【黒ズッキンちゃん】
~とあるへいげん~
黒ズッキン
「あ~あ、こうざん登るのかったりぃんだよなぁ。
その辺に足漕ぎ要員になってくれそうなヤツいねぇかな?
お、アイツに頼んでみるか。 おーい!」
黒ズッキン
「なあ、俺様と一緒に、こうざn…」
???
「ちょっと、あなた・・・」
黒ズッキン
「?」
振り返ると双子のようにそっくりな2人組のオオカミフレンズが立っていた。
アフリカンゴールデンウルフ(アルル)
「アー・・・なんとかちゃんに絡むのをやめてあげてくださいっ」
黒ズッキン
「別に絡んじゃいねぇよ、ちょっと頼み事を…」
キンイロジャッカル(キンコ)
「アーノルドちゃんは私たちの仲間・・・です。
困り顔をさせないであげてくだ・・・さい」
赤ズッキン
「だから絡んでねぇって!
あと困り顔はデフォだろ? コンセプトデザイナーに言え」
アードウルフ
「あ・・・頭巾の色が…」
赤ズッキン
「ああ、これは体質でな。
興奮すると色が変わっちまうんだよ。
この名前の状態でいるのは著作権的に避けたいんだがな」
アードウルフ
「頭からケチャップでもかぶったんですか?」
赤ズッキン
「俺様の話聞いてた!?
なんでわざわざお前の目を盗んで頭からケチャップかぶんないといけないんだよ!
これ以上オレを興奮させんな!」
アードウルフ
「す、すみません!」
アルル
「やっぱりアー・・・なんとかちゃんを困らせてますっ」
キンコ
「そうですよ。 アームストロングちゃんをイジメないでくだ・・・さい」
赤ズッキン
「どこをどう見たら俺様がコイツをイジメてるように見えんだよ!
ーていうかコイツの名前をちゃんと呼んでやれよ!
そっちの方がよっぽどイジメっぽいじゃねぇか!」
また新たなオオカミが現れた。
今日はやたらとオオカミと会う日だ。
イタリア
「そんなことより、私はタイリクお姉さまの所に向かってるんだけど、あなた方もどう?」
黒ズッキン
「そんなことって・・・」
(やっと落ち着いたが、コイツはコイツでおかしなヤツ・・・なのか?)
アードウルフ
「タイリク先生がどうかしたんですか?」
イタリア
「お姉さまの心の遠吠えを受信したの♡
きっと私の助けを求めてるのね」
黒ズッキン(ぜってぇやべぇヤツだよ。 こりゃ関わらない方が身のためだな)
「俺様には用事があるんだよ。 じゃあな」
イタリア
「えー?
そんなに急ぐことないでしょ。
一緒に行きましょうよ」
黒ズッキン
「確かに『いつまでに』とは言われてねぇけど」
アードウルフ
「私に頼みごとがあったんですよね。
タイリク先生を助けてくれたら、その後で手伝っても構いませんよ」
黒ズッキン(タイリク先生とやらに何かが起こったとは限らないし…)
「それならまあ… いいか」
元より用事に乗り気ではなかった俺様は、誘われるまま『寄り道』をすることにしたのだった。
~to be continued~
きっとタイリク姉さまは漫画のネタに困っているはずなのです
ギクゥ(; ̄◇ ̄)!
さぁてなんのことやら〜 ( `○´) 〜♪
早速目的が脱線しとるやないかーい!
一応、原作の赤ずきんも寄り道してるから…(震え声〕
~夕方:ろっじ~
(タイリクオオカミ)
「・・・」
イタリア
「ああ!?
お姉さまが真っ白に燃え尽きてるーー!?」
黒ズッキン
「ホントに電波を受信してたのか…?」
アルル
「何があったんでしょう?
バナナの皮を踏んで転んだ、とか?」
キンコ
「そんなに滑るモノ・・・かな?」
(チュウゴクオオカミ:リンリン)
「ある研究によると普通の床の6~7倍とかって聞くヨ!」
(タテガミオオカミ)
「へ~
世の中にはイグノーベル賞を取りそうな研究してるヒトがいるもんなんだね」
(ドール)
「犯人は『ボンバー』だと思うのであります!」
黒ズッキン
「いや、意味分かんねぇよ」
(アミメキリン)
「いいえ、犯人はヤギね!」
赤ズッキン
「いや、その意味も分かんねぇって!
