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この鯖の決まりごと(法律のようなもの) 1 年前
カタルーニャ王国、帝国有数の港湾都市から西にしばらく西に離れたこの地域に広がる果樹園は今も昔も変わらない。舗装された道路にトラックを停めて、木々にぶら下がるぶどうの様子をうかがう。
「…いい実り」
今年はいい出来だ。
『…ピッ…"気分がよさそうだな"…ッー』
後ろ、杖をついた女性から機械を通した声が聞こえた。
「ここは足場が悪いですから…、車で待っていただいてよかったのですよ」
『ピッ…"なに、多少なら見えるさ"』
彼女は地面に張り巡らされた大小の木の根を器用に避けつつ果樹園の中に入った。…彼女は目が見えていないはずなのに。
『ピッ…"今年の出来は?"』
「いいですよ、これならいいワインになりそうです。モナストレルですから卿も気に入られるかと」
『ピッ…"楽しみにしておこう"』
卿は微かに口角を上げた。あの機械に感情表現を声色へ変換する機能はないが、きっと嬉々として話しているのであろう。ーーー、
《…本日のニュースをお伝えしますー、続くサウジアラビア戦役はECSC側の優勢でー…、》
果樹園を後に、トラックに揺られながら、ラジオから流れるやや物騒なニュースに耳を傾ける。景色は変わらず、日光がギラギラと照りつけ汗が体を伝ってくる。
「卿がこちらに来られるとは以外でした」
『ピッ…"こちらに休暇に来ていたのだが、出張中のシナノに伝言を頼まれてね。近くにいたものだからと、迷惑だったらすまなかった"』
「いえいえ、それで伝言というのは…?」
『ピッ…"そうだな、君の指揮下にルェンという者をいれるそうだ"』
「ははは、私設部隊をそんな拡大してーー…、っまて…え?ルェン?」
妙な事を聞いたようだ。気のせいだと信じて聞き返してみるが…
《ー、ニーナによる南アメリカ最大の海上都市建設が…ー、》
『ピッ…"ルェンだ。私が何か言い間違えたか?"』
聞き間違いじゃなかった。
「…あの、…龍の?」
『ピッ…"リバティニアのルェンだ。他にいないと思うが"』
「……、まじですか…」
リュドミラとリューさんのお話。
「」がリュドミラ、『』がリューさん。
《》はラジオ音声。
リュドミラは農家出身なので出兵がないときなどはこうして手伝いをしています()
「私は18のころから軍人だった」
「いまだに待つことを知らない」
「私は任務を望み それは届けられた」
「とびきりの任務だったよ」
ウェン・ジョニー・カムズ・マーチング・ホーム・アゲイン
2024年8月14日 AM5:30
チェコクリパニア陸軍第8騎兵空挺旅団「ヴィクター・チャーリー」
ヴァレンティン・バルチーク中佐
トラスト共和国福建省
「今朝未明、リバティニア政府はトラスト地方への介入を決定…
国内湾岸地域の戒厳令及び交通規制は徐々に解除…
また、政府は残存勢力に対し投降を…」
ラジオから現在の状況を伝えるニュースが流れる中、
大量のヘリが離陸用意を始めている。
あちこちを半装機式オートバイや給油トラックが走り回り、
その隙間を兵士たちが走り抜けていく。
…その中に、ひときわ目立つ男がいた。
米騎兵隊のマークが縫い付けられたキャバリーハットとサングラスを身に着け、
腰にはシルバーメッキのリボルバー銃をぶら下げている。
そして肩には、中佐を示す階級章を付けていた。
「行くぞ」
彼と部下の兵士達が分隊が一列で並び、
まっすぐ汎用ヘリへと乗り込んでいく。
「状況はどうなっている?」
下士官の1人が、椅子の上に地図を広げ説明を始めた。
「空港は完全に包囲されました。
迫撃砲攻撃で滑走路は使用不能、
建物の中に大勢の避難民がいます。」
…彼は少しだけ考えると、滑走路にいた1人の男に目を向け、そして命令した。
「ラッパを吹け!」
命令によって進軍ラッパが鳴らされ、
それと同時にヘリが一斉に飛び立っていく。
その姿はまさに、現代の騎兵隊そのものだった。
朝方の薄闇の中を、騎兵隊は駆けていく。
かのアラモ砦を思わせるような壮絶な戦いに向かって。
すでに背後に広がる地平線からは、日の光が見え始めていた。
「我々は空の騎兵隊だ」
「朝日を背に突っ込んで、音楽をスタートさせる」
「心理作戦にはぴったりのシチュエーションだな」
「イエス、サー」
機体に装備されたスピーカーから「ジョニーが凱旋する時」が大音量で流れてくる。
市の人間は一体何が起こるのかと言う疑問と共に、
遥か彼方から聞こえ始めるその曲に釘付けにされた。
When Johnny comes marching home again
(ジョニーが再び行進しながら家に帰って来る時には)
Hurrah! Hurrah!
