~夕方:ろっじ~
イタリア
「ああ!?
お姉さまが真っ白に燃え尽きてるーー!?」
黒ズッキン
「ホントに電波を受信してたのか…?」
アルル
「何があったんでしょう?
バナナの皮を踏んで転んだ、とか?」
キンコ
「そんなに滑るモノ・・・かな?」
(チュウゴクオオカミ:リンリン)
「ある研究によると普通の床の6~7倍とかって聞くヨ!」
(タテガミオオカミ)
「へ~
世の中にはイグノーベル賞を取りそうな研究してるヒトがいるもんなんだね」
黒ズッキン
「いや、意味分かんねぇよ」
(アミメキリン)
「いいえ、犯人はヤギね!」
赤ズッキン
「いや、その意味も分かんねぇって!
一体どこにヤギの出てくる余地があったよ!?」
黒ズッキン
「白とのギャップがエグいな…」
それはさておき、タイリク先生が言うようにたくさんのオオカミフレンズがろっじに集結していた。
黒ズッキン
「確かに、ここにきて随分オオカミ密度が上がったな・・・」
アリツ
「昨日までガラガラだったのに、こんなにたくさんのお客様に来ていただき、
まことにありがとうございますぅ」
アミメ
「先生! よく見たら手も真っ白じゃないですか!」
タイリク
「これはホワイト(修正液)をこぼしただけで・・・」
アミメ
「これは単独犯では不可能・・・いや、しかし子ヤギも七匹ならば・・・」
赤ズッキン
「ヤギの出てくる余地あったぁ!
別の童話を混ぜることでなぁ!
あと、その話の中でガラガラなのは声な!」
タイリク
「そんなことより私の話を・・・」
(イエイヌ雑種)
「あの… あの・・・フリスビーでもしませんか?
私もそうなんですが、
無心になって追いかけてると悩み事も吹っ飛ぶんです」
タイリク ヾ(⌒('ω')
「提案はありがたいが、私は現実逃避をしたいわけじゃないんだよ」
黒ズッキン
「しっぽは正直だけどな…」
(ニホンオオカミ:ニホニホ)
「ここはやっぱり美味しいモノを食べるに限りますよ。
こちらをどうぞ」
そう言うと弁当箱を取り出し、フタを開けてみせる。
ニホニホ
「ここにたっぷりのマヨネーズを掛けて・・・
マヨネーズ弁当の完成です!」
ニホニホ
「感激のあまり真っ白に♡」
赤ズッキン
「トラウマを刺激されたんだよ!
大体なんだ、その弁当!」
アードウルフ
「美味しそう・・・」
赤ズッキン
「うそだろ!?」
ニホニホ
「ホントはお姉さまに食べて欲しかったけど・・・
あなたにあげるわ」
アードウルフ
「はい。 いただきます。 パクパク…
ああ… なんだか懐かしい味がします・・・」
(ろっじボス)
「アードウルフは原作だった頃はシロアリが主食だったからネ。
蟻の体に含まれるギ酸と、マヨネーズは味が似てるそうだヨ」
赤ズッキン
「ボスがしゃべったーー!?」
(ホッキョクオオカミ)
「なんでも『かばん』というヒトのフレンズが、
ラッキービーストたちの『りみったー?』を解除して、いつでもフレンズたちとも喋れるようにしたらしい」
黒ズッキン
「バナナの皮からそんなことまで・・・
ヒトの振り幅やべぇな…」
(インドオオカミ)
「ここはひとつ、ヨガでリフレッシュというのはどうでしょう」
(シンリンオオカミ:リンカ)
「それも悪くないけど、
せっかくこんなに人数も揃っていることだし何か『げぇむ』をしましょうよ。
ツンコ、何かない?」
(ツンドラオオカミ:ツンコ)
「丸投げ!?
・・・じゃあ、こういうのはどうだ?
1.昼パートで村人が会話と推理を元に、投票で誰かを処刑する
2.それがオオカミじゃなかったら夜のうちに村人が1人食われる
3.それらを繰り返して、オオカミと村人の人数が同じになったらオオカミチームの勝ち
その前にオオカミたちを全員処刑出来たら村人チームの勝ち」
ろっじボス
「それは『人狼』だネ」
黒ズッキン
「オオカミ(の話)はもうお腹いっぱいだよ」
~宵:ろっじ~
「こういう時でなければ付き合ってやりたいが、まだ半分も話が進んでない」
赤ズッキン
「なんで気絶してた間の話を把握している!?
