言えることは、フェネック&アライさん+新キャストが出ます。
ジェーン
「盗撮というのはマーゲイさんがそう言ってるだけで、
全然いかがわしいものじゃないんです」
イワビー
「練習風景の動画とか、楽屋でただダベってる所の写真とかな」
プリンセス
「マーゲイもやましい事をしてる訳じゃないし、私たちも嫌がってる訳じゃないから
堂々と撮ればいいじゃない、って言ったんだけどね」
ハシさん
「最初の盗撮騒ぎで事情聴取をした時は『隠し撮り』という言葉に興奮するんです、
ーと言っていたな…」
コウテイ
「少し分かる気がする・・・」 ゾクゾク…
フル畑
「あ〜 ハハ〜 そういうの『まぞ』って言うんですよね〜」 (^o^)—
サイ園寺
「こう言ってはなんですけど、
フル畑さんからそういう単語は聴きたくありませんでしたわ」 ドン引き…
シマ泉
「文字でちゃんと伝わってますかね…」
プリンセス
「そう言えば、温泉旅行に皆で行った時も
頑なに一緒に入ろうとしなかったじゃない?」
コウテイ
「私と比べられるのがイヤだと言ってたが…?」
ジェーン
「それは口実で、いつも言ってる『マネージャーはアイドルの3歩後ろを歩く』
的な遠慮をしてるんだと思ってました」
イワビー
「なんだそりゃ。
そうじゃなくて多分、オレたちの裸を見てられないからだと思うぜ」
プリンセス
「やっぱりそうよね。
あの後、私たちの浴衣がはだけそうになるたび目を背けてたもんね」
フル畑
「あ〜 ハハ〜 そういうの『うぶ』って言うんですよね〜」 (^o^)—
サイ園寺
「こう言ってはなんですけど、
フル畑さんが天丼ギャグをする姿は見たくありませんでしたわ」 ドン引き…
シマ泉
「読者の反応が気になりますね」
イワビー
「なあ、覚えてるか?
プラネットツアーズのカード・・・」
ジェーン
「あぁ、コウテイさんの衣装が透けてるんじゃないか、ってかなり話題になった?」
コウテイ
「思い出しただけで、またゾクゾクしてきた…」
フル畑
「まぞ…」
サイ園寺
「フル畑さん…」
イワビー
「ヘソは完全に透けてたよな。
マーゲイの奴、アレ見て鼻血吹きそうになってたろ?」
プリンセス
「あったわね。 やっぱり『肌の露出』に弱いのかしら?」
フル畑
「うぶ…」
シマ泉
「フル畑さん…」
脱線ギャグに見せかけて、事件解決のための重要なワードを忍び込ませています。
読者に違和感を覚えさせずに、どう溶け込ませるかを考えるのは大変ですが、
楽しくもあります。
こういうのも叙述トリックと言うのかな?
(密室を作るとか、アリバイを作るトリックを考えるのは苦手なので…)
ここまで結構思い付きで進めてきたけど、そろそろストーリーを固めなければ・・・
とりあえずインドオオカミ以外の容疑者候補は犯人じゃない、ということにするには
現場を密室にする必要がありそう。
あれ? すでに投稿した話の中でタイリク先生が悲鳴を上げてるぞ?
→上半分がガラスの扉越しに倒れたマーゲイを発見したことにするか。
ん? クロサイがマーゲイを見つけられずに帰ってきたのに、
タイリク先生は何故、居場所を突き止められたんだ?
→血の臭いを嗅ぎつけたことにするか。
あとセルリアンも容疑者に加えておかないと不自然だよね。
これは「まだ中に潜んでいるかも?」で凌ごう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
このように僕は勢いで始めて、行き詰まりそうになることもしばしばで、
なんとかこれまでは辻褄を合わせてやってきてますが、いつもかなり綱渡りです。
皆さんは真似しないでねw
僕がココにきた頃には既にSSを書いている人がいました。
ですが、リアクションが薄く(今でもあまり多くありませんが)、
モチベーションを保つのに苦労されていました。
僕なりに分析して思ったのは、
「字が多くて読みにくい」「宣伝が少ない」のでは? でした。
そこで、この文藝スレが立ち上がり、いざSSを書くに当たっては
「予告」を付けて宣伝したり、セリフの書き方・文字色を工夫したり、
厚かましくもイラストを描いてもらえるよう依頼したり、
いろんなスレにコラボを持ち掛けたりと、
せっかく書いたSSを読んでもらうために、いろんなことをしました。
もし僕に絵心があったら自己解決→自滅・失踪していたかもしれない、と考えると
描けなくて良かったのかもしれません。
『皆さんの協力』という群れの力にはいつも助けられております。 🙇♂️
>> 1004時点では『インド推し→インド映画に繋げる』予定でしたが、
無理に入れると現在の話の流れを阻害しそうなのでスッパリ没に。
代わりのルートで再構築。
同様に古畑&コロンボらしさの象徴『初見で犯人を見抜き、しつこく付きまとう』
ーも出来そうにないので断念。
その代わり自主規制
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これまでの作品もこのように読者の知らないところで
初期のプロットから二転三転していました。
計算づくで伏線を張っている箇所もあれば、
後から無理矢理こじ付けたりもします。
結構いい加減に作ってるんですよ。 実は。
(もちろん不自然に見せないよう頑張るんですけどね…)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いま気付いたんですが、>> 1031は
操作→捜査ですねw(作品を操作してるので間違いでは無いかもしれませんが、これはヒドい)
本編を投稿する時は誤字・脱字が無いか注意しましょうね(自戒を込めて)
読者の気を削いでしまう(物語から醒めてしまう)可能性があるので・・・
ダンスパート→フェネ畑任三郎&アラ泉くん&サイ園寺くん(スマトラサイ)で
種明かし(伏線回収)して終わり・・・
ーの予定だったけど、またまたラストをイジります。
(1パート分くらい追加になりますが、次で最終回は変わらず)
やっぱり推理モノに『どんでん返し』は付き物よね。
今日を持って無事(?)に完結を迎えられた今作ですが、
いつも通り紆余曲折の果てに当初の構想からはかけ離れた地点に着地したもんだ、
ーと呆れつつ、なんとかまとめ切れたことに安堵しております。
(今作は私小説的な要素もあるのかもしれないなぁ)
僕がSSを書くに当たって心掛けているのは、
1.完結させること(読者への礼儀)
2.書いてて楽しいと思えること(自分のモチベーション)
頼まれて書くプロと違って、勝手に書いて勝手に投稿してるだけなので、
読んでもらうことを目的にしない、
ーと考えれば、かなり気が楽なんですよね
F畑任三郎
BGM 3:24~
マーゲイ
「う、うぅ…」 たら…
インドオオカミ
「くいっ♪ くいっ♪」
マーゲイ
「あ…♡」 つつー…
どさっ・・・
ボスネットの画面越しのマーゲイは、
血の海に膝から崩れ落ちながら、力を振り絞り血文字で『五角形』を描いた・・・
インドオオカミ
「ヤったわ… これで私・・・」
♪~OPテーマ 0:00~
マーゲイ
「では[シーン3]リハーサル行きます!
3、2、1・・・👉」
サイ園寺(シロサイ)
「被害者はPパプのマネージャー兼プロデューサーのMーゲイさん。
色仕掛けを受けたことによる興奮で鼻から大量に出血したことが原因だと思われますわ」
シマ泉(サバンナシマシマオオナメクジ)
「これは、ほら・・・ Kープペンギンの仕業ですよ!
Iドル志望のKープがPパプに加入したくてマネージャーのMーゲイさんに直談判したけど、
『へべれけキャラはPリンセスさんとかぶっちゃいます」とか言われて、
カッとなってヤっちゃったんですよ。 きっと…」
💥🙆♀️
シマ泉
「アタッ! おでこをフリッパーではたくのはシャレにならな…
塩!? それはもっとダメです! 塩を構えるのはヤメて下さい!」
F畑任三郎(フルル)
「キミねぇ… 『さん』か『ちゃん』は付けなさいよ。 デコすけやろー。
あと、憶測だけでKープちゃんを犯人扱いしちゃいけないよぉ。 もぐもぐ…
ゆーちゅーぶ配信でも本人は見えてないことをいいことに『お酒なんて飲んでない』って言い張ってるんだから。
そこは信じてあげないとぉ… むしゃむしゃ…」
マーゲイ
「はい、カットー!
いいですよぉ、お3人さんともその調子です!
では次のカット、ペパプ登場のシーンを・・・」
プリンセス
「ちょっと待って。
私ってへべれけキャラなの!?」
マーゲイ
「はい、すっかり定着していると思いますけど?」
コウテイ
「あと何だ? そのMーゲイとかKープとか・・・」
マーゲイ
「イニシャルトークってやつです。
暴露系のトーク番組や雑誌で名前を伏せる目的でやってるの知りません?
実は今回、実在する人物や団体には許可を取ってないものですから・・・」
ジェーン
「あの・・・ もしかしてタイトルの『F畑任三郎』も・・・?」
マーゲイ
「はい。 もしバレたら怒られると思います」
イワビー
「だったらもっと上手く隠せよ! Kープとか発音が一緒だからバレバレなんだよ!
あとアイドルの頭文字は『A』だろ!? なんでそこだけ英語準拠なんだよ。
・・・『Aイドル』にしたところで隠す意味ないけどな!」
マーゲイ
「そうですか…?
では、セリフについてはタイリク先生と相談して検討します。
ひとまずQKにしましょう」
イワビー
「またイニシャル…」
フルル
「は~ これでやっとジャパリまんにありつける~」もぐ…
イワビー
「さっきからずっと食ってたじゃねぇか!」
シロサイ
「シマナメさんが喋れることについては皆さんスルーなんですのね」」
コウテイ
「まさか私が銀幕デビューまですることになるとは…」
プリンセス
「マーゲイの監督業もなかなかサマになってるじゃない」
マーゲイ
「そうですか?
でも、もし私がPPPのマネージャーをさせて頂いてなかったら、
映画監督を本業にしていたかもしれません」
ジェーン
「そう言えば先代のマーゲイさんは、サーバルさんを主役に海賊映画を作ってたとか…」
イワビー
「サーバルが主役って・・・大丈夫なのかぁ? それ」
コウテイ
「そうだったのか。 だが今回は推理モノだな」
プリンセス
「そう言えばそうね。 どうして?」
マーゲイ
「PPPのことを調べるために私も[としょかん]にはよく出入りしてたんですけど、
その時に製本を頼みにくるタイリク先生とも知り合いまして」
フルル
「あ〜 『ホラー探偵ギロギロ』〜」もぐもぐ
マーゲイ
「はい。 それだけでなく、としょかんにはDVDもありまして・・・
それを観ているうちに、すっかり[みたにおにいさん]作品のファンにもなりまして、
いつかこんなドラマや映画を作れるようになりたいなと」
プリンセス
「じゃあ、どんどん夢が叶っていってるわけね」
ジェーン
「そのお手伝いが出来るなら私たちも嬉しいです」
マーゲイ
「ありがとうございます!
実は、この『F畑任三郎』が当たったら次の構想もありまして・・・」
イワビー
「気が早ぇな」
コウテイ
「おいおい、PPPライブのことも忘れないでくれよ?」
マーゲイ
「大丈夫です。 両立出来ますから!
それでですね。 次回作のタイトルは『王様のリストラ』にしようかと」
マーゲイ
「映画の話ですよ!?」
フルル
「それを言うなら『王様のレストラン』でしょ〜」 もぐもぐ…
イワビー
「皇帝でもねぇじゃねぇか! あとフルルは何でそんなことまで知ってんだぁ?」
マーゲイ
「その次が『振り返ればヤクがいる』でしょ?」
ジェーン
「それはヤクさんが背後に立ってるんでしょうか?
それとも今回シマ泉さん役をしてるシマナメさん?」
プリンセス
「どっちでも怖いのは変わらないわよ!」
イワビー
「ジェーンは配役(中の人)にも詳しいフレンズなんだな! あとネタバレ注意な」
フルル
「それを言うなら『ヤツ』だよ〜」もぐ…
イワビー
「だからフルルは何でそんなに知ってんだ?」
マーゲイ
「それから『真マヌル』!」
プリンセス
「その[みたに]さんて、もしかしてフレンズなの?」
イワビー
「いや、マーゲイがボケてるだけだから…」
フルル
「それを言うなら『真田丸』…のことかな?」 もg…
イワビー
「よく分かったな!?」
ジェーン
「あぁ、そっちですか! シン・マヌルって読んじゃいましたw
すべてのマヌルネコさんに、さようならを告げるのかと…」
イワビー
「ジェーンもなんでそんなこと知ってんだ!?」
マーゲイ
「そして『きっとウマくいく』で締めたいですね」
フルル
「そんな作品あったっけ…?」 ごくん
プリンセス
「やっと食べるのをヤメたのね…」
イワビー
「フルルにも知らないことが!?」
ジェーン
「それはインド映画ですよ。
あとフルルさんて、デスノの『L』っぽいところありますよね」
イワビー
「まさかのジェーンが知ってた!
しかもまた別の作品の話まで持ち出してる!?」
マーゲイ
「せっかくPPPが映画に出るんですから、歌って踊るシーンは入れたいじゃないですか」
プリンセス
「え!? 私たちもさっきから言ってる映画全部に出るの!?」
ジェーン
「またコウテイさんが気絶してます…」
イワビー
「ずっとだよ! 作者にプチリストラされてな!」
タイリクオオカミ&アミメキリン
「こんにちは」
マーゲイ
「あ、ちょうどいいところに・・・」
タイリク
「ん?」
マーゲイ
「実はIニシャルを使ったセリフが不評でして…」
イワビー
「まだ引きずってるじゃねぇか!」
タイリク
「それについては私も書いててどうかとは思っていたが…
今回私が来たのは最後のパートについてだ。
キミの提出してくれたプロットを一通り読ませてもらったが、
あれでは前後の脈絡が無さすぎるんじゃないか?」
マーゲイ
「そうですか? 原作のF畑任三郎でも最終話で踊ってたじゃないですか」
タイリク
「同じダンスでも、こちらとはかなり毛色の違うものだったと記憶しているが・・・」
アミメ
「あの・・・ やっぱりこの作品って古畑任三郎を意識して作ったんですか?」
プリンセス
「あら、推理オタクが食い付いてきたわね」
マーゲイ
「そうです。 古畑任三郎が『K事コロンボ』のオマージュ作品だったように・・・」
ジェーン
「コロンボ! ウチのカミさんがねぇ…ですね」
フルル
「また髪の話してる…」
イワビー
「K事コロンボって・・・ F畑の方は途中から隠す気なくなってるし。
ジェーンは何でも知ってるな…
フルル、カミ違いだよ…」
マーゲイ
「古畑任三郎での私のお気に入りはIチロー回とSMAP回です!」
イワビー
「もうツッコミ切れねぇよ…
とりあえずコウテイはいいかげん復活してくれ・・・」
ハシさん
「ちょっと失礼させてもらうぞ」
コウテイ
「鬼のジャパ警:デカ長のハシさんことハシビロコウさんじゃないか。
何かあったのか?」
ハシさん
「
説明くさい丁寧な紹介ありがとう」マーゲイ
「まさか私の盗撮がバレて・・・」
プリンセス
「あなた、まだそんなことしてたの?」
ハシさん
「確かに上からは『けもシコの取り締まりを強化するよう』お達しはあったが…」
ヨシさん
「ウチの課の子たちが今度の映画に出るためのオーディションを受けたい、というから
その付き添いと映画撮影の見学をさせてもらえないかと・・・
ミーハーですみませんな」
ハシさん
「そういうわけだから今日はドワーフサイレンを連れてない。
あと、新メンバーが加わったので顔見せも兼ねている。
まず、ヨシさんは知っているな?
みすてりぃツアーで面識がある者もいるだろう。
こう見えて犯人を追い詰める能力はとても高い」
「よろしく。
あ、1ついいですか?
サーバルさんからは『刑事デカ』というニックネームをもらいました」
フルル
「なにわろとんねん。
それに刑事とデカってかぶってなぁい?」
イワビー
「お前は下柳か。
ニックネームについては・・・ネーミングセンスのないサーバルらしいな…」
ジェーン
「なんだかK事コロンボっぽい風貌の方ですね」
マーゲイ
「確かに! 今撮影中の私の映画に出てくれませんか!?」
ヨシさん
「えぇ… 私がですか? 弱ったなぁ」
ハシさん
「今はこれといった事件も無いですし、いいんじゃないですか?」
インドガビアル
「よして下さい。
オーディションに来た私たちを差し置いて出演を勝ち取ろうとする人がここにイル~」
イワビー
「さすがダジャレデカ。 ぶっこむ機会を逃さないぜ」
インドサイ
「拙僧が合格した暁には映画鑑賞に訪れた観衆をこぞって魅了してみせようぞ」
コウテイ
「相変わらずの露出度… さすが幻惑デカだ」
プリンセス
「コウテイは人のこと言えないでしょ?」
マーゲイ
「ゔ… すいません。 これを羽織っててもらえません?」 👚
インドサイ
「・・・? まだ幻惑のステップは披露してないぞ」
インドホシガメ
「初めまして。 『ホシなのにデカ』ことインドホシガメですわ。
ぜひともオーディションに受かって、いんどちほーの星になってみせますわ!」
ジェーン
「ホシ=犯人っていう警察用語があることを教えてあげなくていいんですか?」
イワビー
「もうめんどくせぇからスルーだ、スルー」
インドゾウ
「私も初めましてですね。 『デカいデカ』ことインドゾウです。
・・・って私、そんなにデカいですか?」
サイ園寺
「どことは言いませんがデカいですわねぇ」
イワビー
「・・・なんか今回、やたらインド系のフレンズが多いな」
シマ泉
「でもインドオオカミさんは居ないんですね…」
フル畑
「もしかしてファンなのかい? シマ泉くんのくせに生意気だぞ?」
シマ泉
「何ですか生意気って。 いいじゃないですか。 ファンでも!」
マーゲイ
「う、うぅ…」
ハシさん
「どうした? 顔色が悪いぞ?」
ヨシさん
「ーというか、のぼせてます?」
LB
「TRRR TRRR…」
マーゲイ
「あ、ボスネットの着信が・・・
私、失礼させて頂きますね」 …走
クロサイ
「あ・・・」
シロサイ
「あら、あなたもジャパ警に?」
ハシさん
「いや、道中でたまたま会っただけだよ。 行き先が同じだと言うんでな」
シロサイ
「じゃあオーディションに?」
クロサイ
「違います!
姫様にこんな地味な脇役しか与えないなど失礼千万!
今回ここに参ったのは、是非とも姫様主演の映画にしてもらえるよう直談判するためです!」
シロサイ
「過保護も大概になサイ! 私はこの役にやりがいを感じています!
クレーマーのような真似事は断じて許しませんよ?」
クロサイ
「姫様、ご立派な考えにございます・・・ されども…
やはり納得いきません! せめて待遇改善を求めてまいります!」 …走
シロサイ
「あ、待ちなサイ! ✋ あぁ行ってしまいましたわ」
アミメ
(今回はやけにサイのフレンズが多いわね… ここにいないのはスマトラサイだけ・・・?)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
扉
「バーン!」
アオカゲ
「マーゲイは居る!?」
コウテイ
「!? ・・・マーゲイならあいにく席を外しているが…
何か急用かい?」
アオカゲ
「突然、なんの説明も無く役を降ろされたんだ。
このままでは応援してくれていたクリゲやシロゲたちにも申し訳が立たない」
タイリク
「まあ、待ちたまえ。
それについては脚本担当の私から説明しよう。
シマ泉くんの役どころは『おとぼけ』で『おっちょこちょい』な性格だ。
しかしキミの性格は『お茶目』な部分はあるが『ストイック』だろう」
アオカゲ
「むぅ… 否定は出来ないな」
タイリク
「そこにミスキャスト感を覚えた・・・らしい」
アオカゲ
「・・・らしい?」
タイリク
「これは私たちより『上位の存在』の意向だ。
決して逆らうことなど出来ないのだよ」
アオカゲ
「えぇ…」
アミメ
「またそんな怖い言い方を…」 ((((;´゚Д゚))) gkbr
フルル
「メタいね〜」
シマ泉
「それじゃあボクは降りられないと…?」
ジェーン
「え… あなたの方は役に不満を?」
シマ泉
「だって事あるごとにおでこをはたかれるし。
塩ハラだって・・・」
サイ園寺
「なんですの? その塩ハラって・・・」
シマ泉
「昨日だって『酢の物は体に良いらしいからキュウリの塩もみをしておいて』って…」
プリンセス
「えぇ…?」
フル畑
「♪〜 ( ̄。 ̄ノ)ノ」
サイ園寺
「それは・・・ きっと私たちの健康にも気を遣ってくれて・・・
この間もわたくしに 『これからの季節、その恰好では暑いでしょう。 熱中症対策にどうぞ』と…」
シマ泉
「それ、ボクも貰いましたよ! 塩飴をね!」
イワビー
「ひで~」
フル畑
「や、役作りの一環として日頃からフル畑っぽくしててくれってマーゲイに・・・」
アオカゲ
「マーゲイがそんなことを・・・
役を降ろされて良かったかも」
アミメ
(どうやらマーゲイはずいぶん恨みを買ってそうね…)
扉
「がちゃ…」
シロサイ
「あら、どうでしたの? まさか本当に・・・?」
クロサイ
「いえ… マーゲイ殿は見つかりませんでした・・・」
コウテイ
「映画の原案に、演技指導・・・マーゲイも大変そうだな」
イワビー
「クレーマーの対応もしなきゃいけねぇしな」 チラ…
ジェーン
「合間にオーディションの審査までしてたんですね。
初めて知りました」
フルル
「ボスネットでも受け付けてたらしいよ~」
プリンセス
「じゃあさっきのも・・・?」
ハシさん
「ーにしては遅くないか?」
ヨシさん
「かれこれ30分は経ってますね」
タイリク
「確かに。 ちょっと私が様子を見てこよう」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
キャーーー!
アミメ
「あれは! 先生の悲鳴!?」
ハシさん
「❗
ヨシさん、サイさん、イルさん、ホシさん、ゾウさん、鬼のジャパ警、出動だ!」
~to be continued~
さぁ事件が起きたぞ ジャパリ警察のお手並みを拝見といこうじゃないか
しかし刑事デカなんておにぎりごはんみたいな・・・
次回、捜査・推理編!
ジャパ警:刑事デカことヨシさんVSフル畑任三郎の推理合戦が火花を散らす!
アミメ
「私は!?」
すいません SSとかもツイッターで紹介してもいいですかね?
>> 1028
どうぞどうぞ
ありがとうございます!
フル畑任三郎
「も〜 安請け合いなんてするからぁ」もぐもぐ
ヨシさん
「これで失踪出来なくなった、というわけですな」
作者
「・・・頑張ります…」
F畑任三郎
<第二幕>
~マネージャー控室前~
タイリク
「中を・・・ 中を見てくれ」
一同がLB型扉(透明ガラスver)越しに部屋の中を覗いてみると、
水気の溜まった床にマーゲイが倒れているのが見えた。
アミメ
「分かりました!」
ジャパ警の面々
(まぁた始まったよ…)
「犯人は、推理モノのお約束・・・
第一発見者である先生です!」
タイリク
「おいおい、みすてりぃツアーでも第一発見者=真犯人だったろう。
お約束とワンパターンを混同すると読者に愛想を尽かされてしまうよ?
それに・・・」
シマ泉
「じゃあPPPですよ!
さっき盗撮がどーのこーの言ってたでしょ?