(万歳!万歳!)
We'll give him a hearty welcome then
(私達は心からの歓迎で迎えるだろう)
Hurrah! Hurrah!
(万歳!万歳!)
大量のヘリが全速力で駆けていく。この恐ろしくも美しい空の騎兵隊は、
ある者に絶望を、またある者に希望を、そしてすべての者を心から震え上がらせた。
The men will cheer and the boys will shout
(男達は喝采し、男の子達は叫び)
The ladies they will all turn out
(淑女は皆が迎えに出て来る)
And we'll all feel gay
(そして皆が陽気になるだろう)
When Johnny comes marching home.
(ジョニーが行進しながら家に帰って来る時には)
「目標まで5分」
「見ろよ、晴れてきたぜ」
雲の隙間から太陽光が差し込み、アルミニウムに反射した。
磨き上げられた機体のあちこちが輝く。
音楽も合わり、さながら「地獄の黙示録」のように
大量の騎兵たちが突進していく。
The old church bell will peal with joy
(村の古い教会は喜びの鐘を鳴らすだろう)
Hurrah! Hurrah!
(万歳!万歳!)
To welcome home our darling boy,
(私達の愛する男の子を迎えるために)
Hurrah! Hurrah!
(万歳!万歳!)
地上から小規模な対空砲火が飛んでくるが、
我らが騎兵隊はその全てを軽々と避けていく。
その事が当たり前の事と思っているかのように。
The village lads and lassies say
(村の若者と女の子達は声を掛ける)
With roses they will strew the way,
(道に撒く為の薔薇の花を持ち)
And we'll all feel gay
(そして皆が陽気になるだろう)
When Johnny comes marching home.
(ジョニーが行進しながら家に帰って来る時には)
「火力支援開始! 掃射しろ!」
指揮官がそう命令した瞬間、ドアガンからロケット弾まで
各種ヘリに搭載されたすべての武装が火を噴いた。
あらゆる方向に銃弾やロケット弾が降り注いでいき、
辺り一面の敵を地面ごと薙ぎ払う。
Get ready for the Jubilee,
(祝賀の準備をしよう)
Hurrah! Hurrah!
(万歳!万歳!)
We'll give the hero three times three,
(そして我等の英雄に3度の栄誉の歓呼を送ろう)
Hurrah! Hurrah!
(万歳!万歳!)
「降下用意!」
全員が一斉に準備を始める。
ある者はマカジンを頭で叩いてから装填し、ある者は神に祈り、
またある者は不安な顔つきで空を見ていた。
The laurel wreath is ready now
(月桂冠は用意出来た)
To place upon his loyal brow
(誠実な彼の頭に載せるために)
And we'll all feel gay
(そして皆が陽気になるだろう)
When Johnny comes marching home.
(ジョニーが行進しながら家に帰って来る時には)
「降下!」
狂ったように持っている武器を乱射しながら、
遮蔽物へと兵士たちが滑り込んでいく。
圧倒的な支援放火の下、
部隊は即座に空港付近を奪還した。
Let love and friendship on that day,
(その日は愛情と友情の日としよう)
Hurrah, hurrah!
(万歳!万歳!)
Their choicest pleasures then display,
(愛情と友情の最上の喜びを示す為に)
Hurrah, hurrah!
(万歳!万歳!)
一方で滑走路には、赤十字を付けた救助ヘリが
攻撃ヘリの護衛を受けながら降下していく。
空港内部では、衛生兵が内部を走り周り
先ほどの下士官と空港内で指揮を執っていた男が
半ば叫ぶように話し合っている。
その奥では、同じく先ほどの指揮官が
軍人・民間人問わず、負傷者に激励をかけていた。
老若男女問わず床に敷かれたマットの上に寝かせられており、
衛生兵や医療従事者が駆け回っている。
And let each one perform some part,
(そして誰もが何かしら出来るようにしよう)
To fill with joy the warrior's heart,
(私達の戦士の心を喜びで満たす為に)
And we'll all feel gay
(そして皆が陽気になるだろう)
When Johnny comes marching home.
(ジョニーが行進しながら家に帰って来る時には)
「俺のヘリに乗せろ! 病人輸送だ!