あと、しれっとメタいことを言うな!」
タイリク
「細かいことは気にしないでくれたまえ。
なにしろ、この物語はあくまでフィクションなのだから。
話を戻そう。 こうやって皆に集まってもらったのはアイデアが欲しいからだ」
イタリア
「アイデア?」
アミメ
「先生は極度のスランプに陥っていて、締め切りが近いというのに原稿も未だに真っ白なのよ」
アリツ
「なんでも頭の中が真っ白で『ネタ?』が下りてこないそうでぇ・・・」
タイリク
「・・・」
黒ズッキン
「もう白歴史をイジるのはやめてやれよ」
タイリク
「危ないところだった・・・ (; ̄ー ̄A
ーというわけで話のネタになるものが欲しい。
なるべくなら『ほらー』な話がいいのだが・・・
どうだイエイヌくん、何かないかね?」
イエイヌ
「え? あ、はい。
では、こういうのはどうでしょう?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これは私がまだフレンズになる前の話です。
ヒトの世界ではイヌが我を忘れて誰彼構わず噛み付くようになる病気があるんだそうです。
しかも一度そうなってしまうと、やがて「お話も出来なくなる」し、
噛まれた側も100%同じような症状になってしまうという恐ろしい病気です。
ヒトは賢いので、その病気を防ぐ方法を編み出したのはいいんですが、
その方法というのが、一瞬のこととは言え、とても痛くて痛くて・・・
だからかもしれませんが、その場所に行くのが怖くて仕方ないんですが、
ヒトはあの手この手で連れて行こうとするんです。
いつもは遊んでくれたり可愛がってくれるヒトが、その日だけは悪魔のように感じたものです。
しかも騙されたと気付いた時の絶望感と言ったら・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ろっじボス
「ヒトが居た頃はココでも接種していたヨ。
その病気に罹るのは主にイヌ科だけど、ネコ科やヒトにも伝染るからネ。
年一回の『その日』はパーク中、どったんばったん大騒ぎだったヨ」
((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
どうやらオオカミフレンズたちにはその記憶が本能レベルで刷り込まれているらしい。
タイリクオオカミ
「なかなかやるじゃないか、イエイヌくん」((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
赤ズッキン
「めっちゃ怖がってんじゃん!」
イエイヌ
「でも、それが終わると、また優しいヒトに戻ってくれて・・・
なんだったらいつも以上に甘やかしてくれるので、怖いのなんか忘れちゃうんですけどね♡」
バターン!
ビクゥッ Σ(゚ω゚ノ)ノ
荒々しく開いたドアの音にオオカミフレンズたちが怯える。
さっきの余韻をまだ引きずっているらしい。
アリツ
「はい、いらっしゃいませぇ~」
(メキシコオオカミ)
「そうじゃなくて!
僕たちはお客さんじゃないし、自己紹介したわけでもないよ。
恐ろしいオオカミがやって来た、という警告に来たんだ」
黒ズッキン
「また別の童話か・・・
しかしオオカミが『オオカミが来た』と言うのもシュールなシチューションだな」
ホッキョク
「謎の組織に追われてるっていう妄想に誰もノってくれないからって
また新しいオリジナル設定を考えてきたの?」
メキシコ
「そういうんじゃないよ!」
エゾ
「今度は本当なんだ! 世にも恐ろしいオオカミに追われてるんだ」
メキシコ
「え? 今度はってなに…? 今まで謎の組織に追われてたっていうのは・・・?」
エソ
「いや、あのな? 話せば長くなるんだが… ドール、説明してやってくれ」
ドール
「そろそろ年貢の納め時であります!」 ( ̄^ ̄ゞ
エゾ
「えぇ…」
黒ズッキン
「なんか雲行きが怪しくなってきたな…」
バターン!
ビククゥゥッ Σ(゚ω゚ノ)ノ
更に荒々しく開かれたドアにオオカミフレンズたちは再び反応する。
そこに立っていたのは・・・
ドール
「
~夜:ろっじ~
タイリク
「いや、違う!」
オオカミフレンズの姿をしていた者はぐにゃぐにゃと姿を変え・・・
タイリク
「セルリアンだ!!」
エゾ
「え…?」
メキシコ
「あれ…?」
リンカ
「何よ、ぜんぜん弱そう(藁)」
黒ズッキン
「その ネットスラング、絶滅してなかったのか…」
その挑発に呼応するかのようにセルリアンは素早い動きで間を詰めると、リンカに向かって腕を振り下ろす。
リンカ
「おっと」
リンカがサイドステップで避けるのと、木製のテーブルが木っ端微塵になるのはほぼ同時だった。
リンリン
「思ったより素早いヨ!」
ーと、セルリアンの目がこちらに向く。
黒ズッキン
「え、俺様?」
しかしセルリアンは、なぜか襲ってこない。
グルル… と低く唸ると部屋を飛び出して行った。
黒ズッキン
「・・・
なんだったんだ…?」
タイリク
「・・・」
(ブタ)
「後片付けは私に任せて皆さんは避難してください!
奥にレンガ作りの食料庫がありますので、そちらへ・・・」
入れ替わりに入って来たブタがテキパキと指示する。
黒ズッキン
「だから他の童話を混ぜるなって・・・」
アリツ
「ラッキーさん!」
ろっじボス
「マカセテ。 ハンターたちには緊急通報をしておいたヨ」
~to be continued~