自転車道場

自転車道場入門 / 15

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ディープインパクト 2024/07/19 (金) 09:19:18

20世紀の自転車と21世紀の自転車で大きく進化したものは4つあります。
この4つが発明されたおかげで自転車の安全が格段に上がり初心者でも乗れるようになりました。
1.完組ホイール
2.STIレバー
3.ホローテックBB
4.ア・ヘッド

特にもっとも大きな影響を与えたものが完組ホイールです。
 昔は自転車競技をしたいならホイール組は絶対習得が必要でした。それはリムがすぐ壊れるからです。スポークもリムも弱く、最低スポーク数も24本が限界でした。実際には36本組にしても壊れるので28本組ホイールなどタイムトライアル以外危なくて使えたものではありませんでした。1回段差落ちるとリムがグシャッと曲がります。即ゴミ。次の日も練習したいなら、すぐにリム交換しないとダメです。予備ホイールを持っていても、すぐグシャッで終わり。そしてタイヤもチューブラーで弱く、サイドはすぐ避けてバーストする。
 タイヤは年10本、リムは年5から6本捨てました。僕がホイール組をするためにホーザンの振取台を最初に買ったのは整備が趣味だったわけでも道楽でもなく、毎日練習を続けるためには絶対必要な工具だったからです。今の完組ホイールを使っている人たちには想像もできない世界で練習していました。
 200km街道練習に行くのに2本スペアタイヤを持って行きます。それでも1日3本パンクしたりします。ルビノプロなんて2年間走っても一度もパンクしません。RS21のホイールは何のメンテもしないで1万km走れます。もしそういう世界で練習できていたなら、僕もホーザンの振取台は買っていなかったでしょう。
 ホイールがグシャッとつぶれて落車なんてザラです。だから僕は部品なんて全然信用していません。特に軽量部品は絶対壊れます、完組ホイールはリムが壊れたり、振ったり、タイヤがパンクしたりという不安をなくしました。今のロードバイクはとても安全になりました。28本組のホイールなんて、すぐグシャッと壊れていましたから16本みたいな完組が出た時、こんなん大丈夫なんだろうかと思いました。でもこれが36本組競輪ホイールより頑丈で信頼できるものだったので時代は変わったと感動しました。
 完組ホイールは革命といってもいいです。

 STIも同じです。Wレバーはどう整備しても急坂の変速時に動きます。そして変速が遅い。身体のバランスが崩れている時に予想もしない変速が動くと落車の危険もあります。

 ホローテックBBも革命。BBはもっとも力がかかり壊れます。ベアリングが割れる、ここが信頼できないと走れない。自転車の要。ホローテックBBは頑丈です。

 完組、STI、ホローテック、この3つで21世紀の自転車は安全になりました。アヘッドも同じです。ハンドルやステムはもっとも力がかかり、ねじを思いっきり締める場所です、ここがホローテックBBのように頑丈で信頼性が高くなったことで、自転車の安全が向上し寿命が延びました。

 21世紀に生きる僕たちが、この進化したシステムを使わないのは、もったいない。だから僕は完組、STI、ホローテック、ア・ヘッドを20世紀の自転車にも使います。一度もこかさない、一度もケガしない、一度も事故しないために信頼性があり頑丈な21世紀の4つの革命的システムが必要です。

20世紀の自転車は危険で信頼性がなく弱いものでした。それらを整備や運転スキルや身体を鍛えることでカバーし折り合いをつけて走っていました。今は身体を鍛えない初心者でも、整備ができなくても、ロードバイクで走れます。しかし、サンツァーが消えシマノ独占時代に入り新製品が旧製品より悪くなる時代に突入。12速時代になりリアエンドは135mm、142mmと広がり、フロントシングル、前後ディスクブレーキと自転車の未来が見えない時代が到来。

 100年以上ママチャリとレース用機材には互換性があり自転車の性能アップにレース用機材を使うことが可能でした。しかしレースにカーボンリムを使うようになり、ディスクブレーキが普及、互換性が消えました。ママチャリがカーボンリムを使うことはありません。レースがアルミリムに戻ることもないでしょう。金属リムならキャリパーやVブレーキなどのリムブレーキがベストで構造が複雑で高いディスクブレーキはいりません、今後もママチャリにディスクブレーキが普及することはないでしょう。
 逆にカーボンリムを使うレースからはリムブレーキは消えていきディスクだけになっていくと予想できます。今までの歴史で初めてママチャリとレース用機材の互換性が消え分断の歴史が始まります。この流れは自転車業界全体にはマイナスです。販売数(分母)が小さくなると値段が上がります、安かろう悪かろうママチャリと高価格特殊レース車の2極化が進み、自転車を気軽に始めるのも長く続けるのも難しくなります(続けたくても消耗部品の廃盤で廃棄するしかなくなる)

将来も今の形が残っているのはブレーキをつけないピストバイクだけかもしれません。
こんな先が見えない時代ですけど一生の相棒になる自転車を手に入れ作り上げてね。

自転車道場はそのための情報交換の場です。

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