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この鯖の決まりごと(法律のようなもの) 10 ヶ月前
「前回の議題の、内政・外交努力が失敗した時の予防介入はどうなったのかね?
…いや、治安維持作戦と言った方がいいかな?
呼び名を変えるだけでは何も変わらんが…」
「そうですね、首相…
空軍としては輸送ヘリと輸送機を多数投入、
避難民の大規模輸送を考えています。」
「そうか… 墜落には気を付けてくれよ。
それから、できるならチェコ航空にも支援を頼んでおいてくれ。
空軍の輸送能力では足りなすぎる。
…次に移ろう。 陸軍の案は何だね?」
「極端な暴動、もとい蜂起や紛争の兆候が確実になった場合は
先制介入はやむをえません。
しかし、現在の状況は政治的リスクが大きすぎます。
簡単に言えば各国から大きな非難や警戒国に指定され、
国際的に孤立する可能性があります。
ベストを言えば…あくまで我々にとってのですが… 敵に先に攻撃させた方がいいでしょう。」
「それなら、敵の攻撃を事前にキャッチすることは可能かね?
チェコ保安・情報庁
BIS は攻撃は数日前にはわかると言っているが…」
「ええ首相。 現地警察や各種機材を用いて情報収集しており、
他にも無線交信や要注意人物の移動のチェック、
さらに弾薬やモルヒネの密輸に注意しています。
ですが敵は高度な戦闘態勢に入っており、
攻撃を24時間以内にキャッチするのは困難でしょう。」
「簡潔に言うと、向こうはいつでも蜂起できるのかね?
「恐らくは…
戦術的奇襲は不可能でしょうが、戦略的奇襲なら可能でしょう。」
「作戦計画5023-1はちゃんと使えるのか?」
「安心してください、首相。
事前備蓄、要は弾薬・装備・物資はすでに台湾に集積しており
部隊もチェコ北部に移動させています。」
「そうか… 次に移ろう。
リバティニアや中華連邦への協力要請の予定と、
PMCへの人道支援要請はどうする?」
「はい、首相…」
イラク戦争。それは大国同士の冷戦が壮絶な絶滅戦争へと発展しかけた出来事であり、人類も相応の覚悟を持っていた。しかし、それは裏を返せば人類滅亡への道を歩んでいると言うことへの理解の表れだ。だからこそ、未曾有の大戦争は回避された。
「冷戦とは極めて長い大国間の平和である」とはよく言ったものだ。
だが現在はどうか。OCSTは解体し、大国は融和への道を歩んでいる。以前戦場であった砂漠や荒野では兵士が睨み合いながら握手をかわし、血みどろの激戦地だった廃墟街は今では世界有数の経済都市に成り上がった。私は思う。多くの人類はこれを歓迎しているが、それで良いのかと。
大国の対立が消えたことで世界の勢力均衡は崩れた。絶妙なバランスで保たれていた平和は消え去り、今や局地紛争が世界を包み込むであろう。
イラクはそもそも始まりでもなかったのだ。
サウジアラビアは、その始まりに過ぎないのだ。
この文章、なんかCOD:BOとかに登場しそうな言葉でいいですね。
あと関係ないけど、PMCとか設立したら大儲けできそうだな()うちのPMCをEFT させますか…
ジェームズ・T・アーキンソンは国防大臣としての仕事の合間を縫い、旧友に会いに行くことにしていた。本来アーキンソンが友人に会いに行くことは非常に少なく彼自身が他人との交流をあまり好いていなかったことがおもな原因だったのだが彼だけはそうとも行かない。施設の中を歩き張り付くような冷たさのドアノブを引いて訓練場に入ると一人の少将と思わしき男の姿があった。
年相応のシワが増えているように見えるがそれでも若い頃の、少佐だった頃の面影が残っている。右足の膝から下を義足にし、失った左腕に杖をはめている様子が特に印象的だった。おそらくかなり前の傷だろう。アーキンソンと別れて丁度数ヶ月後くらいのものだろうか。前にいる兵士達に指示を飛ばしていたがアーキンソンに気付くと少し驚いたような表情を見せた。
「アーキンソンか、久しいな」
『リトルロック、まだボケていないようで嬉しいよ』
「一応お前と俺は同い年なんだぞ?、俺がボケる時はお前も道連れだ」
トーマス・D・リトルロック、アーキンソンと同い年であり彼の同期であった男だ。あえて彼はリトルロックの腕と足のことは聞かなかった。……というよりもおそらくアーキンソン自身も軍人だった以上彼に何があったのかは全て知っていたのだろう。それに直接リトルロックから聞いたところでどのような慰めの言葉をかけても無駄になるだろうし彼もそれを望んでなんかいないと分かっていたからだろう。
一瞬だけちらりと兵士達の方に目を向けてみると設立当初にはいなかった兵士達がいる様に思える。それでも大半は白人で30代ほどの者達ばかりであったが、5名ほど人種が違う者達がいた。何故リトルロックがわざわざ人員を増やしたのか、いくら親友でも10年以上会っていないとあまり予想もつかなくなってくる。ただ一つ分かったことは彼らは間違いなく熟練の兵士達であり、この部隊は最早結成当初の全く異なるということだ。
『俺が見てない間に部隊は随分変わったようだな』
「あれから戦争もあった。他国の人外も色々と明らかになったしお前が用意してきた編成の部隊じゃ、今頃奴らのエサだよ」
『他人の事を見定めるのはお前の方が適任のようだからな。アイツらはどうなんだ?、結成当初は居なかったはずだが』
「あぁ、あの1人は台湾人、二人はヒスパニックの奴がいる。それとロシア系の奴もだ。現状人外がいると発覚している帝国、グラトス、WOLFなどそいつらの言語を話せる奴らが必要だと思ってな。色々と少し訛りがあるが全員歌の歌詞を理解出来るくらいには全員英語を話せる」
『射撃の腕前はどうなんだ?、確か人外の中には仁とかいう狙撃手もいただろう?』
「戦闘記録を見る限りあそこまでの精度は不可能に近いが、それでも1000ヤードまでなら全員狙撃できるよう訓練している。近接戦闘も全てアイツらの頭の中に叩き込ませておいた。今じゃ奴らのエサになるほどヤワな奴らじゃなくなったはずだ」
アーキンソンが嬉しそうな顔を見せる。彼らが現役だった頃の事を少し思い出したこともあるだろうがそれとは対照的にリトルロックは少し顔をしかめて一言こう言った。
「……だが、一つ言える事はな」
「まだまだやるべき事は沢山ある…ってことだな」
『モルトラヴィス帝国 外務宰相閣下ではありませんか。お邪魔しております』
「ほぉ、侵略者にも覚えられていましたか。ここを襲撃する愚か者がいたなんて、想像もしませんでしたよ」
『私達はデータの収集に来ただけですので、そこを通していただけると大変助かるのですが…』
「侵略者に道を開けるほど馬鹿ではないのでね」
シナノは薄く微笑み、腰にかけてあった拳銃を構える。
『そうですか…、仕方ないですね』
ダンッ!…ダンッ!
先に火を噴いたのはシナノの拳銃ではなく、義体の方だった。引き金を引く前に戦闘用義体のガントレットから、セミオートで撃たれた銃弾はシナノの胸を目掛けてーー、
ーバチッ!
