標準を標的の頭に合わせ…
引き金を引いた。
直後、発砲音があたりに響き渡り
数秒もしないうちに着弾する。
(やった!)
彼は標的が地面に崩れ落ちると思ったが―
地面に落ちたのは帽子だけだった。
(…馬鹿な)
冷や汗が出てくる。
「おい、どうした? 顔色が悪くなってるぞ?」
「見切られた」
「何?」
「信じられないだろうが…銃弾を見切られた。 人間業じゃない」
「そんな馬鹿なことがあるか? あり得ない」
「だが、実際に避けられて…」
そこまで言ったところで、
彼らはブリーフィング中に言われたことを思い出した。
『それがな、どうやら…
あー… 彼女は、人間じゃないらしい』
「おい、ロハーチェク… あんな化け物相手に、勝てると思うか?」
「知るか… とにかく報告するぞ」
遠くでジェットエンジンの轟音と、数回の爆発音が聞こえた。
きっと、本部が送ってきた攻撃機だろう。
果たして、あのパイロットたちは目標殺害に成功しただろうか…?
「…ハンネス大佐。
先ほどブラボーチームが目標を確認、
直ちに狙撃を行いましたが
銃弾をよけられて失敗したと通信が入ってきました」
「そうか…
まあ安心しろ。プランBはもう準備してある。」
「プランB? そりゃどんな計画ですか?」
「…奴が立て籠っているところ目掛けて
爆弾をぶちこんだあと、
特殊部隊で掃討する。簡単だろ?」
そう言うと、ハンネス・コヴイランタは無線機を取った。
「こちらHQよりブラボー・ノーベンバー…」
クリスマスまでには完結させたい…
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