一体どこにヤギの出てくる余地があったよ!?」
(アリツカゲラ:アリツさん)
「もう、キリンさんたらぁ…」
「失礼した。
集まってもらったのは他でもない」
黒ズッキン
「白とのギャップがエグいな…」
それはさておき、タイリク先生が言うようにたくさんのオオカミフレンズがろっじに集結していた。
黒ズッキン
「確かに、ここにきて随分オオカミ密度が上がったな・・・」
アリツ
「昨日までガラガラだったのに、こんなにたくさんのお客様に来ていただき、
まことにありがとうございますぅ」
アミメ
「先生! よく見たら手も真っ白じゃないですか!」
タイリク
「これはホワイト(修正液)をこぼしただけで・・・」
アミメ
「これは単独犯では不可能・・・いや、しかし子ヤギも七匹ならば・・・」
赤ズッキン
「ヤギの出てくる余地あったぁ!
別の童話を混ぜることでなぁ!
あと、その話の中でガラガラなのは声な!」
タイリク
「そんなことより私の話を・・・」
(イエイヌ雑種)
「あの… あの・・・フリスビーでもしませんか?
私もそうなんですが、
無心になって追いかけてると悩み事も吹っ飛ぶんです」
タイリク ヾ(⌒('ω')
「提案はありがたいが、私は現実逃避をしたいわけじゃないんだよ」
黒ズッキン
「しっぽは正直だけどな…」
(ニホンオオカミ:ニホニホ)
「ここはやっぱり美味しいモノを食べるに限りますよ。
こちらをどうぞ」
そう言うと弁当箱を取り出し、フタを開けてみせる。
(白ごはん!)
ニホニホ
「ここにたっぷりのマヨネーズを掛けて・・・
マヨネーズ弁当の完成です!」
「・・・」
ニホニホ
「感激のあまり真っ白に♡」
赤ズッキン
「トラウマを刺激されたんだよ!
大体なんだ、その弁当!」
アードウルフ
「美味しそう・・・」
赤ズッキン
「うそだろ!?」
ニホニホ
「ホントはお姉さまに食べて欲しかったけど・・・
あなたにあげるわ」
アードウルフ
「はい。 いただきます。 パクパク…
ああ… なんだか懐かしい味がします・・・」
(ろっじボス)
「アードウルフは原作だった頃はシロアリが主食だったからネ。
蟻の体に含まれるギ酸と、マヨネーズは味が似てるそうだヨ」
赤ズッキン
「ボスがしゃべったーー!?」
(ホッキョクオオカミ)
「なんでも『かばん』というヒトのフレンズが、
ラッキービーストたちの『りみったー?』を解除して、いつでもフレンズたちとも喋れるようにしたらしい」
黒ズッキン
「バナナの皮からそんなことまで・・・
ヒトの振り幅やべぇな…」
(インドオオカミ)
「ここはひとつ、ヨガでリフレッシュというのはどうでしょう」
(シンリンオオカミ:リンカ)
「それも悪くないけど、
せっかくこんなに人数も揃っていることだし何か『げぇむ』をしましょうよ。
ツンコ、何かない?」
(ツンドラオオカミ:ツンコ)
「丸投げ!?
・・・じゃあ、こういうのはどうだ?
1.昼パートで村人が会話と推理を元に、投票で誰かを処刑する
2.それがオオカミじゃなかったら夜のうちに村人が1人食われる
3.それらを繰り返して、オオカミと村人の人数が同じになったらオオカミチームの勝ち
その前にオオカミたちを全員処刑出来たら村人チームの勝ち」
ろっじボス
「それは『人狼』だネ」
黒ズッキン
「オオカミ(の話)はもうお腹いっぱいだよ」
~宵:ろっじ~
「こういう時でなければ付き合ってやりたいが、まだ半分も話が進んでない」
赤ズッキン
「なんで気絶してた間の話を把握している!?