何度言ってもマーゲイがヤメないからカッとなって・・・」
💥🙆♀️
シマ泉
「アタッ! おでこをフリッパーではたくのはシャレにならな…
くしゃみ!? くしゃみは口を押さえてして下さい!」
フル畑
「キミねぇ。 憶測だけでPPPを犯人扱いしちゃいけないよぉ。
ちゃんと聞き込みをするとか、張り込みをするとかして証拠を固めてからじゃないとぉ。
ずず…」
サイ園寺
「フル畑さん、鼻水を拭いてください…」 つ▢
ジェーン
「あのぉ… 誤解されるのは仕方ないとは思いますけど、
『盗撮』というのはマーゲイさんが言ってるだけで、実は全然いかがわしいものじゃないんです」
イワビー
「そーそー。
練習風景の動画とか、楽屋でダベってる時の写真とか・・・隠し撮りだけどな」
サイ園寺
「なぜそんなことを?」
コウテイ
「カメラを意識していない自然な姿が良いのよ、と言ってたな。
実害が無いので今も好きにさせているが…」
プリンセス
「やましいことをしてる訳じゃないし、私たちもイヤがってるわけじゃないんだから
堂々と撮ればいいじゃない、って何度も言ってるんだけどね」
ハシさん
「ーという経緯で、これといったお咎めも無く、むしろ黙認されている。
つまりPPPにはマーゲイを手に掛けるだけの[動機が無い]というわけだ」
ヨシさん
「ちなみにですが、最初に騒ぎになった時の事情聴取では
『隠し撮り、という言葉に興奮するんです』と言ってましたねぇ。
私には到底、理解できない心理ですが…」
コウテイ
「私には少し分かる気がする・・・」 ゾクゾク…
フル畑
「ん〜 あ〜 聞いたことありますぅ~ (-ω-)ゝ そういうの確か『まぞ』って言うんですよね〜」
シマ泉
「文字だけでちゃんと原作らしさは伝わってますかね…」
サイ園寺
「こう言ってはなんですけど、
フル畑さんからそういう単語は聴きたくありませんでしたわ」 ドン引き…
プリンセス
「そう言えば、打ち上げで温泉旅行に行った時も、頑なに一緒に入ろうとしなかったじゃない?」
ジェーン
「私はいつもマーゲイさんが言ってるように
『マネージャーはアイドルの3歩後ろを歩く』的な遠慮をしてるんだと思ってました」
コウテイ
「私には『比べられるのがイヤなんです』と言ってたが・・・ 何のことだろう?」
イワビー
「そりゃあどっちも口実で、多分オレたちの裸を見てられないからだと思うぜ。
コウテイのどことは言わない部位は、あのボリュームなのに浮くしな。 イヤでも目に入る」
プリンセス
「やっぱりそうよね。
風呂上りも私たちの着てる浴衣がはだけそうになるたび目を逸らしてたわね」
フル畑
「ん〜 あ〜 知ってますぅ~ そういうの確か『うぶ』って言うんですよね〜」 (^ω^)/
サイ園寺
「こう言ってはなんですけど、
フル畑さんが天丼ギャグをする姿は見たくありませんでしたわ」 ドン引き…
シマ泉
「読者の反応は気になりますね…」
イワビー
「うぶ、ねぇ・・・
なあ、覚えてるか? プラネットツアーズのカード・・・」
ジェーン
「あぁ、コウテイさんの衣装が透けてるんじゃないか、ってかなり話題になった?」
コウテイ
「思い出しただけで、またゾクゾクしてきた…」
フル畑
「まぞ…」
サイ園寺
「フル畑さん…」
イワビー
「ヘソは完全に透けてたよなぁ。
マーゲイの奴、アレ見て鼻血吹きそうになってたろ?」
プリンセス
「あぁ、あったわね。
ーということは、やっぱり『肌の露出』に弱いのかしら?」
フル畑
「うぶ…」
シマ泉
「フル畑さんってば…」
アミメ
「だったら犯人はスマトラサイさんです!
ただでさえ露出の少ないマイナーフレンズなのに、サイのフレンズの中で唯一登場していません。
恐らく、少しでも名前を売ろうとして・・・
出番の少ない哀れなフレンズの哀しい動機だったのです」
シマ泉
「いや、アオカゲが突然降板させられたことに腹を立てて・・・」
アミメ
「それを言うならシマ泉さんだって塩ハラがどーのこーの・・・」
シマ泉
「そうだ! こうなったらなんでもかんでもセルリアンのせいにしましょう!」
ハシさん
「キミたち、いい加減にしたまえ!」
そう言うとハシサンはアミメキリンを裸絞め に固め、
タイリクオオカミは足を抱きかかえて引っ張り合う。
アミメ
「イタイイタイイタイ! 首! 首が伸びてしまいます」
片や、シマ泉を羽交い締めにするニコニコ顔のヨシさんと、
箸で摘まんだ熱々のおにぎりを近付けるフル畑。
シマ泉
「!? アツアツの塩おむすびを近付けるのはやめてーー!」
扉
「ガチャ… ガチャガチャ!」 🔒
ハシさん
「む… カギか掛かっている。
誰か、合鍵かマスターキーを持っていないか?」
コウテイ
「どうぞこれを使ってください」つ🔑
ヨシさん
「密室・・・ですか」
ハシさん
「他にカギを持っている者は?」
プリンセス
「私たちPPPのメンバーと、マーゲイがそれぞれ1つずつ・・・」
イワビー
「ほら、失くしたりもしてないぜ」 つ🔑
他のメンバーもカギを見せる。
コウテイ
「あとは施設管理担当のラッキービーストがマスターキーを持ってるぐらいだな」
タイリク
「ほら、これで私が密室を作れない=犯人ではないことが分かっただろう」
「う・・・」
ヨシさん
「私からも1ついいですか?
推理モノにはお約束として『犯人はこの中にいる!』というものがあります。
つまりこの場にいないスマトラサイさんは容疑者から外れる、というわけです」
フル畑
「推理モノ用語に『アリバイ崩し』というものもありますぅ。
アオカゲさんとシマ泉くんはずっと私たちと一緒にいたんですから、当然容疑者から外れますねぇ」
タイリク
「クロサイくんにはアリバイの無い時間帯があるにはあったが、
私と同じくカギを持たない以上、密室の中にいるマーゲイくんには手が出せない・・・」
サイ園寺
「念のためにお聞きしますが、
タイリク先生はクロサイさんが見つけられなかったマーゲイの居所をどうやって・・・?」
タイリク
「何度か打ち合わせのためにお邪魔してるからね。 大体の居場所は分かる。
あとは臭いだよ。 血のね」
アミメ
「血って・・・」
シマ泉
「あ、あれはケチャップじゃないんですか・・・?」
タイリク
「これはアードウルフによる自作自演のお芝居なんかじゃない。
れっきとした事件だよ。 まあとにかく入ろうじゃないか」
イワビー
「まだ入ってなかったのかよ!」 (`Д´)っ
~to be continued~
フル畑さんが意外にもちゃんと推理している
犯人はプロレス技の練習と称してマーゲイを締め堕としてしまったイワビーと推理する!☝
まあ今回の主役…の1人ですからねぇ。 これくらいはしてもらわないと。
相手がコウテイならうっかり絞め落としてしまって、
その後もせがまれることはあったかも…?
F畑任三郎
<第三幕>
扉
「カチ… す・・・」
ハシさんが開錠し、ノブを回すと静かに扉を開く。
捜査員たちは素早く部屋の中に滑り込むと武器・防具を構えながら視線をあちこちに走らせる。
ヨシさんとハシさんも捜査員の隙を突いて部屋から出て来る者がいないかを確認してから中に入る。
「どうやら犯人がまだ潜んでいる、ということもなさそうだ…」
ハシさんは物陰や本棚の上まで警戒しながらそう呟いた。
プリンセス
「マーゲイ・・・」
当の本人は血の海に顔を浸けるようにうつぶせで倒れている。
ジェーン
「またですか」
イワビー
「ホント、いいかげんリーダーをリストラされるぞ?」
ヨシさん
「よく見たら顔の周りだけですね。 血は・・・」
フル畑
「・・・」
「フル畑さん」
しゃがみこんで被害者の様子を観察していたフル畑が振り返ると、目の前にシマ泉の顔のドアップが・・・
💥🙆♀️
シマ泉
「アタッ! おでこをフリッパーではたくのはシャレにならな…
死… 死海の水を掛けるのはヤメてください!
やっぱりアオカゲがウマ泉をしてた方がきっとウマくいってたんじゃないのかなぁ…」 ブツブツ…
フル畑
「いきなり後ろに立ったら驚くでしょうが~ ーで、なに~」
シマ泉
「あ、ほら。 見てくださいよ、コレ。 カワイイでしょ」
そう言って差し出したのは真っ赤な和ノ鎧を着たマヌルネコのフィギュア。
フル畑
「キミねぇ、人の私物を勝手に触らない~
すみませんね~ 部下の躾がなってなくてぇ。 ほら、ちゃんと元の場所に戻しておいて」
ハシさん
「いや、どこに伏せn… 解決のヒントが転がっているか分からない。
気になるモノはどんどん調査してみてくれ」
サイ園寺
「では、このジャパリコインの模様はなんでしょう?」
フィギュアの持っている旗には四角い穴の開いたコインが6枚描かれている。
ヨシさん
「ああ、それは六文銭ですな。 真田家の家紋の・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
インドゾウ
「デカ長!」
ハシさん
「なんだデカいデカ。 デカい声を出して」
インドゾウ
「ここを見て下さい。 ダイイングメッセージが・・・」
インドゾウが指差した先にはマーゲイが描いたと思われる五角 形の血文字・・・
インドガビアル
「まだ死んでないデスぅ」
インドサイ
「それは死んでいるのか死んでいないのか?
幻惑するは拙僧の十八番ぞ」
ハシさんが倒れたマーゲイを起こすと鼻から血を垂らしていた。
「息はある。 出血は多いが命に別状は無いようだ」
ヨシさん
「目立った外傷もありませんねぇ」
インドホシガメ
「どうしてホシ型じゃないんでしょう? 魔除けが目的なら六芒星のシャトコナを描けばよろしかったのに」
捜査員たちは被害者そっちのけで血文字の解読に血道を上げていた。
インドガビアル
「私も思い付きを言ってみてもいいでしょうか?
一介の捜査員には推理を披露する資格なんてないかもしれませんが」
ヨシさん
「いや、折角なので聞かせてください」
インドガビアル
「五角→互角→ウシのフレンズが犯人であることを伝えたかったのでは?と。
マーゲイさんを巡る三角関係のもつれから・・・
ってウシのフレンズなんて登場してませんでしたね。 すいません」
ヨシさん
「いえいえ、謝ることはありません。
五角形の意味をダジャレで・・・意外に良いアングルのアプローチかもしれませんよ?」
イワビー
「兎に角ダジャレをぶっこむスタイル。 さすがイルイルさんだぜ。
それに乗る刑事デカのヨシさんもかっけー!」
プリンセス
「ついにイワビーまでダジャレをかぶせてきた!?」
サイ園寺
「フル畑さん、コレ・・・」
LB
「ツー ツー ツー」
チェストの上には通話を終了していないボスネットの端末が置いてあった。
誰かとリモート通話をしていたようだ。
LB
「発信先にリダイヤルしますカ?」
フル畑
「お願いします~」
LB
「TRRR TRRR カチャ…」
インドオオカミ
「はい、なんでしょう?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
インカ
「あ、タイリクお姉さま♡ お久しぶりです」
タイリクシスターズの一員だけあって他の面々の存在は視界に入ってないらしい。
フル畑
「インカさん、少しお話を聞かせていただいてよろしいでしょうか?」
インカ
「今はとても気分が良いので。 何でもお聞きください」
フル畑
「マーゲイさんとはどんなお話を?」
インカ
「話?・・・はしていません。
映画のオーディションとしてダンスをお見せしただけです」
フル畑
「マーゲイさんは当初どんな様子でしたか?」
インカ
「普通…だったと思いますけど・・・
言われてみれば、慌ててたのか少し息が荒い気はしたかしら?」
シマ泉
「ちょ… フル畑さん、まさかインカさんを疑ってるんですか?
彼女がそんなことするわけないじゃないですか!」
フル畑
「シマ泉くん、いくらキミがインカさんのファンだからと言って私情を挟んじゃいけないよ~」
サイ園寺
「ですけど、現場にいないインカさんがどうやって?」
フル畑
「かのシャーロックホームズの言葉にこうあります~
『不可能を消去して、最期に残ったものがいかに奇妙なことであってもそれが真実となる』とね~」
ヨシさん
「私からも1つよろしいですか?
オーディションが終わってからお着替えはされました?」
インカ
「いえ? 汗をかいたのでシャワーは浴びましたが、このままです」
フル畑&ヨシさん
「ありがとうございました」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
BGM 19:39~
部屋が暗転するとヨシさんにだけスポットライトが当たり、語り出す。
「この事件の真相は思ったよりも簡単でした。
伏線 は至るところにあるはずなので考えてみてください」
代わってフル畑にスポットが当たる。
「んふ~ 原作のコロンボや古畑は初見で真犯人を見抜き、
しつこく付け回してはその言動から証拠を掴んでいくスタイルです~
本作はそのオマージュ作品と謳いながらそういう意味で『らしくない』作風ですが、
それは『犯人など元から居なかった』からです~
種明かしは次回の投稿で。 フル畑任三郎でした」
~to be continued~
なにぃどこに伏線があったんだ!?
教えてヨシさん
次は解決編ですね
ヨシさん
「このSSのタイトルは『F畑任三郎』です。
ーということで後は任せましたよ」
F畑
「はいよ〜」
またツイッターで紹介してもいいですかね
ヨシさん「👌」
F畑任三郎
<終幕>
~20:10~
みずべちほーのライブ会場に明るさが戻った。緞帳 が下りている。
先ほどまで舞台上でフル畑任三郎たちの映っていたスクリーンの前には
観客「ざわ…」
H「まさかこれで終わりなのですか?」
J「上映時間は8時半までのはずなのです。 まだ20分あるはずなのです」 ⌛
観客「ざわ ざわ…」
3分ほど経ったが何も起こらない。
O「トラブルでありますか?」
A「心配っスねぇ…」
S「いや、まだ種明かしが残ってるはずだ」
F「きっと間を取って『考える時間』を演出してるんだよ~」
A「おお、なるほどなのだ」
その言葉を受けたように照明が落ちる。
緞帳が上がり、スクリーンに光が当たる。
しかし映ったのは見覚えのある風景・・・
みずべちほーのライブ会場。 その舞台上だった。
~20:15~
画面の手前からインドオオカミが現れるとこちらを向き、ウィンクを1つすると踊り出した。
くいっ♪くいっ♪
観客「ほ~♡」
妖艶な見た目と踊りに観客は魅了される。 しかしそれだけに留まらず・・・
観客「手足が伸びた!」 「火を吐いた!」 「空中浮遊!?」
某『路上格闘 家』のような演武まで披露する。
S・O「ほ、はら。 最近はヨガにもハマってるらしいから…」
T・O「そういう問題か!?」
インドオオカミがポーズをキメると、左右の舞台袖から沢山のドラム缶が入ってくる。
どうやら後ろにフレンズたちが隠れているらしい。
C・O「今度は何が始まるネ?」
新たな BGMが流れ出し、
手前のドラム缶の中からインドゾウ・インドサイ・インドガビアル・インドホシガメが顔を出す。
後ろのドラム缶からも
ハシさん・ヨシさん、フル畑、シマ泉、シロサイ、クロサイ、PPP、タイリクオオカミにアミメキリン。
アオカゲまで出てきてタオルを振り回しながら踊る。
K「アオカゲー!」
S「みんな頑張れ~!」
一斉にタオルを放り投げたところで暗転し、画面いっぱいに大きな文字が浮かぶ。
ジ・インド
~20:20~
みずべちほーのライブ会場に再び明るさが戻った。
P「コナン劇場版みたいな本格推理映画を期待してたらインド映画が始まったでござる」
N「いや、終わったみたいなんだけど…」
H「我々は一体何を見せられたのですか?」
J「博士、おかしいです。 まだ10分残っているのです」 ⌛
ざわざわ…
???
「分かったのだ!」
1人のフレンズが大声を上げ、客席から立ち上がる。
アラ泉(アライさん)
「きっと作者が失踪してしまったのだ!
だから映画も未完で終わってしまったのだ!」
💥🙆♀️
アラ泉
「アタッ! フェネッk… フェネ畑さん、でこぴんはやめるのだ…
わたあめ!? アラ泉さんはわたあめを見ると洗いたくなってしまうのだ。
けどアラ泉さんは負けたり… じゃぶじゃぶ…
ああっ!? わたあめ溶けちゃったのだぁ…」 orz
フェネ畑
「アラ泉さ~ん、ダメだよそんなメタいこと言っちゃ~
それに今回の投稿で最終回なんだからちゃんと完結するに決まってるでしょ~」
観客「何か茶番が始まった?」「いつもの芸人の、いつもの漫才じゃ…」
そこにサイ園寺(スマトラサイ)が駆け込んでくる。
「分かりました。 これも映画の演出です!」
みたびライブ会場が暗くなり、スクリーンに光が当たる。
映し出されたのはマネージャー控室の中でのっそりとマーゲイが起き上がるところだった。
👏
「誰?」
マーゲイが振り向くと、フェネ畑任三郎(フェネック)が入室するところだった。
「なかなかの役者っぷりだったよ~
マネージャーや映画監督だけにしておくのはもったいないくらいのね~」
マーゲイ
「・・・何を」
フェネ畑
犯人はマーゲイ、あなたでしょ~」
マーゲイ
「・・・」
フェネ畑
「被害者だと思われていた人物が実は生きていて真犯人だった、
ーというのは推理モノでは使い古された手法で・・・」
マーゲイ
「そんなことを言い出すなら『探偵が真犯人』だった、というトリックも聞いたことありますよ?」
フェネ畑
「おっと~
これは1本取られたね~
ーとまあ、冗談は置いといて~
もうちょっとで劇中のフル畑さんの『犯人なんていない』というセリフを鵜呑みにするところだったよ~」
マーゲイはズレたメガネを直しながらフェネ畑を睨みつける。
BGM 25:47~(動機)
フェネ畑
「あなた最初からインド映画を作りたかったんでしょ~
言ってたもんねぇ。 『きっとウマくいく』で締めたいってさ~
でもそのままじゃあ誰も乗ってくれないかもしれないと思ったあなたは推理要素を取り入れることにした。
あとは違和感を持たれないように『QK-1』で作りたい映画を列挙しておいて、
『現場検証編』で対比させる構成を取ったんだよね~
[王様のリストラ][振り返ればヤクがいる(中の人ver)]順番は変わっているけど
[真マヌル][きっとウマくいく]だっけ~?」
マーゲイ
「偶然をあなたの妄想で補完しているに過ぎません。
タイトルはF畑任三郎ですよ? キャストも英名の頭文字からフルルさんを起用して・・・」
フェネ畑
「ん~?
フンボルトペンギンの英名は『Humboldt penguin』 頭文字は『H』だよ~?」
マーゲイ
「くっ… 勘違いは誰にでもあります。
証拠としても弱い」
フェネ畑
「まあ、いいでしょ~ 続けるよ~
あなたには1つ誤算があったみたいだね~」
マーゲイ
「誤算…?」
フェネ畑
「インド系フレンズたちの衣装の露出が思った以上に激しかったことさ~」
マーゲイ
「・・・」
フェネ畑
「ジャパ警のインド系メンバーの色気に当てられていたあなたは
インドオオカミさんからの着信を受けたのを、これ幸いと逃げるように去り、
自室でオーディションを行った・・・
だけど、そこでも肌も露わなフレンズのセクシーな踊りを見せ付けられてぇ、
ウブなあなたは、たまらず鼻血を流しながら倒れてしまったというわけなのさ~
それはインドオオカミの『着替えていない』という証言と、さっき観たダンスシーンからも明らかなのさ~」
マーゲイ
「面白いお話ですね。 あなたの方こそ脚本を書いて映画をお作りなったらいかがです?
私、喜んでプロデュースしますよ」
フェネ畑
「ありがと~ 考えとくよ~
でも1つ分からないことがあったんだよね~
そう五角形の血文字だよ~
あれはダイイングメッセージなんかじゃないよね~
現に生きてる訳だし~
じゃあ、インドオオカミに何かされた訳でもないあなたが、
どんなメッセージを残さなきゃいけなかったのかな~?」
マーゲイ
「・・・」
フェネ畑
「ヨシさんも言ってたよね~ 『五角形の意味をダジャレで』ってさ~
そこで考えたのさ~
五角→ごかく→ごーかく→オーディションに合格したという合図だったんじゃないかってね~
以上だよ~」
マーゲイは1つ大きな溜息を吐いた。
「1つだけいいですか? いつから私が犯人だと?」
フェネ
「最初からあなただと思ってたよ~」
マーゲイ ( ゚д゚ )
フェネ畑
「インド映画を推理モノで誤魔化すというのもどうかと思うけど、
よりにもよって古畑任三郎を題材に選んだってのは失敗だったね~
冒頭部で映っていたのはインドオオカミとあなたでしょ~
フレンズが・・・仲間であるフレンズを傷付けたり、ましてや殺人なんて犯すはずないじゃないか~。
インドオオカミが犯人でない以上、あなたの自作自演もしくは事故以外に考えられないのさ~」
マーゲイ
「・・・後悔なんてしてませんよ。
私は作者(神)として、好き勝手・やりたい放題やったし、
こうやって映画公開も果たせた。
まんぞく…です」
フェネ畑
「そうかな~
本当に自己満足のためだけだったら映画にして観せたりするかな~
自費出版でOVAでも作って配ればいいんじゃない~?」
マーゲイ
「・・・」
フェネ畑
「作品を多くのフレンズに観てもらいたいってのは当然あっただろうけど、
やっぱりお客さんに喜んでもらいたかったから、じゃないの~
PPPの皆さんも言ってましたよ~
マーゲイは誰よりもお客さんの気持ちを第一に考えて
マネージャー業・プロデュース業をしてくれている、って~
頭文字が『F』の私をキャスティングして、この推理パートをラストに付け加えたのも・・・」
マーゲイ
「・・・後付けですけどね。
読者は楽しんでくれたでしょうか?」
「さあ? それこそ神(お客様)のみぞ知るってヤツじゃないのかな~」
マーゲイ
「・・・」
フェネ畑
「じゃあ次の作品に行こうか~ (あれば、だけど)」
~20:30~
ーFinー
五角形
ごかく
ごうかく
合格
な、なんだってぇー!!
作っている過程を魅せるという斬新な切り口で作られたssなんて多分他探してもないですからいろんな意味ですごく面白かったです
絵の書き方のハウツーはそこらじゅうで見るけどssは過程を見る機会ってほぼないですもんね
呼んで頂きありみーです
アイデアは学業の神様、道明寺天満宮の「合格祈願鉛筆(通常は6角形のところ、五角形になっている)」
からもらいました
「過程を見せる」元ネタは今回の古畑任三郎と、ネタバレマジックなんかの影響もあるかもですが、
それでいて観客の斜め上をいくモノ、
ココでしか出来ないSS、僕にしか思い付けない作品を今後も提供できれば・・・
【黒ズッキンちゃん】
~ジャパリパーク・うみべちほーの昼下がり~
「黒ズッキンや、ちょっとジャパリカフェまでお使いに行っておくれでないかい?」
「・・・メンドくせぇ。
ドルカにでも行かせりゃいいじゃん」
ナガスママ
「私はあなたに頼んでるんですけどぉ!?」 (#^ω^)ピキピキ
黒ズッキン
「ハ、ハイ… 行かせていただきます」
([ちょっと本気のお母さん]を発動されちゃ敵わんからな・・・)
~とあるへいげん~
黒ズッキン
「あ~あ、こうざん登るのかったりぃんだよなぁ。
その辺に足漕ぎ要員になってくれそうなヤツいねぇかな?
お、アイツに頼んでみるか。 おーい!」
(アードウルフ)
「な、なんでしょう・・・?」
黒ズッキン
「なあ、俺様と一緒に、こうざn…」
???
「ちょっと、あなた・・・」
黒ズッキン
「?」
振り返ると双子のようにそっくりな2人組のオオカミフレンズが立っていた。
アフリカンゴールデンウルフ(アルル)
「アー・・・なんとかちゃんに絡むのをやめてあげてくださいっ」
黒ズッキン
「別に絡んじゃいねぇよ、ちょっと頼み事を…」
キンイロジャッカル(キンコ)
「アーノルドちゃんは私たちの仲間・・・です。
困り顔をさせないであげてくだ・・・さい」
赤ズッキン
「だから絡んでねぇって!
あと困り顔はデフォだろ? コンセプトデザイナーに言え」
アードウルフ
「あ・・・頭巾の色が…」
赤ズッキン
「ああ、これは体質でな。
興奮すると色が変わっちまうんだよ。
この名前の状態でいるのは著作権的に避けたいんだがな」
アードウルフ
「頭からケチャップでもかぶったんですか?」
赤ズッキン
「俺様の話聞いてた!?
なんでわざわざお前の目を盗んで頭からケチャップかぶんないといけないんだよ!
これ以上オレを興奮させんな!」
アードウルフ
「す、すみません!」
アルル
「やっぱりアー・・・なんとかちゃんを困らせてますっ」
キンコ
「そうですよ。 アームストロングちゃんをイジメないでくだ・・・さい」
赤ズッキン
「どこをどう見たら俺様がコイツをイジメてるように見えんだよ!
ーていうかコイツの名前をちゃんと呼んでやれよ!
そっちの方がよっぽどイジメっぽいじゃねぇか!」
(イタリアオオカミ)
「どうしたの? 何かモメごと?」
また新たなオオカミが現れた。
今日はやたらとオオカミと会う日だ。
イタリア
「そんなことより、私はタイリクお姉さまの所に向かってるんだけど、あなた方もどう?」
黒ズッキン
「そんなことって・・・」
(やっと落ち着いたが、コイツはコイツでおかしなヤツ・・・なのか?)
