古い自転車を再生した記録を残し、これからレストアされる方たちの手助け情報になればと思います。
第一番目はまっちゃん1号の記録(まっちゃんという方の自転車です)
この自転車、最初に見に行った時に、本人はゴミで捨てようと思っている、最後に1度見てもらいたいとの依頼でした。
部品は無茶苦茶でしたが、フレームがDEKIのメードインジャパン時代のものでセンターバッチリだし狂いなく、素晴らしい精度で、これ生き返りますよ、乗りませんか?とアドバイス。
予算がものすごく厳しく2万以内とのことで、僕の手持ちの部品を赤字サービスしてつけて、ホイールは全部ばらして一から組み直し、リムの腰が折れていなくて、さすがメードインジャパン時代のアラヤ、いい仕事してるなあと思った。ハブはダメで6速だったので、この際8速使えるのに交換、このハブ1000円位で無理いって自転車屋で譲ってもらった新品。
ほぼ全ての部品を交換。タイヤはルビノプロ3 700×23c チューブはビットリアウルトラライト。クランクは磨けばなんとか使えそうだったけどチェーンリングは鉄でぼろかったので、昔のかなりいい時代のデュラエースのギアを持っていたので交換。まっちゃんにはデュラエースといっても通じないので、前のギア軽い品質いいのに交換したからと伝える。他にもニップルを全部「星の真ちゅうに交換」ニップル交換するだけでホイールの強度が断然強くなります、ベアリングも日本製の一流品に交換、BBは丹下シールド、目に見えない部分を、一流品で組んで完璧に仕上げるのが僕の流儀。
そして引き渡し。
自転車ってこんなに軽く走るんですね。変速ってこんなにスムーズに変わるの?、何か別の自転車乗ってるみたい、新車の時より軽いよ!。・・・ゴミで捨てなくてよかったね。
それから、まっちゃんは自転車に目覚め、この自転車で5000km走り、2年後まっちゃん2号を作って欲しいと頼まれ、ミストラルをベースにまっちゃん2号を製作しました。このまっちゃん1号は現在まっちゃんの友人に譲られ(僕は全く知らない人ですが)乗り継がれているそうです。
まっちゃんは今では仕事の50kmくらいの移動は自転車を使い、休日は自転車でテントを積みビワイチ行く位、自転車生活されています。身体も健康で、とても充実した生活されています。
自転車って本当はとっても軽くて楽しくて気持ちいいものなんですよね。人生を幸せにするツールになってよかったなと思います。
皆様もレストア記録、失敗談など自由に書いてね。つづく。
チップインダブルボギーさん
使用したクランク、使えなかったFD、固着しBB、インラインアジャスター BB固着対策、Absoluteでもこれで外した。 丸一日ががりで終了。道場長の後、甚だお粗末で恐縮ですが、どなたかの参考になればと思います。我が家のママチャリですが、最近フロントの変速が今ひとつになってきた、裾バンドなしで乗れるようにしたい等々でちょっと仕様変更しました。
主たる目的は
①チェーンガードを付けたい ②クランクセット交換 ③FD交換
②はミドルとインナーを使用した38/26Tの2段。メーカー推奨外の現物合わせのフロント3段はちょっと狂うと調整が面倒なので2段にしました。トップスピードは重要じゃないのでアウターは無し。
クランク交換は至ってスムーズ、ところがFD(FD-MC11)で不測の事態。トップチューブとシートチューブの接合部分目一杯のところでバンドで留めても位置が合わないです。仕方なく元のFD-M310に戻す。フロントを調整しようとしたらまたもや不測の事態。ロー側調整ボルトを目一杯緩めてもチェーンがインナーに落ちない。軸長113mmとクランクが合わない。仕方なくBB交換とBBを外しにかかったら、プラスティック製の左側を外したらなんとBB本体がごっそり抜けました。ということは案の定右側が固着してシェルに張り付いてました。
またしても不測の事態だが、ここはBB工具をボルトで固定してクリア。軸長122.5mmのBBを入れようと思ったら入らない。ネジ山がおかしくなってました。無理に入れようとすると斜めになるのでそれ以上はできず、やむなく左右逆にBBを入れました。カートリッジBBって長いこと使ってると固着すること少なくないですよね。軽症だったら8mmの細目ボルトで工具を固定して回せば外れますが今回のケースだと左側からボルトを入れて工具を固定しないと外れません。以前、Fuji Absolute 3.0で同様の事態を経験していたのが役に立ちました。