あと、しれっとメタいことを言うな!」
タイリク
「細かいことは気にしないでくれたまえ。
なにしろ、この物語はあくまでフィクションなのだから。
話を戻そう。 こうやって皆に集まってもらったのはアイデアが欲しいからだ」
イタリア
「アイデア?」
アミメ
「先生は極度のスランプに陥っていて、締め切りが近いというのに原稿も未だに真っ白なのよ」
アリツ
「なんでも頭の中が真っ白で『ネタ?』が下りてこないそうでぇ・・・」
タイリク
「・・・」
黒ズッキン
「もう白歴史をイジるのはやめてやれよ」
タイリク
「危ないところだった・・・ (; ̄ー ̄A
ーというわけで話のネタになるものが欲しい。
なるべくなら『ほらー』な話がいいのだが・・・
どうだイエイヌくん、何かないかね?」
イエイヌ
「え? あ、はい。
では、こういうのはどうでしょう?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これは私がまだフレンズになる前の話です。
ヒトの世界ではイヌが我を忘れて誰彼構わず噛み付くようになる病気があるんだそうです。
しかも一度そうなってしまうと、やがて「お話も出来なくなる」し、
噛まれた側も100%同じような症状になってしまうという恐ろしい病気です。
ヒトは賢いので、その病気を防ぐ方法を編み出したのはいいんですが、
その方法というのが、一瞬のこととは言え、とても痛くて痛くて・・・
だからかもしれませんが、その場所に行くのが怖くて仕方ないんですが、
ヒトはあの手この手で連れて行こうとするんです。
いつもは遊んでくれたり可愛がってくれるヒトが、その日だけは悪魔のように感じたものです。
しかも騙されたと気付いた時の絶望感と言ったら・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ろっじボス
「ヒトが居た頃はココでも接種していたヨ。
その病気に罹るのは主にイヌ科だけど、ネコ科やヒトにも伝染るからネ。
年一回の『その日』はパーク中、どったんばったん大騒ぎだったヨ」
((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
どうやらオオカミフレンズたちにはその記憶が本能レベルで刷り込まれているらしい。
タイリクオオカミ
「なかなかやるじゃないか、イエイヌくん」((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
赤ズッキン
「めっちゃ怖がってんじゃん!」
イエイヌ
「でも、それが終わると、また優しいヒトに戻ってくれて・・・
なんだったらいつも以上に甘やかしてくれるので、怖いのなんか忘れちゃうんですけどね♡」
バターン!
ビクゥッ Σ(゚ω゚ノ)ノ
荒々しく開いたドアの音にオオカミフレンズたちが怯える。
さっきの余韻をまだ引きずっているらしい。
(エゾオオカミ)
「オオカミが来たぞ!」
アリツ
「はい、いらっしゃいませぇ~」
(メキシコオオカミ)
「そうじゃなくて!
僕たちはお客さんじゃないし、自己紹介したわけでもないよ。
恐ろしいオオカミがやって来た、という警告に来たんだ」
黒ズッキン
「また別の童話か・・・
しかしオオカミが『オオカミが来た』と言うのもシュールなシチューションだな」
ホッキョク
「謎の組織に追われてるっていう妄想に誰もノってくれないからって
また新しいオリジナル設定を考えてきたの?」
メキシコ
「そういうんじゃないよ!」
エゾ
「今度は本当なんだ! 世にも恐ろしいオオカミに追われてるんだ」
メキシコ
「え? 今度はってなに…? 今まで謎の組織に追われてたっていうのは・・・?」
エソ
「いや、あのな? 話せば長くなるんだが… ドール、説明してやってくれ」
ドール
「そろそろ年貢の納め時であります!」 ( ̄^ ̄ゞ
エゾ
「えぇ…」
黒ズッキン
「なんか雲行きが怪しくなってきたな…」
バターン!