アードウルフ
「タイリク先生がどうかしたんですか?」
イタリア
「お姉さまの心の遠吠えを受信したの♡
きっと私の助けを求めてるのね」
黒ズッキン(ぜってぇやべぇヤツだよ。 こりゃ関わらない方が身のためだな)
「俺様には用事があるんだよ。 じゃあな」
イタリア
「えー?
そんなに急ぐことないでしょ。
一緒に行きましょうよ」
黒ズッキン
「確かに『いつまでに』とは言われてねぇけど」
アードウルフ
「私に頼みごとがあったんですよね。
タイリク先生を助けてくれたら、その後で手伝っても構いませんよ」
黒ズッキン(タイリク先生とやらに何かが起こったとは限らないし…)
「それならまあ… いいか」
元より用事に乗り気ではなかった俺様は、誘われるまま『寄り道』をすることにしたのだった。
~to be continued~
きっとタイリク姉さまは漫画のネタに困っているはずなのです
ギクゥ(; ̄◇ ̄)!
さぁてなんのことやら〜 ( `○´) 〜♪
早速目的が脱線しとるやないかーい!
一応、原作の赤ずきんも寄り道してるから…(震え声〕
~夕方:ろっじ~
(タイリクオオカミ)
「・・・」
イタリア
「ああ!?
お姉さまが真っ白に燃え尽きてるーー!?」
黒ズッキン
「ホントに電波を受信してたのか…?」
アルル
「何があったんでしょう?
バナナの皮を踏んで転んだ、とか?」
キンコ
「そんなに滑るモノ・・・かな?」
(チュウゴクオオカミ:リンリン)
「ある研究によると普通の床の6~7倍とかって聞くヨ!」
(タテガミオオカミ)
「へ~
世の中にはイグノーベル賞を取りそうな研究してるヒトがいるもんなんだね」
(ドール)
「犯人は『ボンバー』だと思うのであります!」
黒ズッキン
「いや、意味分かんねぇよ」
(アミメキリン)
「いいえ、犯人はヤギね!」
赤ズッキン
「いや、その意味も分かんねぇって!
一体どこにヤギの出てくる余地があったよ!?」
(アリツカゲラ:アリツさん)
「もう、キリンさんたらぁ…」
「失礼した。
集まってもらったのは他でもない」
黒ズッキン
「白とのギャップがエグいな…」
それはさておき、タイリク先生が言うようにたくさんのオオカミフレンズがろっじに集結していた。
黒ズッキン
「確かに、ここにきて随分オオカミ密度が上がったな・・・」
アリツ
「昨日までガラガラだったのに、こんなにたくさんのお客様に来ていただき、
まことにありがとうございますぅ」
アミメ
「先生! よく見たら手も真っ白じゃないですか!」
タイリク
「これはホワイト(修正液)をこぼしただけで・・・」
アミメ
「これは単独犯では不可能・・・いや、しかし子ヤギも七匹ならば・・・」
赤ズッキン
「ヤギの出てくる余地あったぁ!
別の童話を混ぜることでなぁ!
あと、その話の中でガラガラなのは声な!」
タイリク
「そんなことより私の話を・・・」
(イエイヌ雑種)
「あの… あの・・・フリスビーでもしませんか?
私もそうなんですが、
無心になって追いかけてると悩み事も吹っ飛ぶんです」
タイリク ヾ(⌒('ω')
「提案はありがたいが、私は現実逃避をしたいわけじゃないんだよ」
黒ズッキン
「しっぽは正直だけどな…」
(ニホンオオカミ:ニホニホ)
「ここはやっぱり美味しいモノを食べるに限りますよ。
こちらをどうぞ」
そう言うと弁当箱を取り出し、フタを開けてみせる。
(白ごはん!)
ニホニホ
「ここにたっぷりのマヨネーズを掛けて・・・
マヨネーズ弁当の完成です!」
「・・・」
ニホニホ
「感激のあまり真っ白に♡」
赤ズッキン
「トラウマを刺激されたんだよ!
大体なんだ、その弁当!」
アードウルフ
「美味しそう・・・」
赤ズッキン
「うそだろ!?」
ニホニホ
「ホントはお姉さまに食べて欲しかったけど・・・
あなたにあげるわ」
アードウルフ
「はい。 いただきます。 パクパク…
ああ… なんだか懐かしい味がします・・・」
(ろっじボス)
「アードウルフは原作だった頃はシロアリが主食だったからネ。
蟻の体に含まれるギ酸と、マヨネーズは味が似てるそうだヨ」
赤ズッキン
「ボスがしゃべったーー!?」
(ホッキョクオオカミ)
「なんでも『かばん』というヒトのフレンズが、
ラッキービーストたちの『りみったー?』を解除して、いつでもフレンズたちとも喋れるようにしたらしい」
黒ズッキン
「バナナの皮からそんなことまで・・・
ヒトの振り幅やべぇな…」
(インドオオカミ)
「ここはひとつ、ヨガでリフレッシュというのはどうでしょう」
(シンリンオオカミ:リンカ)
「それも悪くないけど、
せっかくこんなに人数も揃っていることだし何か『げぇむ』をしましょうよ。
ツンコ、何かない?」
(ツンドラオオカミ:ツンコ)
「丸投げ!?
・・・じゃあ、こういうのはどうだ?
1.昼パートで村人が会話と推理を元に、投票で誰かを処刑する
2.それがオオカミじゃなかったら夜のうちに村人が1人食われる
3.それらを繰り返して、オオカミと村人の人数が同じになったらオオカミチームの勝ち
その前にオオカミたちを全員処刑出来たら村人チームの勝ち」
ろっじボス
「それは『人狼』だネ」
黒ズッキン
「オオカミ(の話)はもうお腹いっぱいだよ」
~宵:ろっじ~
「こういう時でなければ付き合ってやりたいが、まだ半分も話が進んでない」
赤ズッキン
「なんで気絶してた間の話を把握している!?
あと、しれっとメタいことを言うな!」
タイリク
「細かいことは気にしないでくれたまえ。
なにしろ、この物語はあくまでフィクションなのだから。
話を戻そう。 こうやって皆に集まってもらったのはアイデアが欲しいからだ」
イタリア
「アイデア?」
アミメ
「先生は極度のスランプに陥っていて、締め切りが近いというのに原稿も未だに真っ白なのよ」
アリツ
「なんでも頭の中が真っ白で『ネタ?』が下りてこないそうでぇ・・・」
タイリク
「・・・」
黒ズッキン
「もう白歴史をイジるのはやめてやれよ」
タイリク
「危ないところだった・・・ (; ̄ー ̄A
ーというわけで話のネタになるものが欲しい。
なるべくなら『ほらー』な話がいいのだが・・・
どうだイエイヌくん、何かないかね?」
イエイヌ
「え? あ、はい。
では、こういうのはどうでしょう?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これは私がまだフレンズになる前の話です。
ヒトの世界ではイヌが我を忘れて誰彼構わず噛み付くようになる病気があるんだそうです。
しかも一度そうなってしまうと、やがて「お話も出来なくなる」し、
噛まれた側も100%同じような症状になってしまうという恐ろしい病気です。
ヒトは賢いので、その病気を防ぐ方法を編み出したのはいいんですが、
その方法というのが、一瞬のこととは言え、とても痛くて痛くて・・・
だからかもしれませんが、その場所に行くのが怖くて仕方ないんですが、
ヒトはあの手この手で連れて行こうとするんです。
いつもは遊んでくれたり可愛がってくれるヒトが、その日だけは悪魔のように感じたものです。
しかも騙されたと気付いた時の絶望感と言ったら・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ろっじボス
「ヒトが居た頃はココでも接種していたヨ。
その病気に罹るのは主にイヌ科だけど、ネコ科やヒトにも伝染るからネ。
年一回の『その日』はパーク中、どったんばったん大騒ぎだったヨ」
((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
どうやらオオカミフレンズたちにはその記憶が本能レベルで刷り込まれているらしい。
タイリクオオカミ
「なかなかやるじゃないか、イエイヌくん」((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
赤ズッキン
「めっちゃ怖がってんじゃん!」
イエイヌ
「でも、それが終わると、また優しいヒトに戻ってくれて・・・
なんだったらいつも以上に甘やかしてくれるので、怖いのなんか忘れちゃうんですけどね♡」
バターン!
ビクゥッ Σ(゚ω゚ノ)ノ
荒々しく開いたドアの音にオオカミフレンズたちが怯える。
さっきの余韻をまだ引きずっているらしい。
(エゾオオカミ)
「オオカミが来たぞ!」
アリツ
「はい、いらっしゃいませぇ~」
(メキシコオオカミ)
「そうじゃなくて!
僕たちはお客さんじゃないし、自己紹介したわけでもないよ。
恐ろしいオオカミがやって来た、という警告に来たんだ」
黒ズッキン
「また別の童話か・・・
しかしオオカミが『オオカミが来た』と言うのもシュールなシチューションだな」
ホッキョク
「謎の組織に追われてるっていう妄想に誰もノってくれないからって
また新しいオリジナル設定を考えてきたの?」
メキシコ
「そういうんじゃないよ!」
エゾ
「今度は本当なんだ! 世にも恐ろしいオオカミに追われてるんだ」
メキシコ
「え? 今度はってなに…? 今まで謎の組織に追われてたっていうのは・・・?」
エソ
「いや、あのな? 話せば長くなるんだが… ドール、説明してやってくれ」
ドール
「そろそろ年貢の納め時であります!」 ( ̄^ ̄ゞ
エゾ
「えぇ…」
黒ズッキン
「なんか雲行きが怪しくなってきたな…」
バターン!
ビククゥゥッ Σ(゚ω゚ノ)ノ
更に荒々しく開かれたドアにオオカミフレンズたちは再び反応する。
そこに立っていたのは・・・
ドール恐ろしいオオカミ …?」
「
~夜:ろっじ~
タイリク
「いや、違う!」
オオカミフレンズの姿をしていた者はぐにゃぐにゃと姿を変え・・・
タイリク
「セルリアンだ!!」
エゾ
「え…?」
メキシコ
「あれ…?」
リンカ
「何よ、ぜんぜん弱そう(藁)」
黒ズッキン
「その ネットスラング、絶滅してなかったのか…」
その挑発に呼応するかのようにセルリアンは素早い動きで間を詰めると、リンカに向かって腕を振り下ろす。
リンカ
「おっと」
リンカがサイドステップで避けるのと、木製のテーブルが木っ端微塵になるのはほぼ同時だった。
リンリン
「思ったより素早いヨ!」
ーと、セルリアンの目がこちらに向く。
黒ズッキン
「え、俺様?」
しかしセルリアンは、なぜか襲ってこない。
グルル… と低く唸ると部屋を飛び出して行った。
黒ズッキン
「・・・
なんだったんだ…?」
タイリク
「・・・」
(ブタ)
「後片付けは私に任せて皆さんは避難してください!
奥にレンガ作りの食料庫がありますので、そちらへ・・・」
入れ替わりに入って来たブタがテキパキと指示する。
黒ズッキン
「だから他の童話を混ぜるなって・・・」
アリツ
「ラッキーさん!」
ろっじボス
「マカセテ。 ハンターたちには緊急通報をしておいたヨ」
~to be continued~
しまった、適当な事言ったらストーリーを改変させてしまったw
大丈夫!
それも踏めて予定通りです! ( ̄^ ̄)キリッ
思えば童話の悪役はオオカミばかりなのだ・・・
いや、セルリアンだけどさ・・・
「あたしの姿で仲間を襲うなど・・・許すまじ、セルリアン!」
~夜:おんせん~
(ヒグマ)
「あ゙~ 気持ちいい湯だぁ。
おい、お前たちも早く来いよ」
(キンシコウ)
「リカオンさん、ボスは置いてきたらどうです?」
(リカオン)
「いえ、片時も離れたくないんです。
ボスと一緒に温泉に・・・」
ハンターボス
「・・・」
キンシコウ
「壊れちゃっても知りませんよ?」
リカオン
「でもサーバルたちは凍ったボスを雑にお湯に漬けてたじゃないですか。
海に沈んだ時も大丈夫でしたし・・・」
ハンターボス
「ジャガジャガジャーン… ジャガジャガジャーン」
リカオン
「うわ…」
キンシコウ
「いつ聴いても不安な気分にさせる不協和音ですね。
字面だけ見るとアンガールズっぽいですが…」
リカオン
「ちょっと他の着信音に変えてみますか?」
ハンターボス
「♪~ 突然出てきてご、め~ん セルリアントレビアン」
リカオン
「どうですか?」
キンシコウ
「・・・」
ヒグマ
「バカやってないで何かあったんならすぐに報告しろよ、お前ら」
ハンターボス
「緊急通報だヨ。
セルリアン出現、場所はろっじ、宿泊客多数・・・」
ヒグマ
「! よし、セルリアンハンター出動だ!」 👉
リカオン
「すっぽんぽんでキメても決まらないですよ」
キンシコウ
「風邪を引いちゃいますから、先に体を拭いてください…」
~夜:ろっじ~
ドガーン! バガーン!
セルリアンの暴れ回る音がするが、レンガ造りの食糧庫には近付いてこない。
オオカミにとっての苦手地形なんだろうか?
コンコン…
とうとう見つかったか?と一瞬焦ったが、セルリアンがノックするはずもない。
アリツ
「どうぞ」
リカオン
「セルリアンハンター現着しました」
ヒグマ
「セルリアンの特徴は?」
キンシコウ
「けが人はいませんか?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ヒグマ
「うーん、どうにも情報が少なすぎるな。
これはぶつかってみないと分からないか・・・
しかし屋外と違っていつものような作戦は取れない。
攻撃担当は私、キンシコウはサポート、リカオンはフレンズたちの防御を担当しろ」
キンシコウ
「了解です」
リカオン
「オーダー、了解…」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ヒグマはドアに耳を当て、セルリアンの気配を探っている。
近付いてきたところで一気にドアを開け放つ・・・と同時にセルリアンが飛び込んでくる!
ヒグマ
「ふんっ!」
待ち構えていたヒグマが熊手をバットのように振り、真横に薙ぎ払う!
・・・がセルリアンは躱すことなく自身の左側から来た熊手の甲を左手で右に払う。
ヒグマ
「なに!?」
ヒグマは、つんのめるように態勢を崩す。
ヒグマ
「なんて強引なヤツ・・・
だが、急所は見つけたぞ」
さすがに無傷とはいかず、セルリアンの服の一部が破れ、腹部から「石」が覗いていた。
「今度はこっちから行くぞ!」
一気に間合いを詰めると熊手を右斜め上に振り上げる。
体をのけぞらせボディに隙を作るためだ。
しかしセルリアンは、それには構わず左足でヒグマの顔を目掛けローキックを放つ。
ヒグマ
「うわっ!」
ヒグマは咄嗟に右手で蹴りをガードする。
しかし片手になってしまったことでヒグマの攻撃は軌道が変わり、
セルリアンの顔面を掠めただけになってしまう。
「ふっ!」
それを見たキンシコウは予定を変更してヒグマの左側に回り込み、
如意棒で腹部の「石」めがけて刺突を繰り出す。
セルリアンは突き出された如意棒を左手一本で掴むとキンシコウの動きを制してしまう。
キンシコウ
「くっ!」
そのまま右足でミドルキックを放つ!
キンシコウは固定された如意棒を逆用して、それを支点に体を側転させると蹴りを躱した。
ヒグマ
「どういうことだ、防衛反応をまったく起こさないぞ!?」
キンシコウ
「普通なら考えられないことなんですが、厄介なのは確かですね」
その間もセルリアンの理性を感じさせない猛攻が続く。
リカオン
「まるでバーサーカーのような・・・
何者なんでしょう? あのセルリアンは」
ハンターボス
「分析にかけてみたけど、ビースト化したフレンズの戦い方に似てるネ。
外見だけはダイアウルフに擬態してるみたいだけド…」
タイリク
「狂戦士、ビースト、イヌ科に擬態・・・か」
リカオン
「何か気付いたことでも…?」
キンシコウ
「あぁっ!」
ズザーーーーーーーーー!
黒ズッキン
「わっ!」
セルリアンのパワープレイに押され、ノックバックしたキンシコウが黒ズッキンの目の前に倒れ込む。
そこに追い打ちを掛けようとしたセルリアン・・・
ーの様子がおかしい。
セルリアン
「グルル…」
黒ズッキン
「・・・?」
リカオン
「・・・もしかして怯えてるんですか?」
タイリク
「実はさっきもそうっだった」
リカオン
「彼女の何が・・・?」
タイリク
「うーむ、このろっじに集まってきたのはオオカミ連盟。
その中で彼女・・・だけがウォーターガールズ…?」
リカオン
「そうか! イエイヌさん、ソレを!」
イエイヌ
「は、はい。 どうぞ」
リカオンはイエイヌから借り受けたフリスビーを投げるとセルリアンの目の前を掠めて飛び・・・
ガシャーン!💥
セルリアンは反射的にフリスビーを目で追い、
やがて窓ガラスを割って飛んで行くフリスビーを追って外に飛び出した。
「アリツさんも済みません、後で必ず弁償します」
そう言うとリカオンもセルリアンの後を追って飛び出す。
キンシコウ
「リカオンさん!?」
ヒグマ
「おい、何を吹き込んだ!
アイツはあんな勝手なことをするヤツじゃなかったぞ!」
タイリク
「落ち着きたまえ。
『ビースト化の秘密』に、イヌ科フレンズだからこそ気付いたことがあるんだろう。
そしてハンターとして自分がやるべきことをやろうとしている」
キンシコウ
「それって何ですか?
同じハンターとして私たちにも教えてください」
ヒグマ
「・・・すまん、取り乱した。
アイツに何か考えがあるのも分かった。
ーで、その『ビーストの秘密』ってのは何だ?」
~夜:森~
「検索は出来ましたか」
リカオンは敵からの攻撃をかいくぐり、時に手出しをしてこちらに気を引きながら森の中を走っていた。
セルリアンを「とある場所」に誘導するためだ。
ボス
「北に700m行ったところに水場があるヨ」
リカオン
「それではダメです。
フレンズさんたちが飲みに来てるかもしれないし、
セルリアンも目にしてしまうと近付いてくれないでしょう。
再検索をお願いします」
「・・・(ケンサクチュウ)
そういうことなら、2時の方向1.6km先に吊り橋があるヨ」
リカオン
「それです!」
しかし自分1人でセルリアンに致命傷を与えられないことは分かっている。
常々思っていた。
自分にはヒグマさんのような判断力やパワーは無い。
自分にはキンシコウさんのような瞬発力やテクニックは無い。
その代わり自分には観察力とスタミナがある。
今はセルリアンと付かず離れずを繰り返しながら3人揃うまでの時間を稼ぐ。
それが自分に出来ることであり、やるべきこと!
リカオン
「これは・・・」
足元の幾つかの石が不自然なほどキレイに並べられているのに気付いた。
ボス
「リカオン」
ボスの言う方を見やると道端にある木立のうち、1本の幹が不自然に抉られている。
リカオン
「こっちだ! セルリアン!」
リカオンは加速した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
森を抜けると見晴らしのいい高台に出た。
リカオンはセルリアンに追い付かれるかどうかの距離とスピードを保ちつつ吊り橋に差し掛かる。
半分を過ぎた辺りでリカオンは床板を思い切り踏みしめるとジャンプ!した。
ふ…
同時に、リカオンを追って吊り橋を渡っていたセルリアンの足元の床板が消える・・・
橋のたもとに隠れていたキンシコウがロープをほどいたのだ。
リカオンは何とか向こう岸の崖に手を掛ける。
一方のセルリアンは真っ逆さまに谷を落ちる。
眼下には川が流れていた。
それに気付いたセルリアンがメチャクチャに暴れ出す。 水に怯えているのだ。
それを見たリカオンは意を決して高さ20mはあろうかという崖を飛び降りる。
キンシコウもそれに続く。
リカオンがセルリアンの両手、キンシコウが両足を掴むと、空中で仰向けになるように固定する。
「おらーーっ!」
崖の中腹でスタンバっていたヒグマが飛び出すと、熊手を振り下ろす。
キンシコウ
「伸びてください!」
セルリアンは背中から川に落ちると同時に腹の石を熊手でしたたかに殴りつけられる・・・
ぱっかーーーん!
~夜:小川~
ばっしゃーーん!
ヒグマ
「ぶはっ!」
リカオン
「大丈夫ですか!?」
ヒグマ
「洗濯物みたいに干されてるヤツには言われたくないな」
リカオンは崖と崖の間でつっかえ棒のように伸びている如意棒に服の両袖を貫かれてぶら下がっていた。
「まったく。 2人ともムチャするんですから・・・縮んでください」
キンシコウは平均台のように乗っていった如意棒から飛び降りる。
ヒグマは落ちてきたリカオンを受け止め・・・ずにそのまま川に落とす。
リカオン
「ぶはっ!
ヒドいですよ! 何するんですか!?」
ヒグマ
「私たちに相談もせず、勝手な行動を取った罰・・・
ーと言いたいところだが、残念ながら水も平気そうだし、噛まれた痕も無さそうだ」
キンシコウ
「まったく… 素直じゃないんですから。
心配だったんなら、そう言えばいいのに…」
ヒグマ
「な・・・!
そんなんじゃない!
むぅ… せっかく狂犬病ワクチンを受けることになってブルってるところを見れると思ったのに残念だよ」
リカオン
「ヤメてくださいよ。
その単語を聞くだけでも怖いんですから」 ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
ヒグマ
「ははw」
リカオン
「こ、これは川の水が冷たいから、ですからね!」
バシャバシャ!
ヒグマ
「冷たい! 何するんだ!」
リカオン
「ヒグマさんこそセルリアンに伝染されてないかと思って」
バシャバシャ!!
ヒグマ
「そんなヘマするか!」
キンシコウ
「海辺の恋人たちですか、風邪ひきますよ?」
ヒグマ
「そうだな、温泉に入り直すか。
あと、改めて・・・
よくやったな、リカオン。 お手柄だ」
そういうと乱暴に頭を撫でまわす。
リカオン
「いた、痛た…ヒグマさん、強すぎです」
キンシコウ
「そうですね。 ご褒美に何か欲しいモノとか、して欲しいことはありますか?」
リカオン
「でしたらボス! ボスと一緒に温泉に入りたいです!」
ヒグマ
「そんなんでいいのか?」
キンシコウ
「・・・一応ボスの意見も聞いてみないと…」
リカオン
「ボス! 一緒に温泉に入りましょう!」
ボス
「えぇ…」
勝ったな風呂入ってくる!
「お客様、男湯はあちらになりますが…💢」
~ろっじ:深夜~
ヒグマ(ろっじボス通話越し)
「ーというわけでセルリアンは殲滅完了だ」
キンシコウ(ろっじボス通話越し)
「今は少し落ち込んでますけどフリスビーは明日にでも返却させますし、
窓の修理は[こはんコンビ]さんたちに依頼しておきました。
もちろんお代はリカオンさんが持つそうです」
イエイヌ
「いえ、そんなに急がなくても…」
アリツ
「ご丁寧にありがとうございますぅ」
カバ
「私ももう少し若ければ、と言ったところですわね」
メガネカイマン
「アリツさん、いつものメガネもお似合いですけど、
気分を変えてこういうデザインのモノはどうでしょう?」👓
オオミミギツネ
「アリツさん、お部屋の用意が出来ました」
赤ズッキン
「大きな口に大きいメに大きい耳・・・
ここにきて雑に赤ずきん要素を満たしてきやがったな!」
アリツ
「メガネカイマンさん、その話は後でゆっくりと・・・
皆さん、今夜はお泊りでよろしいでしょうかぁ」
黒ズッキン
「!?
よくねぇ! お使いのことすっかり忘れてたよー!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
慌てて家に帰った黒ズッキンを待っていたのは「かなり本気のお母さん」
黒ズッキンは二度と寄り道をしない!と誓ったのでした。
~めでたしめでたし~
【黒ズッキンちゃん】
ー完ー
作:タイリクオオカミ
タイリク
「ーというお話を思い付いたんだが、どうかな?」
アミメ
「さすが先生! 傑作です!」
アリツ
「私も出版されたら読みますね」
赤ズッキン
「めでたしめでたし、じゃねぇよ!
勝手に俺様の名前を使いやがって!
パークの著作権はどうなってる!?」
タイリク
「だからこうやって事前に許可を取っているんだが・・・
そうか・・・少し手直しするか」
黒ズッキン
「ああ、そうしてくれ。
俺様は今からジャパリカフェにお使いだっていうのに呼び付けやがって…
行くぞ、アードウルフ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
タイリク 〆(・ω・)
「よし、と。 こんなもんかな・・・」
慌てて家に帰った黒ズッキンを待っていたのは「かなり本気のお母さん」
黒ズッキンは二度と寄り道をしない!と誓ったのでした。
~あざらしあざらし~
【黒ズッキンちゃん】
ー完ー
赤ずきん要素をパワープレイで回収だ!
