自転車道場は自転車を使い人生を幸福にするための情報交換の場です。
僕ができることは場を管理することだけです。道場には上下関係はなく参加される方はすべて平等です。しかし経験やスキルには差があります。スキルの高い人は自転車を一目見るだけで、どんな整備がされ、どういう扱いを受けているのかがわかります。自転車道場には世界屈指の自転車オタクと自転車道楽が集まっています。作り話や机上の空論は通用しませんのでくれぐれも書き込む時は真剣勝負で書いて下さい。
僕がめざすのは
「一度もこかさない、一度も事故しない、一度もケガしない」で自転車に乗り、美容と健康を手に入れ、自転車を一生の相棒として愛し幸せになって欲しい。それだけです。
そのためには一番最初に自転車を美しく掃除しましょう。
自転車整備は掃除から。掃除に使う物は数点。
僕は自転車は自然と調和できる唯一の乗り物だと考えています。調和いうのは自然に迷惑をかけないこと。CO2を出したり、ワックスや石油合成洗剤で水を汚さない。プラスチックを使いマイクロプラスチック汚染に加担しない。自転車の整備に油はなるべく使いません。
せっけんも合成洗剤や添加物、香料のあるものを避け自然に分解されるものを使う。僕が使うのはシャボン玉せっけんとセルローススポンジです。自転車整備をすると手が油で真っ黒になります。セルローススポンジにシャボン玉せっけんをつけ泡立てて手をこすると指紋に入った油汚れまで奇麗に簡単に落とせます(肌にもやさしい)またバーテープの汚れもシャボン玉せっけんで洗えばきれいに落ちます。ハンドル回りがいつでもピカピカ。
汚れは最初水とぞうきんだけで拭きますが、落ちない汚れは百均のクレンザーで落とします。百均クレンザーは薄いので調度いい。ただ細かいキズがつくので年に1回くらいはピカールで最終仕上げして鏡面を出します。クレンザーもピカールも石油なので出来るだけ使わないようにしています。お金があれば何を使ってもいい、地球環境は汚し放題という時代は終わった。
自転車整備にはAZウレアグリスとAZミシンオイルを使います。様々なオイルやグリスが売られていますが、自転車整備は油は出来るだけ使わない方がいいです。整備の基本は汚れの掃除と調整。掃除をせず油を使うと汚れが固定され動きが悪化します。根本原因を解決せず、ごまかしをし続けると、より悪化しスキルは落ちていきます。どこでも油を差しまくる自転車屋には自分の自転車は触らせない方がいいです。
AZはオイル専業メーカーで「もちは餅屋」一流のグリスとオイルを作っています。値段も200円位で買えます。ただAZといえども油は使いすぎない方がいいので、油を差す前に掃除をしっかり丁寧にしてください。ハブのグリスアップなども、掃除が最も大事。自転車整備は掃除から、美しく掃除できない人には整備はできません。
自転車で使う工具について
僕は50年自転車とつきあっていますが、小学生の時に買った工具を未だに使い続けなければいけないという未来は全く予想できませんでした。50年前の工具より優秀な工具が21世紀に買えない。お金をいくら積んでもどこにも売っていない、こんなことになるなんて驚嘆です。と同時に今後50年たっても状況は変わらないだろうなと思います。それは自転車部品にも当てはまり1960年代のカンパレコードピストハブ、このなめらかな回転と静かさを初めて見た時の感動と当時日本の競輪で使われていた三信鉄ハブとの落差、カンパってなんてすごいんだろうと心底震えた記憶。
それが50年後の今、カンパもあの時が頂点だったんだという落胆。
あのカンパがあったから、スギノもサンツアーも新家もシマノもカンパにおいつけと、技術者も選手もすごい思いで突っ走っていった。それが1990年に部品の箱にアンカンシェルの5本ラインが入り、新家のリムにもカンパと同じ5本ラインのシールが貼られ世界の頂点にたった。僕が自転車と関わってきた50年はそういう世界の底辺の日本がカンパに追いつけ追い越せと、熱中しオールJAPANが世界選10連覇を達成した時期だった。
もうそんな熱狂はないけど過去の財産はあります。50年過去の自転車を見てきて、今、役立てる情報を出せたらと思います。自転車始めるのにどんな工具がいるかとよく聞かれます。必要に迫られたら買い足していけばいいと答えます。僕が現在手持ちしている工具の写真をアップします。
この中で現在買えないものはチェーンカッターと振取台、他は買えます。
僕は物を持ちたくないので一つ一つの工具は厳選して、最少限の一番使える工具のみを残しています。何がどう違うのかを書くと長くなるので、一応こんな工具持ってれば、僕くらいの整備はできるよと思ってもらえればと思います。
空気を入れよう 空気ポンプの比較実験
自転車整備のスタートは空気入れ。空気ポンプは自転車乗るなら毎日使う道具。#空気入れは自転車整備の最難関整備
で極めるのがとても難しいので覚悟して修行してください。
空気ポンプの使い方
空気ポンプは最初は力を抜き押す、そして圧がかかると力を入れ速く押し切る。この動作の繰り返し。「速く押し切る」のが奥義。下手な人は力を抜く場所で力をかけ、押し切る場所で力を抜く、だから空気が入らない。特に携帯ポンプはスキルの差が歴然と出る。下手な人は空気が入らないのはポンプが悪いと道具のせいにする、本当の原因は使う人が道具を使いこなせていないこと、原因を自覚し、速く押し切るタイミングを習得しましょう。
空気圧の話
下手な人ほどタイヤを高圧にします。
まともなタイヤならMAX5気圧、それ以上入れるとデメリットしかありません。ゴムは高圧にすると伸び寿命が縮みます、バンクを使うピスト競技では10気圧入れますが通常の美容と健康ポタリングでは、そんな高圧は必要ありません。
3本ローラーは街道練習より最低2気圧高圧にします、同じ空気圧で乗ると重くて走れません。
タイヤの現在の状態(古い?新しい?)銘柄による強度の違い、走行速度、使うシーン、路面状態などでベスト空気圧は変化しますがそれらは経験積んで見切れるようになっていって下さい。
昔、自転車道場に腱鞘炎になったので対策を教えて欲しいと質問がありました。ハンドルにスポンジグリップを巻くとか、部品交換などもいろいろ提案し、全然治らない、考えられる原因は全てだし、もう自転車やめますというところまで行き、他のレスで僕が空気は5気圧以上はいれないと書いてるのを見て、その人も5気圧にしたそうです。するとあれだけ医者通いをし、あらゆる部品交換をし解決できなかった、自転車からの振動がウソのように消え腱鞘炎も治ったと書き込みがありました。全ての原因は「空気圧を6気圧以上入れていたこと」でした。
僕は自転車の乗り心地をとても重要視します。
