ダブルスフィア×時短探偵・雪子 伏線回収系推理SS
【ホワイトアウト】
時は遡って3月2日18:00頃のこと・・・
アルマー
「こんにちは~」
アリツさん
「いらっしゃいませぇ~
お泊りですかぁ?」
ダブルスフィアです。 ちゃんと予約しておいたはずですが?
アリツさん
「えぇと…」
アリツさんが宿泊台帳を繰る。
「これは失礼しましたぁ
はい、確かに承っておりましたねぇ」
センちゃん
「・・・読者に見えないからって愛想のいいテンプレ挨拶とは裏腹に
あからさまに嫌な顔するのやめてもらえます?
こちらは客ですよ?」
アリツさん
「えぇ~? なんのことでしょう?」
センちゃん
「しらばくれないでくださいよ」
「だって『探偵さんが洋館に泊まると事件が起こる』のってフラグじゃないですかぁ~」
イラスト:Tじろ~ さん
「あ、ハクトウワシさんお疲れ様ですぅ~」
ジャパリパークでは明日3/3ひな祭り(桃の節句)を記念して
『限定:白桃ジャパリまん』をパーク内の特定施設で配ることになっていた。
ろっじでも朝ごはんとして宿泊客に振る舞うことになっており、
この地区担当のハクトウワシがその搬入を済ませたところだった。
ハクトウワシ
「ええ。 ブツは『ひんやりの間』に置いておいたわよ」
アリツさん
「お手間を掛けさせてしまって申し訳ございませんでしたぁ」
ハクトウワシ
「いいのよ。 盗み食いはイッツ・ギルティ!だものね」
アリツさん
「ありがとうございましたぁ~
あ、お待たせしました。 話を戻しますけど」
アルマー
「私たちとの対応に明白な差が・・・それはもう、すがすがしいほどに出てるね…」
アリツさん
「ほらぁ、そうでなくてもウチは『ホラ吹き上手のホラー漫画家さん』が逗留しているろっじ
として名が広まってしまってるじゃないですかぁ。
中には
『何も起こらなかったじゃねぇか! キシャー!』
『ふまん…』
ーとクレームを付ける方までいらして・・・」
センちゃん
「そんなことまで私たちのせいにしないでください」
アリツさん
「・・・それもそうですね。 愚痴ってしまって申し訳ありませんでした。
では改めてお部屋のご案内をさせていただきますねぇ」
アルマー
「はーい」
すっかり仕事モードに切り替わったアリツさんと、それに続いて歩くダブルスフィア。
その様子を見ていた白い影が、物陰から出てくると館の出口に向かって歩いて行った・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
カタカタ…
廊下を進んでいると注意を促すかのように窓が音を立てた。
アリツさん
「あら? 急に風が・・・
ハクトウワシさんは大丈夫でしょうか?」
ガタガタ… ガタッガタガタ!
それどころじゃないぞ、と言わんばかりに窓は身悶えする。
アルマー
「さっきまであんなに天気が良かったのに・・・」
風は更に強く、雪まで混じっているようだ。
センちゃん
「こんな時期におかしなこともありますね。
異常気象でしょうか?」
窓の外は、すぐに1m先も見通せないぐらいの吹雪に変わっていった・・・
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アリツさん
「こちらが『くらがりの間』になります。『こはん』から『巣穴』に適した土を搬入し敷き詰めた部屋となっておりまして、お客様本人に掘り進めてもらうことでそれぞれに合った居住空間を確h・・・」
センちゃん
「部屋の解説なら必要ありません。
事前にこちらのホームページを確認して調べて決めましたので」
アリツさん
「がーん。
便利になり過ぎるってのも良し悪しなのかしらねぇ…」
アリツさんは打ちひしがれた様子だった。
アルマー
「センちゃんは淡白だね
オタク特有の早口っていうの? 私はもうちょっと聞いててもよかったけど・・・」
アリツさん
「ではごゆっくりぃ…
今度、ミステリールームでも企画してみようかしら・・・?」
アリツさんはアルマーのフォローも耳に入っていない様子でブツブツ言いながら去っていった・・・
日付は変わって2023/3/3 AM1:00
アリツさん
「ほらぁ、だから言ったじゃないですかぁ」
こうして冒頭の状況に戻る。
苦虫を嚙み潰したような顔のセンちゃん。
目の前にはアミメキリンが突っ伏している。
センちゃん
「私たちのせいで、とは絶対に認めたくはありませんが・・・
こうなってしまったからには探偵の責務として犯人を挙げるのみ!