おもろかったです おつかれさまみみー
タイリク先生
「楽しんでもらえたようで何よりだよ」
[参考文献]
・赤ずきんちゃん(童話)
・オオカミハウスの惨劇!? 赤ずきんは誰だ!(ネクソン版オオカミ連盟結成イベント)
・オオカミと七匹の子ヤギ(童話)
・三匹の子豚(童話)
・オオカミ少年(童話)
・人狼(ゲーム)
・けものフレンズ(アニメ・ゲーム・二次創作)
狼男(伝承・小説・映画)は入れられなかったな・・・
キングコブラ
「それでは第◯◯回、ヘビフレ集会を始める。
今回はツチノコからの相談だ。 ーって珍しいな」
ツチノコ
「相談・・・てのはちょっと違うな。
議題が無いとすぐに乱パだ、ハーレムだ、と誰かさんがうるさいからな」
アカニシ |( ̄3 ̄)|〜♪
ツチノコ
「・・・
パークは今、神に溢れている」
ブラックマンバ
「お、マジメそうな話?」
ツチノコ
「四神に始まり、キツネの神オイナリサマ、ウシの神ゴシンギュウサマ、
オオカミのマカミ、ウサギのツクヨミノシンシ・・・
次当たりヘビの神が実装されるんじゃないかとオレは睨んでいる」
ハブ
「あり得なくはない話だがメタいな…」
ツチノコ
「そこで、どんな蛇神が来るかみんなで予想してみよう、
ってのが今回の趣旨だ」
アマボア
「軽っ!」
エメボア
「もっとヘビぃ話かと思って損したわ!」
キングコブラ
「まあまあ、たまにはこんな回があってもいいじゃないか。
誰か意見はあるか?✋」
アカニシ
「う〜ん、急に言われてもねぇ…
ヤマタノオロチさんは強いけどダメなの?」
ツチノコ
「アイツは神っていうより怪物だろ?
フレンズ化してかなりトグロ巻いたけど」
ブラックマンバ
「丸くなった、って言いたいのか?
えー…じゃあ、神龍はどうだ?」
ハブ
「今度はDBとコラボするのかよ?
せめて角◯系列の版権をだな…って、だからメタいんだって」
ツチノコ
「あれは龍だから却下」
アマボア
「キビシッ!」
エメボア
「一刀龍断ってか?」
✋
ツチノコ
「お、新人の・・・」
キングコブラ
「ボリエリアボアくんだね。
忌憚の無い意見を聞かせてくれたまえ。
ツチノコも頭ごなしに否定してばかりじゃダメだぞ」
ツチノコ
「あ、あぁ…」
ツチノコ
「お前だけはぜってぇ認めねぇ! あと後ろの誰だよ!?」
ヘビフレたち ʅ(◞‿◟)ʃ
(やれやれ・・・)
ー終ー
※イラスト協力:高飛車さま
ある意味実装してほしくはあるw
アピリッツ
「ボリエリアボアちゃんだけならなんとか・・・」
アピリッツ見てるぅー!?
世界観が完膚なきまでに壊れそうw
蛇足(物理)
絵の上手いパークスタッフ
(ヘビフレみんな生やしてもうたけど…)
SS第2弾 思ったより長くなったので前後編になりました orz
まずは前編
隊長
「博士!」
博士
「なんです? 騒々しい…」
助手
「博士、お茶です🍵
お前も飲みますか? 落ち着きますよ」
隊長
「ありがとうございます」🍵
博士
「ーで、どうしたのです?
と言ってもどうせドール絡みなんでしょうが・・・」
隊長
「はい、実はホワイトデーのお返しで悩んでまして…」
博士
「まあ、ずいぶん気の早い話ですね。
まだバレンタインも始まってないでしょうに」
隊長
「甘い! 甘すぎます!」
助手
「マシュマロが時代遅れ、ぐらいのことは我々も知っていますよ。 長なので。
ーとは言ってもクッキーかマカロンか・・・
なんならジャパまんでもやっておけばいいんじゃないのですか?
我々は大盛カレーを所望しますが…」
隊長
「バレンタインはくれたことないのにお返しだけは要求するんですね・・・
ーじゃなくて、それじゃあ他の義理返しとの差別化が図れないじゃないですか」
博士
「そこまで言うなら何か考えがあるのですか?」
隊長
「ええ、まあ一応…
でへへ…」
博士
「なんとなく想像が付きました」 ( ̄Д ̄)
助手
「鼻血を拭きなさい、鼻血を」 〜(~_~;)
博士
「ーで、決まってるなら何を我々に求めるのです?」
助手
「衣装ガチャを引くためにキラキラを貸せ、と言うのなら
トイチからの交渉スタートになるですよ」
隊長
「えぐ… いや、そうではなく、
アピリッツにホワイトデーイベントをしないよう掛け合って欲しいんです」
博士
「またメタいことを・・・」
助手
「ーというか、かなり難しいですよ?
これは給料3ヶ月分くらい貰わないと割に合わない仕事なのです」
隊長
「それくらいの蓄えはあります!」
博士
「・・・なぜそこまでして・・・?」
隊長
「サプライズです! ものすごく喜んでもらえると思うんです!」
助手
「やれやれ」 ʅ(◞‿◟)ʃ
隊長
「あれ? なんですか、その反応」
博士
「女心の分かってないお前に1つ物語を読み聞かせてやりましょう。
助手、例の本を」
助手
「はい、博士」 つ📕
【かしこい贈り物】
〜つづく〜
イラスト協力:超最強神ぷにぷにD・O・Cさま
〜後編〜
博士
「違う世界線でのパークの話です。
とあるちほーにヒトとフレンズが暮らしておりました・・・
カラカル
「はぁ… 💰今日もこれっぽっちか・・・
これじゃあ大したクリスマスプレゼントも買えないなぁ。
あんなチビた鉛筆じゃなくて、もっと・・・
こうなったら危険の伴う探検隊に入るか、
いっそハンターチームに入って大型セルリアンを・・・
でもアイツと一緒にいる時間が減るんじゃ本末転倒だしなぁ」
・・・・・・・・・・・・・・
キュルル
「ふぅ… こんな絵ばっかり描いてていいのかなぁ?
カラカルは身だしなみにも気を遣えずに、
自慢の房毛もボサボサになりながら働いてくれてるのに。
せめて僕にも何か出来ることがあれば・・・そうだ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
カラカル
「ただいまー! 見て見て! ✏️24色入りだよ?
これで『カラカルを描くに相応しい色が足りない』なんて言わせないよ!
他にも好きなだけ描け・・・ってどうしたの?
嬉しすぎて声も出ない?」
キュルル
「・・・カラカル、その耳…」
カラカル
「ああ、これ?
とあるちほーのハンターにたまたま出会ってね。
そしたら私(原作)の房毛って旅や狩りのお守りになるんだって。
カラ狩ルーって?
だから・・・売っちゃったw
そんな深刻な話じゃないからさ。 遠慮なく…
ん? 何、そのブラシ」
キュルル
「クリスマスプレゼント…のつもりだったもの」
カラカル
「あぁ… そうか、ごめんね。 せっかく買ってくれたのにムダにしちゃって。
・・・高そうね、これ。 どうやって手に入れたの?」
キュルル
「ターパンに売ったんだよ。
まだ描いてないページはもちろん、僕の描いた絵も勉強になるからって。
スケッチブック丸ごと・・・」
カラカル
「はあ!?」
キュルル
「これからは・・・僕も働こうと思って!」
カラカル
「アンタに何が出来るってのよ! ・・・ ・・・!」
キュルル
「カラカルこそ・・・! ・・・ ・・・!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
隊長
「ひと昔前のアンジャッシュみたいなことになってますね」
博士
「残念ながら笑えないことに、この後も2人は聞くに耐えない口喧嘩の末、
別れることになります」
助手
「余談ですが、
アフターストーリーとしてカラカルはVtuberデビューするようですが、
真偽のほどは定かではありません」
博士
「それはまあ置いとくとして、
この物語から得られる教訓は・・・
サプライズなんて自己満足でしかない、です。
女性がそういったドラマチックな展開を求めるのはフィクションの中でだけ。
現実は欲しいものは本人にしか分からないものなです」
隊長
「そうだったんですね! ありがとうございます!
さっそくドールと話し合います」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〜2月15日〜
博士
「なんです? 隊長、ニヤケすぎですよ?」
隊長
「実は昨日、ドールがサプライズで逆バニー姿でチョコをくれまして・・・
その後も・・・ぐへへ」
博士
「過シコい贈り物ですか・・・
ドールもやりますね」
助手
「オトコって単純な生き物なんですね。
末長く爆発してろ、なのです」💢
ー終わりー
※物語中、主張されている意見はあくまで個人の感想です
現実に実行して失敗(成功)しても責任は負いかねます m(ーー)m
「かしこい贈り物」元ネタ
なるほど…こうしてけもvカラカルが生まれたわけか…
それでああなっちゃったんですね(違
助手隊長 ・・・変われば変わるものですね…)
(
ーというアナザーストーリーもあり得た?
やはりスケベ スケベは全てを解決する
アライさん
「そんなに気に病まなくてもいいのだ」
目の前には💔型のジャパリまん1つとノーマルのジャパリまん2つ。
フェネック
「でもさ~ アライさん、あんなに楽しみにしてたじゃないか~」
そう、今日はバレンタインデーということで限定品の❤型ジャパリまんの配布日
・・・のはずだった。
フェネック
「私が寝坊したばっかりに・・・」
アライさん
「元はと言えばアライさんが1人で起きられれば・・・」
明け方近く、極秘任務に出掛ける予定だったアライさんはフェネックに起こされて出発。
フェネックは時間までまだ余裕がある、と二度寝してしまい
配布場に着いた頃には品切れで入手できなかったのだ。
フェネック
「いっそ限定ジャパリまんを探す旅に出ようかと思ったよ~
路地裏の窓 向かいのホーム・・・」
アライさん
「そんなところにあるはずもないのだ!」
フェネック
「それか、この両こめかみから垂れる『謎の房毛』を売ってでも手に入れようかな~
なんてことも・・・」
アライさん
「どっかで聞いたような話をダイマするのはヤメるのだ」
フェネック
「私がブロークンハートしてるように見えたのかな~?」
ボス
「こんなので良かったら1つ余ってるからあげるヨ。 訳アリ品だけド…」 つ💔
フェネック
「ってね~
なんでも配達中にどこからかツチノコの怒鳴り声が聞こえてきて、
驚いた拍子に落としてしまったらしいんだよね~」
アライさん
「それもどこかで聞いたようなメタい話なのだ・・・」
フェネック
「ーというわけで、はい。
完全体じゃなくて申し訳ないけどね~」
フェネックは3つあるジャパリまんのうち、
割れた限定品とノーマル、2つのジャパリまんをアライさんに手渡した。
アライさん
「そんな・・・受け取れないのだ」
フェネック
「どうしてさ~ アライさん、食べたがってたじゃないか~」
アライさん
「そうじゃないのだ。 食べたいけどこれではあまりに不公平なのだ。
だから・・・せめてノーマル2つはフェネックが食べるといいのだ」
フェネック
「それこそ不公平だよ~ とにかくこれはアライさんが~」
2人の間でジャパリまんが何度か行き来する。
そうこうするうち、
「フェネック…」
割れたジャパリまんの片割れ(少し大きい方)とノーマルジャパリまん1つを差し出しながら
アライさんが提案する。
「ちょうど半分こにするのだ」
フェネック
「・・・」
そして、いつになくマジメなトーンでアライさんが語り出す。
アライさん「アライさんはフェネックに感謝しているのだ」
フェネック「アr…」
アライさん
「いつも寝起きの悪いアライさんを起こしてくれて、
今日もアライさんの欲しがっていた限定ジャパリまんをもらいに行ってくれて・・・」
フェネック
「アライさん!」
アライさん
「ん?」
フェネック
「そう言えば今日の任務はどうだったんだい~?」
アライさん
「今回のみっしょんは潜入捜査だったのだ。
コーハイにいいところを見せようと思ったのだが・・・」
「大失態を冒してしまって・・・ いんぽっしぶるに終わってしまったのだ。
そうなのだ。
同じアライさんのワガママに付き合ってもらうなら、任務のフォローの方を頼めば良かったのだ」
フェネック
(やぶへび~)
アライさん
「思えばフェネックはいつもアライさんを見守ってくれていたのだ。
アライさんは今回、フェネックがいつもそばにいてくれることのありがたみというものを・・・」
フェネック
「ア、アライさん!?」
アライさん
「どうしたのだ?」
とある世界線のパークでのことさ~
オイナリサマ、アカギツネ、ギンギツネ、キタキツネがいたのさ~
オイナリサマ つ△△△△△△△△△△△△
「はい、このイナリ寿司を3人で分けなさい。
アカギツネが1/2、ギンギツネには1/4、キタキツネは1/6でね」
そう言うとオイナリサマは1つ摘まんで去っていったのさ~
アライさん
「つまり・・・12-1でイナリ寿司は11ヶになったのだ?」
そうだね~ 残された3人は揉めに揉めたのさ~
アライさん
「確かに2でも4でも6でも割り切れないのだ。
12のままなら分けられたのに・・・」
そこへチベットスナギツネとキュウビキツネが通りかかったのさ~
チベスナ
「お困りのようですね。
では、こうしましょう。 キュウビさん」
つ🦊 & △△△△△△△△△△△
キュウビ
「???」
チベスナ
「まずアカギツネさんに12÷2で6ヶを」 つ△△△△△△
キュウビ
「!?!?!?」
アカギツネ
「あ、ありがと…」
チベスナ
「ギンギツネさんには3つ」 つ△△△
ギンギツネ
「え、えぇ…」
チベスナ
「キタキツネさんは2つ」 つ△△
キタキツネ
「・・・」
チベスナ
「余ったキュウビさんは返してもらいますね」 ( ̄― ̄) つ 🦊
キュウビ
「・・・」
チベスナ
「では」
そう言うとチベスナは颯爽と去っていったのさ~
キュウビ
「ちょっと! 今のどういうこと? 私をなんだと思ってるの!? ねぇ、何か言いなさいよ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アライさん
「なんだかキツネにつままれたような話なのだ」
フェネック
「アカギツネたちもキツネにつままれたような顔をしてただろうね~」
アライさん
「思いつくだけでもオイナリサマ🦊につままれたイナリ寿司とか、言イナリになるキュウビとか・・・
って、そう言えば何の話をしてたんだったのだ?
とても大事な話をしてたと思ったのだが・・・」
フェネック
「さ~ なんだったかな~?」 🦊
アライさん
「まあ、いいのだ。
ジャパリまんを食べたら出掛けるのだ。
今日もパーク中にアライさんの名を轟かせるのだ!」
フェネック
「はいよ~ アライさんに付いてくよ~」(今でも十二分に響き渡ってると思うけどね~)
イラスト:貴月ナオさん
元ネタ
アライさん
「ところでタイトルの『イナイレ』ってなんのことだったのだ?
サッカー要素はカケラも無かったのだ」
フェネック
「あ~ それはね~
アカギツネたちが揉めてたのは、どうしてだった~?」
アライさん
「確かイナリ寿司が11ヶしかなかったからなのだ」
フェネック
「そ~ つまりイナリ寿司イレブンってことさ~
納得した~?」
アライさん
「割り切れないのだ…」
―終わりー
アカギツネに6個は多いので3つづつわけて余りは俺が食おう
チベスナ
「1人だけ2ヶですか? キュウビも付けます?」
ツッコミ隊長さん&スナドリさんコラボSS(脚本:愛知)
芸ー1グランプリ
マーゲイ
「おはようございます!」
コウテイ「おはよう」
イワビー「オッス」
ジェーン「おはようございます」
プリンセス「おはよ、気合入ってるわね」
マーゲイ
「当然です!
なんせ今日はライブ会場リニューアル公演の初日ですから!
では打ち合わせを始めましょう」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
マーゲイ
「・・・と、ここまでが前半パートになります」
コウテイ
「うむ、良い構成じゃないか?」
マーゲイ
「ありがとうございます」
ジェーン幕間 はMCパートですか?
「
それだったらこの間フルルちゃんねるにお邪魔した時のお話をしようかと思うんですが・・・」
マーゲイ
「それは是非聞きたいですけど、明日以降に取っておいてもらえますか?
今日はお客様の間でも好評の『芸-1グランプリ』にしようと思ってます」
イワビー
「あぁ、あの『アニメで見たオーディション企画』から派生した実質フレンズたちの隠し芸大会だな。
いいねぇ! オレも好きだぜ」
マーゲイ
「読者に優しい説明セリフ、ありがとうございます。
気軽に参加しやすい形にしてみたんですけど中には未来の逸材がいたりして、
私的にも一石二鳥の企画なんですよね。
ではステージが暗転したら上手の方に移動して頂いて、審査員席に着席して頂けますか?」
プリンセス
「それはいいとして・・・
さっきから気になってたんだけど、あなたは誰?」
プリンセスの視線の先にはステージの下でかぶり付くように見ていた雪子の姿があった。
<雪だるまのフレンズ、雪子です!
イワビー
「そういうこと言ってんじゃねぇよ、部外者なら立ち入り禁止だぞ?
今、大事な打ち合わせ中なんだ」
コウテイ
「それとも気の早いお客様かな?
入場時間ならまだ先だから・・・」
マーゲイ
「いえ、関係者なので大丈夫です。
今、ものすごく人気のアイスクリーム屋さんなんでスカウトしたんです。
イベント告知をしたら秒でチケットが売り切れちゃったんですよ。
あ、もちろんPPPの皆さんのネームバリューがあってこそ、ですけど」
ジェーン
「そう言えば・・・
もしかしてエジプトガンさんから口コミで広がって、評判になったっていうアイスですか?
とってもクセになる味らしいんで、ライブが終わったらみんなで頂きましょう」
プリンセス
「あんたたちって相変わらずアンテナ広いのね。
じゃあ話を戻しましょうか。
今回の賞品は何を用意してるの? 実は私、それも楽しみの1つなのよね」
マーゲイ
「今日はコレです!」
イワビー
「なんだこりゃ!?」
コウテイ
「大きいな・・・」
ダルマ落としはかなりの高さで、
コウテイが腕を伸ばしてやっと頂上に鎮座するダルマのヒゲ辺りに届くくらいある。
ジェーン
「おうちに持って帰っても置き場所に困りそう…」
プリンセス
「これにした理由って何かあるの?」
マーゲイ
「はい、ヒトの世界では建物が新しくなると『柿落とし』というイベントを行なうと聞きまして。
なんでも木槌で破壊したお酒を振る舞いながら落としたダルマに目を入れるんだそうです」
プリンセス
「何かいろいろ混ざり過ぎておかしなことになってる気がするんだけど・・・」
イワビー
「あー!?
いつもなら謎うんちくブッコんでくるフルルがいねぇじゃねぇか!」
ジェーン
「本当です」
コウテイ
「また寝坊か・・・
ジェーン、悪いが起こしに行ってくれるか?」
ジェーン
「分かりました」
プリンセス
「こんな調子でVtuberは勤まってるのかしら?」(ぷりぷりプリンセス💢)
イワビー
「それが、なぜか視聴者にはウケてるらしいぜ」
コウテイ
「それならいいが・・・」
その時だった!
イワビー
「おい、アレ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
空から降ってきたセルリウムがダルマ落としに接触し・・・
「ぐぉぉおおおーー!」
ダルマ落としがセルリアン化したのだ!
コウテイ
「これは・・・今年もパークに黄砂、いやセルリウムの季節がやって来たか!」
マーゲイ
「そんな・・・このままではせっかくのライブ初日が」
イワビー
「なんか変なマジナイでもしたんじゃねぇのか!?
ーなんて言ってる場合じゃねぇな。
プリンセス、例のヤツ! イケるか!?」
プリンセス
「OK、やりましょう!」
そう言うと2人はコウテイの両脇を抱えると・・・
コウテイ
「おい、なんだ? なんのつもりだ!?」
身もだえるコウテイを無視して、それぞれ足も抱える。
ーとコウテイの体は、大の字かつ水平な体勢になる。
さながらミッションインポッシブルのイーサンのように・・・
プリンセス
「せーの!」
ゆうえんちのバイキングのように後方に勢いを付けて振ると、今度は前方に向かって・・・
投げ放つ。
イワビー
「必殺! カタパルトボカンアターック!」
コウテイの体は地面を這うように射出され、ダルマリアンの胴体部を1段弾き飛ばすと
どんがらがっしゃーん!
そのまま舞台袖に消えて行った・・・
一方のダルマリアンは胴が1段ぶん短くなったとはいえ、まだまだ健在だ。
その隙にキャットウォークによじ登っていたマーゲイが叫ぶ。
「ありました! へしは頭頂部にあります。
そのままダルマ落としの要領で胴体部を抜いて手も足も出なくさせてください!
ダルマだけに」
ジェーン「了解です」
フルル「これでも食らいなさい!」
戻ってきたジェーンとフルルは(マーゲイのボケをスルーして)手を繋ぐと、
そのまま二人三腕でダルマリアンに向かって走っていく。
ダルマリアンの両サイドを駆け抜けついでにまた1段胴を素抜く。
フルジェンのツープラトンラリアットを食らってもまだ余力のあるダルマリアンは
辺りを見回すと狙いをステージ下の雪子に定める。
マーゲイ
「危ない、逃げて!」
しかし雪子は怯まない。
チャーム(魅了)を受けたダルマリアンは行動不能に陥った!
ここぞとばかりにPPPの4人はダルマリアンを囲み、フリッパーで往復ビンタを見舞う。
ダルマリアンの胴が1段、また1段と弾き飛ばされる。
PPP最後の1人、コウテイは
「ふふ… ふふふふ…w」
鼻血を垂らしながらゆらりと起き上がり、
恍惚とした表情をしながら誘うようにダルマリアンに流し目を送る。
ぞわ…
ダルマリアンはドン引きしている。
そのダルマリアンに向かおうと1歩踏み出したコウテイは、
自らの鼻血で足を滑らし盛大にすっ転ぶと、そのままの勢いでダルマリアンにスライディングしてしまう。
足を刈られる形になったダルマリアンは最後の段を失い、頭を残すだけになる。
一方コウテイは
どんがらがっしゃーん!
逆の舞台袖に消えていった。
プリ・イワ・ジェ・フル
「今よ!」「今だ!「今です!」「…今だよ~」
隙を見てキャットウォークに登っていたマーゲイがダルマリアン目掛けて頭から飛び降りる!
・・・しかし本能が勝ったのか、宙で体をよじると綺麗に足から着地する。
ーと同時に瓦割りのようにダルマリアンの脳天をネコパンチチョップ!
雪子
「パンチなのにチョップ…?」
そんなもっともなツッコミをよそに
ぱっかーーーん!
ダルマリアンの頭部はブロック状に雲散霧消した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コウテイ
「よくやった」
ボロボロのコウテイがイワビーとプリンセスに両脇を支えられながらねぎらう。
イワビー「お手柄だな」
プリンセス「一時はどうなることかと」
フルル
「美味しいね~ これ」
雪子
「ありがとう」
いつの間にか雪子からアイスを貰ってご満悦のフルル。
ジェーン
「どうしました?」
消えずに残っていたダルマ落としの胴体部を集めていたジェーンが、
ダルマリアンを倒した体勢のまま様子のおかしいマーゲイに声を掛ける。
マーゲイ
「このままではダルマ落としになりません。
芸ー1グランプリの賞品はどうしましょう・・・」
開場時間は目の前に迫っていた・・・
~後編に続く~
【すぺしゃるさんくす】
ツッコミ隊長さん
スナドリさん(スナドリネコ・サモエドの出番は次回までお待ちください)
柿じゃなくて杮なんだよね~ 実は。
あとお酒をふるまうのは鏡開きで~
ダルマの目は左から入れるのが正式なんだよね~
まあ、どれもハレの(おめでたい)儀式には違いないんだけどね~」
イワビー
「つまりオレの『変なマジナイ』って指摘もあながち間違ってなかったのか…」
「すみません! 私が至らなかったばっかりに・・・」
マーゲイは
香箱座り土下座で謝った。コウテイ
「そこまで恐縮しなくても・・・誰もマーゲイを責めてるわけじゃないから。
反省してるなら次に生かせばいいさ。
それよりイベントの賞品はどうしたものか…」
雪子
「私に出来ることがあったら言ってね?」
プリンセス
「ありがとう、気持ちだけもらっておくわ。
ねぇ、芸―1を後日に延期するっていうのは?」
マーゲイ
「そういうわけには・・・
都合で出場出来なくなる人もいるでしょうし」
ジェーン
「もう時間です。
お客さんが続々入って来てますよ」
マーゲイ
「仕方ありません。
こけら落とし・・・改め、ダルマ落としはダルマ無しでやってもらって
賞品は別で用意しましょう」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「う~ 緊張するなぁ」
「いっぱい撮るから頑張ってね」
ライブ会場に向かう大勢の客の中にスナドリとサモエドの姿もあった。
\わー!/\きゃー!/\コウテイさま~!/\わー!/\ふるるー、ふるるー!/
会場は大盛り上がり。
ライブステージ上のマーゲイ
「ではここで前半戦は終了。
続いて皆様お待ちかねのイベント、芸―1グランプリです」
\待ってました!/\今日は誰が出てくるのかな?/
マーゲイ
「トップバッターは初出場、オイナリマカミのお2人です、どうぞ!」
(BGM~)
舞台上では曲に合わせて踊りながら何もない空間から稲荷寿司とおにぎりを取り出すマジック?
