F畑任三郎
<終幕>
~20:10~
みずべちほーのライブ会場に明るさが戻った。
先ほどまで舞台上でフル畑任三郎たちの映っていたスクリーンの前には
観客「ざわ…」
H「まさかこれで終わりなのですか?」
J「上映時間は8時半までのはずなのです。 まだ20分あるはずなのです」 ⌛
観客「ざわ ざわ…」
3分ほど経ったが何も起こらない。
O「トラブルでありますか?」
A「心配っスねぇ…」
S「いや、まだ種明かしが残ってるはずだ」
F「きっと間を取って『考える時間』を演出してるんだよ~」
A「おお、なるほどなのだ」
その言葉を受けたように照明が落ちる。
緞帳が上がり、スクリーンに光が当たる。
しかし映ったのは見覚えのある風景・・・
みずべちほーのライブ会場。 その舞台上だった。
~20:15~
画面の手前からインドオオカミが現れるとこちらを向き、ウィンクを1つすると踊り出した。
くいっ♪くいっ♪
観客「ほ~♡」
妖艶な見た目と踊りに観客は魅了される。 しかしそれだけに留まらず・・・
観客「手足が伸びた!」 「火を吐いた!」 「空中浮遊!?」
某『
S・O「ほ、はら。 最近はヨガにもハマってるらしいから…」
T・O「そういう問題か!?」
インドオオカミがポーズをキメると、左右の舞台袖から沢山のドラム缶が入ってくる。
どうやら後ろにフレンズたちが隠れているらしい。
C・O「今度は何が始まるネ?」
新たな BGMが流れ出し、
手前のドラム缶の中からインドゾウ・インドサイ・インドガビアル・インドホシガメが顔を出す。
後ろのドラム缶からも
ハシさん・ヨシさん、フル畑、シマ泉、シロサイ、クロサイ、PPP、タイリクオオカミにアミメキリン。
アオカゲまで出てきてタオルを振り回しながら踊る。
K「アオカゲー!」
S「みんな頑張れ~!」
一斉にタオルを放り投げたところで暗転し、画面いっぱいに大きな文字が浮かぶ。
ジ・インド
~20:20~
みずべちほーのライブ会場に再び明るさが戻った。
P「コナン劇場版みたいな本格推理映画を期待してたらインド映画が始まったでござる」
N「いや、終わったみたいなんだけど…」
H「我々は一体何を見せられたのですか?」
J「博士、おかしいです。 まだ10分残っているのです」 ⌛
ざわざわ…
???
「分かったのだ!」
1人のフレンズが大声を上げ、客席から立ち上がる。
アラ泉(アライさん)
「きっと作者が失踪してしまったのだ!
だから映画も未完で終わってしまったのだ!」
💥🙆♀️
アラ泉
「アタッ! フェネッk… フェネ畑さん、でこぴんはやめるのだ…
わたあめ!? アラ泉さんはわたあめを見ると洗いたくなってしまうのだ。
けどアラ泉さんは負けたり… じゃぶじゃぶ…
ああっ!? わたあめ溶けちゃったのだぁ…」 orz
フェネ畑
「アラ泉さ~ん、ダメだよそんなメタいこと言っちゃ~
それに今回の投稿で最終回なんだからちゃんと完結するに決まってるでしょ~」
観客「何か茶番が始まった?」「いつもの芸人の、いつもの漫才じゃ…」
そこにサイ園寺(スマトラサイ)が駆け込んでくる。
「分かりました。 これも映画の演出です!」
みたびライブ会場が暗くなり、スクリーンに光が当たる。
映し出されたのはマネージャー控室の中でのっそりとマーゲイが起き上がるところだった。
👏
「誰?」
マーゲイが振り向くと、フェネ畑任三郎(フェネック)が入室するところだった。
「なかなかの役者っぷりだったよ~
マネージャーや映画監督だけにしておくのはもったいないくらいのね~」
マーゲイ
「・・・何を」
フェネ畑
犯人はマーゲイ、あなたでしょ~」
マーゲイ
「・・・」
フェネ畑
「被害者だと思われていた人物が実は生きていて真犯人だった、
ーというのは推理モノでは使い古された手法で・・・」
マーゲイ
「そんなことを言い出すなら『探偵が真犯人』だった、というトリックも聞いたことありますよ?」
フェネ畑
「おっと~
これは1本取られたね~
ーとまあ、冗談は置いといて~
もうちょっとで劇中のフル畑さんの『犯人なんていない』というセリフを鵜呑みにするところだったよ~」
マーゲイはズレたメガネを直しながらフェネ畑を睨みつける。
フェネ畑
「あなた最初からインド映画を作りたかったんでしょ~
言ってたもんねぇ。 『きっとウマくいく』で締めたいってさ~
でもそのままじゃあ誰も乗ってくれないかもしれないと思ったあなたは推理要素を取り入れることにした。
あとは違和感を持たれないように『QK-1』で作りたい映画を列挙しておいて、
『現場検証編』で対比させる構成を取ったんだよね~
[王様のリストラ][振り返ればヤクがいる(中の人ver)]順番は変わっているけど
[真マヌル][きっとウマくいく]だっけ~?」
マーゲイ
「偶然をあなたの妄想で補完しているに過ぎません。
タイトルはF畑任三郎ですよ? キャストも英名の頭文字からフルルさんを起用して・・・」
フェネ畑
「ん~?