乗り心地の悪いフレームは絶対使わない、乗り心地が悪くなる部品も使わない。苦痛になるものは自転車じゃない、楽しくていつまでも乗り続けたいものが自転車。
自転車整備における計測器の位置づけ
自転車道場には整備する時に最低これ以上という基準があります(僕が勝手に作った)。
1.ホイールは120秒以上回ること
2.クランクは10回転以上回ること
自転車屋レベルのBB整備
この2つの基準は部品を馬鹿力で締めて終わりのような整備では達成できません。回転抵抗を減らす最少の力で締め、走行に支障が出ない実用強度を出し、ガタがない状態に組み上げる必要があります。これ「言うは易く行うは難し」トルクレンチの数値だのみでは出来ません。
自転車整備は抵抗を減らすため最少限の力で実用強度を出すという最適解を探すことが多い整備です。その時に頼りになるのは人間の身体の勘です。この勘を鍛えるのは経験しかありません。空気圧もタイヤを押せば5気圧とわかるように身体のセンサーを鍛えてください。最初からメーターの数値を見て盲信するのではなく、まず自分の身体で判断しメーターやトルクレンチは参考数値として補助的に使いましょう。そうすれば測定器が故障していてもすぐに気づくことができます。
最近患者を見ないでパソコン画面の数値だけを見て診断する医者が増えた、もし数値が別人と入れ替わっていたら誤診しませんか??。自転車もメーターや数値ではなく目の前の実物を見て触り、動きの感触から「自転車の悲鳴」が聞こえる人になって欲しい。その第一歩はタイヤ触って空気圧を判断できる指センサーです。
最後に現在手持ちの僕のポンプ写真をアップします。トピークジョーブロスポーツとGIYO GP-61S 携帯ポンプ、BS補修用イージーエアヘッドは交換するとポンプの性能がアップするので古いフロアポンプをお持ちの方にお薦めです。
ホイール(車輪)を整備しよう。手組ホイール道場
ホイールは自転車の一番大事なことが凝縮されている。左右バランス、締める力の強弱、最適化、動く部品の軽量化、ねじれ防止、センターの重要さ、極限の回転、タイヤの振れ取り。センターの出たホイールを使えばフレームのセンターも見えてくる。
自転車整備では避けて通れない道。ぜひホイール整備を極めましょう。
ホイール組みの奥義
1.やり直しは無し、全集中で気合い充実した時に真剣勝負でやりましょう。
2.ホイールは面で組む、単体で組まない。
3.縦(天ぶれ)をとるのが主、横振れは従。*縦を最初にとり横は後。
4.ハブにスポークを通しストンと通ることを確認、ハブ穴、スポーク不良を見つける。
5.リムの腰折れチェック リムを平面台におき、ペタッとへばりつき動かなければ正常。カタカタと動くのは不良、変形でカタカタ鳴るリムを「リムの腰が折れてる」と言う。新品リムでも腰折れがあるので新品購入時には必ずチェックしましょう。
**以下クロス組を基準に書きます。
6.スポークは必ず2本1組でバルブ穴の右側から通していく。写真1参照
ゆるゆるで全スポークを通し完了。ディープリムはニップル引き上げ工具を使う。ホイールは面単位で全体を同じ力で締めて行く。1本だけ極端にスポークを張ったりするとリムの腰を折るので気をつけましょう。
7.全スポークのねじ山が隠れる位置まで全ニップルを締める。この位置をスタートにして全体を同じ回数締めていけば均等に組める。写真2参照
8.ホイールのセンターの取り方
*振取台にホイールをセット。なければフレームを反転させ使う。
全スポークの張りを均一に締めていき、大きな振れは修正しながら硬く締めていく。リムは変形させると元に戻らないので1本だけ極端に張ったりしないこと。逆にねじが見えない位置で全体的にゆるゆるの時は全スポークを同じ回転数回し全体の張りをあげましょう。張りすぎるとリムを壊すので、全体の張りとバランスを確認しながら面として均一に張っていく。
センターの取り方
センターゲージがあればそれを使う。ない時はバルブ穴センター合わせの術でやる。
a.左右どちらかのハブナット平面と定規の先端を直線上にセットする(写真3)
b.その状態で定規を固定し、バルブ穴から向こう側のニップル中心への直線上に交わる定規の値を見る。リア130mmハブなら65mmの直線上に向こうのニップル中心が来ていればセンターが出ている。(写真4)斜めに見ると狂うので、直角、直線上に見て確認。
9.振れ取り
縦振れをまず取る。張りすぎ箇所(ケージとリムの幅が広がる場所)をゆるめる、次に緩すぎ箇所(ケージに当たる場所)を張り浮かせる。僕はケージより上がってる箇所をゆるめて全体的にすべてケージに当たるようにしてから、下がりすぎて動かない箇所を引っ張って浮かせるの順番でやってます。
横振れは左右2本を対で考え左を締めれば右を緩める。1本づつで行うとセンターがずれたり張りにムラができやすい。丁寧に美しく仕上げてください。基本的にホイール組みは一発勝負、締めて戻すとネジが壊れやすいので、出来るだけ戻し無しの締める一方通行で行う。
ハンドルをヌルッと動かそう。ステムの話
ハンドル回りの整備は自転車整備で最も時間がかかります。最短で1日、通常1週間、陶芸家が皿を100枚割って1枚残す世界。スレッド時代はこれほど難しくはありませんでしたがア・ヘッドになり、ものすごく難しくなりました。
ステムのねじは締める順番があります。これを間違うとハンドルが重くなる。写真1番の上のねじを締めすぎると、スペーサーが締まりヘッドが圧迫されハンドルも動かなくなります。ここを締めてもハンドルを硬くしないためには2番3番のネジでステムを固定しなければいけない、これがものすごく難しい。
ヘッド整備の合格基準の見分け方。
★ステム下のスペーサーが回る(動く)こと(スペーサーがない人は無視して)
スペーサーが回らなければ「締めすぎ=重いです」
そしてもう一つ条件があります10cmほど前輪を持ち上げ落としてガタガタしないこと。
ではどのくらいスペーサーがクルクル動けばいいのか?個体差がありますが動けば合格。整備直後は回っても、しばらく乗ってるとホコリ、汚れでスペーサーは動かなくなります。その場合はハンドルは重くならないので心配無用です。スペーサーの回りチェックはあくまでも整備直後の話です。
スペーサーが動き、フロントブレーキを思いっきり掛けた時にフォークがガクッと動かないように整備してください。ガタの発生は絶対ダメ、やり直し。
ステムの整備は、高度な職人技と時間が必要です。ねじ緩めすぎて甘い整備しているとフロントブレーキ効かなくなるので気をつけて。回転軽くてガタがあるより回転重くてガタがなくフロントブレーキ効く方が安全なのでスキルのない方は自転車屋と同じようにガチガチにステム締め込んで乗りましょう。究極の職人技は危険と隣り合わせなので決して無理しないでください。
変速は芸術だ!