ビククゥゥッ Σ(゚ω゚ノ)ノ
更に荒々しく開かれたドアにオオカミフレンズたちは再び反応する。
そこに立っていたのは・・・
ドール恐ろしいオオカミ …?」
「
~夜:ろっじ~
タイリク
「いや、違う!」
オオカミフレンズの姿をしていた者はぐにゃぐにゃと姿を変え・・・
タイリク
「セルリアンだ!!」
エゾ
「え…?」
メキシコ
「あれ…?」
リンカ
「何よ、ぜんぜん弱そう(藁)」
黒ズッキン
「その ネットスラング、絶滅してなかったのか…」
その挑発に呼応するかのようにセルリアンは素早い動きで間を詰めると、リンカに向かって腕を振り下ろす。
リンカ
「おっと」
リンカがサイドステップで避けるのと、木製のテーブルが木っ端微塵になるのはほぼ同時だった。
リンリン
「思ったより素早いヨ!」
ーと、セルリアンの目がこちらに向く。
黒ズッキン
「え、俺様?」
しかしセルリアンは、なぜか襲ってこない。
グルル… と低く唸ると部屋を飛び出して行った。
黒ズッキン
「・・・
なんだったんだ…?」
タイリク
「・・・」
(ブタ)
「後片付けは私に任せて皆さんは避難してください!
奥にレンガ作りの食料庫がありますので、そちらへ・・・」
入れ替わりに入って来たブタがテキパキと指示する。
黒ズッキン
「だから他の童話を混ぜるなって・・・」
アリツ
「ラッキーさん!」
ろっじボス
「マカセテ。 ハンターたちには緊急通報をしておいたヨ」
~to be continued~
しまった、適当な事言ったらストーリーを改変させてしまったw
大丈夫!
それも踏めて予定通りです! ( ̄^ ̄)キリッ
思えば童話の悪役はオオカミばかりなのだ・・・
いや、セルリアンだけどさ・・・
「あたしの姿で仲間を襲うなど・・・許すまじ、セルリアン!」
~夜:おんせん~
(ヒグマ)
「あ゙~ 気持ちいい湯だぁ。
おい、お前たちも早く来いよ」
(キンシコウ)
「リカオンさん、ボスは置いてきたらどうです?」
(リカオン)
「いえ、片時も離れたくないんです。
ボスと一緒に温泉に・・・」
ハンターボス
「・・・」
キンシコウ
「壊れちゃっても知りませんよ?」
リカオン
「でもサーバルたちは凍ったボスを雑にお湯に漬けてたじゃないですか。
海に沈んだ時も大丈夫でしたし・・・」
ハンターボス
「ジャガジャガジャーン… ジャガジャガジャーン」
リカオン
「うわ…」
キンシコウ
「いつ聴いても不安な気分にさせる不協和音ですね。
字面だけ見るとアンガールズっぽいですが…」
リカオン
「ちょっと他の着信音に変えてみますか?」
ハンターボス
「♪~ 突然出てきてご、め~ん セルリアントレビアン」
リカオン
「どうですか?」
キンシコウ
「・・・」
ヒグマ
「バカやってないで何かあったんならすぐに報告しろよ、お前ら」
ハンターボス
「緊急通報だヨ。
セルリアン出現、場所はろっじ、宿泊客多数・・・」
ヒグマ
「! よし、セルリアンハンター出動だ!」 👉
リカオン
「すっぽんぽんでキメても決まらないですよ」
キンシコウ
「風邪を引いちゃいますから、先に体を拭いてください…」
~夜:ろっじ~
ドガーン! バガーン!
セルリアンの暴れ回る音がするが、レンガ造りの食糧庫には近付いてこない。
オオカミにとっての苦手地形なんだろうか?
コンコン…
とうとう見つかったか?と一瞬焦ったが、セルリアンがノックするはずもない。
アリツ
「どうぞ」
リカオン
「セルリアンハンター現着しました」
ヒグマ
「セルリアンの特徴は?」
キンシコウ
「けが人はいませんか?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ヒグマ
「うーん、どうにも情報が少なすぎるな。
これはぶつかってみないと分からないか・・・
しかし屋外と違っていつものような作戦は取れない。
攻撃担当は私、キンシコウはサポート、リカオンはフレンズたちの防御を担当しろ」
キンシコウ
「了解です」
リカオン
「オーダー、了解…」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ヒグマはドアに耳を当て、セルリアンの気配を探っている。
近付いてきたところで一気にドアを開け放つ・・・と同時にセルリアンが飛び込んでくる!