シナノを目前にして地面へと落下した。
彼女は驚きつつ、嬉しそうな声で呟いた。
『これは…、驚きました』
「異性体退治は私の仕事でね」
シナノの周りの灯りが点滅し始め、電撃が目に見える。
『……予定変更です』
随伴機、戦闘用義体達は何かを受信したようで、シナノの横を高速で突破しようとする。
「無視とは…、つれないnー」
突破を阻止しようと拳銃を向けるべく動いたシナノを戦闘用義体から伸びる帯状の何かが壁へと叩きつけた。ドゴッという重い音とともに、帯状の何かが引くとシナノが膝をついてよろめきつつ立ち上がる。
『少々想定外でしたが…、嬉しい誤算です』
「…こういうのは初めてだな……、肋が何本か折れた気がするよ」
『あまり傷をつけたくはないのですが…、良い機会です。ぜひともあなたの力を見せてください』
突如、拳銃を戦闘用義体に向けて投げつける。当然拳銃は帯状の何かに弾かれ地面に強く叩きつけられ、分解した。その間にシナノが手に取った剣のブレードは青白く、激しく閃光を放つ。それと同時に普通に見えていた左腕は皮膚が黒く、血管が通っていたと思われるところは青白く、人には見えないものが姿を表す。
『ほぅ…、』
「あまり帝国を舐めるものではない」
彼女を捕らえるべく、ヘビのごとく高速でうねりながら突き進んでくる帯状の何か目掛け、片手で剣を振り上げて往なし、刃を突き立てる。長く伸びたコートを引っ込め、接近戦をしかける義体へ勢いそのままに剣を振り下ろし、義体は再びコートを伸ばし防御姿勢をとる。通路の床が少し凹んだかと思えば、義体を中心にクモの巣状のヒビが入る。エーギル化特有の身体強化を載せた力任せの剣のブレードは帯状のコートの繊維を両断し、本体から切り離された帯は床へと落ちる。すかさずシナノが剣を義体に向けて薙ぎ払おうとすると、義体はガントレットの先端を向けてー、
ヴォン!
爆音とともにレーザー光がシナノ目掛けて一直線にー、咄嗟に部分的にバリアのように展開し辛うじて射線を反らすことはできたものの、完全とはいかず耳の一部を持っていかれる。
「…ってぇな…、なんでもありかよくそッ…」
一瞬の意識の揺らぎを見逃さず、戦闘用義体咄嗟の足蹴りがシナノの脇腹を直撃し、シナノは少し吹き飛ばされるように距離を取り衝撃をある程度受け流した。戦闘によって通路はボロボロに、誰かのかもわからない返り血であちらこちらが染まり異常な雰囲気を醸し出している。
「まったく…、随分と奇妙なやつらだ…、こんなに動いたのは久々だな」
耳元から青い血を流し、シナノはため息をつく。本体…、あの指揮機は観賞しているのか、シナノと戦闘用義体が戦闘しているのを眺めて何度か相槌を打ったり、考えたりする仕草を見せていた。
戦闘用義体は攻撃を受けてなお、立ち上がりシナノと対峙する。
戦闘用義体が飛びかかってくる前に、指揮機が沈黙を破った。
『お名前は確か…、シナノ…さんでしたか?』
「…よくご存知で」
『帝国の人外に関する情報はあまりありませんでしたが…、存在そのものを"隠匿"するのではなく敢えて公の場、政府の要職に出すことで人外としてのシナノさんを"隠匿"する…興味深い事例です』
「…君のような人種をどこかで見た気がするね。帝国では皇帝家の慣習でドイツ語は一応公用語だからあまり違和感なかったけれど。…まぁアルゴン政府の刺客とは考えたくないが…。どうでもいいか」
『欲しいのはデータだけの予定でしたが…』
「生憎ね、帝国は襲撃者にはいはいとデータを渡すような国でなくてね」
「…と、あまり時間をかけるのも良くないな」
床に落ちていたそれなりの破片を左手で拾い上げた時、左腕だったものは青白く、また発光が激しくなる。みるみるうちに形を変えて砲身を形成する。
指揮機は興味深そうにそれを観察し、義体は格闘戦に持ち込もうと高速で接近する。突き出された拳を寸前でかわし、砲身と化した左腕を脇腹に突き立てる。
パチッ
レールガンのごとく、破片を弾に、砲身の中で加速しゼロ距離から放たれ、義体のコートを貫通し脇腹を貫いた。
レールガンの直撃のみならず、高電圧で動きの鈍った戦闘用義体に対して、シナノはすかさず大剣を振り下ろしブレードが頭部を直撃する。2mある巨体は床へとなだれるように倒れ込んだ。墓標を建てるように、大剣を胸目掛けて突き刺した。胸から大剣を引き抜くと、火花と何かの液体が噴き出す。
「…eins」
動かなくなった戦闘用義体を見て、彼女は拍手した。
『やはり、ここのデータはぜひ欲しい』
ーーーーーー
『B3突破!Bブロックはもう保ちません!』
「データセンターと海洋プラントは絶対に死守しろ!」
「Ag-1991-2が対応中ですが…、」
部屋の壁いっぱいのディスプレイは、一夜の混乱を映し出している。報告の通信は鳴り止まず、どれも嬉々としてきけるものではなかった。
「軍到着まで約5分!」
「…くそ…、Cブロックの隔壁全閉鎖!ガスを散布しろ!多少時間が稼げればいい。帝国軍の到着次第反撃に転じる!」
『C1警備部tーッ ドゴッ…、ピーッ』
『繰り返しますー、研究所職員はただちに退避。警備隊は侵入者の排除を優先してくださいー、』
「長い一日になりそうだ…」
シナノと対異形系戦闘用の戦闘となります
シナノが人外なんていう情報はなかった(はず)なので、小話の後でセミオートで撃たれますが電磁バリアァ゙()で防ぎました。
あとはシナノが大剣(Ans-1733)を持ち出して切り合い殴り合い殺し合いです()
茶番協議スレ通り、4人が先に通過して3人がシナノの足止めを行ってます。
お疲れ様ですm(_ _)m
臨場感溢れていて良い感じですね👍
続きについては少々お待ちを...。
プライマル・アーマー(電力) かっちょいい…
~道中~
ルェン「あんたがモルトラヴィスにいるなんて珍しいな。何かあったのか?」
ルイス『大したことじゃないけど、仕事があって』
ルェン「へぇ~、あんたもお仕事してるんだね」
ルイス『まるで私が無職みたいな言い方ね』
ルェン 「冗談だよ…ってあれ?」
ルイス『どうしたの?」
ルェン「あいつってまさか…?」
ルェン『仁か?おーい』
仁「あれ?ルェンじゃん!ここでなにしてるの?」
ルェン『このルイスってやつと一緒に酒飲みにいく予定でな、お前も来ないか?』
仁「いくいくー!」
ルイス『よろしくお願いします』
仁「あ、よろしくー」
おー、ありがとうございます〜。
次(道中から酒屋まで)は私にお任せくだされ〜
ありがとうございまする…()
その次は自分が…
ジョン・クリーパー元大佐、軍を去ってから数年たったころ久々に旧友に会いに行った。飛行機を一回乗り継ぎスカーレット連邦へ。最後にあったのはいつだろうかと考えながら今年で60代になる退役軍人の彼は傭兵会社「WBF社」の社長室の前についた。
コンコンッ