シフトレバーをどう動かしても、完璧に変速を完了し、チェーン落ちチェーン乗り上げが一度も発生せず、瞬時に変速する、この動作を「芸術的な変速」と呼びます。自転車道場でめざす変速は「芸術的な変速」。
https://youtu.be/f087lH2zjas
このくらいの動きには仕上げてください。
自転車道場の変速合格ラインは以下の3つ
1.チェーン落ち、ギア間チェーン乗り上げを起こさない
2.ギアの全組み合わせの変速が1秒以内に完結
3.登り坂でダッシュしながら確実に変速を完了
芸術的な変速はまず最初に部品の組み合わせを考えることから始まります。初心者は一番満足に動くと予想される組み合わせで最高の動きを実現し、イメージを頭に叩き込んでください。悪いイメージはスキルを下げるので、いいイメージを沢山体験して記憶しましょう。シマノのビジネスモデルは互換性を無くし、ひとつ部品を交換するとグループ全体を交換しないと動かないというものなので、動く可能性の高い組み合わせをよく考えましょう。また性能が低い部品はいくら整備したところで限界は低いので早めに見切りケタ落ち部品とは縁を切った方が時間を無駄にしません。
11速なら6800、5800、7000、8000、9000などのグループ内であれば混ぜて使える可能性は高いです、しかし7400、5700、4600などの9速10速部品を混ぜると満足に動きません。グループ外の例外的組み合わせは、本来の性能よりいい結果を残せる時はやってもいいですが悪くなる時はやらない方がいいです。労多くして功少なしでお薦めはしません。しかし上の変速合格3つの条件をクリアし、パフォーマンスの高い組み合わせがある時は報告してください。確かな情報をお願いします。
最後に変速整備は台に乗せた静止状態だけで終わらず、実走して完璧に調整してください。登り坂で負荷をかけながら変速調整すればワンランク信頼度は上がります。
一度完璧に調整した変速はおかしくなることは少なく長期間同じ状態を保てます。
みなさまも自転車道場レベルの「芸術的変速」をぜひ楽しんでください。
ブレーキは軽く握って速度コントロール
ブレーキは手の小さい人や握力の弱い人が握れるように整備しましょう。
自転車屋の新車整備のようにレバーが硬く、手の小さい人では握れなかったり、少し握ればロックして速度調整ができない整備では危険。
自転車のブレーキは「速度コントロール」をするものロックをしてはダメ。
タイヤをロックすると摩擦がゼロになり滑っていきます。この状態が一番危険。ロック防止にはブレーキの効き始めまでの遊びを大きくとり、微妙な力加減で速度調整できる整備が必要。自転車はブレーキが効くと不安定になる。ブレーキを使わないで風圧などで減速した方が安全です。止まる時も急停止より、長い距離を少しづつ減速した方が車体が安定します。その走りを可能にするのがブレーキレバーの遊び(レバーを握ってから効き始めるまでの距離)
フラットバーとロード用ドロップハンドルのブレーキレバー効き始め間隔を定規で計測した写真をアップします。この整備が正しいという意図はありません。僕が整備している一例として紹介しているだけです。ブレーキは安全に関わる重要部品なので自分自身で修行を積み一番安全だと思う整備をしてください。遊びのないガチガチブレーキで小さい手の方や握力の弱い方がレバーを握れず困っていたら、自転車のブレーキは「軽く握って速度コントロール」の整備を思い出してみてください。
タイヤは友達
裸足で地面を歩くと感じるように、タイヤには神経が通っている水、砂、温度、グリップなどの路面状態がタイヤからリアルタイムに伝わってくる。タイヤが足の裏のようになれば自転車は自由自在にコントロールできる。タイヤを友達にするには長いつきあいが必要。このタイヤなら、このコーナーを時速**kmで回れる、この空気圧で乗り心地と耐パンク性能が最高になる、それがわかるような友達になれば自転車は一度もこけない。
タイヤは煩雑に交換するより、長く同じ銘柄を使う方がメリットが多い。いいタイヤを見つけて長ーい友達になってね。
タイヤの入れ方 手順は写真参照
ゴムは一度伸びると戻らないので、タイヤはできるだけ引っ張らず必要最小限の力でリムに入れてください。このタイヤの入れ方はチューブラータイヤの入れ方ですがクリンチャーでも使えます。チューブラータイヤの場合、リムセメントを使い貼り直しができません。引っ張りすぎると、そこが膨らみ振れが出ます。リムセメントが十分貼れていないと走行中にタイヤが外れ転倒します。下手な人が入れるとタイヤが振れまくり、リムセメントがベタベタリム側面につき後始末が大変。クリンチャータイヤはチューブラーほど装着は難しくないですが基本は同じ。なめてやってると振れが出ます。チューブをタイヤレバーで傷つけないように時間は遅くていいので丁寧に入れてください。最後に振れがある時は振取台で修正してください。
クリンチャータイヤの振れ修正は高度な職人技なのでがんばって!