ーを披露するオイナリサマとマカミ様。
舞台袖の審査員席では、
どうにかトリックを見破れないかとコウテイ・プリンセス・イワビーが凝視している。
ジェーンは「どうなってるのかしら?」とばかりに首を傾げている。
そして、先ほどのテーブルマジックパートでもらった稲荷寿司とおにぎりを前にご満悦のフルル。
観客席からは
\いつもの!/ \あれって芸でいいの?/ などの声が上がっている。
(BGM)
2人目はスナドリネコ。
ダンサブルな音楽と明滅する照明の中、ヨーヨーを披露する。
\お~!/ \こっち向いて~(📷 💥パシャパシャ)/
イワビーは審査員席から身を乗り出すように食い付き、
プリンセスとコウテイは「いいんじゃないかしら」「うんうん」という感じで話している。
そして頬笑みながら拍手しているジェーンと鼻ちょうちんを膨らませながら居眠りするフルル・・・
\きゃ~!/ \私と散歩して~/
クライマックスに差し掛かった場面で披露された技が元で、場に緊張が走りかけたが、
スナドリネコは最後までミスすることなくやり切ったのだった。
(BGM~)
3人目はVtuberのジェネット。
得意のバイオリンを披露する。
\うま~い/ \すっご~い/\帰ったらすぐチャンネル登録しよーっと/
コウテイ・プリンセス・イワビーが思い思いに聞き惚れる中、
巨匠フルルは一見、けもVの先輩として鷹揚な態度だが、焦りは隠せていないようで、
隣のジェーンが気に掛けている。
下手ではマーゲイがスカウトする気満々で目を輝かせていた。
マーゲイ
「え? あ、はい」
審査員席に呼ばれていたマーゲイが舞台中央に戻ると戸惑い気味にアナウンスする。
「本当なら出場者は以上のはずなんですが、どうしてもフルルさんも参加したいということで・・・
エントリーナンバー4! フルルさんです!」
\審査員が飛び入りってw/ \フルル~! 頑張ってー!/
6⃣(予告BGM)
フルル「マーゲイの泣き真似。 げ~」
「マーじゃねぇのかよ!」
すかさずイワビーが野次る
。
\芸ー1だけに?/\フルルらしい~w/\フルル、結婚してー!/
観客席からもツッコミを入れられる。
コウテイとプリンセスは苦笑い、ジェーンは
「やっぱり気にしてたんですねw」と呆れている。
マーゲイは(°ㅁ°)ポカンとしていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
薄暗い舞台上にはこれまでのパフォーマー(イワビーに羽交い締めにされているフルルを除く)が並んでいた。
マーゲイ
「優勝は・・・」
ドラムロールと共にスポットライトの光がステージで∞の字ダンスを踊る。
「ヨーヨーを披露してくれたスナドリネコさん!」
スポットライトがスナドリネコを照らして止まる。
「やったぜ!」
\こっち向いて~(📷 💥パシャパシャ)/
昇竜拳のように飛び上がって喜ぶスナドリネコと撮影に余念のないサモエド。
マーゲイ
「では優勝者にはダルマ落としをしてもらいます」
スナドリ
「は!? なんで!?」
\こっち向いて~(📷 💥パシャパシャ)/
戸惑うスナドリを無視して、花束贈呈のような流れで渡されるハンマーと撮影に余念のないサモエド。
ステージ中央にはスナドリネコより頭1つは大きいダルマ落とし(ただし最上段のダルマは無い)
が運び込まれる。
\肝心(頭ですけど)のダルマはどうしました?/ \これでは未完成の慣性の法則なのです/
カレーの鳥の華麗(?)なツッコミが炸裂!
マーゲイ
「つい先ほど1度セルリアンになっちゃって。
なんとか『ぱっかーん!』したんですけど、戻ったのがこれだけなんですよぉ…」
自分で手を下しただけにしどろもどろになるマーゲイ。
PPPたちはどうしたらいいかを協議している。
「こけら落としの説明からする?」
「私は覚えてないぞ?」
「時間もかなり押してますし…」
「そもそもどうやって話を落とすんだ?」
一方、何かを思い付いたフルルが観客席の方を向いて手招きしていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
このあと見事に着地を決めた雪子とスナドリネコは拍手喝采を浴びた。
マーゲイ
「では、ここからはライブ後半!
1曲目はアラウンドラウンドです!」
こうしてPPPライブ初日は大盛り上がりの中、幕を閉じた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
このあとスナドリネコは商品としてジャパリまん(甘王 味)1年分を贈られ、
サモエドとむちゃくちゃ散歩するこになったというが、
それはまた別のお話である・・・
【すぺしゃるさんくす】
セルリアン転生シリーズのツッコミ隊長さん
アルパカ大好きスナドリさん
ついに完成 おめでとうございます🥳
感慨深いものがあります
ダルマリアンとの戦闘シーンを漫画に描く力があればなぁ~😑
雪子の登場シーンは親の気持ちさながらドキドキハラハラしながら読みました
(セリフ噛むんじゃないぞ~ヘマするんじゃないぞ~)
あらためてみるとやはりものすごいボリューム感で圧倒されました
臨場感のある丁寧な描写で読んでいて引き込まれました
雪子を使ってくれてありがとうございます
これからもおもしろい作品楽しみにしてます
読んで頂きありがとうございます
当初はオチにしか出番のなかった雪子ちゃんも
積極的に動いてくれて、存在感を出してくれました
あと書いて行くうちに雪だるま式に分量が増えてしまうのは
僕の悪いクセでして・・・ (^^;)
例のお話に繋がるようなエピローグとなっております
なにっ スナドリが優勝しただと…!?久々のSS制作おつかれさまでした(`・ω・´)ゞ
もしかしたらイヌフレの組織票がPPPを動かしたのかも?
久々の楽しい疲労でしたw
お読み頂きありがとうございました
[ジャパリ童話シリーズ:ハルちゃんとよかれ鳥]スピンオフSS
【よかれはひとのためあらず】
1話
<ヨカレ>
鳥綱スズメ目タイランチョウ下目マイコドリ科ヨガレ属ヨガレ
レッドリスト 絶滅危惧CR(IA類)
普段は単独で生活。夜離れ と名付けられたが、
繁殖期において、交尾が終わった日の晩にはパートナーと別れることから
忌み言葉(縁起の悪い言葉)を避けるためとして一般にはヨカレ(俗称)と呼ばれることが多い。
(抱卵・孵化後の世話も行われないためヒナの自立は早い)
渡りを行う際には群れを作るがその結束は緩く、迷鳥として各地で散見される。
ヨガレ(正式名)と名付けられた理由には上記以外にも諸説あり、
夜にその地を離れる(渡りを始める)ことから、という説。
生態が人間からは独り善がりに映ったことから(ヨガリ→ヨガレに転じた)という説などがある。
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ヨカレ
「ただいま…」
ハル
「おかえり~って顔色悪いよ? 大丈夫?」
ヨカレ(顔色? そうかな…)
「大丈夫。 けど晩ご飯は要らないかな」
ハル
「ダメだよ。 後でお粥作って持ってってあげる。
明日のコンサートも行くのやめとく?」
ヨカレ
「行くよ。 ハルちゃんが僕のためにわざわざチケットを取ってくれたんでしょ?
早めに寝れば明日は大丈夫だから」
ハル
「そう・・・無理しないでね」
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今日、僕はずっと気になっていた『あのあばら家』を約1年ぶりに訪れた。
屋根こそ無事なままだったが窓は一部割れていて、当然のことながら室内は汚れ放題だった。
それ自体は仕方ない。
忙しさにかまけて放置していた僕が悪いのだから。
それよりショックだったのは人形たちが跡形もなく、居なくなっていたことだ。
ドアが開け放たれたままだったところを見るに、誰かが持って行ってしまったのかもしれない・・・
(床や椅子に埃が積もっていたので最近のことではないだろう)
???「ふ~ん、人形なんて放っておけばいいのに」
???「キミってほんとお節介だよね」
・・・かつて投げ掛けられた言葉が蘇る。
それにつられて、これまで何度も陥ってしまいそうだった考えに囚われそうになる。
僕のしたことはまったくのムダだったのだろうか?
僕がよかれと思ってしてきたことなんて誰のためにもなってないのじゃないか?
だめだ、だめだ。
こんな時は考えるのをやめて早く寝るに限る。
ハルちゃんと出会って明日で1周年。
せっかくの日に暗い顔をしてはいられない。
そんなことを思いながら、やがて僕は眠りに落ちて行った・・・
2話~夜離れ 1~に続く
今回の作品の位置づけとしては
[ジャパリ童話シリーズ:ハルちゃんとよかれ鳥]の前日譚(二次創作オリジナル設定)となりますので、
↓こちらを先にお読みいただくと、より楽しんで頂けると思います。
1話
2話
3話
4話
すぺしゃるさんくす:ツッコミ隊長さん
リンクありがとうなのだ😄
あくまで借り物ですし、そこは持ちつ持たれつ、ということで
よかれ鳥のファンSSなのだ!
続き待っているのだ
やっと目処が付きました(完成しているとは言ってない)
頑張ります
【よかれはひとのためあらず】
2話
僕は仲間内では浮いた存在だった。
コミュ障だった・・・のではなく、むしろ逆だ。
そもそも仲間は(という言い方が合ってるのかも僕の中では疑問だが)同胞にも無関心だ。
「そういう習性だから仕方ない」と思い悩むこともないくらい、とにかく冷めている。
ある時僕は、よかれと思って仲を取り持とうとしたことがある。
しかし両者から「余計なことはしなくていい」と言われてしまった。
その様子を見ていた別の仲間からは「お節介」とも称された。
僕は仲間のために動くことは二度となくなった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ある日のこと、僕は1軒のあばら家を見つけた。
ーというか、窓際で佇む人形が目に留まったのだ。
いつも通り掛かっていたはずなのに気付いたのは今日が初めてだった。
どうしても好奇心が抑えきれなかった僕は、意を決して足を踏み入れることにした。
「おじゃましますよ…」
鍵が掛かっていなかったとはいえ、不法侵入であることには違いない。
悪気がないアピールのための挨拶を誰にともなくしながら・・・忍び込む。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
屋根の一部に穴が開いているせいで日光が差し込み、意外と明るい室内を見回してみると、
外から見た時は分からなかったが、人形は思ったよりたくさんいる。
窓際に立って外を見ている者、椅子に座っている者、床で寝っ転がっている者など。
造形のモチーフはどれも鳥・・・のようだ。
(1羽はまんま鳥だったし)
もしかしたら自分がここまで惹かれるのはそのせいかもしれない。
夜のとばりが下りるまで探索した僕は、
「今後やるべきこと」を頭に思い浮かべながら、そのあばら家を後にした。
3話 ~夜離れ2~に続く
鳥の人形たくさん・・・不思議なあばら屋なのだ
関係ないけど短めで細かく更新してくれるの読みやすくて助かるのだ
( ̄∀ ̄)ふふ…
今回もいろんなところに伏線を撒いてるのでお楽しみに
ふぉ~待ってましたなのだ!
読むほどに引き込まれる面白さがありますね
続きが楽しみなのだ!
ほんと気を持たせるだけ持たせておいてお待たせして申し訳ないです
その分しっかり(作品の内容で?)返していく所存であります
【よかれはひとのためあらず】
3話
「つめたっ」
頭に落ちてきた粒が雨にしては冷た過ぎる気がして空を見上げてみると
白いふわふわした綿のようなものが降ってきていた。
「雪だ」
仲間の誰かが言った。
「そろそろ旅立ちの時が来たようだ」
「そのうちもっと激しくなる。 早い方がいいな」
「しかし集めるには時間が遅い。 今日は知らせるだけにしておいて・・・」
僕も急がないといけない。
こんな時だけは団結力を発揮する仲間たちを尻目に1人、例のあばら家へ向かった。
いつものようにダチョウの羽で作られたという箒で鳥人形たちをはたく。
(なんとなく面白い取り合わせだ。 トリだけに…)
部屋の中をひと通り掃除し終わって外に出たところで声を掛けられた。
「お、こんな所にもいた。 近いうちに出発するってよ」
「何やってんの? 早くしないと大雪になるらしいよ」
僕は板を抱え、はしごを登りながら答える。
「だからだよ。
これまでだって雨が降り込んでただろうし、雪ならなおさら寒いだろうし・・・」
「ふ~ん、人形なんて放っておけばいいのに」
「キミってほんとお節介だよね」
ヨカレ
「・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ぱたっ ぱたぱたっ
風に乗って、複数の羽音が聞こえてきた。
仲間たちは気が変わって、今夜旅立つことにしてしまったらしい。
「これでよし、と」
なんとか本格的に降る前に修理の終わった屋根の上で、
僕はその音をぼ~っと聴いていた。
置いてけぼりを食らった形になったわけだが、そのことに後悔はまったく無い。
ただ、彼らにすぐ言い返せなかったことが喉に刺さった魚の小骨のように引っ掛かっていた。
さすがに人形たちは仲間たちのように「余計なお世話」なんて言わない。
そして礼を述べることもない。
そもそも僕のことさえ憶えていないだろう。
それもこれも彼らが人形だからだ。
もちろん『笠地蔵』が夢(に至るまでの)物語であることは重々承知している。
恩着せがましいことを言うつもりはさらさら無いが、それでも思ってしまうことはある。
だったら僕は何のために・・・?と。
雪は相変わらずやまない。 加えて風も強くなってきた。
ふと、このちほーに伝わるなぞなぞを思い出した。
『吹雪がやんだら何になる?』
ーというものだ。
その答えを聞いた当時の僕は、感心…を通り越して感激したものだったが、
仲間たちの反応は一様に「だから何?」という冷めたものだった。
冷静になって考えてみれば、これまでの『春』は僕のために来たものでもなければ、
具体的に何かを与えてくれるものではなかったのは確かだ・・・
すると僕の心を突き動かしたものとは何だろう?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
🌀びゅーー~~っ!
「あ・・・」
そんなとりとめのないことを考えていたら雪交じりの突風が吹き、
すっかり油断していた僕は抗うことも出来ず、吹き飛ばされるしかなかった。
4話 ~出会い1~に続く
ヨカレちゃんは人形たちに何か特別なものを感じているのだ
続きもがんばってなのだ
ヨカレの想いは届くのか…?
こうご期待
【よかれはひとのためあらず】
4話
気が付くと、吹き飛ばされた先は一面の銀世界だった。
幸いなことに雪はやんでいるし、風もほとんど無い。
ただ右も左も分からない場所なので、とりあえず進んでみることにした。
・・・が、しばらくして失敗に気付く。
明らかに「登って」いるのだ。
しかも『山の天気は変わりやすい』とはよく言ったもので
さっきまでとは打って変わって風も雪も強くなってきている。
さらには最近起こったと思われる雪崩の形跡さえ見られる。
わずかな希望は天気が崩れる前に見えた、山頂の方で立ち上っていた煙(蒸気?)だ。
行けば誰かが居るかもしれないし、道中で山小屋などが見つかるかもしれない。
無事にそこまで辿り着ければ、だが・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
しばらく進むと洞穴が見つかった。
いや、よく見ると雪だけで出来たドーム状の・・・かまくらだ。
山小屋ほどしっかりした作りとは言えないかもしれないが 差し当たって吹雪を凌ぐには十分だ。
恐る恐るかまくらの中を覗き込んでみる。
先客、それこそクマなどが居たらいつでも逃げれる態勢で。
果たして・・・?
居た!
しかし幸いなことに奥まった場所でこちらに背を向け横になっている。
タヌキやムジナのたぐいだろうか。
「お邪魔しますよ」
どうやら危険は無さそうだと判断し、
害意が無いアピールのための挨拶を恐らく聞こえていないであろうタヌキ(?)にしながら忍び込み、
やっと一息ついた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
冷たい風が時折流れ込んでくる。
僕は少し寒いのを我慢しながら入り口付近に陣取り、
できれば先客が目覚めないうちに吹雪がやんでくれないものかと、やきもきしながら待った。
「くしゅん」
僕は一瞬身構え、声の主の様子と外の吹雪とを交互に窺う。
場合によっては飛び出さなければならないが、吹雪は先ほどと変わらずやむ気配がない。
一方の先客も起きる気配はなく、その代わり冬場のトイレの後のようにブルルっと体を震わせた。
僕は先ほどまでの警戒心もどこへやら、一計を案じた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ぺた ぺたぺた… ぎゅ、ぎゅ…
「これでよし、と」
入り口を完全に雪で塞ぐと満足げに独りごちた。
冷たい風は完全にシャットアウト出来たので、そのうち室温も上がってくるだろう。 ただ・・・
「外の様子が分からないな。 さすがにやりすぎたか?」
その不安はすぐに違う形となって的中した。
「う… なんだか息苦しい気がする… せめて空気穴を残しとくんだったか。
それに、もし襲われたら逃げ場もないし・・・」
「う~ん… う~~ん」
唸り声につられ、奥に目を向けると・・・
?????
「!? いつの間にか入り口が塞がってしまってるのだ?」
ついに目を覚ましてしまった先客は思いもよらぬ行動に出る。
「誰かー! 助けてー! なのだ」
叫び出したのだ。
?????
「う・・・ ゴホッゴホッ!」
当然かまくら内の空気は大量かつ急激に消費されることになる。噎 せている。
当の本人も息苦しくなったのか
「だ、誰かー! たす・・・のだ、フェ…」 ドンドン…
それでも諦めずに声を振り絞り、出なくなったらなったで今度は壁を叩いて救助を求める。
マズい。
止めたいのはやまやまだが、こちらもほぼ酸欠状態だ。
意識も薄れてきてブラックアウト寸前だった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
フェネック
「う~ん、アライさんのことだから、この辺りで行き倒れてると思ったんだけどな~」
物騒な発言が気になるが、いつものように先走ってやらかしたアライさんのフォローをしているようだ。
・・・てー! なのd・・・
フェネック
「! アライさんの声キャッチ~」
居場所を特定しようと大きな耳に全神経を集中するフェネック。
・・・フェ」 ・・・ンドン…
フェネック
「!」
声や音・・・
というよりむしろアライさんの微弱な生体磁気をキャッチしたらしいガチックは北東方向にジャ…ンプ!
雪の壁にしか見えない場所に頭から突っ込んだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ヨカレ
「た、食べないでくださーい!?」
突然、かまくらの壁を突き破って現れたキツネ(?)の生首にパニクるヨカレ。
フェネック
「アライさ~ん、アライさんは~・・・?」
その悲鳴…どころか存在すら認識していないかのような態度で
生首と視線を上下左右にせわしなく移動させるフェネック。
ヨカレ
「コワイコワイコワイ…!」
フェネック
「も~、そんなところにいたんだね~
・・・と体が抜けないね~」
アライさんは酸欠で失神して突っ伏しているのだが、
フェネックはマイペースなまま、身動き取れなくなってしまった体をもどかしげに揺する。
そして、その状況に堪え切れなくなったのか、
「灼熱砂漠のオアシス~」
倒れていたアライさんの隣にそっと添い寝した。
ヨカレ
「キマシタワーヽ(*´∇`)ノ
・・・とか言うとる場合か!」 ((ꐦ ゚Д゚ノ)ノ💥
主人公を差し置いての茶番劇に、ついにキレちらかすヨカレなのであった。
5話 ~出会い2~に続く
意外すぎる展開なのだ!
ストーリーの「転」に当たる部分なので思い切りました
ここから更に転がします
まさかのあらふぇね参戦!
けもフレ(本家時空)からの友情出演です
ヨカレくんのアドバイザー役としてオファーしたはずなんですが
なぜかお笑い要員に・・・w
【よかれはひとのためあらず】
5話
前回の砂漠化は
バンク演出瞬間的なものだったらしく、今は元の銀世界に戻っている。互いに自己紹介を済ませた後、2人に話を聞いたところによると・・・
・カニクイアライグマ・オジロスナギツネと交代する形で探検隊から外れる
(最近、労基の指導が入ったせいでシフト制になったそうだ)
→有休消化のために温泉に訪れたが、突然お湯が止まる
→常連客も困っている
→従業員に掛け合うも
「じきに(ゲームの)タイムイベントが始まるのでそれが終わるまで待って欲しい」と断られる
→そんなの待ってられないから自分が行く、とアライさんが申し出る
→もう1人の従業員(どうやらこちらは責任者ポジらしい)が
「装備を整えないと危ない。 今から準備するから」と言われるが、話半分で飛び出してしまう
→案の定遭難し、たまたま見つけたかまくらで雪がやむのを待っていたら寝てしまった
ーということらしい。
僕は僕で事情を説明。
特にかまくらには避難のために侵入したこと、
入り口を塞いだことに悪意は無かったことを熱弁した。
必死過ぎて逆に怪しまれそうなくらいに・・・
対する2人の反応は拍子抜けするくらいあっさりしたものだった。
「こうやって行き違いにならずに合流できたんだから、むしろお手柄だよ~」
「フェネックの言う通り結果オーライというやつなのだ」
えぇ… ポジティブシンキング過ぎない?
フェネック
「もしかして、アライさんを助けて恩を売ろうとした~?
それとも人命救助でジャパリ警察に表彰されるためなのかな~?
そうじゃないよね~」
アライさん
「アライさんが寒そうにしてたから・・・さっきそう言ってたのだ」
ヨカレ
「そ、そうなんだけど・・・」
自分を断罪したいのか弁護したいのか、よく分からなくなってきた。
フェネック
「・・・
じゃあさ、罪滅ぼしってわけじゃないけど、一緒に行って手伝ってくれないかな~?」
ヨカレ
「え? 温泉施設の修理を?」
かえって足を引っ張ったりしないだろうか?
アライさん
「それは名案なのだ。
旅は道連れ余は情けねぇ、というのだ」
フェネック
「アライさ~ん、自己紹介乙だね~」
アライさん
「ふぇねっく~!?
いつものように訂正ツッコミしてもらわないとアライさん渾身のボケが台無しなのだ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
町に帰ったところでコレといってすることも無い(あばら家の様子は気になったけど)、
というのもあって僕も同行することになった。
3人で山頂の温泉管理施設に向かう。
今は吹雪もやんでいて、フェネックさんが従業員から借りたという携帯カイロもあってヌクヌクだ。
ズズ…
ヨカレ・フェネック
「!」
アライさん
「? どうしたのだ?」
ヨカレ
「今、なんか… 揺れなかった?」
この頃には2人のやりとりと人となりに感化され、いつの間にかすっかり打ち解けていた。
フェネック
「そうだね~ 地磁気の乱れも気になるね~
そろそろサンドスター山の噴火も近いのかもしれないね~」
フェネックの見やる方につられて目を向けると、不可思議な山がそびえていた。
アライさん
「じゃあ、また仲間が増えるかもしれないのだ?
どんなフレンズなのか楽しみなのだ」
そんな呑気なことを言ってる場合だろうか?
地震と言えば雪崩の心配が付き物だし、噴火と言えば被害の程度は想像も付かない。
ただ、彼女らが仲間を大事に思う人たちだ、ということは伝わってきて好感が持てる。
フェネック
「お湯が止まる前も地震があったしね~」
アライさん
「そうだったのだ? ぜんぜん気が付かなかったのだ」
フェネック
「結構揺れたと思うけどね~
装置が止まったのも地震を感知して自動停止したんだろうって言ってたし」
アライさん
「そんなこと言ってたのだ?」
どうやらアライさんは後先考えずに動くタイプらしい。
なんとなく親近感が湧く。
対するフェネックさんはアライさんよりは周りが見えるタイプなようだ。
(時々アライさんしか見えてない疑惑はあるが…)
なんにしても『いいコンビ』だと言えるだろう。
2人のことをそう分析していると・・・
フェネック
「アライさんはいつも『誰かのため』に動くからね~」
アライさん
「なんなのだ? 改めて・・・
でも、その通りなのだ。
フレンズのために粉骨砕身するのは当たり前なのだ。
パーク一の人気者としては」
フェネック
「ほんと、体張ってるよね~
誰もちやほやしてくれないけどさ~」
アライさん
「ふぇねっく~!?