「入ってくれ、カギはかかってない」
社長室に入るとそこには顔の古傷が目立つ、70もありそうな老人が椅子に座っていた。いかにも歴戦の戦士の雰囲気をかましているが近寄りがたい雰囲気もなく何も知らない人から見たら思わず「イケオジ」と言ってしまいそうな人だった。
「薄々気が付いていたが、まさか本当に来るとはな。ジョン」
『前に言ったじゃないか、会いに来るって』
そういってジョンは目の前のWBF社社長のハドルフ・D・ジョージアを見た。足は机に隠れて見えないが話によると片方義足になっているそうだが。ジョンはあえて話に出さなかった。彼らの間では相手が負った傷について話を聞くのは良くないこととしているからだ。
『ところで彼はどうしている?』
「聞くと思ったよ、多分もうすぐこっちに来るからそれまで待っとけ」
『わかったよ。でもお前の会社の兵士はどれも明るいやからだな』
ジョンは窓の外から眼下に広がる射撃訓練場の方を見つめていった。そこには兵士の怒号と笑い声、けたたましい銃声が鳴り響いていた。昔ジョンが所属していた帝国軍と比べて明らかに違う。当時の帝国軍はまさに大日本帝国軍と同じようなものだった。
「みんな馬鹿だが、面白いやつらだ。ただの傭兵と思われては困るよ」
『そう。ところでお前の機動部隊、かなり面白いやつがそろっているようだな』
「彼らはそこらにいる兵士とは違のだよ。どれも特殊な経歴持ちだよ」
そんなことで談笑していた時誰かが扉をノックする音が聞こえた。
《すみません~、広報部の月夜ですが入ってもよろしいでしょうか?》
「入りたまえ。それと君に会いたがっている人もいるぞ」
《失礼しま~す》
そういって入ってきたのは男性にしては長く灰色の髪、赤の瞳がある獣人が入ってきた。そんな彼が手に持っていたのは何かの資料。どうやらジョージアンに見せに来たようだ。
『よぉ、仁君。覚えているか?』
《あ!クリーパー大佐!お久しぶりです!》
そういって仁はジョンに抱きついた。いくら退役軍人のジョンでもこの突撃はどうやら予想外だったらしい。
『OKOK、うれしいのはわかったからいったん離れろ!』
《あ、ごめんなさい。嬉しすぎてついつい…あ!そうだ!》
仁はふと思い出したかのように持っていた今月の広報誌をジョージアンに渡した。
「どれどれ……あ、お前らは話の続きしていいから」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『ところでお前…相変わらずだな』
《例えば何がありますか?クリーパー大佐》
『その見た目とか、狙撃の技量とか』
《なんで狙撃までわかるんですか!》
『お前の狙撃の師匠だからな。それとクリーパー大佐ってもう呼ぶな。退役したし、お前の上司でもなくなったしな』
《了解で~す。ただ、なんか心配している顔ですけど…》
『そう見えるか……いやそうか…』
『実際にそうかもな』
クリーパー大佐… あんた退役してたのか…
仁がいなくなった後に退役しました()
「何か用ですか、大佐?」
「久しぶりだな、ライラ。 トラスト侵攻以来か?」
「あそこは暑かったですね…。
この次は、できれば涼しいところに行きたいんです。」
「そうか。 …すまないが、またトラストに行ってもらえないか?」
「そんなぁー」
「すまん、命令なんだ…。
まあ、海沿いだしそこそこ涼しいだろう。水浴びもできるぞ。」
「それならまあ…
…あ、命令は何です?」
「有事の際の、在中チェコ人の引き揚げ作業だ。
ひょっとしたら…戦闘になるかもしれん。」
「有事? 何かあるんですか?」
「まあ、続きは向こうに行ったら教えてやる。
出発は明日だ、準備しといてくれ。」
「はあ…」
去年の11月から一切出番がなかったライラちゃんに再び出番が来ました。おめ。
帝国軍から退役した後、ジョン・クリーパー元大佐は訪米に移り住んで、警備員としての仕事を始めた。
「ひったくりよ!誰か!」
そんなある日、警備担当のオフィスの前でひったくりが発生した。すぐにジョンはひったくり犯を捕まえるべく、走り出したが如何せん体力の衰えで昔のような速さはなかった。
「おい、そののろさで俺を捕まえようとしているのか?くそじじぃ!」
ジョンが早くないと気付いたひったくり犯は余裕を持ったのか、ジョンに対して罵声を浴びせながら走っていた。それを見かねたジョン。元軍人としての闘争心に火がつき、警棒をひったくり犯に向かってぶん投げた。
ガン!
警棒は見事にひったくり犯の下あごにぶち当たり、彼はその場で悶絶した。
「本当にありがとうございます!」
「いえいえ、警備員の仕事は警備だけではないので…」
その後、ひったくり犯は無事に警察に引き渡された。
北米:北米独立国家連合を舞台にさせていただきました。
警棒を投げた:ジョンは現役時代に、仁の狙撃トレーニングで木の棒を投げて撃つようにさせたことがあった。そのため何気に物をどこかに向かって投げるのが上手
うちは治安が「ロスでは日常茶飯事さ」ですからねぇ…ケイビダイジ
「ちょうどこの真上が莆田港です」
「そうか… 間違いないか?」
「はい、レーザー距離計とGPSで計測しました。
1ミリの狂いもありません。保証します。」
「リバティニアとチェコの奴らに気づかれているか?」
「大丈夫です。 地上の騒音とかで気づいていないはずです。」
「そうか、了解した。
これで奴らを陸から追い出せるぞ。」
「1時方向、家屋2階RPG!!」
叫び声と同時に携行対戦車火器独特の射出音が聞こえる。砂で覆われた大通りを滑るように弾頭が迫ってくる。
「全員伏せろ!伏せろぉ!」
近くに着弾、目眩と耳鳴りが私を襲う。少し回復した視界は降り注ぐ砂と何か有機的な赤いモノを捉える。考えちゃいけない。
「4が死んだ!!」
クソッタレ、あいつはこの分隊で唯一の料理要員だっつーのによ。あいつのシチュー美味いんだよ。
仲間が何か叫んでいる。次弾か隠れろの指示か。
どっちにしろ今は遮蔽物に隠れるほかはない。
アスファルトを蹴り、砂埃が上がる。重い装備とライフルをガチャガチャ言わせながら大通り沿いの半ば瓦礫のような廃墟に滑り込む。目を向けると、他の隊員は自分と反対側の建物に逃げ込んだらしい。それに若干だが12時方向の市街地中央方面に銃を持った男たちが見えた。分隊無線機を使い、
「おい、他に死んだやつは?」
『いない。だが2が重症だ。肩と股関節のあたりに破片が食い込みやがった。』
ファック、股関節はまずい。大動脈が切れてると厄介だ。肩の無線機をいじり、作戦司令サイトへの直通回線を開く。
「こちらキロ0-1リーダー。西の大通りを警戒中に接敵、RPGをぶち込まれた。敵大規模部隊も中央方面に見えた。増援を要請、出来なければ撤退を。コードレッド、オーバー。」