(参考)タイヤの振れ取り
https://youtu.be/SCBci4bjwgs
自転車競技をする時に一番お金がかかるのがタイヤ。僕も自転車修行時代タイヤを買うのに苦労しました。しかし今は優秀なクリンチャータイヤが安く買えます。僕のお薦めタイヤはビットリア ルビノプロ3(1本2000円以下)ビットリア コルサSC2(5000~10000円)5000~10000kmノーパンクで走行可。体重80kg以内なら5気圧以下で十分です。
451タイヤならDURO(デューロ) DB-7043 Stinger 20×1.00 160-01801
¥1,710 税込
https://www.amazon.co.jp/dp/B01N21DLLU
高品質タイヤは装着時に振れがでにくく、走行ではパンクしません。タイヤの太さはパンクにはあまり関係ありません。23cでも高品質タイヤはパンクしません、白いカーカスが出ても破裂せず家に帰ってこれます。美容と健康を守る、いいタイヤ(友達)と長ーくつきあってください。
**保管する時はサランラップを巻いておけば、白く風邪ひきにくいです。
自転車整備はピストから
過去に自転車道場に投稿された写真を3枚アップ。違いがわかります??ピストは変速機もブレーキもなく走行する最低限の部品で構成された自転車です。バンク(競輪場)で行うピスト競技に使います。部品点数が少ないので整備は簡単?なように見えますが、実はシビアで整備スキルの差が大きく出ます。
一番難しい整備はチェーンの張り、1枚目の写真は張りすぎ、2枚目は緩すぎ、3枚目がベストです。この3枚目の張り具合を出すのがとても難しい。
チェーンの張り具合で走行速度が変わる。
自転車屋で売られているシングル自転車のクランクを手で回して見て下さい。ガチガチに張られてすごく重い。ピストの整備ができる人間なら、こんなにチェーンをガチガチに張ったりはしません。これが自転車屋レベルの整備。ロードはチェーンの張りなど気にしないので、それが走行を重くすることに気づけません、しかしピストやシングルギアママチャリは少しの張りで重くなるのがわかります。
ピスト競技は100分の1秒を争います。ハブ、BB、ヘッドの回転の重さが最高速度を上下させ勝負を分ける。負けたくなければいい加減な整備はできない。ピストは自転車部品の整備が走りに直結します。そしてピストの整備は全てのシングルママチャリに応用できます。
「ピストを制する者はママチャリを制す!」
そしてペダリングもピストに乗れば身につく・・・次回、自転車走行の奥義へつづく
自転車走行の奥義
「ペダルは力を入れて踏むな!力を抜いて引き足で回せ」
競輪入門時に師匠から3つの掟を言い渡された。
1.踏み足禁止 2.フラペ禁止 3.乗る時はレーサーシューズでペダルに足を固定
与えられた自転車は師匠の競輪ピスト。小学生がレーサーシューズを履き固定ギアの競輪ピストに初めて乗った、足はペダルにトーストラップで縛られ外れない、前に自動車が停車で転倒、信号が赤になれば転倒、歩行者が前に止まってこちらを見れば転倒。全身擦り傷で血だらけ「この子なぜ地面に倒れてるの??」不思議な顔が通り過ぎていく。自転車って止まると倒れるのよ!倒さないには静止技術(スタンディング)を身につけるしかない。走るために止まる技術を学ぶ。
ある日気づかず風景を見て3分止まっていた、静止に気づくとこけた。ピーンときた。こける時は自分から倒している、自分から倒さなければ自転車は立っている。止まる自転車は倒れなければならない、そんな常識通りに脳が手足を操作して自転車を倒す。
じゃあきらめないで自転車を絶対倒さないと誓えばいい、その覚悟が自転車を立ち続けさせる。
競輪ピストは固定ギアでクランクは常に回る、山の下りは時速60kmを越えクランクは高速で回り続ける。その回転に足がついていかなければ身体が前に放り出される。ペダルの突き上げをくらえば一発で飛んでいく。
世間の常識ではペダルを踏めという。ペダルを踏めば一発で転倒、高速回転のクランクに足を合わせるには下死点を速く引き上げる、そして引き上げると同時に力を抜き自然に任せて降ろし、また下死点をすばやく引き上げる、左右の足でこの動作を繰りかえす。力を抜く瞬間はあるけど入れるタイミングはない。ペダルは踏まない、力を使わず回転させる、固定ギアピストで高速山下りを安全に行うには、それしかない。
ある雑誌でインタビューされたことがある。自転車で一番きつい道はどこですか?