ヒグマ
「ふんっ!」
待ち構えていたヒグマが熊手をバットのように振り、真横に薙ぎ払う!
・・・がセルリアンは躱すことなく自身の左側から来た熊手の甲を左手で右に払う。
ヒグマ
「なに!?」
ヒグマは、つんのめるように態勢を崩す。
ヒグマ
「なんて強引なヤツ・・・
だが、急所は見つけたぞ」
さすがに無傷とはいかず、セルリアンの服の一部が破れ、腹部から「石」が覗いていた。
「今度はこっちから行くぞ!」
一気に間合いを詰めると熊手を右斜め上に振り上げる。
体をのけぞらせボディに隙を作るためだ。
しかしセルリアンは、それには構わず左足でヒグマの顔を目掛けローキックを放つ。
ヒグマ
「うわっ!」
ヒグマは咄嗟に右手で蹴りをガードする。
しかし片手になってしまったことでヒグマの攻撃は軌道が変わり、
セルリアンの顔面を掠めただけになってしまう。
「ふっ!」
それを見たキンシコウは予定を変更してヒグマの左側に回り込み、
如意棒で腹部の「石」めがけて刺突を繰り出す。
セルリアンは突き出された如意棒を左手一本で掴むとキンシコウの動きを制してしまう。
キンシコウ
「くっ!」
そのまま右足でミドルキックを放つ!
キンシコウは固定された如意棒を逆用して、それを支点に体を側転させると蹴りを躱した。
ヒグマ
「どういうことだ、防衛反応をまったく起こさないぞ!?」
キンシコウ
「普通なら考えられないことなんですが、厄介なのは確かですね」
その間もセルリアンの理性を感じさせない猛攻が続く。
リカオン
「まるでバーサーカーのような・・・
何者なんでしょう? あのセルリアンは」
ハンターボス
「分析にかけてみたけど、ビースト化したフレンズの戦い方に似てるネ。
外見だけはダイアウルフに擬態してるみたいだけド…」
タイリク
「狂戦士、ビースト、イヌ科に擬態・・・か」
リカオン
「何か気付いたことでも…?」
キンシコウ
「あぁっ!」
ズザーーーーーーーーー!
黒ズッキン
「わっ!」
セルリアンのパワープレイに押され、ノックバックしたキンシコウが黒ズッキンの目の前に倒れ込む。
そこに追い打ちを掛けようとしたセルリアン・・・
ーの様子がおかしい。
セルリアン
「グルル…」
黒ズッキン
「・・・?」
リカオン
「・・・もしかして怯えてるんですか?」
タイリク
「実はさっきもそうっだった」
リカオン
「彼女の何が・・・?」
タイリク
「うーむ、このろっじに集まってきたのはオオカミ連盟。
その中で彼女・・・だけがウォーターガールズ…?」
リカオン
「そうか! イエイヌさん、ソレを!」
イエイヌ
「は、はい。 どうぞ」
リカオンはイエイヌから借り受けたフリスビーを投げるとセルリアンの目の前を掠めて飛び・・・
ガシャーン!💥
セルリアンは反射的にフリスビーを目で追い、
やがて窓ガラスを割って飛んで行くフリスビーを追って外に飛び出した。
「アリツさんも済みません、後で必ず弁償します」
そう言うとリカオンもセルリアンの後を追って飛び出す。
キンシコウ
「リカオンさん!?」
ヒグマ
「おい、何を吹き込んだ!
アイツはあんな勝手なことをするヤツじゃなかったぞ!」
タイリク
「落ち着きたまえ。
『ビースト化の秘密』に、イヌ科フレンズだからこそ気付いたことがあるんだろう。
そしてハンターとして自分がやるべきことをやろうとしている」
キンシコウ
「それって何ですか?
