F畑任三郎
<第二幕>
~マネージャー控室前~
タイリク
「中を・・・ 中を見てくれ」
一同がLB型扉(透明ガラスver)越しに部屋の中を覗いてみると、
水気の溜まった床にマーゲイが倒れているのが見えた。
アミメ
「分かりました!」
ジャパ警の面々
(まぁた始まったよ…)
「犯人は、推理モノのお約束・・・
第一発見者である先生です!」
タイリク
「おいおい、みすてりぃツアーでも第一発見者=真犯人だったろう。
お約束とワンパターンを混同すると読者に愛想を尽かされてしまうよ?
それに・・・」
シマ泉
「じゃあPPPですよ!
さっき盗撮がどーのこーの言ってたでしょ?
何度言ってもマーゲイがヤメないからカッとなって・・・」
💥🙆♀️
シマ泉
「アタッ! おでこをフリッパーではたくのはシャレにならな…
くしゃみ!? くしゃみは口を押さえてして下さい!」
フル畑
「キミねぇ。 憶測だけでPPPを犯人扱いしちゃいけないよぉ。
ちゃんと聞き込みをするとか、張り込みをするとかして証拠を固めてからじゃないとぉ。
ずず…」
サイ園寺
「フル畑さん、鼻水を拭いてください…」 つ▢
ジェーン
「あのぉ… 誤解されるのは仕方ないとは思いますけど、
『盗撮』というのはマーゲイさんが言ってるだけで、実は全然いかがわしいものじゃないんです」
イワビー
「そーそー。
練習風景の動画とか、楽屋でダベってる時の写真とか・・・隠し撮りだけどな」
サイ園寺
「なぜそんなことを?」
コウテイ
「カメラを意識していない自然な姿が良いのよ、と言ってたな。
実害が無いので今も好きにさせているが…」
プリンセス
「やましいことをしてる訳じゃないし、私たちもイヤがってるわけじゃないんだから
堂々と撮ればいいじゃない、って何度も言ってるんだけどね」
ハシさん
「ーという経緯で、これといったお咎めも無く、むしろ黙認されている。
つまりPPPにはマーゲイを手に掛けるだけの[動機が無い]というわけだ」
ヨシさん
「ちなみにですが、最初に騒ぎになった時の事情聴取では
『隠し撮り、という言葉に興奮するんです』と言ってましたねぇ。
私には到底、理解できない心理ですが…」
コウテイ
「私には少し分かる気がする・・・」 ゾクゾク…
フル畑
「ん〜 あ〜 聞いたことありますぅ~ (-ω-)ゝ そういうの確か『まぞ』って言うんですよね〜」
シマ泉
「文字だけでちゃんと原作らしさは伝わってますかね…」
サイ園寺
「こう言ってはなんですけど、
フル畑さんからそういう単語は聴きたくありませんでしたわ」 ドン引き…
プリンセス
「そう言えば、打ち上げで温泉旅行に行った時も、頑なに一緒に入ろうとしなかったじゃない?」
ジェーン
「私はいつもマーゲイさんが言ってるように
『マネージャーはアイドルの3歩後ろを歩く』的な遠慮をしてるんだと思ってました」
コウテイ
「私には『比べられるのがイヤなんです』と言ってたが・・・ 何のことだろう?」
イワビー
「そりゃあどっちも口実で、多分オレたちの裸を見てられないからだと思うぜ。
コウテイのどことは言わない部位は、あのボリュームなのに浮くしな。 イヤでも目に入る」
プリンセス
「やっぱりそうよね。
風呂上りも私たちの着てる浴衣がはだけそうになるたび目を逸らしてたわね」
フル畑
「ん〜 あ〜 知ってますぅ~ そういうの確か『うぶ』って言うんですよね〜」 (^ω^)/
サイ園寺
「こう言ってはなんですけど、
フル畑さんが天丼ギャグをする姿は見たくありませんでしたわ」 ドン引き…
シマ泉
「読者の反応は気になりますね…」
イワビー
「うぶ、ねぇ・・・
なあ、覚えてるか? プラネットツアーズのカード・・・」
ジェーン
「あぁ、コウテイさんの衣装が透けてるんじゃないか、ってかなり話題になった?」
コウテイ
「思い出しただけで、またゾクゾクしてきた…」
フル畑
「まぞ…」
サイ園寺
「フル畑さん…」
イワビー
「ヘソは完全に透けてたよなぁ。
マーゲイの奴、アレ見て鼻血吹きそうになってたろ?」
プリンセス
「あぁ、あったわね。
ーということは、やっぱり『肌の露出』に弱いのかしら?」
フル畑
「うぶ…」
シマ泉
「フル畑さんってば…」
アミメ
「だったら犯人はスマトラサイさんです!