フンボルトペンギンの英名は『Humboldt penguin』 頭文字は『H』だよ~?」
マーゲイ
「くっ… 勘違いは誰にでもあります。
証拠としても弱い」
フェネ畑
「まあ、いいでしょ~ 続けるよ~
あなたには1つ誤算があったみたいだね~」
マーゲイ
「誤算…?」
フェネ畑
「インド系フレンズたちの衣装の露出が思った以上に激しかったことさ~」
マーゲイ
「・・・」
フェネ畑
「ジャパ警のインド系メンバーの色気に当てられていたあなたは
インドオオカミさんからの着信を受けたのを、これ幸いと逃げるように去り、
自室でオーディションを行った・・・
だけど、そこでも肌も露わなフレンズのセクシーな踊りを見せ付けられてぇ、
ウブなあなたは、たまらず鼻血を流しながら倒れてしまったというわけなのさ~
それはインドオオカミの『着替えていない』という証言と、さっき観たダンスシーンからも明らかなのさ~」
マーゲイ
「面白いお話ですね。 あなたの方こそ脚本を書いて映画をお作りなったらいかがです?
私、喜んでプロデュースしますよ」
フェネ畑
「ありがと~ 考えとくよ~
でも1つ分からないことがあったんだよね~
そう五角形の血文字だよ~
あれはダイイングメッセージなんかじゃないよね~
現に生きてる訳だし~
じゃあ、インドオオカミに何かされた訳でもないあなたが、
どんなメッセージを残さなきゃいけなかったのかな~?」
マーゲイ
「・・・」
フェネ畑
「ヨシさんも言ってたよね~ 『五角形の意味をダジャレで』ってさ~
そこで考えたのさ~
五角→ごかく→ごーかく→オーディションに合格したという合図だったんじゃないかってね~
以上だよ~」
マーゲイは1つ大きな溜息を吐いた。
「1つだけいいですか? いつから私が犯人だと?」
フェネ
「最初からあなただと思ってたよ~」
マーゲイ ( ゚д゚ )
フェネ畑
「インド映画を推理モノで誤魔化すというのもどうかと思うけど、
よりにもよって古畑任三郎を題材に選んだってのは失敗だったね~
冒頭部で映っていたのはインドオオカミとあなたでしょ~
フレンズが・・・仲間であるフレンズを傷付けたり、ましてや殺人なんて犯すはずないじゃないか~。
インドオオカミが犯人でない以上、あなたの自作自演もしくは事故以外に考えられないのさ~」
マーゲイ
「・・・後悔なんてしてませんよ。
私は作者(神)として、好き勝手・やりたい放題やったし、
こうやって映画公開も果たせた。
まんぞく…です」
フェネ畑
「そうかな~
本当に自己満足のためだけだったら映画にして観せたりするかな~
自費出版でOVAでも作って配ればいいんじゃない~?」
マーゲイ
「・・・」
フェネ畑
「作品を多くのフレンズに観てもらいたいってのは当然あっただろうけど、
やっぱりお客さんに喜んでもらいたかったから、じゃないの~
PPPの皆さんも言ってましたよ~
マーゲイは誰よりもお客さんの気持ちを第一に考えて
マネージャー業・プロデュース業をしてくれている、って~
頭文字が『F』の私をキャスティングして、この推理パートをラストに付け加えたのも・・・」
マーゲイ
「・・・後付けですけどね。
読者は楽しんでくれたでしょうか?」
「さあ? それこそ神(お客様)のみぞ知るってヤツじゃないのかな~」
マーゲイ
「・・・」
フェネ畑
「じゃあ次の作品に行こうか~ (あれば、だけど)」
~20:30~
ーFinー