同じハンターとして私たちにも教えてください」
ヒグマ
「・・・すまん、取り乱した。
アイツに何か考えがあるのも分かった。
ーで、その『ビーストの秘密』ってのは何だ?」
~夜:森~
「検索は出来ましたか」
リカオンは敵からの攻撃をかいくぐり、時に手出しをしてこちらに気を引きながら森の中を走っていた。
セルリアンを「とある場所」に誘導するためだ。
ボス
「北に700m行ったところに水場があるヨ」
リカオン
「それではダメです。
フレンズさんたちが飲みに来てるかもしれないし、
セルリアンも目にしてしまうと近付いてくれないでしょう。
再検索をお願いします」
「・・・(ケンサクチュウ)
そういうことなら、2時の方向1.6km先に吊り橋があるヨ」
リカオン
「それです!」
しかし自分1人でセルリアンに致命傷を与えられないことは分かっている。
常々思っていた。
自分にはヒグマさんのような判断力やパワーは無い。
自分にはキンシコウさんのような瞬発力やテクニックは無い。
その代わり自分には観察力とスタミナがある。
今はセルリアンと付かず離れずを繰り返しながら3人揃うまでの時間を稼ぐ。
それが自分に出来ることであり、やるべきこと!
リカオン
「これは・・・」
足元の幾つかの石が不自然なほどキレイに並べられているのに気付いた。
ボス
「リカオン」
ボスの言う方を見やると道端にある木立のうち、1本の幹が不自然に抉られている。
リカオン
「こっちだ! セルリアン!」
リカオンは加速した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
森を抜けると見晴らしのいい高台に出た。
リカオンはセルリアンに追い付かれるかどうかの距離とスピードを保ちつつ吊り橋に差し掛かる。
半分を過ぎた辺りでリカオンは床板を思い切り踏みしめるとジャンプ!した。
ふ…
同時に、リカオンを追って吊り橋を渡っていたセルリアンの足元の床板が消える・・・
橋のたもとに隠れていたキンシコウがロープをほどいたのだ。
リカオンは何とか向こう岸の崖に手を掛ける。
一方のセルリアンは真っ逆さまに谷を落ちる。
眼下には川が流れていた。
それに気付いたセルリアンがメチャクチャに暴れ出す。 水に怯えているのだ。
それを見たリカオンは意を決して高さ20mはあろうかという崖を飛び降りる。
キンシコウもそれに続く。
リカオンがセルリアンの両手、キンシコウが両足を掴むと、空中で仰向けになるように固定する。
「おらーーっ!」
崖の中腹でスタンバっていたヒグマが飛び出すと、熊手を振り下ろす。
キンシコウ
「伸びてください!」
セルリアンは背中から川に落ちると同時に腹の石を熊手でしたたかに殴りつけられる・・・
ぱっかーーーん!
~夜:小川~
ばっしゃーーん!
ヒグマ
「ぶはっ!」
リカオン
「大丈夫ですか!?」
ヒグマ
「洗濯物みたいに干されてるヤツには言われたくないな」
リカオンは崖と崖の間でつっかえ棒のように伸びている如意棒に服の両袖を貫かれてぶら下がっていた。
「まったく。 2人ともムチャするんですから・・・縮んでください」
キンシコウは平均台のように乗っていった如意棒から飛び降りる。
ヒグマは落ちてきたリカオンを受け止め・・・ずにそのまま川に落とす。
リカオン
「ぶはっ!
ヒドいですよ! 何するんですか!?」
ヒグマ
「私たちに相談もせず、勝手な行動を取った罰・・・
ーと言いたいところだが、残念ながら水も平気そうだし、噛まれた痕も無さそうだ」
キンシコウ
「まったく… 素直じゃないんですから。
心配だったんなら、そう言えばいいのに…」
ヒグマ
「な・・・!
そんなんじゃない!
むぅ… せっかく狂犬病ワクチンを受けることになってブルってるところを見れると思ったのに残念だよ」
リカオン
「ヤメてくださいよ。
その単語を聞くだけでも怖いんですから」 ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
ヒグマ
「ははw」
リカオン
「こ、これは川の水が冷たいから、ですからね!」
バシャバシャ!