それは言わない約束なのだ」
フェネック
「ヒトの国に良かれは他人のため非ず。 恩は着るもの着せぬものっていうのがあってね~
アライさんのためにあるような慣用句なんじゃないかなと思うよ~
報われてるようには見えないけどさ~」
アライさん
「アライさんはフェネックが居てくれればそれで十分報われているのだ」
かなりバカップルっぽいがお互いをリスペクトし合ってるのが伝わって、てぇてぇ気分になる。フェネック
「まあまあ。
慌てなくてもそのうちヨカレさんにも・・・」
そんなことを話していると山頂に到着した。
・・・しかし様子がおかしい。
山頂だけが、まるでスイッチが切り替わったかのように吹雪いているのだ。
フェネック
「あれ~ おかしいね~」
視線の先には人影・・・
いや、よく見るとその人物の周りでだけ吹雪いている。
アライさん
「お前は・・・!
なぜこんなところにお前がいるのだ?」
待ち構えていたのは吹雪を纏うように佇む、
本来ここには居るはずのないオジロスナギツネの姿だった。
6話 ~出会い3~に続く
先行きが気になるのだ
もどかしいのだ~
ふふ… ( ̄∀ ̄) 狙い通りですね
このために今週頑張ってここまで持ってきました
次の更新(明後日)までは悶々としておいて下さい
そこで一気に・・・と、誰かな? こんな時間に・・・
人影・・・な、何者なのだー!?
只者ではないですね、恐らく…
【よかれはひとのためあらず】
6話
アライさん
「お前は・・・!
なぜこんなところにお前がいるのだ?」
待ち構えていたのは吹雪を纏うように佇む、
本来ここには居るはずのないオジロスナギツネの姿だった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
オジロスナギツネ(?)
「ねよすまりなくなが要必るすに気とろいろいうも、ばせ倒えさんさクッネェフ」
そう言ってファイティングポーズをとる。
アライさん
「な!
・・・なんて言ったのだ?」
フェネック
「・・・逆から読めばいいんじゃないかな~?」
アライさん
「えーと・・・ フ… ェ、ネ・・・」
ヨカレ「フェネックさんさえ倒せば、もういろいろと気にする必要がなくなりますよね、ですよ」
アライさん
「通訳ありがとうなのだ。
えっと…オジロスナギツネはそんなこと、たぶん言わないのだ!
つまりお前はニセモノのはず?なのだ!」👉
ヨカレ
「・・・」
フェネック
「う~ん、もしかしてセーバルと似た感じの
『外見をコピーするタイプのセルリアン』なのかな~?」
アライさん
「つまりセジロスナギツネなのだ?」
フェネック
「いやぁ~、そういう『原作』に居そうなネーミングはやめた方が・・・
あ、もしかしたら ホッキョクウサギや ケープライオンが言ってた
[しろすぎるひと]かな~?」
それを聞いていたのからなのか、偶然なのか、
[しろすぎるひと]を取り巻く吹雪が激しさを増したかと思うと今度はカニクイアライグマ?の姿に変わった。
「ーさのるなくなもとこるれわ違間ばせ倒をんさイラア」
アライさん
「う~・・・」
ヨカレ「アライさんさえ倒せば間違われることもなくなるのさー」
アライさん
「読みにくいのは何とかならないのだ?」
フェネック
「作者もなんとか『原作』に寄せようと、鏡文字のコピーを試みてみたけど上手くいかなかったみたいでさ~
そこは大目に見てあげようよ~」
メタ発言も甚だしかった。
[しろすぎるひと]
「ーさのいなくたき聞てんな訳い言いし々白
ーさのるけ付ロシロシろそろそ」
お話が終わるのを待っていてくれた[しろすぎるひと]だったが、ついに襲い掛かってくる。
ヨカレ
「白々しい言い訳なんて聞きたくないのさー
そろそろシロシロ付けるのさー
・・・か。 白すぎでしょ」
アライグマ
「もう通訳なんてしてる場合じゃないのだ!
フェネックと一緒に先に行け、なのだ!」
[しろすぎるひと]の攻撃を
体を張って食い止めマトモに食らいながらアライさんはそう言う。フェネック
「うん、ここはおまかせしたよ~
さあ行こうか、ヨカレさ~ん」」
フェネックも当たり前のようにアライさんを置いて先に進もうとする。
ヨカレ
「ちょ、ちょっと大丈夫なの!?」
フラグをダブルで立てられるとさすがに心配になる。
フェネック
「ゲームでも後発で出てくる亜種は上位互換、つまり私たちより格上って決まってるもんだよ~
ましてやケープライオンでも手こずった敵ポジションのキャラだからね~
たぶん2人掛かりでも厳しいと思うよ~」
ヨカレ
「だったら僕も・・・」
この際メタ発言には目を瞑ってそう提案する。
フェネック
「ヨカレさんだって戦闘向きじゃないでしょ~
アライさんじゃないけど『このフェネックさんにおまかせ』なのさ~
マトモにやりあって勝てないならココ、を使わないとね~」
トントンと自らのこめかみを指差す。
そしてスタスタと温泉管理施設に向かって歩いて行く。
終始押され気味のアライさんに後ろ髪を引かれながら、僕はフェネックさんに付いて行くしかなかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
フェネック
「まず、そっちの放水バルブを締めてくれる~?
次に元栓を締めてっと…」
フェネックさんはメモ用紙とにらめっこしながらテキパキと指示し、自らも操作する。
アライさん
「行かせない…のだ」
アライさんはボロボロになりながらも[しろすぎるひと]をこちらに近付けないよう食い止めている。
ヨカレ
「フェネックさん、アライさんが・・・」
僕はフェネックさんを手伝いながらアライさんの様子が気が気でない。
フェネック
「分かってるよ~」
そうは言うが、奥まった場所に居るフェネックさんからはアライさんの様子は見えないはずだ。
フェネック
「あとはこの震動センサーをリセット・・・
もうちょっとだけ地震は収まっててよ~」
実はさっきからひっきりなしに微震は起こっている。
そんな中、共同作業をするうちにフェネックさんの『狙い』はなんとなく察したが、
それはいろんな意味で一か八かの方法だ。
「ヨカレさん、私が合図をしたらお願い」
フェネックさんは給水用の元栓を開きながら言う。
ヨカレ
「あ・・・!」
アライさんが雪に足を取られバランスを崩す。
ここぞと[しろすぎるひと]が飛び掛かるが、
アライさんは体勢を立て直すのではなくあえて転ぶことで攻撃を躱す。
ホッとしたが、見ているこっちはヒヤヒヤものだ。
フェネック
「アライさんなら大丈夫だから、ヨカレさんはこっちに集中しててくれる~?」
2人の間で具体的な作戦の打ち合わせは一切されてはいない。
なのに、まるでリアルタイムで見ているかのようなフェネックさんのセリフ。
一方のアライさんも攻撃をわざと受けたり、受け流したりしながら
徐々にお温の放水口付近に[しろすぎるひと]を誘導している。
以心伝心とはこの2人のためにある言葉なのかもしれない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アライさん
「ぐにゅにゅ~」
今、アライさんと[しろすぎるひと]は向かい合ってそれぞれの右手と左手を握り合っている。
いわゆるプロレスの力比べ(手四つ)で組み合っている状態だ。
当然のことながら[しろすぎるひと]の方が押している。
一方のアライさんはブリッジの態勢でこらえてはいるが、水路に後頭部が押し付けられそうだ。
見ているこっちにも力が入る。
その瞬間 だ。
「今だよ!」
フェネックさんからの合図が出されたのは。
なまじ状況を把握していた僕は一瞬、躊躇してしまった。
当然反応は遅れてしまう。
次の瞬間アライさんは足を滑らせ、2人のパワーバランスが崩れた。
[しろすぎるひと]が前方につんのめるような体勢になったところに、
アライさんが巴投げを打ったような形になり、背中から水路の中に投げ出される。
ヨカレ
「あ・・・!」
慌ててバルブを開いたものの時すでに遅く、
お湯が来る前に[しろすぎるひと]は体勢を立て直して水路を脱出。
「待つのだ!」
それを追い掛けるように水路に踏み込んだアライさんをお湯が直撃。
「のだーーー!?」
そのままアライさんは流されていってしまった。
ヨカレ
「アワワワ…」
フェネック
「またやってしまったね~ アライさ~ん
でも最低限の仕事は果たせたんじゃないかな~」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
警戒を解いたフェネックさんに促されて外に出る。
[しろすぎるひと]は憑き物が落ちたように崖っぷちで呆然と突っ立っている。
フェネック
「どうやら魔力(?)は使い果たしたようだね~」
確かに、先ほどまで纏っていた吹雪が消えている。
つまり最初から時間稼ぎをして消耗させるのが目的だったのか・・・
「お湯は当てられたらラッキーくらいの作戦だったんだけどね~
それで倒せる保証も無いしさ~
限界まで闘えて満足もしたんじゃないかな~」
そうフェネックさんは見立てていたが、
しろすぎるひと
「いなせ出が雪吹
・・・いなれ帰うも」 ブツブツ…
一方の[しろすぎるひと]は途方に暮れているように見える。
「大丈夫?」
そう声を掛けようと近付きかけた瞬間、
🌋
どーーん!
音のした方を振り返るとサンドスター山が噴火(?)していた。
火柱こそ上がっていないが、虹色に輝くオーラが立ちのぼり、
小石やそれより大きめの火山弾のようなものが勢いよくどこかへ飛んで行ったりしている。
そして、この雪山にはダイヤモンドダストのようなものがキラキラ降り注いでいる。
フェネック
「ありゃ~ またやり直しだね~」
フェネックさんにとっては噴火は珍しいものでもないらしく、
お湯が振動で止まってしまったのを見て、温泉管理施設に戻ろうとする。
僕も手伝った方がいいのだろうか?
噴火の被害が今後どうなるかも気になるし、なにより[しろすぎるひと]の様子が気になるんだけど・・・
しかし、ある光景が目の端に入って来て思考は中断された。
そして次の瞬間には体の方が先に動いていた。
「危ない!」
そう叫ぶより先に[しろすぎるひと]の体を突き飛ばす。
崖下で雪崩が起こっていた。
[しろすぎるひと]の立っていた場所に倒れ込んだ形になった僕は、崩れた足場もろとも滑落する。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
雪崩に巻き込まれながらも僕は、山頂の様子を窺う。(本当に見えていたのかどうかも疑わしいが)
[しろすぎるひと]はフェネックさんに羽交い絞めをされながら、
膝立ちでこっちを見ながら必死に手を伸ばそうとしている。
良かった・・・
無事を確認できた僕が意識を手放す寸前に見た光景は、
[しろすぎるひと]に虹色の火山灰が降り掛かり、
眩い光を放つ瞬間だった・・・
7話に続く
しろすぎるひとがフレンズ化するのだ・・・!
手に汗握るバトル!さすがのコチコチアライでも連れていかれるかと思いきや!
予想を覆す展開につづきが待ち遠しくなるのだ
>> 1122
もちろん、それだけで済むはずもなく・・・?
>> 1123
臨場感が伝わったようでなによりなのだ
そしてここから更にもうひと転がしするよ~
【よかれはひとのためあらず】
7話
「・・・ゃん」
誰かの声が聴こえる。
ハル
「よかれちゃん」
声の主は寝ぼけまなこの僕を心配そうに覗き込むハルちゃんだった。
ヨカレ
「おはよ」
ハル
「おはよ~
・・・顔色良くなったね。
よく眠れたからかな?」
ほっとした様子でそう言う。
やはり心配を掛けていたようだ。
ハル
「朝ご飯できてるから早く起きてね」
そういって部屋を出る。
ヨカレ
「夢、か・・・ なんか1週間くらい寝てた気がするけど。
それにしても懐かしい夢を見たな」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あの後、雪崩に巻き込まれた僕は死を覚悟したが、
フェネックさんと麓の温泉旅館の従業員、計3人の捜索によりあっさりと救助された。
(探索の得意なフレンズなんだね)
ーと言っても発見時は低体温&昏睡状態で、かなり危なかったらしい。
そんな僕を彼女らは雑に温泉に放り込み、もう少しで息を吹き返す前に窒息するところだった。
溺れそうになりながら、なんとか湯船から這い出した僕を
[しろすぎるひと]はおろおろしながら心配そうに見ていた。
ちなみに、そんな騒ぎの中でもマイペースに湯船に浸かっていた常連客のカピバラさんは
「ゆっくりしていけばいいのににに…」
などと言っていた・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一連の騒ぎがひと段落して落ち着きを取り戻した僕は、
[しろすぎるひと](今はアカギツネの姿をしている)と畳の部屋で並んで座っていた。
そこでギンギツネさんが出してくれた風呂上がりの牛乳を飲みながら聞くところによると、
新しく生まれたフレンズは皆[としょかん]の長に挨拶に行く、という慣習があるらしい。
UMA?である[しろすぎるひと]も例外ではないそうで、
その案内を僕にしてもらえないか、という話だった。
当然のことながら「なぜ僕が?」という疑問が浮かぶ。
それをぶつけてみると、
・カピバラさんはあくまでお客さんなので頼むわけにはいかない。
(それはそうか)
・ギンギツネさんとキタキツネさんは温泉施設での仕事がある。
(キタキツネさんは僕たちの話してる横でダラダラげぇむをしてたけど…?)
・アライさんとフェネックさんはすでに旅立ってしまって、すでに居ない。
(相変わらず鉄砲玉のようだ・・・)
ーということで僕にお鉢が回ってきたらしい。
それもフェネックさんからの推薦だと言うのだ。
僕になら任せて大丈夫さ~と太鼓判を押していったらしい。
買いかぶりすぎな気もするが、乗り掛かった舟だ。
僕はその任を受けることにした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ほどなくして僕たちは[としょかん]に出発することにした。
ギンギツネさんには簡単な地図と、
フェネックさんから託されたというメッセージを受け取った。
この時の僕にはまだピンと来ない話だったが、
アライさんとフェネックさんのような『素敵なコンビ』には憧れたし、
彼女らは今でも僕の目標だ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
博士と助手が絵本片手に言うには[しろすぎるひと]の原作は
UMA(妖怪)の一種: 雪女の類ではないか、ということだった。
ただ、妖怪としてはまだ若い(幼い?)個体で、
「遊び相手」としてフレンズたちにちょっかいをかけていたのだろう、という見立てだった。
博士
「ところで、その姿はどうにかなりませんか?」
[しろすぎるひと]は、今はメンフクロウの姿をしている。
道中でも出会うフレンズ、声を掛けてくるフレンズに関連した姿を取っていたのだ。
(彼女なりのコミュニケーション手段なのかもしれない)
助手
「すでに実在するフレンズの姿をされると何かと混乱を招いてしまうのです」
そう言われた[しろすぎるひと]は並べられていた 絵本から一冊を手に取ると、
その表紙に描かれた『雪ん子』をカジュアルにしたような外見になった。
フレンズになってからはすっかり素直で従順になっている。
一言も喋ってないのは気になるけど・・・
(もともと人見知りな性格なんだろうか?)
博士
「いいでしょう。
ところで名前はどうします?」
助手
「シロスギルヒトは我々が勝手に付けたニックネームようなものですし、
その姿になったのならユキンコでもいいですし。
それとも原作準拠でユキオンナとかユキジョロウとか・・・?」
[しろすぎるひと]
「ヨカレに付けて欲しい」
ヨカレ
「・・・ふつうにしゃべったーー!?」
文字反転していなかったことで反応が遅れたが、いろんな意味で驚かされた。
博士
「ほう…」
助手
「われわれ長を差し置いてのご指名ですよ。
さぞセンスの良い名前を付けてやるんでしょうね?」
プライドを刺激されたのか目を細めながらチクチク煽ってくる。
それを差し引いても大役であることには違いない。
・・・
しばし考える。
・・・!
つい最近まで住んでいたちほーに伝わるなぞなぞが頭に浮かんだ。
3話のラスト付近に出てきた「吹雪がやんだら何になる?」というものだ。
僕は彼女に『ハル』と名付けた。
8話に続く
予想を超えた展開で未知の世界を進んでいく面白さがあるのだ
ハルちゃんがヨカレのご飯を作ってる!意外過ぎて笑ってしまったのだ
しろすぎるひとの本能である[向こう側に連れて帰る]が
フレンズ化して消えてるのか一時的に忘れているだけなのかが今後気になるところ
ハルちゃん誕生につながるとは意外過ぎる展開なのだ
それが二次創作を読む醍醐味なのかも?想像 しながら創らせてもらってますw
こちらも反応を
ハルちゃんが生まれたのだー!
ヨカレくんのところにも長い冬を越えて遂に『ハル』が来た瞬間ですね
【よかれはひとのためあらず】
8話
フレンズ化したことで寒さにある程度の耐性が付いているとは言っても元は雪の妖怪だ。
そう考えると住むに適しているのは[ごっかんちほー]辺りではないか。
地図を広げ指し示した場所は、偶然にも僕が最初に仲間たちと居た町だった。
(そう言えば、やけに寒い土地だなぁとは思っていた)
博士と助手は当然のように「お前が送り届けてやるのです」と
要請命令すると僕らを追い出し、そそくさと出掛けて行った。
(早くしないとカフェの 限定クレープが売り切れてしまうのです、とかなんとか言ってた)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
無事[ごっかんちほー]に着いた後もいろいろあった。
ハルには社会常識や生活能力というものがまったく無かったからだ。
博士たちによるとフレンズには原作時代をはっきり憶えているタイプとそうでないタイプがいるそうで、
ハルは(変身能力以外)後者だったというのもある。
(覚えていたところでUMAの常識が通用するとも思えないが・・・)
必然的に僕が(放っておけない性格だったこともあり)何かと世話を焼くことになる。
そうこうするうちに一緒に暮らすまでになっていた。
なんとなく、流されるまま、という感じで始まったハルとの縁だったが、
仲間と一緒にいた頃には感じたことのない充実感に満ちていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そんなある日のことだった。
ヨカレ
「真冬の楽団?」
ハル
「そう」
あと1週間で私たちが出会って1年になるから、と言い出したのはハルだった。
もうそんなになるのか・・・
僕の頭にはまったく無かったアニバーサリーを祝うために
どこからか(なぜかボカしてたのが気になるけど)コンサートチケットを手に入れた、とハルから聞いた時は
成長したもんだなぁ…と、しみじみしてしまった。
ヨカレ
「聞いたことないなぁ・・・有名なの?」
ハル
「それはもう!
結成3ヶ月で『あの芸―1グランプリ』に参加して優勝。それがマーゲイさんの目に留まってPPPのバックバンドに採用されて。その傍らでオリジナル曲を発表したらオリコン1位にまでなっちゃったの。すぐPPPの新曲に抜かれちゃったけどね」
ヨカレ
「そ、そう…」
ハルがオタク特有の早口みたいになってる・・・
(芸―1グランプリってのも初耳だし、オリコンのチェックもしていたとは!)
ハルの熱弁に圧倒されて、こっちは若干ゃ引き気味だった。
だけど・・・
ハル
「その真冬の楽団が凱旋公演をすることになったの。
もうすぐ結成1周年だしね」
僕たちも出会ってもうすぐ1年になるけど(偶然ってのはあるもんだ)、
そこまで何かに入れ込んでるハルちゃんを見るのは初めてで、とても新鮮だった。
ハル
「なんでも音楽を始めたのは、生みの親とお世話になった人に・・・」
ヨカレ
「わかったよ」
なんだか話が長くなりそうだったので、悪いとは思いつつ話を遮った。
ヨカレ
「必ずその時間は予定を空けとくから」
自分でも喋り過ぎたと思ったのか一瞬バツの悪い顔をしたが、すぐに気を取り直して
「うん、絶対だよ。
きっとヨカレちゃんもびっくりするよ」
ーと喋り過ぎた。
ヨカレ
「それ・・・言っちゃたらサプライズにならないんじゃない?」
ハル
「あ…」
1年付き合って気付いたことだが、ハルは少し(かなりの)イタズラ好きだ。
しかも、たまにシャレにならないレベルのものもあるので侮れない。
(原作だった頃の本能がうっかり顔を出しているのだろうか?)
しかしここは
「まあ、大抵のことじゃ驚いたりしないけどね。僕は」
ーと(そこはかとない不安を押し殺しながら)あえて強気な態度で受けて立ってみる。
「それでも、びっくりすると思うんだけどな・・・」
一方のハルは声こそ弱気だが、内容に関しての自信には揺るぎがないようだ。
お手柔らかにお願いします、と頼むんだったかと少しばかりの後悔をしながら、
せめて[ボギャー(>◇<)レベル]で済めばいいな、と思う僕であった・・・
この後、僕はハルがもたらした『思わぬ再会』を経て
[よかれはひとのためあらず]の真の意味を実感することになる。
ーとは言え、あまりのことに驚いてどんなシチュエーションでどんな話をしたかも覚えていない・・・
ので、読者の想像に任せたいと思う。
とりあえず彼女らとの後日談(一部前日譚)を置いておく。
[真冬の楽団シリーズ]
1話
2話
3話
4話
5話
6話
7話
次回、最終話!
ハルちゃんとヨカレ鳥は良い友達になったのだ
次回、真冬の楽団も出演して役者がそろうのだ
最終回も頑張ってくださいなのだ
ハルヨカレも『良いコンビ』だね!
最終回までもうひと踏ん張り!
ついに満を持して真冬の楽団が登場するのだ
出ないかと思ってたのでワクワクなのだ
そして最初はものすごい分量だなと思っていたのに
読みやすく改良してくれたおかげで
もう最終回!?と思ってしまうのだ
いやぁ〜、正直ものすごい分量ですよw
話を膨らませすぎたと反省してますのだ
(読みやすいと言ってくれたのはタスカル)
真冬の楽団×ヨカレにこれ以上踏み込まないのも
この物語のメインはあくまでハルヨカレ、ですから!
ーというわけで最終回はしっかり2人のエピソードで〆ます
【よかれはひとのためあらず】
最終話
ここまで長い回想に付き合ってもらったが、ようやく話は現在に戻る。
ハル
「…ちゃん、
・・・ちゃん!?」
ヨカレ
「あ、ごめん。 何?」
いかんいかん、考え事をしていたら朝ご飯とハルを目の前に、ぼ~っとしてしまった。
ハル
「もう。
顔色よくなったけど、何か『良いこと』でもあったのかな?って聞いたの!」
ーと、勢いよくフォークの先を人の眉間に向かって突き出しながら尋ねる。
話を聞いてなかったのは全面的に僕が悪いけど、目つきも相まってめちゃくちゃ怖いからやめなさい。
ハル
「それとも私の勘違い? まだどこか調子悪い?」
打って変わって心配げな顔になる。
これだかたら憎めないんだよなぁ…
ヨカレ
「そんなことないよ。
体調は元々悪くないし、気分がスッキリしたのは確かだし・・・
っていうかよく分かるね」
ハル
「まあね。 いつも一緒にいるからね」
いつかの(ギンギツネさんに託された)フェネックさんのメッセージが蘇る。
「ヨカレさんのことを分かってくれる人は、そのうちきっと現れると思うよ~
だから諦めずに頑張って~」
[僕のしてきたことには意味があったんじゃないだろうか?]
[僕がよかれと思ってしてきたことは・・・]
今ならそう思える…ような気がする。
ヨカレ
「良いことっていうか、改めて自分のするべきことが分かったというか・・・」
ハル
「ふ~ん?」
ヨカレ
「ハルちゃんは?
ハルちゃんの方こそ最近何か『良いこと』があったりしないの?」
ハル
「えぇ…? 良いこと?
うーん、そうだな・・・」
しばらく思案顔をしていたかと思うと目を輝かせてズイッ!と顔を近付ける。
僕が思わずのけぞると花が咲いたように屈託なく笑うと言った。
「ヨカレちゃんと出会えて・・・いつも一緒に居てくれること、かな?」
クリティカルヒットだった。
文字通り面食らってしまった僕は、思いっ切り顔を背ける。
ハル
「なんてね。
照れてる? あれ、よかれちゃん照れてる??」
ハルは右から左から僕の顔色を覗き込もうとステップを踏む。
さすが元[しろすぎるひと]だけあってフットワークが異様に軽い。
僕はフクロウ並み(?)の首の振りでハルから顔面をガードしながら
いつものように、と自分に言い聞かせながら、諭すような口調で反撃を試みる。
ヨカレ
「ほら、早く支度しないと。
真冬の楽団が待ってるよ」
保護者ムーブ?をかますことでなんとか場を濁そうとした・・・
ハル
「きゃー! もうこんな時間~
ってもう準備は3日前に出来てるよ。
ヨカレちゃんこそモタモタしてると置いてくよ?」
・・・が、向こうの方が1枚上手だった。
ヨカレ「わかったわかった。 すぐ用意するから」
(ホントは1週間前、ハルからこの話を聞いてすぐに準備は終わらせてるけど)
お茶目なノリツッコミを軽くあしらいながら僕も出掛ける用意をする。
・・・振りをする。
こうして、いつものように『どったんばったん大騒ぎ』のうちに2人の時間は過ぎてゆく・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
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僕はこれからもよかれと思うことを迷うことなく、していくだろう。
ハルちゃんに『良いこと』が続くように、と・・・
【すぺしゃるさんくす】🙇♂️
ツッコミ隊長さん
お借りした作品:ハルとよかれ鳥シリーズ、しろすぎるひとシリーズ、真冬の楽団シリーズ
ふぉ~面白かったのだ!!