この後クランクを戻し、変速調整して何とか終えましたが、丸一日がかりとなってしまいました。
現物合わせの出たとこ勝負・自己責任の塊のオンリーワン仕様です。日常生活の足として劣悪な環境で使用しています。傷や汚れの類はご容赦願います。
まずはBB外し。 HozanC358は強い味方です。 ②思いのほか良くできました。 ③糸を使う、削る、どちらも自転車道場で覚えました。 ④5600/5700ハイブリッド自己責任仕様です。
真夏は猛暑の中走るのはちょっと・・・と弱気になってしまいます。走るときは場所柄カワイチを除き荒川CRを上流方向に走ることになるのですが、そこにあるのは「熊谷」となると気持ちが萎えてしまいます。
走れないときは作業です。
ヤフオクでPanasonic PT-800のフレームをゲットしました。随所に傷と錆があり、そのままではちょっと乗れないくらいの程度でした。まずは分解です。例によってBBと格闘ですが、Hozan-C358が使えたので難なくクリア。シェルの内側はこれでも外観に比べたら綺麗でした。(写真①)
次は塗装直しとロゴマーク復活です。「PT-800」のフォントが無かったので「Panasonic」で妥協。印刷したときは黒だったのが、一週間程経ったら青に変色してました。インクがEPSON純正品じゃなかったから?使ったのはこちら https://www.amazon.co.jp/dp/B00QHUXBGC/
続いてスターファングルナットとヘッドセットの圧入ですが、専用工具で難なく終了。(写真②)
クランクとブレーキはラレーCRFからのお下がりのFC-5750。ここで不測の事態。以前ここで質問させていただいた「センターが合わない!」です。これはフォークの先端の塗装を削ってクリア。いつも難航するブレーキアウターはこんな感じでけっこう気に入ってます。(写真③)
この自転車は5600と5700のハイブリッド仕様です。ST-5600でFD/RD5700を動かします。ST-5600でBR-5700を引きます。(ツッコミ入りそう)メーカーによるとST-5600とFD5700、FC-5700は互換性が無いことになっているのは承知しています。ST-5600でBR-5700を引くと設計以上(125%)に効いてしまうというのも承知しています。この問題は自転車道場でも数年前に話題になったと思います。ブレーキについてはBR-5800の効きを体験したらBR-5700×1.25だったら別に問題ないのではと思うようになったのと、ST-5600はけっこう引きしろがあるから逆にコントロール幅があるのではないかと思うようになり、今回試してます。
変速については、調整にはいつものように簡単にはできませんでしたが、固定ローラー上ではフロント、リアともに普通に変速していて、メーカー非推奨にしては上出来だと思ってます。
実装したら報告します。
チップインダブルボギーさん、かなり高度なレストアされていますね。HozanC358なんて普通出てこないです。素晴らしい。情報の宝庫。古いBBはいつも苦労します、共感。
僕の紹介2台目はIさん号
最初見た時、蜘蛛の巣張っててチェーンは切れてるし、使える部品は全くないし、フレームは重いし(マイパラス501より重かった)相当お金かかるなあと思いました。
Iさんはこの自転車相当乗り込んでたみたいで愛着はあるので復活させたい、お金は少々高くなってもかまわないとのこと、ただこの一般の方の高くという意味と僕らの高くという意味は10万ほど差があり、部品10万ほどかかりますと言うとひっくり返るので、最低6万、もしかしたら10万かかると説明。どうせやるなら21世紀レベルの自転車へ復活すると決めた。
このフレーム、あまりよくなくて、様々なところでトラップがあり突破に時間がかかる。
いつも重いリュック背負って自転車乗ってるのを知ってたので、サイドバッグ仕様にしてキャリアも装着。クランクはホローテック化、BBは僕の手持ちの6700を入れFDはクラリスで組む。
ロングアーチブレーキなので、どうしようかなと悩んだ末、MICHEをイギリスから買った。
MICHEは材料が硬くて頑丈なのでロングでもビクともしない。素晴らしいブレーキ。ロングアーチ使う時はいつもMICHE買ってます。ライトは太陽光にして、ヘルメット被ってなかったので僕の手持ちのOGK190gの2万位のをプレゼント、ヘルメット被るのは紳士の身だしなみ、被りや!