アルマー、館内にいる人たちを集めてきてもらえる?」
アルマー
「OK♪」
鼻歌交じりで被害者の周囲をなぞるように白線で囲んでいたアルマーが応えた。
センちゃん・アリツさん
「・・・」
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こうして集められた容疑者は
アリツカゲラ、タイリクオオカミ、博士、助手。
そして雪子を加えた5人だった。
センちゃん
「こちらがラッキービーストによる調査報告の結果になります。
これを基に改めて取り調べを始めさせていただきますが・・・
自白して罪を軽くするなら今のうちですよ?」
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解決を急ぐあまり容疑者を一堂に会して、というやり方がマズかったらしい。
取り調べという名の会議は紛糾を極めた。
雪子
「ダイイングメッセージの『白紙』から『博士』ってことはないのですか?
どちらも『はくし』と読めますし」
博士
「燃やされたいのですか!? ダジャレで犯人扱いなんて認められません。
そもそも白紙はタイリクオオカミさんのものだったのでしょう。
疑うならまず、そこからではないのですか?」
タイリク
「私はアミメくんに感謝こそすれ憎む理由がないよ。
締め切りのことでせっつかれるのも私の不徳の致すところだしね。
なのに助手は私に直接言わず、かなりアミメくんにつらく当たってたそうじゃないか。
そう愚痴っていたのを何度か聞いたよ?」
助手
「それを言ったら『先生のサボり癖』も嘆いていましたけどね。
ところでアリツカゲラは『事件を引き起こす探偵』を苦々しく思っていたそうじゃないですか。
トラブルメーカーでポンコツなくせに探偵気取りのアミメを・・・というのは動機になりませんか?」
(イラスト:kisachiさん)
ここぞとばかりに2人掛かりで圧を掛ける。
アリツ
「そんな大それたこと考えたこともありませんよぉ。
仮に私が嫌がっているとして、それで事件を起こしてたら本末転倒じゃないですかぁ」
雪子
「いいえ!
倫理観ゼロ、論理破綻した動機による
長期連載推理モノのお約束じゃないですか!」
自らに掛けられた疑いを晴らそうと必死なのかフレンズたちの討論は
まるで時限爆弾ゲームのようだった。
アルマー
「どうしよう・・・
このままじゃ迷宮入りだよ~」
いよいよ収拾が付かなくなりつつ様子を見て、もはやアルマーは白旗を上げる寸前だ。
センちゃんもどうしたものかと考えあぐねている。
アリツ
「あの~」
センちゃん
「はい?」
アリツ
「差し出がましいことを言うようですがぁ・・・」
センちゃん
「一応聞いててみましょう、なんですか?」
アリツさん
「ボス犯カメラの映像を確認されてはどうでしょう?」
アルマー
「え・・・?」
このろっじではあまりにも不可解な事件・事象の二次創作が作られるので
ラッキービーストからカメラ機能を借り受け、館内各所での動体検知録画を導入したのだという。
アルマー
「もっと早く言ってよ!」
4話~真相編~に続く
続きがとーっても気になるのだ!
挿絵がとてもいい仕事してますのだ
それぞれ発注したのだ? とてもいいアクセントになってますのだ
あと雪子の白紙→博士のムチャ推理で「燃やされたいのですか!?」には
すごく笑ったのだ たーのしーのだ😂
(>3<)☝内緒ですが無断でPIXIVやニコニコ静画から拝借させて頂いてますm(ーー)m
ところでヒゲじいのダジャレ→燃やせ!ムーブは、いつからどんな経緯で始まったんでしょうね?
解き明かしてくれたら👏(はくしゅ)します
アリツさんが一番有能説が出てきたのだ
作者の趣味が色濃く反映されちゃいましたかねw
こういうキャリアウーマン的なキャラ好きなんですよ
脚もエッッッですし…