『こちらブレインヘッド、増援は東の火力支援に回っている。だが撤退は許可できない、引き続き通りの封鎖を続行せよ。オーバー。』
「0-1リーダー、ネガティブ。こちらは14人しかいない上に奴さん40人近い。テクニカルで突っ込まれたら壊滅間違いなしだ。」
『こちらブレインヘッド、撤退は許可されない。繰り返す、撤退は許可されない。アウト。』
「このクソッタレがぁ!」
思わず悪態をつくが、廃墟に響くだけで虚しい。部隊に命令を出さなければ。
「0-1よりオールキロ。撤退は許可されない。封鎖を続行しろとのお達しだ。2をメディバックで運べるよう要請する。耐えるぞここが正念場だ。」
『隊長、俺たちは生きて戻れますか?』
「大丈夫だ。航空支援がもうすぐくる。それまで耐えるぞ。」
嘘だ、支援がくるはずない。東は激戦で損耗が多いと聞いた。上は向こうにだけ目を向けているんだろう。ああ、できればまたあいつのシチューが食いたかったな。
そんなどこまでも目の前の景色にそぐわないことを考えながら、ライフルを構え直した。
ファルージャ西の大通り封鎖を担当していた第5歩兵連隊E中隊キロ分隊の隊長の記録。当該部隊はこの記録の20分後に作戦能力を喪失し、2人を残して全滅した。
『目標は連邦移民地位向上を謳う裏切り者ーー、』
帝都よりずっと北、昔に凄惨な内戦の最中にあった辺境の一角。人里から少しばかり離れたのどかな山地に、旧軍か諸侯軍かもわからない戦闘車両の残骸が投棄され今も戦火を物語っている。
『外務宰相は、我々連邦移民の地位向上のため活動していると嘘を吐きー、』
新しく即位した新皇帝が内戦終結を宣言して以降、組織的な戦闘はなくなった。
ただ、俺等の戦いはまだ続いている。
『ーー、基金の設立は、貧しく迫害され続ける我々を救うことはなかった!』
総帥と呼ばれる彼の演説は古臭い通信装置からボソボソと垂れ流され、俺達は今か今かと森の中で目標を待ち構えている。
『今こそ偽善者を粛清し、SULFこそが新の連邦移民の解放者となるのだ!』
旧連邦だとか、アステシア人じゃないからだとか、そんな昔の話は知らない。ただ、両親が旧連邦移民だから…と迫害され蔑まれてきた。そんな奴らを見返してやろうと今戦っている。
《目標、BTR装甲車2両に護衛されている。時刻通りだ》
「本当にあの車両に目標は乗っているのか?」
《間違いない。政府に忍び込んでいる同志からの情報だ。…それと、今回の作戦はお前のドローンが目となる。期待しているぞ》
「…了解」
コントローラに電源を入れ、必要な操作を手早く終わらせる。民間用ドローンのプロペラが回転し、ゆっくりと上昇する。ドローンのカメラが映し出す先には、軍の装甲車に挟まれて道路を進む公用車。我々には気づいていないようで、速度を落とさず進んでいる。
「ドローン展開よし」
《カウントダウン開始。5…、4…、3…》
進むカウントダウンに鼓動を早める心臓を抑え、その時まで…
《2…、1…、点火》
最前の装甲車が道路の一角に差し掛かった瞬間、ドォン!っという爆音と共に爆炎が装甲車を包む。
「前方の装甲車が停止。車は停止したまま。誤差修正なし」
《砲撃!》
後ろから、重々しい砲撃音を鳴らしSULFとっておきの自走砲から砲弾が放たれる。砲弾は公用車のすぐ横に着弾し、大爆発した。
ソフトスキンの公用車…、砲弾の至近での爆破に耐えられはしない。
「砲撃命中」
《よし、粛清完了。これで政府も連邦移民の立場向上を約束せざるを得ないだろうな。装甲車が残っているが作戦目標ではない》
《作戦終了をードンー、…ドサッ…ーッー……》
「アルセニー?何があった?」
《…》
嫌な予感がする。
帝国軍が既に俺等を包囲しているのか、…残った装甲車が呼んだ増援が既に到着したのか…、そんな思考を回転させている間にも状況は悪化していく。
ドォン!
森深くから爆音が響く。あそこは…、自走砲が隠されていたところだ…。こんなに早く反撃されるなんて…
「やばいな…、早くここから…」
《援護要請!援護yー…ッー》
カンッ!
空中を飛んでいたドローンは何かにプロペラを撃たれ、制御不能となって上空から落下してきた。落ちるドローン、通信機から助けを呼ぶ声が聞こえるが、そんなことを気にせず落ち葉を払い除けて森の中を一直線に突っ走る。
すると、森の中から黒い服装の…、帝国軍兵士の装いによく似た男が現れる。
「何なんだよお前ら!!」
やや錯乱した状態で拳銃を手に取り、彼へと向ける。咄嗟に引き金を引くーー、
何も起こらず、銃口からは弾も発射されない。戸惑った一瞬の隙に彼は合間を詰め、拳銃を持っていた手を強く拗られ、緩まった手から拳銃を奪われてしまった。拳銃は彼の遥か後ろへと投げ捨てられ、彼は体術の構えで自分と対峙する。
「くっそ!!」
「…」
素人同然の、体術ですらない肉弾戦に挑み、彼との距離を詰めるべく走り出すが、足を引っ掛けられ落ち葉に埋もれた地面へ滑り込むように転ぶ。その間に、彼に上に乗られ自分の首の後ろへと腕を回され押さえつけられた。
「投降しろ」
「…っ…何が投降だ……、」
『フイ、そこまで』
目の前に現れた人、顔を見上げて見た時目を疑った。…今日の暗殺対象、自走砲の砲撃によって公用車諸共爆散したはずの外務宰相その人であった。
『ミスリルの残党か、はたまたINULか…。別にどうだっていいですけど。多分ここに残っているのは君だけなんです。証人として連行させていただきますね』
彼女をみた瞬間、憎悪が溢れ出す感覚に襲われた。その憎悪に身を任せて、声を荒らげる。
「…シナノ……、旧連邦移民の偽善者め…」
『偽善者…ねぇ、まぁ連邦内戦が終わってからそう宣伝してきたから』
「連邦移民のくせに…、クソ皇帝のクソ政策に反対もしないのか!?」
『興味もないですから』
彼女は淡々と答える。話す口も、自分を見る目も喜怒哀楽の何もなく、本当に興味がないようだ。
「皇帝の侮辱は、法に反する」
『まぁ、フイ。ここじゃ誰も聞いてないですから。許してあげてください』
「しかし…」
『…体術は素人、銃の扱いも素人。拳銃はセーフティがかかったまま。対した訓練もされてない少年兵を投入するとは何とも頭の悪い組織がいたものですね。フイ』
「…その組織から洗脳を受けている可能性もあります。SNSなどからこれまでのヘイトを煽って兵士を集める、少なくない事例です」
外務宰相。連邦移民でありながら高い地位につき、基金の設立などをしたにも関わらず自分達を救わなかったクズ。今すぐにでもあいつの顔をぶん殴ってやりたい。
「…っ、…お前はなんで…刈り取り政策に反対しない…、お前は東から来た一世だってー、」
『一つ。教えてあげましょう。私にとって旧連邦移民だとか、帝国民だとか、愛国心だとか、そんなものどうでもいいんです。それで何万人死のうが、知ったことではない。刈り取り政策?それが何か?』
本当に彼女は人間なのか?