ハルちゃんしぐさがかわいくてたまら~んのだ
ほっこりさせていただきましたのだ☺
大長編おつかれさまでしたのだ
あらためてありがとうなのだ🤗
な、泣いてない…だと?(最終行の灰色文字)
ーというのは半分冗談として、最後までお読み頂きありがとうございました
「一番最初に思い付いて描きたかった」のは最後の2行だけだったんですが、
どうしてこうまで長くなってしまったのか・・・w
何はともあれ、ここまで辿り着けてことらもホッとしました
良い話だったのだ
ヨカレ鳥とハルちゃんの日々は続いていくのだ!
遅くなったけど完結おつかれさまでしたのだ~
こちらこそ
こんな長い話に最後まで付き合って頂いてありがとうございますm(ーー)m
情景が目に浮かんでくるかのようなのだ
いろいろ今後の展開を想像しつつもワクワクしながら読ませてもらいましたのだ
いつもは会話劇→今回は情景・心理描写多めでお送りしております
読むのも大変でしょうけど頑張ってついてきて下さい
(なんとか伝わっているようで安堵 Σ=(´∀`)
ファンアートSS第二弾!
PRRR… PRRR…
雪子「はい、雪…
キジ「初めましてこんにちは。こちら月刊Icetuzteの編集長キジと申すものです。ついてはあなたのお店の取材をしたいのでこれからそちらに向かいますね。では後ほど」
ガチャ… ツー ツー ツー・・・・・・
雪子
「え…」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
雪子
「いらっしゃいませ~ あ、博士。
今日も一番乗りですね。
何になさいますか?」
博士
「カレーライスミックスを寄越すのです」
雪子
「ミックスですね。 助手さんも一緒でよろしいですか?」
助手
「もちろんなのです」
雪子
「はい、では少しお待ちください」
アライさん
「博士さんたちに詰め寄られた時は不安だったけど作ってみて良かったなぁ…」
ちらっとポスターの方を見る。
ヒトの世界のチョコバニラミックスにヒントを得て開発した新商品で、
チョコ部分→カレー、バニラ部分→米粉で作ったソフトクリームだ。
今のところ買っていくのはあの2人だけだが・・・
雪子
「今度はシマウマさんをイメージしてゴマバニラミックスでも作ってみようかな?」
エジプトガン
「全球凍結をくれ」
雪子
「あ、はい。 いつもありがとうございます。
いらっしゃいま・・・」
キジ
「こんにちは。 大盛況ですね。 ではさっそく取材を始めさせてもらいますね。
こっちはライターのヘビクイワシとカメラマンのコトドリです」
雪子
「え、え?」
ヘビクイワシ
「メモメモ メモメモ」φ(・△・`)
雪子
(私なにも言ってないのに何書いてるの?)
コトドリ
「ジーカシャ、ジーカシャ… ジーコジーコジーコ・・・」
雪子
(こっちはこっちでカメラも持たずにずっと口でジコジコ言ってるし…)
Icetuzteの面々は自分たちのペースでどんどん話を進める。
アライさん
「アライさんはこの後、探検隊の仕事があるから巻きで頼むのだ。
フェネックも同じでいいのだ?」
フェネック
「はいよ~ WATAGASHI2つね~」
そうこうしてる間にも客は増えていく。
雪子
「ソフトクリームのことですね。
あとアライさん、そのネタをこするのは出来ればヤメてもらって・・・///
フェネックさん、注文のフォローありがとうございます
あ、博士さん助手さん、ミックスお待ちどうさまです」つ🍦🍦
博士
「待ってましたです!」
キジ
「あなたにとってアイスって何ですか?」
雪子
(インタビューの〆で聞きそうなことを最初に聞かれた!?)
助手
「む… お前、ちょっと狭いのですよ」
そうでなくても小さいお店のカウンター越しでのインタビューなので
お客さんとぶつかりそうなほど距離が近い。
雪子
「すみません、出来ればあの~インタビューは後にしてもらった方が…
他のお客様もおられることですし」
ヘビクイワシ
「メモメモ メモメモ」φ(・△・`)
雪子
(よく見たら何も書いてない? ゴーストライターってやつ?)
コトドリ
「ジーカシャ、ジーカシャ… ジーコジーコジーコ・・・」
雪子
(やっぱり撮ってないよね? 雑誌は一体どうやって作ってるの!?)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アリゾナジャガー「激!ミント味を1つくださいな~」
キジ「いろんなオリジナルメニューがあるみたいですけど、どんなこだわりで・・・」
ヘビクイワシ「メモメモ メモメモ」φ(・△・`)
コトドリ「ドゥルルルル…ギュリギュリ! ピシュンピシュン・・・」
雪子(チェーンソーとレーザー砲・・・? もしかして飽きた!?)
ひっきりなしにお客が来る中、キジも矢継ぎ早に質問をぶつけてくるので雪子はてんやわんやだ。
雪子
(こんなことならスマトラトラちゃんにヘルプ頼むんだったかな・・・)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
雪子
「大変お待たせしました。 全球凍結とWATAGASHI上がりました~!」
エジプトガン「よしきた!」
アライさん「・・・のだ。 あ…」
「あなたたちはこのお店をどこで知りましたか?」
勢いよく録音機を向けようとしたキジの腕が、アライさんの肘を小突いてしまう。
フェネック
「おっと~…」
幸い2つのソフトクリームの内1つはフェネックがなんとか空中でキャッチして事なきを得たが、
もう1つは地面に落ちてしまった。
雪子
「すいません、お客さま! すぐにもう1つお作りしますね!」
アライさん
「大丈夫なのだ。 ちょっと洗えば食べれ… わ~ 溶けちゃったのだ~」
雪子
「お客様ぁ!?」
フェネック
「アライさ~ん、またやってしまったね~
あ、アライさんには私のを半分あげるから雪子さんは気にしなくていいよ~」
それでも雪子は何度も頭を下げ、返す刀でIcetuzteの面々を睨 めつける。
キジ「アワワワ…」
雪子
「ん!」💢
ヘビクイワシ「めm…」
コトドリ「ウ~ウ~(🚨警戒音)」
雪子
「お客様がたはご注文されないんでしょうか?」
キジ
「え? あ、じゃあ・・・
この『夏のオススメ』を3つ」👉
そう言うと店先の目立つところにあった立て看板(潮を吹いているクジラの涼しげな絵が描かれている)を指差す。
雪子
「分かりました。 少々お待ちください」😊
????「私もそれを」
雪子
「はーい!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ラッシュタイムが終わった。
残っているのはキジたち4人だけだ。
そこにソフトクリームを持った雪子が店から出てきて手渡す。
キジ
「怒ってないんですか? 失礼なことをした私たちを・・・」
雪子
「それがあなたたちのお仕事なんでしょう?
でもこちらも仕事ですから。
Icetuzte(アイスを待っている)お客さまがいる限り・・・」
キジ
「雪子さん・・・」
雪子
「ほら、溶けないうちに食べて下さい。
この夏の自信作『母なる海の潮流すミルクアイス』です。ホルスタインさんのレシピと許可を頂いて、そこに私なりのアレンジを加え、ナガスママさんの全面協力のもと、潮と搾りたてミルクをふんだんに使うことで熱中症対策と甘さを両立させ、ほのかなしょっぱさとまろやかな甘さのハーモニーが混然一体となって…」
キジ・ヘビクイワシ・コトドリ
「「「つまり潮対応! 美味しいけど」」」
雪子
「え・・・いえいえ、決してそんなつもりじゃなくって・・・」💦👋
シマナメ
「溶ろける美味しさ~~」 (´・ω...:.;::..(´・;::: .:.;: ドロドロ…
雪子
「ヒア゛ア゛ア゛ア゛~~~~!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
結局、この取材記事はお蔵入りになったという・・・
ー終わりー
tuzteとは
コトドリ元ネタ
すぺしゃるさんくす:ツッコミ隊長さん
【雪子のアイス屋さんシリーズ】より
元ネタⅠ
元ネタⅡ
元ネタⅢ
元ネタⅣ
元ネタⅤ
【アライさんクイズシリーズ】より
元ネタⅥ
いやぁ笑わせてもらいましたのだ!😄
雪子のアイス屋のカオスすぎる、とある日を垣間見た気がするのだ
Icetuzte 今月号はどうなることやら・・・
楽しんでもらえたようで良かったです
ホラー(体験談)雑誌に鞍替えしてるかもしれませんね
虫喰いでないフレンズ
「君達は、強い魂と聞いて何を思い浮かべるか?どの様な魂が強い魂であると思う?」
「私は、強い意志を持つ者こそが強い魂を持つと考えます」
「そうか。そう考える理由を聞こうか」
「強い意志を持つ者は、大いなる使命を帯びて周囲を巻き込み、集団を成します。そのような集団とは何人にせよ一人以上の力を発揮するものです。周囲の意志はより強い意志に魅了あるいは翻弄されて、惑星の引力に導かれる衛星のように付き従うでしょう。
つまり、強い魂を持つ者は運命を歪める力が強く、強い意志をもって一人以上の力を発揮しようとすると考えるからです」
(……なんでこんなにすらすらと…よくわからないことを………)
何の前置きもなく、悪の秘密結社の幹部が手下に忠誠心を確かめるような問答が始まった。
圧倒的場違い感に竦み上がる。
「強い魂……そう。
さも問いに多様な答えがあるかのような問いかけをしたが、これから話すことは、私が言う固有名詞としての『強い魂』だ。
強い魂とは何か?
強い魂を持つ者は、
スタンド使いのことだ。
スタンド使いの間では次のような言葉が語られている。
『スタンド使いとスタンド使いはひかれあう』
この言葉が知られていることが、君の言う引力が発揮されている証拠だ」
「スタンド使い………?主任、質問がありますが、“スタンド使い”とは?まさか、特殊能力が実在すると……?」
「知らなかったの?コノシマ研にいるのにねェ?『珍しいこと』もあるものですね主任」
何とか理解しようと質問を投げたのにも関わらず、状況は悪化してゆく。
同僚が、自分が知らない意味を含むのであろう単語を、自分が知らないこと自体について『珍しいこと』と呼んだというのは、もはや脳の処理の優先順位の遥か遠くに追いやられてしまった。
「君は周囲にスタンド使いが居なかったようだな。それで気付けなかったのだろう。ーーーーーー、これからその力を私に貸してくれないか」
一方、フレンズ・オランウータンの貨物船内部に閉じ込められたドブネズミは、脱出の手掛かりを探すため、壁に耳(ヒト耳と獣耳両方)を当てて音を聴いていた。
聞き慣れない低いうなり声の正体に少しでも心当たりがあればと聞き続けていたが、聞こえるのがうなり声だけではないことがわかる。
甲高い笑い声に足踏み、何かしらの単語の羅列を叫び続けるといったことも聞こえてきた。
しかしこれらの音を結び付けるだけの知識が、ドブネズミにはない。
「くそッ、これ以上聞いてると頭がどうにかなりそうだ。
上で私たちがオランウータンに抵抗してる間も下の部屋でこんなドンチャン騒ぎやってたとすると、オランウータンの趣味か何かが放置されてるといったところか?
まあ、こんなことを聞き続けて平気でいられるとは恐れ入ったものだ。
それはさておき、もっと詳しく聞くには隣に突入するしかなさそうだな」
ラットを構えながら壁を叩き、叫んで壁の向こうの相手に存在を知らせる。
そして、スタンドを構えて壁破壊と壁向こうからの奇襲に備える。
敢えて位置を教えることで、来るかもしれない攻撃を受けやすくするためだ。
見えない空間の『視える』だけのところから、できるだけ対策するのがドブネズミのやり方である。
「壁破ったら敵が現れると思ってやるが………そうでないならどうするか考えとかないとな。
『ラット』!まるく形をえがけ!」
ラットの毒針は、発射されてから物体に当たった後何メートルも進み続けるほどのパワーを持たない。
しかし、金属のように硬いものに跳ね返されても着弾点はしっかり溶かされた。
このように毒の強さという点においてドブネズミのドス黒い精神性が露わになっている。
円形状に切り取られた壁の断面に手をかけ、ゆっくりと引いてこちら側に倒す。
鉄板の下敷きにならないよう後ずさりつつ、開けてゆく視界に注目すると、得体の知れない影が寝そべる様子が飛び込んできた。
「GOOOOH………」
「おい………何なんだ………?あ、セイウチ!セイウチか?」
「……………」
「OGH? GOAAA?」
「…………ぇ…」
「え?おい、なんだあれは?そもそも、なんでおまえがここにいるんだ?」
「………………気にしないで、敵じゃない」
「なに?すると、あれはもしかしておまえのスタンドか?」
「………あれは確かに私のスタンド」
「海岸の岩場から動こうともしなかったにおまえが、どうしてここにいるのか知りたいが、答えてくれるか?」
「……………なんでか知らないけど連れてこられた。何が私を連れてきたのかわからないけど」
「なるほど。ありがとう。
こんなことになったワケを知ってそうな、あのエテ公に問い詰めてやるよ。
そのつもりでわたしはここにいる。
そう、おまえはどうしたい?
ここにずっといる気は無いよな?」
「そうね。出なくても良いなら出ない」
「は?出ないって、おかしくないか?
お前、こんな何もないところでずっと生きられんのかよ」
「出る必要があるか、確かめてきて。
あなたが」
「え?おい、流石にそれは無っ、、、、!?」
34話の決定版となります。
先日の投稿の内容に満足いかず、再投稿となりました。
予告なく削除してしまい、申し訳ありません。
返信へ↓
「出る必要があるか、確かめてきて。
あなたが」
「え?おい、流石にそれは無っ、、、、!?」
「!??」
ドブネズミが反論を諦めたように見えたが、自らの身体の異変を感じ取ると、その訳を理解した。
二人の全身から吹き出す光が部屋を照らす。
面倒くさがりのセイウチでも、こればかりは焦らずにはいられない。
「なんだ!?アイツの攻撃か!?いや、ありえん………」
「なに………これ…………」
「何なんだ、これは!ああ、このままだとマズいぞ。確証はないがマズい!」
「どうなるの?私たち………」
「何するにも、まずここから逃げ出すしかない!もう何と言われようとお前を連れ出す!来い!」
船外に脱出するべく、部屋を出て廊下を走り抜ける。
だが、ドブネズミが感じた通りに、不安は現実となる。
力が抜け、勢いのまま転倒した。
連れてきたセイウチに弾き飛ばされ
「ギャアス!」
被ダメージボイスを出す。
セイウチの安全を確認するべく立ち上がろうとするも、やはり抗う術もないまま、床に伏した。
「どこだ、セイウチ!、脚(うで)にも力が入らん………」
身体を捩り周囲を見ようと振り返ると、頭上からセイウチでない誰かが声を掛けてきていることに気がついた。
「たすけ………て………せっかく……アフリカゾウを手に入れたのに……こんなの………」
「待て…っっ!お前にはみんなの安全を守る義務がある………」
「ハヤブサ!」
「おまえは……よくも!、いややめだ。オランウータン、外に助けを求めるんだ!空飛んでるフレンズいるかどうか探すとかしろ!」
「それができたらこんなことなってないよう!うぅっ…」
壁に身体を預けどうにか立っていたオランウータンも、ついに臥した。
意識の狭間に沈みゆく中で、壁そのものが溶けるように崩れる。
船そのものを支配するオランウータンの意識が消えつつあるからだ。
何も予兆なく訪れた危機のなか、オランウータンは寝言のようなことを口走った。
「遠……すぎた………
捕ま…りたくな…いから………
島………離れると………ダメなんて…知らなくて……」
「……!?」
<アニマルガールの身体は島から離れれば離れるほど不安定になり、最後には元の動物に戻る>
研究所の廊下に研究内容を説明した掲示物があった。
学術的なことに疎い自覚がある者なら目を背けそうな堅い内容のそれに、その一文が含まれていた。
ドブネズミは、そんな青天の霹靂に打たれた。
わたしにはそんなこと言わなかったぞ。
アフリカゾウは知ってるのか?
知ってたらこんな所来ないんじゃあないか?
知ってるとしたら、こうなることを覚悟してオランウータンを追いかけて……
それならアフリカゾウを助けなくては!
耐えてくれ、この身体!
こんなところで終わってなるものか!
死体であったはずのネズミの執念が燃え上がる。
そうして、姿を保とうとする意志に応えるかのように、救世主は現れた。
「お前達が消えると俺が困るからな。俺のためだ」
消えゆく意識の幕切れに、捨て台詞を残しながら半透明の物体を纏いつつある虫喰いの姿が残された。
━━━━━━━──────
━━━━━─
━━━─
─
「おまえに借りができたな」
「俺はお前と貸し借りをしたつもりはない」
「おまえは、本当はそうやってフレンズ助けしてきたんじゃあないのか」
「誰に聞いても答えは同じだ
俺が乱入して勝手に手出しただけのこと」
「ね、ねえ!虫喰い………さん。
ありがとうね。セルリアンを使ってフレンズを襲ったりしてないのは私達が体験した事実だから。私からもイエネコちゃんに言っておくね」
「…………」
ドブネズミたちはセルリアンに包まれながら地中に潜る虫喰いを、帰省先から実家へ帰る親戚を見送るように名残惜しそうに見守り続けた。
「しかし、どうやって虫喰いがわたしたちを助けたのか、見てたか?だれか知らないか?」
「しらない………みてない」
「どうやってあんな所から5人も同時に………」
「ま、アイツ以外考えられないけど」
「こっちの『寝そべり』はいいの?」
「むにゃ………ぐふふふふ………おねーさん?おれとあそばなーい?」
「「「………」」」
「こんなの連れてったらどんなメに遭うか知ったことじゃあないな。セイウチはそこで寝転んでるし、ズラかろう。イエネコ拾わねーとだしな」
「ー!なーにしてたのよー!あんたたちはー!」
「噂をすればなんとやら、だね」
「あれー?アフリカゾウまでそんなタイドなんて、私はやっぱり邪魔者なのね」
「わ、悪かった。そんなつもりは!な、アフリカゾウ!」
「そそ、その通りだよ!」
「ふん、せーぜー私のご機嫌とりに精を出すことね」
やがて一団が浜辺を発ち、セイウチも安眠場所を求めて去る。言 つ。
最後に寝そべり昆布を被った酔っ払い擬きが残された。
そこに、一人の人影が舞い戻り、見下ろしながら独り
「俺自身が一番大事なんだ。セルリウムを制御する、俺だけが使える、あの守護けものにすら許されない力がな」
to be continued………
決定稿更新おつかれさまでしたのだ🫡
(イラスト:風龍さん)
ダブルスフィア×時短探偵・雪子 伏線回収系推理SS
【ホワイトアウト】
アルマー
「ねぇ、寝てるだけってことはないの?」
外では季節外れの暴風雪が吹き荒れる洋館:ろっじアリツカ。
センちゃん
「いいえ、アミメキリンさんは警戒心が強いので横になって寝ることはありません。
これだけ人が集まってるのにちっとも目を覚まさないのもおかしいですし時間も長すぎです。
そもそも廊下ですよ? ここは。
つまり外的要因によるもの、と言わざるを得ません。
ライイングメッセージも持ってますしね」
アルマー
(dyingじゃなくてlying・・・確かにウソはついてないよね)
一同の目の前ではアミメキリンが俯せに倒れている。
白紙の原稿用紙を持って・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「この中に犯人はいる!」(ババーン)
アルマー
「え、なになに!?」
センちゃん
「どこから出てきたんです!?」
突然の登場に集められた容疑者たちも目を白黒させている。
アルマー
(さっき館内を捜索した時には確かに居なかったはずだけど・・・)
雪子
「袖で出るタイミングを見計らっていました!」
アルマー
(袖・・・って?)
センちゃん
「いきなり出てきて根拠のない推論を語るのはやめてください。
まだ外部の犯行の可能性も残されてるんですよ?」
「ちっちっち」
人差し指を立て、左右に振りながら雪子は自慢げに反論する。
「あなた方が入館し、ハクトウワシさんが退館したあと、
私はけものミラクル:嵐雪遮界(ホワイトアウト)をすみやかに発動しておきました。
これは吹雪を起こすことで戦闘時には敵の攻撃命中率の低下を引き起こしますが、
今回は結界(密室状態)に転用させていただきました。
効果は12時間。 その間はセルリアンどころかアリリアンの出入りする隙もありません!
ちなみに、この技名とタイトルが同じなのは伏線です!!」
アリツさん
「あの風と雪はあなたの仕業でしたかぁ・・・」
アルマー
「どっちに転んでもセルリアンなんだね」
博士
「時短とはネタバラシをすることではないと思うのです。
核心は突いてないので物語的にセーフだとは思いますが・・・」
助手
「探偵のくせに推理モノのお約束も知らないのですか?
セリフは長尺ですし・・・」
タイリク先生
「伏線とは撒いておくもので、開始と同時に巻き取るものではないよ」
口々に容赦ないツッコミが入った末に、無慈悲な宣告が告げられる。
センちゃん
「・・・するとあなたも容疑者ということですね」
雪子
「ぎゃふん!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
容疑者たちの供述(※任意の事情聴取)は以下の通りである。
博士(長1)
「我々は限定ジャパリm…
締切間近だというのに原稿を持ってこないので催促に来ただけです。
ちなみに今回、私はアミメキリンとは話してもいませんよ」
助手(長2)
「ここに来た理由は博士と同じです。
タイリクオオカミがたるんでいるのはアミメキリンのマネージングにも問題があるのではないですか?
ーということを言ってやろうと思いましたが、アミメキリンからの返答はありませんでしたね」
タイリク先生(マンガ家)
「アミメくんの持っている白紙の原稿用紙は確かに私のものだ。
だがそれ以上でもそれ以下でも無いよ。
締め切りのことで? ああ、原稿が間に合ってないことで軽い諍いはあったが、
『日常茶飯事』の範疇を越えるものではなかった、という認識でいるよ。
それについてはアリツさんが証明してくれるだろう。 一緒にいたのでね」
アリツさん(ろっじ経営者)
「ええ、確かに先生とアミメキリンさんは揉めてらっしゃいましたねぇ。
アミメさんはかなり興奮されていらしてぇ・・・
えぇ? 私が部屋を訪れた理由ですかぁ?
いつも締め切り前日には差し入れをお持ちしますのでぇ。
それを召し上がったあと、アミメさんは部屋を出ていかれましたぁ。
私は仕事がありますので部屋を出て戻ろうとしたところ
廊下で倒れていたのを発見した次第ですぅ」
雪子(時短探偵)
「なんで私まで容疑者扱いなんですか! 探偵ですよ、私は!
え? 『探偵なのに犯人だった』展開も推理モノあるある?
じゃあダブルスフィアのお2人だって容疑者にするべきじゃないんですか!?
ちょ… いくら話が進まなくなるからって『作者権限でダブルスフィアは潔白設定』なんてズルですよー!
そもそもアミメキリンさんとは一面識もないですし、
昨晩もチラっとすれ違っただけで、言葉さえ交わしていませんよ!
あ~ こんなことなら嵐雪遮界なんて使うんじゃなかったー!!」
アミメキリン(マネージャー・ポンコツ探偵)
「・・・」(へんじがないまるでしかばねのようだ)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
くらがりの間(2人の自室)に戻った2人は今後の捜査方針について話し合うことにした。
アルマー
「どうしよう?
館内をくまなく捜索したけど、やっぱり部外者が出入りした形跡は無いし、
かといってここに残っている人の誰もウソは言ってないみたいだし・・・」
ラッキービースト(メディカル担当)
「アミメキリンの診断結果を表示するヨ」
センちゃん
「AI技術が発達したおかげでボスの性能も上がりましたね」
ホワイトボードに出力された診断結果の要点は以下の通りだ。
・呼気から微量のアルコール成分が検出
・後頭部に軽い打撲
・バイタルチェックによると犯行時の直前に血圧・脈拍の乱高下があったと推測される
センちゃん
「容疑者の供述と比べてみると、ウソこそついてないかもしれませんが、
意図的に情報隠蔽している可能性はあります。
もう一度、取り調べる必要がありそうですね」
アルマー
「うーん…
でも、とりあえずアミメさんは容疑者から外れそうかな?」
センちゃん
「自作自演の可能性を考えて候補に入れていたんですが、
こうなってみると確かにその線は薄いと言わざるを得ませんね」
季節外れの吹雪で一種の密室状態にある、ろっじアリツカで起きた不可解な事件。
その容疑者は5人に絞られた・・・
2話~前日譚~
3話~推理編~
・・・に続く
【すぺしゃるさんくす:ツッコミ隊長さん@901ff32967】
時短探偵・登場編
デカパンダ編
VS怪盗編
※1話に加筆修正しました。
ですが、このまま読み進めて頂いてもまったく問題はありません。
読み直すほどの変更ではないので。今は
は、犯人は誰なのだー!?