その人は山の登り坂と答えるだろうと顔に出ていた。僕は山の下りですと答えた。うっそぉ、どうして?と聞かれた。
僕はピストで山を下っています、この自転車は固定ギアで常にクランクが回ります。下りでは時速60km以上の回転に足を合わせるため、ずっともがき、下りきるまで全力疾走やってます。カーブはペダルが地面に当たりガンガン鳴り火花が散る、下りは毎回命賭け。登りはこんなに疲れないです。と説明したけど「??」みたいな顔してた。固定ギアピストで実際に山を下らない限り冗談としか思われない。
固定ギアピストで山を安全に下れる人はペダリングを身につけている。ペダリングとは自転車の進行を妨害させないで力を抜きクランクを回し続ける技術。バック踏んで回転を止めたり、上から踏んで力を加えると回転が乱れて速度が落ちていく。
ロードなどのフリーギア自転車はペダルを止めても前に進める、本当は自転車の進行を妨害していてもフリーがあると気づきにくい。フリーに関係なくクランクの回転停止はブレーキになりギクシャクして速度が落ちる。クランクは一定のリズムで回転し続けるのがエネルギーロスを減らし速度維持に貢献する。ペダリング修行中の人はフリー走行中でも固定ギアのように回し続けた方が奥義を身体に記憶できる。
ペダリングは「力を抜いて回しつづけ速度を維持する」のが奥義。踏み足を使えば回転が中断され疲労する、引き足は力を抜いて回しやすい。力を入れることより抜くことを意識しましょう。
次回「ナマケモノ走法」へつづく
ナマケモノ走法
自然に逆らわず(慣性の法則)必要最少限の力で走り続ける走法
1.力は写真1の赤色部分10%で使い、90%は抜く。
奥義は10%の力で90%ナマケテ速度を維持できるかどうか。多くの人は力を抜くと足が止まる。回転が止まるとブレーキがかかり自分の足が進行の邪魔をする。力を抜いて進行の邪魔だけしないで!そうすれば自転車は勝手に走り続けます。
「ペダルは力を入れて踏むな!力を抜いて引き足で回せ」
力を抜いてペダルを回すスキルを身につけよう。
2.四つ足走法
力を入れる10%をさらに四等分、左足で引き上げる時、それを補助するように右足を降ろす、そして両手を左足の引き上げが楽になるように使う。右足の時も同じ、常に両手両足4つの足でペダルを回転させていく。
両手両足はBBに向かって力を集中、外から内へ締めつける。足は開かず(がに股禁止)手も締める。身体を内へ内へ追い込み引き足で回せ。四つ足で走れば10%の力をさらに小さくして速度も下がらない。
3.ナマケモノ走法と自転車の靴
踏むのはフラペでもできる。しかし引くと足が滑ってペダルから落ちる、どうする??自転車の靴を履き、クリートでペダルに足を固定しましょう。これで引いても滑らない(安心)。
自転車はペダルに足を固定し引き足で回せるようになったら一人前、フラペでペダルを踏めなんて言ってるうちは半人前、速く一人前になって地球上を移動する物体で最もエネルギー効率がいい乗り物を、最少限のエネルギーで乗り回してね。
今日は50キロ先のおいしいパンを食べにひとっ走り!渋滞中の自動車ドライバーの顔はイライラ、自転車道をナマケモノ走法で走る自転車ライダーの顔はウキウキ。
力を使わず移動できるって素敵!自転車は楽しくってやめられない!
ベアリングの掃除方法と小物整理
油で汚れたベアリングを1個1個掃除するのは大変。全部の球を一気に掃除する方法を伝授します。
1.きれいな布を広げ、その上に汚れたベアリングをバラケテ置く
2.ベアリングを包むように布の端をつまみ上げ、袋の底にベアリングがくるようにする
3.手のひらの上にその包みの底を押しつけ、何度かゴシゴシこすると汚れは布に吸収されます。
4.布を広げればピカピカのベアリングになってます。
自転車小物の整理
区分けされたケースに部品ごとに分けて入れておけば使うときに探しやすいです。写真2
ニップル、チェーンのコマ、ベアリング、特殊ネジなど。部品を探す時間を短縮すれば作業効率が上がります。ホコリや水分などをつけないようにケースは密封できるものがお薦め。
部品も工具も美しく保管してね。
ママチャリ入門 参考ページ
ママチャリの整備
プルミーノ
マイパラスM501製作
マイパラス M-709の整備
社用車製作
自転車は一度全部分解し組み立てれば構造がわかる。どの部品が重くて動きにくくて、悪いのか?どこを交換すれば性能があがるのか?分解して部品重量を計測し動かしてみればわかる。どうしてこんなに硬くネジを締めているのか?どうしてセンター出てないのか?ネットの情報を読んでわかった気にならず、自分の手を動かし自転車を知りましょう。そのためにはママチャリ整備は王道です。
1980~90年代の日本製ママチャリを譲ってもらったり整備することがあります。頑丈で精度がよく一生持つ品質。整備すると「空飛んでるみたい」に走って行く追い込めば競輪ピストより走る。
現在の中国製パナやBSとは雲泥の差、1990年頃までは新製品は必ずよくなると信じてた。21世紀になり製造が海外移転「グローバルスタンダード」みたいなカタカナ語がのさばるようになり、コストカット、品質悪化。「新型は必ず悪い」の連続。ママチャリを整備すると、今の現実がよくわかります。
明日は今日より悪くなる時代ですが、自転車は世界で一台の自分だけの史上最高のママチャリを作れます、BSもパナもメーカー製ママチャリは全滅ですが、自転車道場レベルのママチャリをぜひ作ってみてください。
輪行入門。ロード用縦型輪行袋編
付属品:エンド金具、ショルダーベルト、ホイール締ベルト3本
自作カバー類 タイヤカバー前後、リアフォークカバ左右、フレームカバー2枚
クランクカバー、サドルカバー、スプロケカバー
手順
1.サドルカバーつけて自転車を反転
2.ペダルを外す
3.タイヤカバー前後つける
4.前後ホイールを外す
5.リアエンド金具をつけ位置調整
6.チェーン引きゴムひもセット
7.チェーンカバーをつける
8.チェーンホイールカバーをつける
9.フレームカバーシート、トップチューブ、ダウンチューブをつける
10.ホイールを左右両側にセットしてダウンチューブ→サドル→リアフォークの順番にベルトでしばる。
自立安定して立つのを確認
11.輪行袋を広げサドルの絵の上にサドルを置き自転車を移動。
12.ショルダーベルトをBBにしばり、フロントフォークエンドで曲げヘッドに届く長さでしばる
13.手すりなどにしばる補助ひもをハンドルにくくる
14.袋の重量計測 9.22kgでした。完成
(参考)
輪行マイスターのタイムトライアル動画
https://youtu.be/HY2tP551FG0
自転車のフレームは輪行時によくキズがつきます。キズを防ぐにはカバーをつけるしかありません。美しい状態を維持したいなら、カバー類を自作して防御しましょう。ただカバーが増えると持ち運びが大変なので、どこまで作るか自己責任で判断してください。
競輪ではホイールをタイヤカバー無しで運ぶことは御法度、なので僕は必ず輪行時はタイヤカバーを使います(習慣??)、しかし使う使わないは個人の自由です。僕の輪行スタイルはひとつの例でこれが正しいということではありません。場数踏んで自分にあった輪行スタイルを作ってください。
「美容と健康の自転車講座」
自転車って弱くなればなるほど「乗り方がうまくなる」不思議な乗り物。若くて体力ある時は力に頼り、下手な無茶乗りしてましたけど、年とってくると無茶すると数日間は影響出て乗れなくなる。自転車は「疲れてはダメ」疲れるような乗り方は間違っている!