ホイールは全部使い物にならない歪みがあり、RS010の完組ホイールに交換、タイヤは定番ルビノプロ3とウルトラライトチューブの前後セット。変速調整も一筋縄ではいかないフレームで、何度も試走を繰り返し1週間くらいかけて整備して完成。100kmくらい走った。
作ってから2年くらいになるけど、先週イベントに乗ってこられて、元気に活躍してる姿を見ました。これからも相棒として活躍していって欲しいなと思いました。
チップインダブルボギーさん
これも酷い状態でした。 出来上がったら意外と軽かったです。
RADACで最もポピュラーなのは道場長に紹介いただいたハイブリッドですが、この他にオールアルミとクロモリがあります。ハイブリッドが出たので次はクロモリです。
Nさんオールアルミ、よろしくお願いします。
このクロモリですが、フォークだけアルミなんです。こういう組み合わせってあまり聞かないですね。
ちなみにハブリッドは前三角がアルミ、チェーンステー、シートステー、フォークがクロモリです。
入手したときは結構酷い状態。特にヘッドチューブ周りは錆だらけ。
クランクはネジ山が腐食していてコッタレス外しが使えなかったので、反対側からハンマーで叩いて外す始末。(この方法も自転車道場で教わりました)
BBはこのタイプですが、ここでもHozan C-358で難なく突破。
塗装で難しいのは赤です。
すぐまだらになるし、重ね塗りするとダレてしまいます。
下塗りのプラサフですが、白だと具合良くないです。このときもPT-800でもそうでした。
しかたなく、トップチューブの赤黒は1台目のハイブリッドと同じくカッティングシートで対処しました。赤を使うときは下塗りのプラサフはグレーの方が仕上がりがいいです。
STIは5700、FD/RDは6700、ブレーキは5800、クランクはFC-R600(50/34T)、リア12-27T、タイヤ/ホイールはRS20/ルビノプロといった仕様です。
軽量したら写真の状態(ペダル付き)で10.05kg。
年式を考えたら、これってなかなかの数値ではないでしょうか。
私がBASSO VIPERを知らないからかもしれませんが、この時代の日本のクロモリって現行のクロモリと比較しても遜色ないのではないかと思ってます。
kapa_さん
全塗装って大変ですよ。部分部分で色が違うほうが難易度低いです。
もとが塗装直しをせずにはいられない状態だったのと、
ロードバイクだと、ママチャリと違って乗る頻度が高くないから時間をかけられるというのもあるかと思います。
道場長
再生を断念した理由が、旅先で工具がなかったこと以外にありましたら、参考までに教えてください。
お見受けしたところ、ヘッドチューブとトップチューブ、ダウンチューブの接合がラグではなく溶接なので90年代のランドナーでしょうか。Wレバーの取付けがバンドじゃなくて台座だったらよかったのにというのが私の第一印象ですが、ホイールは700cでしょうか。
別スレッドでクロスバイク選びで盛り上がってますが、最近クロスバイクの選択肢があるようで実は無いように感じます。逆に、古いクロモリのランドナーフレームがあったら、フレームサイズさえ合えば、それをフラットバー化してブレーキをカンチからVブレーキに交換したら、現行モデルのクロスバイクよりよっぽど味のあるクロスバイクになるような気がします。クロスバイクって1秒を争うわけでもないし急加速/急制動を求められてるわけでもないとおもってますので、やたら軽量化やディスクブレーキをアピールするよりもっと大事なものがあるような気がします。
tukubamonさん
1万円クロスバイク風
私も先日、イオンで同じ自転車見てました。
6段変速、Vブレーキ付き。
だけど、27インチ英式バルブ。まぁ、ママチャリだよね。
でも、クロスバイクと思って買ってゆく人も多いんだと思う。
ママチャリの再生は難しいですよね。
うちにも30年もののアルミのママチャリがあるんだけど、あちこちボロボロで。。どう再生するか考慮中。
チップインダブルボギーさん
kapa_さん
私のママチャリの現在の使用はクランクは3段用ですが。アウターはありません。
アウター:なし ミドル :38T インナー:26Tです。
リアが11-32Tなのでママチャリだとこれでじゅうぶんです。
軽部さん
クレイジーシープ『ムーンリッジ』 届いたブツ一式 完全固着しているらしいBB コラムに刺さったステムの残骸
どうも初めまして。『自転車 レストア』で検索してたらココに行き着きました。
自分も一度レストアしてみたくて、ジャンクのピストを探しました。シングルスピードにしか乗れない体質なので、ロードバイクの旧車をシングル化とかでも良かったのですが、リアエンドの互換性など考えて、トラックフレームにしとくほうが無難だと思いピスト限定で。