「…、人間じゃねぇのかよ…」
『連邦内戦では毎日のように仲間が死にましたし、敵も殺しました。そもそも、私は人間もうやめていますから』
一瞬、彼女の最後の言葉に耳を疑った。ただのジョークか、虚仮威しか…。彼女は自分の顔を覗き込むように背を曲げて、
『信じられないっていう顔をしていますね』
『ただのジョークなのか、虚仮威しなのか、それとも…本当に人間ではないのか。それはあなたの想像にお任せします』
「…」
自分には、目の前のやつが本当に化物のように見えた。薄っすらと笑みを浮かべて自分を見下ろす"それ"が、形容的な意味ではなく…。
『あなたに選択肢を与えましょう。ここで死ぬか、HEGOや軍に突き出されて拷問されるか、…私の下で働くか』
「…はは、誰が裏切り者なんかの下で働いてやるか…。ここで舌を掻っ切って死んでやる…」
『んー、最良の選択肢を与えたはずなのですが』
「なにが最良の選択肢ーー、」
彼女は腰から拳銃を取り出して自分の顔の前に撃ち込んだ。銃弾は落ち葉を突き抜けて地面へとめり込み、微かに小さな煙を上っている。
「…」
『選択肢は、与えましょう』
目の前の銃弾を見て、思考が停止した。こいつは一秒かからずに自分を殺せる。そう考えたのを最後に死の恐怖が体を支配した。
『…ダニイル・ブトーリン。旧連邦移民一世の両親から生まれ、学校では"連邦移民の子供"という理由でいじめを受けてーー、』
彼女は自分の語りたくもない情報を、追い打ちをかけるようにつらつらと語り始めた。
「…や、やめろ」
『…さっきの威勢はどうされたのですか?』
「……あんたにはもう勝てない…」
口を震わせながら、何とか言葉を発した。彼女は少し残念そうな顔をする。
『まぁ、平和的に解決するのなら別に越したことはないですから。私の下で働く、という選択肢を選んだと見なします。よろしいですか?』
「…」
黙って、小さく頷いた。
『後からHEGOやら軍に色々と探られるのも面倒ですし名前を変えましょうか。名前は…、そうですね』
彼女は少し悩んだあと、その名前を口にする。
『ヨハンネス・ローデヴェイク。昔の戦友の名前です。ここは彼の名前を借りることにしましょう』
ダニイル改めヨハンネスがヴァルハラ小隊にスカウトされるまでの物語。
SULF
スラブ民族統一解放戦線。連邦移民の権利向上を目的とした政治団体を前身とする過激派組織。
連邦移民
内戦期に帝国領へと難民として流れ、内戦終了後も帝国領に残った人々。
アルセニー
SULFの部隊指揮者。死亡
フイ
シナノ配下の護衛部隊に所属する人。
ダニイル・ブトーリン
ヨハンネスの旧名。
サレーナ「…」
男『よっす』
雑居ビルの隙間、日の当たらないところに一人の男が現れた。彼はここの常連である。
男「いつものを買いに来たんだが…あるか?」
サレーナ『"エス"ね、こないだ仕入れたばっかりだからたくさん』
男 「それじゃあ3袋で」
サレーナ『はい。そしたらお支払いを」
男「あいよ、いつものな」
そういうと男は、自分の首筋を差し出した。
サレーナ『…カプ』
サレーナ「…ふぅ、やっぱりあんたの血はいいね」
男『ははっ、このクスリのおかげで幸せだからな』
男「それじゃ、また今度な」
サレーナ『まいど』
そうして男は去っていった。
サレーナ「…」
サレーナ:ヴァンパイア。違法薬物を販売し、その代金として血を吸って暮らしている。例によって日光に弱いので外に出るときはいつも長袖長ズボンにフード。
「車両にRPGが被弾!誰だよ、一世代前の装甲車を引っ張り出した馬鹿は!」
WOLFイラク派遣部隊の緊急機動部隊のα‐3の車列に現地武装集団のRPGが飛んできた。
「古い車両はMMAVの後ろに隠れて応戦しろ!6時方向、来るぞ!」
叫び声をかき消すように道路沿岸沿いの家から弾頭が飛んできた。偶然にも新型車両のMMAVにはRPG対策されていたため爆発は免れた。
『マルスを起動しろ!耳をふさいどけ!』
どこの車両からの音声かはわからないものが流れて、MMAVの後ろに乗っけられているV-マルスが起動された。
『発射!!』
命令とともにV-マルスと建物の方から弾頭が一斉にとんだ。
「一両被弾!炎上してるぞ!」
運がなかったのか丁度弾頭が装甲のない部分にあたって車両が炎上した。
『敵部隊の壊滅を確認!早く他のICFの部隊とも合流しろ!』
あれ?ICFってイラクでなんかやってましたっけ?
カルトや現地戦闘員の残敵掃討でした。外交用のスレに書いてありましたよ
通達がわかりづらく申し訳ありませぬ…
イラクとサウジがごっちゃになってた
「おい、監視カメラに不審な人影があるぜ」
「何? …本部に連絡しろ。テロリストかもしれん。」
「本部よりパトロール、南フェンスで不審者2名を確認。
付近のパトロールは急行せよ。 オーバー。」
「こちらパトロール4-1、了解。
対応求む。オーバー。」
「こちら本部了解。
規定に従って対応せよ。 アウト。」
(足音、銃を構える音)
「チェコ軍だ! 止まれ!」
(発砲音、地面に人が倒れる音、怒号)
「パトロール4-1より本部!
不審者は短機関銃で武装、こちらに負傷者1名!
現在交戦中、増援求む! オーバー!」
「こちら本部、増援は送れない!
既存の戦力で対応せよ! オーバー!」
「こちらパトロール、どういうことだ!?
増援を送ってくれ!」
「こちら本部、現在2個分隊の侵入者と交戦中!