自転車は下手なマッサージより、血流促進され体力回復する。100km5時間乗った後は温泉湯上がりの気持ちよさ、美容と健康には自転車が一番!
でもそのためには自転車を力使わず走らせる技術が必要。この技術は若いうちから身につけた方が得。300kmを疲れず1日で走る「黄金の足」。ぜひ身につけてね。全5回
第1回 ペダルは踏むな力を抜いて回せ
自転車は「ペダルを踏む」と言う、これが大間違い!踏むと身体を壊す。僕が競輪入門時に言い渡された3つの掟は1.踏み足禁止 2.フラペ禁止 3.レーサーシューズで足を固定して乗る。
この3つの掟はひとつの目的のためにある。それは「ペダルは踏むな引き足で回せ!」これ以上走れないと限界が来たとき、踏み足は使えなくても引き足はできる。東京大阪ノンストップランのような500km走は力で走れるのは300km、あとは力使わずフォームで走りきる。このフォーム走り(ナマケモノ走法と僕は名付けた)両手両足引き足で走る4つ足走法。
10代の修行時、朝、ハンドル見るだけで吐きそうになった。吐くくらい走らないと強くならない。命賭けて修行しているなら吐くのが普通と言い聞かせ過酷な練習に耐えた。今その同じコースを温泉湯上がり気分で走ってる。同じ峠がどうしてこんなに楽と不思議。昔の方が強かったけど苦しかった、自転車は弱い方が楽に乗れる。余分な力が使えないから力を抜きエネルギーロスがない。
踏むと自転車は軋む。引き足で回せば無音。ウグイスの声が聞こえ、森の風音が聞こえる。自転車が喜ぶ気持ちいい音。何時間走っても疲れない。自転車って本当は気持ちいい乗り物だよ、タイムマシンがあったら10代の自分に伝えてあげたい。
あしたのために その1 ペダルを引き足で回すべし!
足を締めガニマタにならないように踏むときに力を抜き、手の力で足を引き寄せスムーズに回す。この時Qファクターは狭い方がスムーズに回転できる。クランクやペダルが外にあると足が外に広がり力が逃げる。BBに力を集中させるように両手両足を4つ足にし登り坂は手6割、足4割で登る、ペダルは足だけで走れば踏み足になる、手を使えば引き足で回る。
BBの回転は最低10回転、ペダルもグルグル回るように整備すべし。安全は真剣勝負の整備が保証する。
第2回 passion(情熱)で走れ「美容と健康の自転車講座」
金持ちでも貧しくても自転車に乗れば平等。いくら金を積んでも自転車では走れない。自分の身体と情熱が自転車を走らせる。自転車乗るのに一番必要なのは「成し遂げてやる」という気合い。あんな山自転車では上れない、東京大阪なんて自転車で行けるわけがない。否定して逃げるのは簡単、できない理由を並べて何もしない人は自転車では走れない。ペダルを回して汗を流し自分の心臓を動かし肺で呼吸しなければ1mも前へは進まない。山奥で「パンク修理できない、助けてぇ」と叫んだところで、カエルの鳴き声が聞こえるだけでパンクは直らない。
できない理由を考え、できるように工夫する。自分の相棒(自転車)は自分が面倒を見る、死ぬも生きるも一緒、誰にも頼らない、山奥で困らないように、故障を修理できるスキルを身につける。金なんかいくらあってもスキルがなければ、どこにも行けない。金でなんでも出来ると思っている人は自転車には乗れない。
自分の人生は自分で決める!運命なんて自分が作るもの、自転車が相棒になれば地球上どこにでも走っていける。そしていけば自信がつく。オーストラリアを横断すれば地球儀を見て、ここからここまで走った、自分の足で、アデレードの星めちゃくちゃ奇麗、カンガルー多すぎ。コアラ爪鋭いと風景が見える。自転車で見た風景はどんな乗り物より具体的で記憶に残る。自転車で走る目的を持とう。passionを無くす「何をやっても同じ」という否定的日常生活、そんな幻想は本当はない、行動を起こせば必ず感動がついてくる。
僕のお薦めは自転車グルメ食べ歩き。甲賀流たこやきを食べに行くというだけで往復30km走れる。京都東洋亭ハンバーグめざして平城京から平安京まで往復130km走る。いい汗かいておいしいもの食べれば満足。その満足は次に自転車で走る時の情熱を生む。讃岐うどん食べるのに四国を走っていく、いいやん!それを可能にする自転車と「黄金の足」
あしたのために その2 自転車でおいしいもの食べに行こう
自転車とおいしいものが重なった時、情熱が生まれる。自転車でおいしいお店はしごが人生の最高の道楽になる。
第3回 一度もこかさない「美容と健康の自転車講座」
自転車は美容と健康のために乗る、ケガや病気になるためじゃない。一度もこかさない、一度も事故しない、一度もケガしない。それが自転車乗りの条件。真剣勝負に2度目はない。ホイール組も芸術的な変速もピンチを突破するために自転車に魂を入れる作業。自転車は自分からこかさない限り、転倒しない。最後の瞬間まで絶対あきらめない、地面すれすれまで倒れても、あきらめなければ立ち上がる。それは奇跡ではなく日頃の真剣勝負の整備と自転車への愛が導く。
これでいいやの妥協はない、これがベスト、ここまでやって死ぬなら本望。ベターではなくベストが「身を守る」、自転車屋レベルの整備で山の下りで飛び出してくる自動車を交わせるのか??一度の失敗が一生の致命傷になる。言い訳考える暇があるなら、スキルを命賭けて磨きましょう。
転倒して血だらけになり、全身ガーゼと包帯でミイラになって病室の天井を見る。どうしてこかしてしまったんだろう。どこであきらめたんだろう。他に方法はなかったのか?真剣勝負でとことん整備をやったのか。
病院の時間は長い、一度もこかさない一度も事故しない一度もケガしないで自転車に乗る方法を考えろ!毎年1万km走る、走り続けることに意味がある。健康がなければ続けることはできない。こけて入院すれば終わり。筋肉、心臓、肺が動かなければ走り続けることはできない。
自転車で走るのに最初にマスターすべきこと、それはスタンディング(静止)。静止ができればこける可能性が減る。走るのに静止を身につけろというのは逆説だけど安全に止まれない人間は安全に走れない。小学生の時に競輪ピストでバンクを走ってた。ペダルに足は固定され静止ができなければこけるしかない。毎日転んだ。前で自動車が止まれば転び、赤信号で転び、道を渡る歩行者に遮られ転んだ。そして悟った。静止ができなければ、こける。走るより静止の修行が先だ。30秒静止で転ばなくなった、5分立てれば渡る歩行者にプリーズと挨拶できる。静止して自転車でたってると目を丸くして子どもが見る。
体育祭で自転車遅乗り競争があった。スタート位置で動かず、みんなのゴールを見てた。街道練習でこけることもなくなった。静止ができれば自転車は足になる。
あしたのために その3 一度もケガしないためにスタンディング(静止)を身につけろ
「走ること風の如く、機械音、林の如く、自転車への愛、火の如く、静止すること山の如し」これ成し遂げれば、身を守り、一生の相棒として黄金の足になる。
無意識で静止して待ってるのが気持ちいい!
