ハンドルをヌルッと動かそう。ステムの話
ハンドル回りの整備は自転車整備で最も時間がかかります。最短で1日、通常1週間、陶芸家が皿を100枚割って1枚残す世界。スレッド時代はこれほど難しくはありませんでしたがア・ヘッドになり、ものすごく難しくなりました。
ステムのねじは締める順番があります。これを間違うとハンドルが重くなる。写真1番の上のねじを締めすぎると、スペーサーが締まりヘッドが圧迫されハンドルも動かなくなります。ここを締めてもハンドルを硬くしないためには2番3番のネジでステムを固定しなければいけない、これがものすごく難しい。
ヘッド整備の合格基準の見分け方。
★ステム下のスペーサーが回る(動く)こと(スペーサーがない人は無視して)
スペーサーが回らなければ「締めすぎ=重いです」
そしてもう一つ条件があります10cmほど前輪を持ち上げ落としてガタガタしないこと。
ではどのくらいスペーサーがクルクル動けばいいのか?個体差がありますが動けば合格。整備直後は回っても、しばらく乗ってるとホコリ、汚れでスペーサーは動かなくなります。その場合はハンドルは重くならないので心配無用です。スペーサーの回りチェックはあくまでも整備直後の話です。
スペーサーが動き、フロントブレーキを思いっきり掛けた時にフォークがガクッと動かないように整備してください。ガタの発生は絶対ダメ、やり直し。
ステムの整備は、高度な職人技と時間が必要です。ねじ緩めすぎて甘い整備しているとフロントブレーキ効かなくなるので気をつけて。回転軽くてガタがあるより回転重くてガタがなくフロントブレーキ効く方が安全なのでスキルのない方は自転車屋と同じようにガチガチにステム締め込んで乗りましょう。究極の職人技は危険と隣り合わせなので決して無理しないでください。