ただでさえ露出の少ないマイナーフレンズなのに、サイのフレンズの中で唯一登場していません。
恐らく、少しでも名前を売ろうとして・・・
出番の少ない哀れなフレンズの哀しい動機だったのです」
シマ泉
「いや、アオカゲが突然降板させられたことに腹を立てて・・・」
アミメ
「それを言うならシマ泉さんだって塩ハラがどーのこーの・・・」
シマ泉
「そうだ! こうなったらなんでもかんでもセルリアンのせいにしましょう!」
ハシさん
「キミたち、いい加減にしたまえ!」
そう言うとハシサンはアミメキリンを
タイリクオオカミは足を抱きかかえて引っ張り合う。
アミメ
「イタイイタイイタイ! 首! 首が伸びてしまいます」
片や、シマ泉を羽交い締めにするニコニコ顔のヨシさんと、
箸で摘まんだ熱々のおにぎりを近付けるフル畑。
シマ泉
「!? アツアツの塩おむすびを近付けるのはやめてーー!」
扉
「ガチャ… ガチャガチャ!」 🔒
ハシさん
「む… カギか掛かっている。
誰か、合鍵かマスターキーを持っていないか?」
コウテイ
「どうぞこれを使ってください」つ🔑
ヨシさん
「密室・・・ですか」
ハシさん
「他にカギを持っている者は?」
プリンセス
「私たちPPPのメンバーと、マーゲイがそれぞれ1つずつ・・・」
イワビー
「ほら、失くしたりもしてないぜ」 つ🔑
他のメンバーもカギを見せる。
コウテイ
「あとは施設管理担当のラッキービーストがマスターキーを持ってるぐらいだな」
タイリク
「ほら、これで私が密室を作れない=犯人ではないことが分かっただろう」
「う・・・」
ヨシさん
「私からも1ついいですか?
推理モノにはお約束として『犯人はこの中にいる!』というものがあります。
つまりこの場にいないスマトラサイさんは容疑者から外れる、というわけです」
フル畑
「推理モノ用語に『アリバイ崩し』というものもありますぅ。
アオカゲさんとシマ泉くんはずっと私たちと一緒にいたんですから、当然容疑者から外れますねぇ」
タイリク
「クロサイくんにはアリバイの無い時間帯があるにはあったが、
私と同じくカギを持たない以上、密室の中にいるマーゲイくんには手が出せない・・・」
サイ園寺
「念のためにお聞きしますが、
タイリク先生はクロサイさんが見つけられなかったマーゲイの居所をどうやって・・・?」
タイリク
「何度か打ち合わせのためにお邪魔してるからね。 大体の居場所は分かる。
あとは臭いだよ。 血のね」
アミメ
「血って・・・」
シマ泉
「あ、あれはケチャップじゃないんですか・・・?」
タイリク
「これはアードウルフによる自作自演のお芝居なんかじゃない。
れっきとした事件だよ。 まあとにかく入ろうじゃないか」
イワビー
「まだ入ってなかったのかよ!」 (`Д´)っ
~to be continued~