第4回 自転車は希望だ!ツールドフランス
パリ祭の7月14日はバスチーユ監獄が襲撃されフランス革命が始まった日。フランスにとって7月は特別な月、フランス革命は王、貴族、教会、封建制度をぶっ壊し自由・平等・博愛の民主主義を地球上に確立させた。ツールドフランスは7月にフランス一周を23日間で走るレース。ツールドフランスはナチスに占領された1930年代、人民戦線内閣が7月は休め、労働者は1ヶ月休暇と決めたことで、自転車レースを口実にした全国民の祭りになった。「自由、平等、博愛」のフランス革命とナチスレジスタンスの人民戦線の作った人類の希望を遊んじゃえ!それがツールの7月。ツールの山岳ステージではレースの数日前から客が集まり、ケーキ食べねえ、ワイン飲みねえ、徹夜で語ろうぜ。おめえどこの生まれだ、オーストリアのウィーン。私はイタリアフェレンツェよ、ミケランジェロいいねえ。ウィーンのピアノも最高よ。おまえは。大阪の生まれよ、「京都か」。大阪だってば。時間が経つのも気にしないでしゃべるしゃべる。ツールの選手が通過するのはわずか数分だけど、ギャラリー(野次馬)の祭りは何日も前から始まっている。
フランスの田園風景は美しい、緑や牧草の中を走るカラフルな色彩の選手たち。家でランチを作っているおばちゃんが窓からのぞいて見ている。小学生は学校の窓から、会社の昼休みは道路でランチ、生活の中をレースが走り抜ける。ツールドフランスの7月には特別な意味がある。それは希望。
封建制度をぶっ倒した、フランス革命。身分制が廃止され度量法が統一され領主の誤魔化しが出来なくなった。昔、スティーブマックイーンがBMWオートバイで有刺鉄線を飛び強制収容所から脱走する「大脱走」という映画があった。それぞれの人が飛行機、船、鉄道、オートバイ、自転車で逃げた。そしてガソリンがなくなり止まる機械は全部捕まった。最後まで逃げ切ったのは自転車。今、地球はCO2の壁で囲まれた強制収容所になっている。ナチスの強制収容所から逃げ切った自転車はCO2を出さず、地球温暖化の脱出にも使える。
自転車は希望だ。もし持続可能な未来が22世紀にきたなら、そこで移動する人が乗るのは自転車だ。エネルギーを大量消費するものは持続できない。未来に続く道は自転車が走っている。simple is best.未来に迷惑をかけない乗り物は美しい!
あしたのために その4 ドラマチックに走ろう
自転車で走る時はドラマの主人公、地球温暖化を止めるヒーロー、未来の世代を救えるのは君しかいない。生きていてよかったことは?自転車で移動して地球を救えることです。最高のドラマを自転車で作ってね。
最終第5回 自転車で身も心も美しく
動物は生きる最低限の物しか持たない。自転車は走るための最低限の構成が美しい。余計な物がゴチャゴチャあると重くて故障の原因になり走行を邪魔する。人間の身体も食べ過ぎ、カロリー取りすぎ、「過ぎ」が健康を害する。人間は病気やケガを治す方法はひとつしか持っていない。「血を回し、原因物質を除去、栄養と酸素を運んできて細胞を生まれ変わらせる」新陳代謝、血を回せば回すほど治療速度が上がる。名医の手術も神への祈りも、本人の治す意志と血を回す新陳代謝がなければ機能しない。血を回すには負荷の少ない有酸素運動を長時間行うのが効率的。自転車はもっとも負荷が少なく有酸素運動を長時間続けられるスポーツ。
血液サラサラ、リフレッシュ。太ももの筋肉が酸素を運ぶ。1万円のママチャリ乗って威張り散らそうとは思わない、自転車を見せびらかせて成金自慢することもない、どんな金持ちでも貧乏人でも自転車で峠を登れば、頼れるのは自分の体力だけ、汗を流し血を循環させ自転車は進む。本当に平等なスポーツ。だから精神が清められる。自分の実力以外のでかい機械や肩書きや金額ラベルで醜い姿をさらさなくていい。裸一貫、雨が降れば土砂降りで服はボトボト、暑い日はシャツ1枚、日焼けで真っ黒。もっとも動物と近い姿で走れる。だから動物に近い美しい心が持てる。
生きることに必要のないくだらない見栄、肩書き、財産、ウソ、作り話、そんな小さなゴミの積み重ねが人間から美しさを奪っていく。オーバーコートを投げ捨て、ベンツのエンブレムを剥がし、10gの軽さにこだわり、全てを捨てて自力で10kgの自転車で地球を走る。生きていく重荷は物の大量所有とお金が作り出す。
始めて日本一周をした時、4個のバッグに全ての物を入れシュラフとテントがあれば永遠に生活できることを知った。なんだ人間なんて生きていくのにたいした物いらないんだ。長く生きていると物が増えていく、時々「断舎利」。バッグ4個まで減らせないけど服は3段BOXに入る量で収まってる。手作りバッグや散髪セット、その他小物が別の3段BOX、そして裁縫道具と糸などが別の3段、合計9個で衣を完結。物がどこにあるかひと目でわかるのが美しい。自転車は全ての部品がひと目で見える。スケルトン。だから故障はすぐ修理できるし掃除も簡単。スケルトンが美しい。
身体も自転車で心肺機能を上げ循環と動きを作り、スケルトンとスリムに掃除。自転車に乗ると汚れが一掃され気持ちいい。気持ちいい心は美容に効果的。
自転車は乗る人の身も心も美しくする。部品の錆び取り技術は家の水道栓もピカピカに、自転車の整備は家電や機械修理に応用が利く。ホイール組の奥義はカンナ掛けの奥義と共通、極めれば人生を豊かにできる。
あしたのために その5 美しく生きたいなら自転車に乗れ!