条件として、それほど金もかけられないのでできるだけ安く、現行製品ではなく廃版品だとベター、なおかつレア度が高くて、そのままじゃ乗れない程度にボロくてレストアしがいのあるジャンク品はないかとヤフオクとかメルカリとか探しておりました。そうしたら、ピストブームの末期に一時話題になったメーカー「クレイジーシープ」のシングルスピードバイク『ムーンリッジ』(フレームのみ)ってのを見つけました。即決7000円です。
フレームサイズが530mmで自分にはちょっと小さいのですが、このモデルでは一番デカいサイズだったりします。かわいいヘッドバッジグラフィックと相まって女性向けに小さめサイズのフレームが主力といわれてたモデルですから、まあ仕方ない。それに、トリックの練習などに使うのであれば、取り回しの良い小さめフレームのほうが良いでしょう。うん。で、届いたのが写真のブツ。
フレームとフォークのみ。ヘッドパーツの下ワンだけが残り、全体にサビが浮いてきており、BBが頑強に固着、フォークコラムにステムのケツが刺さったまま固着…商品説明の通りでした。つまり想定の範囲内。へこみやゆがみは見受けられません。でわ、こいつをフレーム再塗装して、あとは極力手持ちのパーツを使ってレストアしていきたいと思います。
BB強制排除 サビサビのBBシェル内
>道場主様
あ、どうも、Bigチェーンリング主義の軽部です。こちらでもどうぞよろしくお願いいたします。
自転車レストアの記事を探してたら、ココを見つけました。初レストアなので、理屈は分かっているとはいえ実作業は手探り状態ですから、何かとご教示いただければ幸いと存じます。
さて、作業は外さなくてはならないものを外すところから始まります。
フレームのBBとワン、フォークのステム残骸とクラウンレースですね。残されたクラウンレースは、グリス切れのまま使っていたためか、かなりガリガリ削れていましたし、どうせヘッドパーツも新調しなくてはならないので外してしまいます。BBはガッチリ固着してましたが、556をぶっかけて暫く放置したあと、BBツールにレンチをかけてプラハンマーで躊躇なく叩くコトにより、あっさり外れました。呉556最強だぜ。鉄製チャリをお持ちのユーザーは常備しとくべきですね。なんなら常飲すべき。血液型は556型!
次にワンを外します。仕様書にはタンゲのスチール製ヘッドパーツとありましたが、シールドベアリング式のヘッドパーツに交換する予定なので、未練なく外します。どのご家庭にもある先割れのリームーバーツールがあれば特に苦労することなく外せますね。他に用途のない専用ツールですが、値段はせいぜい2000円くらいのもんですから、鉄チャリユーザーは持ってても良いのではないでしょうか。写真撮るの忘れました。
次にフォークのクラウンレース。これもシールドベアリング式のヘッドパーツにするなら使えません。マイナスドライバーを当てて、ハンマーで叩いて外して行きます。
さて、残すは最大の難関であるステムの残骸です。ステム残骸の排除ですが、臼を吊り上げるボルトが折れていて、臼が持ち上がったままコラム内に固着しているようです。まずは臼を落とすのが先決。ちょうどいい具合のボルトを買ってきて、ステム残骸の頭から差し込んでハンマーで叩いてやりました。これで、臼はわりとあっけなく落ちました。
あとはステム残骸本体ですが、おそらくすでに臼で末端が広がっており、コラム内の錆との相乗効果でちっとも抜けてきません。短く切断されてしまっているため、力を入れてねじり外すこともかなわないため、側面に穴を空けてボルトを通してハンドルを作りました。で、ねじりながら抜き取り。まあ、やり終えてしまえば簡単なコトのように見えますが、ここに至るまでは色々と試行錯誤しました。これで外せるトコは全部外しましたので、次は塗装の準備です。
塗装準備。
塗装剥がし剤を使います。まずはフォークでお試しです。焼き付け塗装には効きが悪いと書いてあったので、ヤスリで表面を荒らしてから塗りました。わりと綺麗に落ちたのですが、どうしても残ってしまった部分はグラインダーに真鍮ブラシを付けて削り落としました。ついでに全体をグラインダーで磨きました。管内から貫通している錆はなかったのですが、塗装の下の錆浮きは結構あったので、一皮剥く感じです。さらにこれは、足付けの意味もあります。ちょっと荒すぎる足付けですが、試してみたい塗装法があるので、表面処理はこの程度で。管内は錆落としできないので、赤錆を黒錆に変換する薬剤をスプレーしときました。
塗装剥がし剤使用中写真。
現在、羽虫だらけで外作業は憚られるため、屋内作業です。そのため、あまり刺激臭のしない剥がし剤です。そのかわり弱い。どうせグラインダーで磨くつもりだったのですが、焼き付け塗装を全てグラインダーで落とすとなると、結構手間なので、補助的使用です。
フレームも同様に、剥がし剤の後にグラインダーで研磨。