そちらに送れる戦力はない!」
「畜生!」
ついに始まってしまったのか?大乱闘が
体を締め付けるハーネス、まるで体全体におもりを付けられているように座席に押し付けられる。
世界は青、白、緑と回転し、時々視界に灰色の影が映る。
「…ッ!クソAI野郎が、Gは関係なしかぁっ…」
敵機が異常な軌道を描いて横に回転しながら後ろにつく。さっきケツをとったと思ったらすぐこれだ。
操縦桿を引き、排気を絞り、ラダーを思いっきり踏む。半ば見えない視界の中、HUD越しに灰色の敵機が見えた。
「このまま…ッ!」
機銃のレーダーレティクルを合わせて、叫ぶ。
「撃墜!撃墜!イヤッフゥ!」
『ガンカメラを確認した。撃墜判定、お疲れさん』
AWACSから無線が届く。敵機は異常な軌道をやめ、ゆったりと真っ直ぐ飛んでいる。操縦桿を倒し、並走するように飛ぶ。
「前進翼ってぇのはすげぇな。あんな軌道もできんのか。中身がないってのもあるだろうが、パイロットがなくなるのは時間の問題かもしれん。」
真左で我関せずと動かない灰色の異形。こいつが投入されたらよっぽどのエース以外は空から駆逐されるだろう。
XFQ-01『Supplice 』12回目実験、成功。
『どうやら最近何かの準備をしているだってね』
「あぁ、新たな戦いに向けてのな」
WBF社社長室、ジョンとジョージアンはコーヒーを飲みながら談笑していた。
『ところで何の戦いへの準備なんだい?』
「ふつうは言わないけど…」
そういってジョージアンはコーヒーを置いた
「君にだったら言えるな」
彼は机の中からファイルにしまわれて資料を取り出した。
「トラスト市にいろんなギャングやカルトがいるっていうことを聞いたことはあるかい?」
『あぁ。現役時代も度々トラストに行ったことはあるが、何度か襲われたことがあった』
「それはそれは。で、そのギャングやカルトが何かの準備をしているって情報があったんだ」
彼はファイルから文字がびっしりと書かれた紙を取り出した。そこにはレポートと書かれていた。
「私の知り合いにトラスト在住のやつがいるんだが、そいつが仕事中にギャングが何かを運んでいるのを見たようでね。警察に行ったが担当が悪かったのか何なのか、見間違いだといわれたんだ」
『たまにいる。面倒ごとは巻き込まれたくない警察。私の警備の同僚にもいるね』
「その後私にそのことを言ってきたんだ。もしやと思って調査を進めたが、確信は持てなかった。でも予想はできた。もうすぐトラストで何かが起きると」
『だから準備をしていたんだな』
ジョージアンは見せ終わったレポートをしまいながら答えた
「得体の知れない敵に向けてな」
「今回のミッションオブジェクティブだが…」
暗い部屋の中、モニターだけが明るく光る。11人のメンバーがモニターに体を向け、椅子に座っている。隊長らしき男が画面の横に立ち、説明を行っている。
「ユニオン、取り分けレイナードが主導で開発したAI、その開発データの回収だ。時期が来たら、ヘリで封鎖区域内に入り、『ラボ』に向かう。」
寡黙な兵士の1人が手をあげる。
「ハンス。」
「別勢力がデータを持って行った場合は?」
「ぶっ殺して奪う。取引を持ちかけてきたら場合によっては応じる。」
「なるほど。」
「この時点で他に質問は?」
手を挙げるものはいない。説明は次の段階へ移行する。
「使用する装備は、まぁ基本はいつも通りだ。」
モニターの画面が地図から変わる。様々な装備が映し出される。FASTヘルメット、アーマーリグ、NVG、通信機器。だがどれも統一された特徴がある。
『黒い』、とにかく黒かった。だが完全な黒ではなく、闇夜に溶け込むよう巧妙に調整された黒だった。
「だが基本的には、だ。本ミッションではユニオンから提供された、この端末を使う。」
画面を上書きするようにウィンドウ現れ、そこに一つの端末が表示される。通常のディスプレイに、キーボードが配置されたそれは、画面上で兵士が腕に装着する様子を描かれた。
「こいつは肘から手首の間につける。簡単に言うと戦術データリンクの歩兵版だ。敵味方の識別、マップの表示、部隊内の情報共有を行える。まさに夢の端末だ。」
数人の兵士が感嘆の声をあげる。それを置いてブリーフィングは最後の段階を迎える。
「銃はいつものでいい。間違ってもショットガン使おうなんざ考えるな。俺がマチェーテでそのバレル叩き折るぞ。まぁ、以上だ。ユニオンは俺たちに最大級の支援をしている、期待に応えるぞ。」
その声を最後に次々と兵士が退席していく。誰もいなくなった部屋にはモニターのみが残った。画面には文字が浮かんでいる。
First Special Operation Forces
DELTA
「今回のミッションではお前らにトラストへ向かってもらう」
機動部隊管理室の一角でそんな話声が聞こえる。
「内容は要人の輸送、名前は伏せておくが。その後は政府軍が制圧済みの区域に入り、こちらがヘリで連れていく」
とある兵士が手を上げる
「 、発言を許可する」
「用心を輸送した後は?俺らはどうする?」
「政府軍について現地勢力を掃討するなり、帰還するなり好きにしろ。俺らの任務は要人の輸送、それだけだ」
「了解」
前に立って説明をしていた男がデバイスを操作してスライドを変えた。
「次に注意点。俺らは傭兵でもあるし、ICFの一員でもある。民間人はなるべく保護しろ。もし敵対しているならば…処理は任せる」
また誰かが手を挙げた。
「 、どうぞ」
「装備品は?」
「いつも使っているものでいい。ほしいものがあったら相談すれば支給できるかもな。それと…」
そう言って彼は何かのケースを取り出した。
カチャ カチャ
ロックを外してケースを開けて何かの銃を取り出した。
「お前らの可愛い後輩からの贈り物だ」
「アーリー・グリック……だと?」
机の上に置かれたのは新規開発された多目的精密ライフルのMPPR、通称「アーリー・グリック」だった。
「一つしかないのでは?」
「特別に生産してもらった。弾は.338ラプアマグナムの「ヘルファイヤ」が予備含めて50発だ」
言い終わった後、彼はアーリー・グリックをしまった。
「スナイパーは後で取りに来い。以上だ。おっと忘れてた。いつものデバイスは持っていけよ、便利やからな。では、解散」
ぞろぞろと兵士が出ていく。最後に出た兵士は扉を施錠した。そこにはとある文字が書かれていた。
Emergency Task Force
Δ‐1
おぉ、なんかオマージュして頂いてあなうれし()
照明だけで照らされた薄暗い高速道路を、
チェコ陸軍の輸送車列が指揮通信車輛を先頭に
軽装甲車や軍用トラックが疾走している。
同一車線はもちろん、対向車線にも一般乗用車は1台も走っていなかった。
その中の一両の車両に乗っている機銃手が、
手袋を付け直して他の乗員に呟いた。
「今夜はオールナイトだ。 夜通し踊るぞ!」
…そう言うと、彼は機銃を構え直した。
ダンシング・イン・ザ・ムーンライト
2024年1月28日 PM7:00
チェコクリパニア陸軍第2特殊空挺旅団「プロ・ヴァスト」
トラスト共和国福建省
「チャーリー1より本部、フォックスロット1 福州通過確認。どうぞ」
「こちら本部了解…」
その状況が空中に散開しているヘリ群によって現地司令部に報告され、
現地司令部からに逐一連絡されていく。
既にチェコ陸軍は、事前の作戦計画に従った連絡体制を確立させていた。
現地と本部の間で無線が飛び交っている間、
目標となっている市街地では建物の間を
MPがジープに乗って走り回っていた。
全員が腰に突撃銃を装備し、
一部の兵員は赤色灯と笛を持っている。
市民が建物の窓から彼らを盛んに撮影していたが、
撮影対象はすぐに別の物になった。
市街近郊に設置されている観光客向けの看板を通り過ぎながら、
非日常を象徴するかのような軍の隊列が走り去っていく。
大勢の市民が、それらを撮影しないわけがなかった。
市内に厳戒態勢と交通規制が敷かれる中、
ネオンライトや窓からの明かりで雑多に照らされる街を
チェコ軍の機甲部隊がゆっくりと前進していく。
高層ビルから大量の視線が注がれている。
指揮車輛を先頭として、軽装甲車、トラック、ジープが続く。
上空にもガンシップを始めとした大量のヘリコプターが展開していた。
市内に設置された大型モニターから、
一般家庭のテレビから、学生が持っているスマートフォンから、
ありとあらゆる情報機器でトラスト政府からの緊急放送が流されている。
「チェコ及びトラスト政府からの緊急放送です…」
「信頼のおける部隊に治安維持を要請…」
「この要請を受け、現在展開中の部隊は…」
チェコのMPは交通誘導用に配置済みだった。
ホイッスルを鳴らしながら赤色灯を振り、
計画通りに部隊を展開させていく。
「ブラボー1より本部、タンゴ1及び2 秀嶼区到着確認 どうぞ」
現地からノンストップで届いてくる各部隊の報告に、
現地司令部の人員は全員黙殺されていた。
凄まじい勢いで整理されたデータが総合作戦司令所に届き、
それらは中央のモニターに表示された画面に入力されていく。
画面の中には各部隊を示す師団章が表示されており、
その全てが高速で動いていた。
「こちらチャーリー3。キロ、シエラ到着。オーバー。」
「こちら本部了解、展開せよ。アウト」
上空から汎用ヘリがライトを照らす中、
各種車両から歩兵が展開していく。
それを確認している下士官が、上空の汎用ヘリに
チェコ航空のマークが書き込まれていることに気づいた。
「チェコ航空も動員してるのか?