美容と健康と豊かな人生は自転車が持ってくる。完
20世紀の自転車と21世紀の自転車で大きく進化したものは4つあります。
この4つが発明されたおかげで自転車の安全が格段に上がり初心者でも乗れるようになりました。
1.完組ホイール
2.STIレバー
3.ホローテックBB
4.ア・ヘッド
特にもっとも大きな影響を与えたものが完組ホイールです。
昔は自転車競技をしたいならホイール組は絶対習得が必要でした。それはリムがすぐ壊れるからです。スポークもリムも弱く、最低スポーク数も24本が限界でした。実際には36本組にしても壊れるので28本組ホイールなどタイムトライアル以外危なくて使えたものではありませんでした。1回段差落ちるとリムがグシャッと曲がります。即ゴミ。次の日も練習したいなら、すぐにリム交換しないとダメです。予備ホイールを持っていても、すぐグシャッで終わり。そしてタイヤもチューブラーで弱く、サイドはすぐ避けてバーストする。
タイヤは年10本、リムは年5から6本捨てました。僕がホイール組をするためにホーザンの振取台を最初に買ったのは整備が趣味だったわけでも道楽でもなく、毎日練習を続けるためには絶対必要な工具だったからです。今の完組ホイールを使っている人たちには想像もできない世界で練習していました。
200km街道練習に行くのに2本スペアタイヤを持って行きます。それでも1日3本パンクしたりします。ルビノプロなんて2年間走っても一度もパンクしません。RS21のホイールは何のメンテもしないで1万km走れます。もしそういう世界で練習できていたなら、僕もホーザンの振取台は買っていなかったでしょう。
ホイールがグシャッとつぶれて落車なんてザラです。だから僕は部品なんて全然信用していません。特に軽量部品は絶対壊れます、完組ホイールはリムが壊れたり、振ったり、タイヤがパンクしたりという不安をなくしました。今のロードバイクはとても安全になりました。28本組のホイールなんて、すぐグシャッと壊れていましたから16本みたいな完組が出た時、こんなん大丈夫なんだろうかと思いました。でもこれが36本組競輪ホイールより頑丈で信頼できるものだったので時代は変わったと感動しました。
完組ホイールは革命といってもいいです。
STIも同じです。Wレバーはどう整備しても急坂の変速時に動きます。そして変速が遅い。身体のバランスが崩れている時に予想もしない変速が動くと落車の危険もあります。
ホローテックBBも革命。BBはもっとも力がかかり壊れます。ベアリングが割れる、ここが信頼できないと走れない。自転車の要。ホローテックBBは頑丈です。
完組、STI、ホローテック、この3つで21世紀の自転車は安全になりました。アヘッドも同じです。ハンドルやステムはもっとも力がかかり、ねじを思いっきり締める場所です、ここがホローテックBBのように頑丈で信頼性が高くなったことで、自転車の安全が向上し寿命が延びました。
21世紀に生きる僕たちが、この進化したシステムを使わないのは、もったいない。だから僕は完組、STI、ホローテック、ア・ヘッドを20世紀の自転車にも使います。一度もこかさない、一度もケガしない、一度も事故しないために信頼性があり頑丈な21世紀の4つの革命的システムが必要です。
20世紀の自転車は危険で信頼性がなく弱いものでした。それらを整備や運転スキルや身体を鍛えることでカバーし折り合いをつけて走っていました。今は身体を鍛えない初心者でも、整備ができなくても、ロードバイクで走れます。しかし、サンツァーが消えシマノ独占時代に入り新製品が旧製品より悪くなる時代に突入。12速時代になりリアエンドは135mm、142mmと広がり、フロントシングル、前後ディスクブレーキと自転車の未来が見えない時代が到来。
100年以上ママチャリとレース用機材には互換性があり自転車の性能アップにレース用機材を使うことが可能でした。しかしレースにカーボンリムを使うようになり、ディスクブレーキが普及、互換性が消えました。ママチャリがカーボンリムを使うことはありません。レースがアルミリムに戻ることもないでしょう。金属リムならキャリパーやVブレーキなどのリムブレーキがベストで構造が複雑で高いディスクブレーキはいりません、今後もママチャリにディスクブレーキが普及することはないでしょう。
逆にカーボンリムを使うレースからはリムブレーキは消えていきディスクだけになっていくと予想できます。今までの歴史で初めてママチャリとレース用機材の互換性が消え分断の歴史が始まります。この流れは自転車業界全体にはマイナスです。販売数(分母)が小さくなると値段が上がります、安かろう悪かろうママチャリと高価格特殊レース車の2極化が進み、自転車を気軽に始めるのも長く続けるのも難しくなります(続けたくても消耗部品の廃盤で廃棄するしかなくなる)
将来も今の形が残っているのはブレーキをつけないピストバイクだけかもしれません。
こんな先が見えない時代ですけど一生の相棒になる自転車を手に入れ作り上げてね。
自転車道場はそのための情報交換の場です。