雪子ちゃんの活躍も気になるぜ 続編がんばってなのだ
雪子が犯人役として大活躍・・・ということにならなければいいんですが…w
明日以降も頑張りまっする
(イラスト:ネギ大福さん)
待ってました!コロナ生き延びた甲斐がありましたのだ!
風龍さんのイラストかわいいですね
雪子に新しいミラクルが!しかし使ったことでなぜか犯人候補に
時短にもなってないというところは雪子らしいのだ
白い原稿用紙が犯人を指し示している→白とう和紙→ハクトウワシ
ホワイトアウトはハクトウワシOUT
動機はケシカラン原稿のすり替え??・・・思い浮かばな~いのだ!
続き楽しみにしております
ありがとうなのだ
読んでいただきありがとうなのだ
推理が当たってるかどうか・・・は続きを読んでのお楽しみなのだ
ダブルスフィア×時短探偵・雪子 伏線回収系推理SS
【ホワイトアウト】
時は遡って3月2日18:00頃のこと・・・
アルマー
「こんにちは~」
アリツさん
「いらっしゃいませぇ~
お泊りですかぁ?」
ダブルスフィアです。 ちゃんと予約しておいたはずですが?
アリツさん
「えぇと…」
アリツさんが宿泊台帳を繰る。
「これは失礼しましたぁ
はい、確かに承っておりましたねぇ」
センちゃん
「・・・読者に見えないからって愛想のいいテンプレ挨拶とは裏腹に
あからさまに嫌な顔するのやめてもらえます?
こちらは客ですよ?」
アリツさん
「えぇ~? なんのことでしょう?」
センちゃん
「しらばくれないでくださいよ」
「だって『探偵さんが洋館に泊まると事件が起こる』のってフラグじゃないですかぁ~」
イラスト:Tじろ~ さん
「あ、ハクトウワシさんお疲れ様ですぅ~」
ジャパリパークでは明日3/3ひな祭り(桃の節句)を記念して
『限定:白桃ジャパリまん』をパーク内の特定施設で配ることになっていた。
ろっじでも朝ごはんとして宿泊客に振る舞うことになっており、
この地区担当のハクトウワシがその搬入を済ませたところだった。
ハクトウワシ
「ええ。 ブツは『ひんやりの間』に置いておいたわよ」
アリツさん
「お手間を掛けさせてしまって申し訳ございませんでしたぁ」
ハクトウワシ
「いいのよ。 盗み食いはイッツ・ギルティ!だものね」
アリツさん
「ありがとうございましたぁ~
あ、お待たせしました。 話を戻しますけど」
アルマー
「私たちとの対応に明白な差が・・・それはもう、すがすがしいほどに出てるね…」
アリツさん
「ほらぁ、そうでなくてもウチは『ホラ吹き上手のホラー漫画家さん』が逗留しているろっじ
として名が広まってしまってるじゃないですかぁ。
中には
『何も起こらなかったじゃねぇか! キシャー!』
『ふまん…』
ーとクレームを付ける方までいらして・・・」
センちゃん
「そんなことまで私たちのせいにしないでください」
アリツさん
「・・・それもそうですね。 愚痴ってしまって申し訳ありませんでした。
では改めてお部屋のご案内をさせていただきますねぇ」
アルマー
「はーい」
すっかり仕事モードに切り替わったアリツさんと、それに続いて歩くダブルスフィア。
その様子を見ていた白い影が、物陰から出てくると館の出口に向かって歩いて行った・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
カタカタ…
廊下を進んでいると注意を促すかのように窓が音を立てた。
アリツさん
「あら? 急に風が・・・
ハクトウワシさんは大丈夫でしょうか?」
ガタガタ… ガタッガタガタ!
それどころじゃないぞ、と言わんばかりに窓は身悶えする。
アルマー
「さっきまであんなに天気が良かったのに・・・」
風は更に強く、雪まで混じっているようだ。
センちゃん
「こんな時期におかしなこともありますね。
異常気象でしょうか?」
窓の外は、すぐに1m先も見通せないぐらいの吹雪に変わっていった・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アリツさん
「こちらが『くらがりの間』になります。『こはん』から『巣穴』に適した土を搬入し敷き詰めた部屋となっておりまして、お客様本人に掘り進めてもらうことでそれぞれに合った居住空間を確h・・・」
センちゃん
「部屋の解説なら必要ありません。
事前にこちらのホームページを確認して調べて決めましたので」
アリツさん
「がーん。
便利になり過ぎるってのも良し悪しなのかしらねぇ…」
アリツさんは打ちひしがれた様子だった。
アルマー
「センちゃんは淡白だね
オタク特有の早口っていうの? 私はもうちょっと聞いててもよかったけど・・・」
アリツさん
「ではごゆっくりぃ…
今度、ミステリールームでも企画してみようかしら・・・?」
アリツさんはアルマーのフォローも耳に入っていない様子でブツブツ言いながら去っていった・・・
日付は変わって2023/3/3 AM1:00
アリツさん
「ほらぁ、だから言ったじゃないですかぁ」
こうして冒頭の状況に戻る。
苦虫を嚙み潰したような顔のセンちゃん。
目の前にはアミメキリンが突っ伏している。
センちゃん
「私たちのせいで、とは絶対に認めたくはありませんが・・・
こうなってしまったからには探偵の責務として犯人を挙げるのみ!
アルマー、館内にいる人たちを集めてきてもらえる?」
アルマー
「OK♪」
鼻歌交じりで被害者の周囲をなぞるように白線で囲んでいたアルマーが応えた。
センちゃん・アリツさん
「・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
こうして集められた容疑者は
アリツカゲラ、タイリクオオカミ、博士、助手。
そして雪子を加えた5人だった。
センちゃん
「こちらがラッキービーストによる調査報告の結果になります。
これを基に改めて取り調べを始めさせていただきますが・・・
自白して罪を軽くするなら今のうちですよ?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
解決を急ぐあまり容疑者を一堂に会して、というやり方がマズかったらしい。
取り調べという名の会議は紛糾を極めた。
雪子
「ダイイングメッセージの『白紙』から『博士』ってことはないのですか?
どちらも『はくし』と読めますし」
博士
「燃やされたいのですか!? ダジャレで犯人扱いなんて認められません。
そもそも白紙はタイリクオオカミさんのものだったのでしょう。
疑うならまず、そこからではないのですか?」
タイリク
「私はアミメくんに感謝こそすれ憎む理由がないよ。
締め切りのことでせっつかれるのも私の不徳の致すところだしね。
なのに助手は私に直接言わず、かなりアミメくんにつらく当たってたそうじゃないか。
そう愚痴っていたのを何度か聞いたよ?」
助手
「それを言ったら『先生のサボり癖』も嘆いていましたけどね。
ところでアリツカゲラは『事件を引き起こす探偵』を苦々しく思っていたそうじゃないですか。
トラブルメーカーでポンコツなくせに探偵気取りのアミメを・・・というのは動機になりませんか?」
(イラスト:kisachiさん)
ここぞとばかりに2人掛かりで圧を掛ける。
アリツ
「そんな大それたこと考えたこともありませんよぉ。
仮に私が嫌がっているとして、それで事件を起こしてたら本末転倒じゃないですかぁ」
雪子自作自演 なんて
「いいえ!
倫理観ゼロ、論理破綻した動機による
長期連載推理モノのお約束じゃないですか!」
自らに掛けられた疑いを晴らそうと必死なのかフレンズたちの討論は
まるで時限爆弾ゲームのようだった。
アルマー
「どうしよう・・・
このままじゃ迷宮入りだよ~」
いよいよ収拾が付かなくなりつつ様子を見て、もはやアルマーは白旗を上げる寸前だ。
センちゃんもどうしたものかと考えあぐねている。
アリツ
「あの~」
センちゃん
「はい?」
アリツ
「差し出がましいことを言うようですがぁ・・・」
センちゃん
「一応聞いててみましょう、なんですか?」
アリツさん
「ボス犯カメラの映像を確認されてはどうでしょう?」
アルマー
「え・・・?」
このろっじではあまりにも不可解な事件・事象の二次創作が作られるので
ラッキービーストからカメラ機能を借り受け、館内各所での動体検知録画を導入したのだという。
アルマー
「もっと早く言ってよ!」
4話~真相編~に続く
続きがとーっても気になるのだ!
挿絵がとてもいい仕事してますのだ
それぞれ発注したのだ? とてもいいアクセントになってますのだ
あと雪子の白紙→博士のムチャ推理で「燃やされたいのですか!?」には
すごく笑ったのだ たーのしーのだ😂
(>3<)☝内緒ですが無断でPIXIVやニコニコ静画から拝借させて頂いてますm(ーー)m
ところでヒゲじいのダジャレ→燃やせ!ムーブは、いつからどんな経緯で始まったんでしょうね?
解き明かしてくれたら👏(はくしゅ)します
アリツさんが一番有能説が出てきたのだ
作者の趣味が色濃く反映されちゃいましたかねw
こういうキャリアウーマン的なキャラ好きなんですよ
脚もエッッッですし…
ダブルスフィア×時短探偵・雪子 伏線回収系推理SS
【ホワイトアウト】
録画データの確認が始まった。
2023/03/02/11:58
(イラスト:ShiBiさん)
タイリクオオカミの部屋にアミメキリンが入ってきたところからだ。
アルマ
「この時はまだ何も起こってなさそうだね」
しかしこの後、状況は一変する。
[先生! これはどういうことですか!?]
白紙の原稿用紙をバサバサ振りかざしながらアミメキリンが激昂している。
[アイデアがまったく浮かばなくてね。 %%{bg:mistyrose}頭の中は真っ白%%さ]
タイリク先生は悪びれた様子もない。
[どうするんですか、締め切りは明日なんですよ?
これまでも発刊が遅れたり休載するたびに
製本担当の博士たちや、新刊を待っている読者さんたちに白い目で見られる私の身にもなってくださいよ!]
アミメキリンは涙目だ。
センちゃん
「この辺りは供述の通りですね」
2023/03/03/0:05
コンコン…
アリツさんが入室してきた。
[差し入れをお持ちしましたぁ。 少し休憩してはどうでしょう?]
[休憩も何も! そもそも始まってさえいないんですけど!?]
アミメキリンはアリツさんにもヒステリックに食って掛かる。
[今日はひな祭りなのでアラレと白酒を用意してみました。 どうぞ召し上がってください~]
一方のアリツさんは慣れているのか、軽くいなしている。
[ジラフがシラフじゃダメだってことなんですね!]
よく分からないことを言いながらアミメキリンは白酒を一気にあおる。
[けほっけほっ!]
思ったよりアルコール度数が高かったらしい。
背を丸めて軽く噎せるアミメキリン。
タイリク先生
[おいおい、大丈夫かい?]
[あぁ、お水を用意しておけばよかったでしょうかぁ]
アリツさんは甲斐甲斐しくアミメキリンの背中をさすっている。
[もうぉ、やってられないれすよぉ~!]
アミメキリンはそれを跳ね除けるように背を伸ばすと、
呂律の回らない口調で愚痴をこぼしがら、フラフラとおぼつかない足取りで室外に出て行ってしまう。
2023/03/03/0:11下手 に向かって歩いていると、ぼや~とした白い人影が見えてきた。
画面は廊下に切り替わる。
アミメキリンが暗い廊下を
(一時停止してズームしてみると、かろうじて雪子だと確認できた)
アミメ
[ヒェッ… オバケ!?]
雪子
「えぇ…?」
ショックを受けている雪子をその場に残し、アミメキリンは逆方向に向かって逃げ出した。
走って酔いが回ったのか、アミメキリンはすっかり千鳥足になっている。
2023/03/03/0:15
[む~ あの女、一体どこに隠したのですか…?]
[おっと、アミメキリンではないですか。今のは聞かれなかったでしょうね?
えっと…そうです。
原稿を取りに来たのです。 さっさと寄越すのです]
アミメキリンの顔からはみるみる血の気が引いていき、いまや蒼白だ。
・・・ゴス!💥
2023/03/03/0:16
博士
[ん? 何か足に当たりましたか?
おお、助手。 見つかりましたよ。 あの女、まさか客室の1つに隠していたとは・・・」
助手
[博士、博士]👉
助手の指差す先では白目を剝いたアミメキリンが倒れていた。
博士による無音フライングニーアタックが後頭部に炸裂したからだ。
博士
[い、今のは不可抗力なのです]
助手
[そ、そうです。 そうに違いないです。
なんかフラフラしていましたし、酒臭いところから見るにしこたま酔って勝手に倒れただけで
膝が入ったように見えたのは気のせいです。
ともかく、余計な詮索をされないためにもここはズラかることにしましょう]
2023/03/03/0:20
ほどなくしてアリツカゲラが画面に映った。
違和感に気付いたのか、小走りで倒れたアミメキリンに近寄ってくる。
アリツ
[・・・? アミメ…さん? 大丈夫ですか!?
先生― ちょっと先生! 来てもらえませんかー!?]
2023/3/3/0:24
ここでセンちゃんはビデオを止めた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
こうして真実が白日の下に晒された訳だが、フレンズたちの往生際は悪かった。
雪「やっぱり博士のせいじゃないですか」博士&助手 は何しに『ろっじ』に…?💢」
博「いや確かにとどめを刺したのはかもしれませんが、元はと言えばタイリクオオカミたちが・・・」
タ「雪子くんを見てかなり驚いていたようだが…」
助「お酒で悪酔いしたのがそもそもの原因なのでは?」
ア「
ふたたび白熱した議論が交わされる。
ただ、今度は誰の責任が一番重かったのかという低レベルな言い争いが・・・
「うーん…」
ようやくアミメキリンが意識を取り戻しそうだったが、いまや誰も気に留めていない。
[これって全員アウトなんじゃ・・・]
白けた口調でアルマーが口を挟むが、
博「いえいえ」
助「誰も悪くなかったと思うのですよ」
ア「たまたま不幸な事故が重なっただけでぇ~」
タ「つまり、みんなシロだろう」
雪「セーフ!セーフ!」
「んな訳ありますか!」
あまりの結論にアミメキリンがツッコむ。
「シロかもしれないけどアウト!
ホワイトアウトよ!」
5話~回収編~に続く
偶然と偶然(?)が折り重なった波状攻撃がヤギを襲ったのだ
不幸な事故だったのだ
ヤギが真犯人だった説もある…w?
ほぼキリンの独り相撲だったという
それにしても博士たちとりあえず救護措置しろよ!というツッコミをいれつつ
雪子が犯人じゃなくてヨカッタ・・・😮💨(そこ!?)
ハクトウワシ犯人説は大外れ!🤪
キレイにオチが決まったところでまだ続きがある!?
いつもながらにすごいボリュームなのだ
こうして雪子の出オチバラシによる伏線は回収されたのであった・・・
ーで終わらないのが本作。
どんでん返しが待っている…?
マンガと違って文字のみだとどうしても物量がね・・・
ダブルスフィア×時短探偵・雪子 伏線回収系推理SS
【ホワイトアウト】
「シロかもしれないけどアウト!
ホワイトアウトよ!」
一度は勢いでそう言い放ったアミメキリンだったが、
「今回の事件は悪意があったわけでも故意でもありませんし。
なにより皆さん、反省もしているようですから・・・」
落ち着きを取り戻したアミメキリンは、すべてを水に流すことにしたのだった。
アルマー
「大岡裁きだね。 でも良かったの? それで」
アミメ
「私まで疑われていたことは心外ではありますが・・・」
センちゃんは気まずそうに顔を逸らす。
アミメ
「どなたかの科白(せりふ)にありましたが、たまたま事故が重なっただけだと思いますんで・・・」
一同の顔には安堵の色が浮かんでいた。
「・・・ねえ。
読者の中にはも薄々気付いた人もいるかもしれないんだけど・・・」
張り詰めていた空気が和らぎつつある中、1人神妙な顔をしながらアルマーが口を開く
「どうしました?」
センちゃんも、そのただならぬ気配を察し耳を傾ける。
アルマー
「今回の話って『白』多くない?」
一同はセルリアンがぽっかーん!を食らったような顔で…
いやつまり、ぽかんとしている。
アミメ
「・・・?
せっかくいい話で締めようと思ってたのになんでそんな茶々を…
って、これでは茶色ですか」
センちゃん
「いえ、アルマーの言う通り、確かに『科白』なんてあまり使わないですよね。
同じ漢字でももっとポピュラーな『台詞』がありますし、
カタカナの『セリフ』でもいいのにわざわざルビまで振って・・・」
「・・・?
私は台本通り喋っただけですが…?」
しかしアミメも違和感を覚え出したのか訝しげな顔になる。
「でも、言われてみて台本を見返してみると・・・
白い目とか、蒼白とか、白目を剥くとか、確かに多いですかね?」
だが、まだ半信半疑な様子だ。
アリツさん
「私に関係することで言うと白酒とか白桃ジャパリまん、とかですかぁ?
今日はひな祭りなんで特段おかしいことだとは思いませんでしたけどぉ」
「その日付設定もそもそも仕組まれたものだったとすればどうだい?」
タイリク先生は創作者目線で鋭い指摘を入れる。
助手
「ハクトウワシも白桃ジャパリまんと掛けただけのダジャレだと思ってましたが、
漢字で書くと『白』頭鷲ですしね」
アルマー
「ちょっと見て!」
一同の目が差し出された台本に注目する。
「ここに『白』に関連する言葉に背景色が付いてるんだけど、かなりの数あるよ!?」
センちゃん
「・・・なんですか、これは!?」
博士
「遡ってみると、そもそもこの事件の始まりはアミメキリンが『白紙』を持って倒れてるところから・・・
いや、もっと・・・・・・!?
って、タイトルからして『ホワイトアウト』じゃないですか!」
「・・・ホンマや!」
一同は雪子のボケを合図に、まるで新喜劇のように盛大にズッコケた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
博士
「やれやれ」
助手
「とんだ騒動に巻き込まれてしまったものです。
原稿も上がってないことですし、帰るとしますか」
アミメキリン
「何を言ってるんですか!
こうなったら徹夜ででも原稿を手伝ってもらいますよ!
マンガの作業工程というものはやることが目白押しなんですから
アルマー
「でもアイデアは全然無いって言ってなかった?」
タイリク先生
「いや・・・今まさに浮かんだ!
今回の事件をネタに再構成すれば面白い作品になりそうだ」
アミメキリン
「ほらほら、そういうことですから手伝ってください」
一同からは一斉にブーイングが起こるが・・・
雪子
「私のホワイトアウトの効果は12時間持続といったじゃないですか
どうせ朝6:00までは出られませんよ」
一同の間にはあきらめムードが漂う
アリツさん
「じゃあその前にお夜食にしましょうか」
一転、一同が湧き立つ。
アリツさん
「ーというわけですから博士さん、助手さん、ジャパリまんを出してください」
博士
「むむ…誤魔化せませんでしたか・・・」
この期に及んで独り・・・二人占めするつもりだったらしい。
助手
「私たちもれっきと宿泊客。
食べる権利はあるはずですよ」
「あなた方の分はあなた方の分け前として除いてもらって構いません。
ですから残りを出してください」
アリツさんはアミメキリンの決定を尊重し、感情に流されることなく。
それでいて正当な主張は通す。
博士「分かったのです」
助手「仕方ないのです」
雪子✋
「あ、私は遠慮します。
正規の手続きを経ていない飛び込み客なので」
(当然、頭数にも入ってないだろうし)
「でも・・・」
博士たちからジャパリまんを受け取りながらアリツさんは提案する。
「でしたら私の分を…」
タイリク先生
「その必要はないよ」
「ん?」
センちゃんはフレンズとジャパリまんをそれぞれ指差し確認しながら指摘する。
「足りてますけど…」
この場に居るのは博士、助手、センちゃん、アルマー、タイリク先生、アミメキリン、アリツさん
・・・そして雪子の8人
一方のジャパリまんは・・・数えてみると確かに8つある
アリツさん
「あら? 数は丁度しか頼んでなかったはずですけど・・・注文を間違えたのかしらぁ」
不思議がるアリツさんを尻目にタイリク先生がキメ顔で語りかける。
「やはり物語のラストというのは『大団円』・・・丸く収めないとね。
そうは思わないかい、ダブルスフィアのお2人さん?」
アルマー
(なんか台本から外れ出した…?)
突然スポットライトを当てられて戸惑う2人と、
そのリアクションを楽しそうに眺めるタイリク先生。
悪い顔をしている。
センちゃん
「・・・!
まさか『丸いもの』にも伏線があったとか・・・!?」
とっさに機転を利かしたセンちゃんがなんとか返す。
タイリク
「いや、無かったはずだよ?」
タイリク先生はあっさり否定する。
台本を見返しても確かに無い。
しいて言うなら句点(文末の『。』)ぐらいだが、これは伏線とは言わない。
センちゃん
「じゃあ、これからまた始まるとか?」
タイリク先生
「いや、あと少しでこの物語も終わってしまうよ、ほら」
タイリク先生は『何か』を待っているような口ぶりだ。
センちゃん
「だったら伏線とは言わないんじゃないですか?」
タイリク先生
「知ってるよ。
私だって創作者の端くれだからね」
センちゃん
「だったらなんでこんな茶番を?」
タイリク先生
「最後だからちょっとアドリブをカマしてみようと思ってね」
アルマー
「台本に無いこと急(球)に振られても困る(こまる)よ!」
キレイにオチたのを確認するとタイリク先生は満足げにうなずく。
そうして、ろっじアリツカを舞台にした物語は幕を下ろしたのだった・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
~後日談~
彼女らの作業は夜が白むまで続き、
ホワイトアウトの効力が切れた頃、無事にマンガは完成した。
(イラスト:よしゆきよしぞう さん)
タイリク先生
「お疲れさん、有能なマネージャーくん」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
のちに舞台化されたこの作品は評判が評判を呼び、千秋楽を迎える頃には
プラチナチケットにまでなったという・・・
(白金)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【ホワイトアウト~舞台版~】
[キャスト]
センちゃん(探偵)・・・・・・・・・・・・オオセンザンコウ(ダブルスフィア)
アルマー (探偵)・・・・・・・・・・・・オオアルマジロ (ダブルスフィア)
アリツさん(ろっじアリツカオーナー)・・・アリツカゲラ
ハクトウワシ(ジャパリまん配達業)・・・・ハクトウワシ
タイリク先生(マンガ家)・・・・・・・・・タイリクオオカミ
アミメキリン(マネージャー)・・・・・・・アミメキリン
博士(宿泊客)・・・・・・・・・・・・・・アフリカオオコノハズク
助手(宿泊客)・・・・・・・・・・・・・・ワシミミズク
雪子(時短探偵)・・・・・・・・・・・・・雪子(友情出演)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[スタッフ(裏方)]
照明・小道具・演出・・・・・・・・・・・・ハクトウワシ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[製作]
原作 :タイリクオオカミ
脚本 :愛知
舞台監督:タイリクオオカミ
すぺしゃるさんくす:ツッコミ隊長さん
時短探偵~登場編~
パンダデカ編
VS怪盗編
ーーーーーーーーーー 完 ーーーーーーーーーー
カーテンコール
めでたしめでたしなのだ
白でまとめられたギャグサスペンスという新ジャンルなのだ!
雪子の分もジャパまんがあってヨカッタ
波乱万丈なストーリーでかつけもフレらしい
実に読み応えがありました
雪子起用してくれてありがとうなのだ
完結おつかれさまでした
「白」は漫才師ナイツさんの「赤と白」を参考にさせてもらいました。
ですが、伏線を複線走らせたのは初の試みです。
おかげで読むのが複雑になってしまったかも…(書くのもですがw)
前回(・・・はヨカレが主役でしたが)、前々回(ちょい役w)と
雪子ちゃんを起用させてもらってますが、
それだけ魅力的なキャラだということで、
それを生み出したツッコミさんは胸を張っていいと思いますよ。
その魅力についてSS3話分くらい書いてもいいんですが、
・・・・・・
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シビレ隊長が妬きそうなので割愛しますw
ツッコミさんも体には気を付けて創作活動、ガンバッてくださいm(ーー)m
(もうちょいでコメント数2000か・・・)
長編お疲れ様でしたのだ
白圧の強いお話だったのだ
白身迫真の演技、お楽しみ頂けたのなら幸いですm(ーー)m