……何が起こってんだ、一体… 冗談じゃないぞ…」
湾岸にあったいくつかの主要な市街はたった5時間で占領された。
占領と言っても完全なものではなく、
重装備を保有している本隊の到着まで市街を守り通さなければならない。
最初に1人の機銃手が言った通り、この任務はオールナイトで進行していた。
…少なくとも最初の夜は成功だ。
ルドヴィーク・イングル……チェコクリパニア陸軍作戦本部長は、
総合作戦司令所の中でモニターを見ながら1人呟いていた。
CODのキャンペーン風味でいいですねぇ
「おい、もう始まったぞ。
そっちの様子はどうだ、ライラ?」
「各駐屯地と弾薬集積所が攻撃を受けてます。
治安維持部隊に対する攪乱攻撃ですかね?」
「多分だが、向こうは武器弾薬が全般的に不足してるんだろう。
そうでもなきゃ直接攻撃には来ない。」
「あ、そういう事ですか。
これからリバティニア陸軍の人に会ってきます。
交信終わり… あ、電話だった。」
スパァァァァンあいつら のためにはいくつかは削っておかないとな」
遠くで治安維持部隊と現地勢力の戦闘音がなっている中、どこからもともなくスナイパーライフルの銃声がなったがすぐさま戦闘音にかき消された。
Δ6「敵排除。ストリートオールクリア」
Δ5「よくやった。後から来る仲間と
彼ら二人斥候要員、軽車両で先に送り込んで偵察をさせるのが目的だ。
ババババババババババ…
Δ6「おっと、カーリアのお出ましのようだな」
パイロットA『駐屯地と交渉が付いた。武装勢力との戦闘をしてくれるなら着陸させてくれるようだ』
Δ5「了解。派手にぶっ放せ。M-16 のハスに負けないほどのな」
パイロットA『コピー。機銃掃射開始!耳をふさいでおけ!』
その瞬間、夜を貫く機銃の音が鳴り響いた。
~今日は血の雨が降りそうな晴れの日だ~
WBF社所属特殊機動部隊「Δ‐1」
現地勢力との戦闘を支援するのを条件にΔ‐1のヘリを着陸させる…という形で書いたんですけど…どうですかね?
ルェン「よぉ〜し、これで三人揃ったな!。最近は2人で飲むことばっかだったし、折角3人で会って美味い店もあるんだ。ど〜せならぱーと飲んじまおう!」
ルイス『2人?、2人っていつも誰と一緒に飲んでるの?』
ルェン「シナノ」
ルイス『あなた、彼女とも繋がっているのね……。どおりでやり方が似てると思った』
ルェン「褒め言葉として受け取っておくぞ」
ルイス『…勝手にして』
ルェン「それはそうと、仁。お前が帝国にいるなんて珍しいな。またなんか落としもんでもしたのか?」
仁「いや?、連にぃから特製のカスタムパーツを試して欲しいって連絡が来たんだよ。それで帝国に来たの」
ルェン「は〜、PMCとやらは随分とお忙しいこった」
仁「今回のことはあまりPMCの方と繋がりはないんだけどね。まったく郵送で送ってくれればいいのに」
ルイス『そういうあなたの方はなんでモルトラヴィスに?』
ルェン「あー、私か?。私は目立つのが大っ嫌いだでな、王室の連中が戻ってきたせいで全く関係ねぇ私まで目つけられるしつまんねぇったらありゃしねぇ。だったら、こっちに来た方が一万倍楽しいと思ってな、だからシナノに頼んでしばらく外務省んとこに住むことにしたんだ」
仁「あれ?軍はもう辞めたの?」
ルェン「当たりめぇだろもう数十年いんだぞ。丁度台湾事変だっけか?、が起きる前にSISの方にも行ったんだがあんま私と合わなくてなー、今はとりあえずどうするか考え中だ」
ルイス『つまり……、あなた今無職ってこと⁉︎』
ルェン「失礼な言い方すんなよぉ!、せめてフリーランスと言え。…とはいえ別に私はこのままでいいんだけどなぁー、最近の人間社会はめんどくせぇこった」
ルイス『……それにしても、お店の方はあとどのくらいあるの?、結構歩いたと思うんだけど』
ルェン「確か…あと少しだったはずだ。安心しろ、この私がうめぇつってんだ。不満は絶対に言わせねぇから、ほら、見えてきたぞ」
・落としもん
性悪ルェンの皮肉。あまり気にしないでいいです()
最初ルェンさんと仁君、どんな会話になると思っていたら普通に仲良さそうだった()
次はわたくしですかね
店員『いらっしゃいませ。三名様で間違いないですか?』
ルェン「見ての通りだ。早く通してくれ」
店員『承知いたしました。こちらへどうぞ』
仁「ねぇ、周りからすごくみられている気がするんだけど…」
ルェン「気にすんな。頭に耳が、お尻に尻尾が生えてたら誰でも気になってしまうものだ」
~席に着いた後~
ルェン「ところで…ルイスは聞かなくてもいいと思うが、仁は酒をどれぐらい飲めるんだ?」
仁「ほろ酔いだったら少し…」
ルェン「お前、お酒にめっちゃ弱いのか?面白そうなのが見れそうだな
ルイス『私にとってはとても少ないですね。ジョッキ6杯は余裕です』
仁「ルイスさんは酒豪ですか?雪も酒豪だし、なんだか自宅の冷蔵庫の中身を思い出すよ」
ルェン「それじゃあ、ジョッキ7杯と紹興酒っていうことで。あと食いたいものを各々選ぶ感じだな」
仁「ちょっと待って!なんでほろ酔いいれてないの?」
ルェン「仁。逆にほろ酔いだけで済むと思っているのか?酒豪二名(私とルイス)に囲まれているならば…」
仁「ちょっ!何するの!」
ルェン「しっかりともてあそばせていただくよ」
仁「終わった…
雪も酒豪:彼女は見た目に反してルェンさんやルイスさんといい勝負になるぐらい酒豪です()家の冷蔵庫のお酒のほとんどは雪のもの
いつのまに……()
次は私がやっておきますねー
ありがとうございまーす(勢いでやってしまいました。すみません…)
暗闇の中揺らめく多数の黄緑色の光。目を凝らすとナイトビジョンをつけた兵士たちだとわかる。四方八方を忙しなく動く緑のレーザーサイトは、彼らの警戒密度の高さを物語っている。
「0-1メインストリートクリア、[ブラックウッド]へ移動を開始」
『1-1了解、メインストリート突き当たりに武装した現地住民が2名。排除する』
「0-1了解」
現地住民2人の頭に緑のドットが浮かび、僅かにくぐもった銃声が聞こえる。アスファルトに血液と脳漿が飛び散る。
『1-1ヒット、ヘッドショット。ターゲットキル』
「0-1移動を開始」
『1-1了解』
様々な北米軍特殊部隊や財団部隊だった人間の選抜により構成されたこの「デルタフォース」は、暗闇の中を蛇のように進んでいく。
………
……
……眠い…。 今何時だ…
スマホを見たら、まだ朝の四時半だった。
多分あと30分は寝れる。 …よし、二度寝しよう……
「昨日政…により発表され……報によると…昨日チェ…軍が
トラ……共和…湾岸………………制圧…た………明ら…に……」
すぐに雑音に驚いて飛び起きた。
…スマホの操作を間違えて、勝手にニュースが流れたらしい。
電波が酷くて内容が全く聞き取れない…
治安維持はうまく行っているのだろうか?