ヒグマ
「冷たい! 何するんだ!」
リカオン
「ヒグマさんこそセルリアンに伝染されてないかと思って」
バシャバシャ!!
ヒグマ
「そんなヘマするか!」
キンシコウ
「海辺の恋人たちですか、風邪ひきますよ?」
ヒグマ
「そうだな、温泉に入り直すか。
あと、改めて・・・
よくやったな、リカオン。 お手柄だ」
そういうと乱暴に頭を撫でまわす。
リカオン
「いた、痛た…ヒグマさん、強すぎです」
キンシコウ
「そうですね。 ご褒美に何か欲しいモノとか、して欲しいことはありますか?」
リカオン
「でしたらボス! ボスと一緒に温泉に入りたいです!」
ヒグマ
「そんなんでいいのか?」
キンシコウ
「・・・一応ボスの意見も聞いてみないと…」
リカオン
「ボス! 一緒に温泉に入りましょう!」
ボス
「えぇ…」
勝ったな風呂入ってくる!
「お客様、男湯はあちらになりますが…💢」
~ろっじ:深夜~
ヒグマ(ろっじボス通話越し)
「ーというわけでセルリアンは殲滅完了だ」
キンシコウ(ろっじボス通話越し)
「今は少し落ち込んでますけどフリスビーは明日にでも返却させますし、
窓の修理は[こはんコンビ]さんたちに依頼しておきました。
もちろんお代はリカオンさんが持つそうです」
イエイヌ
「いえ、そんなに急がなくても…」
アリツ
「ご丁寧にありがとうございますぅ」
カバ
「私ももう少し若ければ、と言ったところですわね」
メガネカイマン
「アリツさん、いつものメガネもお似合いですけど、
気分を変えてこういうデザインのモノはどうでしょう?」👓
オオミミギツネ
「アリツさん、お部屋の用意が出来ました」
赤ズッキン
「大きな口に大きいメに大きい耳・・・
ここにきて雑に赤ずきん要素を満たしてきやがったな!」
アリツ
「メガネカイマンさん、その話は後でゆっくりと・・・
皆さん、今夜はお泊りでよろしいでしょうかぁ」
黒ズッキン
「!?
よくねぇ! お使いのことすっかり忘れてたよー!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
慌てて家に帰った黒ズッキンを待っていたのは「かなり本気のお母さん」
黒ズッキンは二度と寄り道をしない!と誓ったのでした。
~めでたしめでたし~
【黒ズッキンちゃん】
ー完ー
作:タイリクオオカミ
タイリク
「ーというお話を思い付いたんだが、どうかな?」
アミメ
「さすが先生! 傑作です!」
アリツ
「私も出版されたら読みますね」
赤ズッキン
「めでたしめでたし、じゃねぇよ!
勝手に俺様の名前を使いやがって!
パークの著作権はどうなってる!?」
タイリク
「だからこうやって事前に許可を取っているんだが・・・
そうか・・・少し手直しするか」
黒ズッキン
「ああ、そうしてくれ。
俺様は今からジャパリカフェにお使いだっていうのに呼び付けやがって…
行くぞ、アードウルフ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
タイリク 〆(・ω・)
「よし、と。 こんなもんかな・・・」
慌てて家に帰った黒ズッキンを待っていたのは「かなり本気のお母さん」
黒ズッキンは二度と寄り道をしない!と誓ったのでした。
~あざらしあざらし~
【黒ズッキンちゃん】
ー完ー
赤ずきん要素をパワープレイで回収だ!
おもろかったです おつかれさまみみー
タイリク先生
「楽しんでもらえたようで何よりだよ」
[参考文献]
・赤ずきんちゃん(童話)
・オオカミハウスの惨劇!? 赤ずきんは誰だ!(ネクソン版オオカミ連盟結成イベント)
・オオカミと七匹の子ヤギ(童話)
・三匹の子豚(童話)
・オオカミ少年(童話)
・人狼(ゲーム)
・けものフレンズ(アニメ・ゲーム・二次創作)
狼男(伝承・小説・映画)は入れられなかったな・・・