ともかく、これで完全に眠気が飛んでしまった。
特に考えはないが、ベランダに行くことにしよう。
上のベットに寝ている同居人を起こさないように、
気配を全力で消しながら進んでいく。
ベランダは思ったより明るかった。
発電所から送られる電気が少なくなったせいで
照明があまりついていないのもあるだろうが、そんなことは別にどうでもいい。
…朝日が綺麗だ。
写真でも撮っておこうかな。
あ、でもスマホ持ってないか。
どうでもいい雑多な考えを続けてくるにつれて、
徐々に意識がぼーっとしてきた。
ずっと動いていないせいで、手足の感覚も無くなってきた。
そろそろ戻るのが正解かもしれない。
音が全くしていない。
ひょっとしたら、今ここには私一人しかいな…
……そんな哲学的な考えは、ロック・ミュージックとヘリの爆音に粉々に粉砕された。
聞いたこともない曲を大音量で流しながら、(注:The Clash - Rock the Casbah)
エンジン音を町中に響かせて朝焼けの中を2機の軍用ヘリがフライパスしていく。
条件反射で足がのけぞった。…足が痺れていたことも忘れて。
「足がぁぁー」
思わず悲鳴を上げる。…多分同居人は飛び起きた。
そんな一般人の小さな被害も気にせず、
軍用ヘリは我が物顔で市街上空を通過していった。
「…この野郎!」
そう負け惜しみ(?)を言うと彼女は足を引きずりながら、
ベランダからリビングへと足早に戻っていった。
シャリフ・ドント・ライク・イット!
2024年7月23日 AM4:30
チェコクリパニア陸軍第2特殊空挺旅団「プロ・ヴァスト」
トラスト共和国福建省三明市沙県区
「こちらヴィクター1および2より本部。
現在沙県区に到達。
これより市内の偵察を開始する。」
「こちら本部了解。 交戦規定を順守せよ、アウト。」
…本部からの短い無線を聞き終わると、
操縦士が通信を切って愚痴を話し始めた。
またか。
「なあバオ、今回の作戦ってどう見ても「治安維持」とか「駐屯」じゃないだろ。
味方に被害が出てるなら、「戦争」って呼ぶべきじゃないか?」
…どうでもいい。
作戦中にこんなことを、しかも本部と通信が繋がっているのに
平然と言い放っている。 マジで正気か、こいつ?
「おい、少しは黙れよ。一応作戦中なんだぜ。」
「いいじゃねーか、どうせいつ死ぬかわからないんだぞ。」
「ああ。…これが遺言として伝えられたら、家族は大泣きするだろうよ。」
「大号泣だ。 新聞の一面を飾るかもしれないぜ?」
なぜこんな奴が軍人になれたんだろうか?
しかも普通の部隊ではなく、精鋭部隊である特殊空挺旅団に。
「…2時の方向、ビル屋上に人影2。 低い方だ。」
「了解。
民間人かもしれん、向こうが撃ってくるまでは反撃するな。」
僚機が不審な人影を確認したらしい。
こんな時に外に出るなんて、どうかしている。
物好きか、あるいはジャーナリストか。
敵以外なら何でもいい。
「ヴィクター2、了解」
「畜生!気づかれた!」
「大隊長に連絡しろ、急げ!
いいか、絶対に撃つなよ!」
無線を構えながら分隊長が叫ぶ。
エンジンの騒音が幸いして、
敵には気づかれていない様子だった。
…ただし、こちらも大声で叫ぶ必要があるが。
「銃片付けろ、、見つかると厄介だぞ!
憲兵が来る前に退散する!」
「了解!」
会話をする間にも、ヘリは急速に近づいてくる。
…やかましい曲を大音量で流しながら。
奴ら、完全にこちらをナメていやがる。
「……畜生!」
部隊の1人が緊張に耐えられなくなり、
素早く突撃銃を構えた。
「馬鹿野郎! 撃つな!」
…分隊長の静止むなしく、アサルトライフルが撃たれる。
銃口から放たれた30発の5.56x45mm弾が高速でコックピットに向けて飛んでいったが、
運悪く全てが外れるか、あるいは跳ね返された。
「こちらヴィクター1、奴ら撃ってきたぞ! 反撃する!」
「撃て! ASAP!」(as soon as possible、「なるべく早く」の意)
……今度はこっちの番だ!
射撃ボタンをほんの少しだけ押した。
20mm機関砲が短く火を噴き、ビルの上にいた数名を蒸発させる。
建物の被害は最小限に抑えたつもりだったが、
それでも小規模な被害は避けられなかった。
…奥から残っていたらしい2人の敵兵が出てきた。
どちらも戦闘する気はないらしく。両方とも手を上げて投降している。
「どうする?撃っちまうか?」
「やめろよ。 メディアが知ったら酷い目に遭うぜ。」
「…こちらヴィクター1より本部。
先ほど攻撃され、やむなく交戦規定により反撃した。
敵兵二名を捕虜にした、MPを派遣してくれ。 オーバー。」
「本部了解。 現地警察及び、MPの1個分隊をそちらに送る。
また、捕虜の確保後は燃料補給のため迅速に帰還せよ。
オーバー。」
「ヴィクター1及び2了解。アウト。」
「んで、俺たちはどれぐらいここに留まるんだ?
ここにいたら、いい的になるだけだぜ?」
「数分だろうな… ま、この機体なら大丈夫だろうよ。」
「だといいんだがな。
…おい、なんか暇つぶしになるもん持ってないか?」
「いや、全く。そんなに暇なら、空でも見てればどうだ?」
「んじゃ、ご期待に応じてそうするかな…」
数分後、警察とMPが捕虜2名を引っ張っていった。
彼らがどうなるか知ったこっちゃないが、
そんなことは別にどうでもいい。
それよりも、給油のために帰れることの方が重要だ。
危険に飛び込まなくて済む。
「こちらヴィクター1及び2より本部、
捕虜2名の確保を確認した。
これより三明沙県空港に帰還する。オーバー。」
こうして、トラスト地方における最も退屈な任務の1つが終わった。
彼らがあと何回この任務をするかは分からない。
だが、これだけは確実だ。 ……我々は勝っている。
行く手を阻むものがたとえ何であろうが、
それらを空から追い越して進み続けてやろう。
我々は、名誉ある空の騎兵隊なのだから。