心配するな、すぐに助かる!」
「死にたくないよ!」
「そうか」
「…いいか、ここは安全だ。
おれが安全だと言ったら、ここは安全なんだ!
はらわたが出るまで戦うやつには、俺の水をやる!」
そのまま中尉は、銃弾が飛び交う中を平然と歩いていった。
「調子に乗りやがって! これを食らえ!」
叫びながら機関銃を乱射している兵士に向かって、
彼はいたって冷静に質問をした。
「状況はどうなっている」
「向こうのビル群にいる敵に釘付けにされてる!
あんた指揮官だろ!? どうにかしろ!」
その言葉に対する返答は、その兵士が思っていたよりはるかに速かった。
「無線を寄こせ!」
そのまま近くにいた通信兵から無線を奪い取ると、
彼はマイクに向かって怒号交じりの声で言った。
「ホーク2-1へ、優先目標だ!
あそこのビル群を―― 掃射しろ!石器時代に戻せ!」
「こちらホーク2-1 了解」
「ホーク2-1よりホーク隊へ
透過して高速で離脱する 編隊を崩すな」
次の瞬間には、ビル群は精密誘導爆弾によって
文字通り木端微塵に吹き飛んでいた。
「今だ! 突っ込め!」
上空のヘリから進軍ラッパが響き渡り、
機関銃とロケット弾の援護の下に兵士たちが走っていく。
大量の火力支援と攻撃、そして大音量で流される音楽の前に
敵の士気は崩壊した。 一人が逃げ出すと、他の敵兵もなし崩し的に敗走していく。
つい寸前まで優勢を保っていたはずの敵兵たちは、心理作戦の効果によって簡単に崩壊した。
「速報です…
先程、包囲中の井岡山空港が解放されたことが発表…
チェコ陸軍はこれに乗じ、内陸部での本格攻勢を開始…」
輸送ヘリの中で、指揮官のヴァレンティン・バルチーク中佐は
現在の戦況を盛んに宣伝しているニュース番組を聞いていた。
下を見ると、荒廃した街並みの中を兵士が歌いながらゆっくりと歩き続けている。
中佐はいつの間にか、この戦争のことを最初から思い出し始めていた。
「We play fair and we work hard and we're in harmony」
(公平に遊んで頑張って平和でいるよ)
「M-I-C-K-E-Y M-O-U-S-E」
「Mickey Mouse」
「Mickey Mouse!」
「Mickey Mouse」
「Mickey Mouse!」
「Forever let us hold our banner high」
(永遠に旗を高く掲げよう)
「High, High, High!」
(高く、高く、高く!)
チェコ軍は湾岸部から内陸部へと、着実に進み続けている。
しかし、最後まで進んだとして果たして勝てるのだろうか?
再び制圧したとして、また今回のような事が起こってしまうのではないか?
「Boys and girls from far and near you're welcome as can be」
(あちらこちらの子供たち、できるだけ歓迎する)
「M-I-C-K-E-Y-M-O-U-S-E」
「Who's the leader of the club that's made for you and me?」
(あなたと私のために作られたクラブのリーダーは誰だ?)
「M-I-C-K-E-Y-M-O-U-S-E」
だが、我々は敵に確実に思い知らせている。
我らがチェコ陸軍に歯向かった者たちは、
抵抗の甲斐なく粉砕されるだけだと。
「Who is marching coast to coast and far across the sea?」
(全国で海外の遠くでも行進しているのは誰だ?)
「M-I-C-K-E-Y-M-O-U-S-E.」
「Mickey Mouse」
「Mickey Mouse!」
「Mickey Mouse」
「Mickey Mouse!」
「Forever let us hold his banner high」
(永遠に旗を高く掲げよう)
「High. High. High!」
(高く、高く、高く!)
忘れるな、我々は誇り高き軍人だ。
有象無象の馬鹿どもに現実を思い知らせ、
昔と同じように市民どもを解放してやれ。
それがチェコ第7軍の使命なのだから。
「Come along and sing a song and join our family」
「M-I-C-K-E-Y-M-O-U-S-E」
あなたと私のために作られたクラブのリーダーは誰だ?
「Who's the leader of the club that's made for you and me?」
「M-I-C-K-E-Y-M-O-U-S-E」
そっち、やー!そっち、おい!そっち、ほー!できるだけ歓迎する。
「Hey there, hi there, ho there! You're as welcome as can be」
「M-I-C-K-E-Y-M-O-U-S-E」
「…見ろ。また1つ勝利を勝ち取ったぞ」
「この紛争も、いつか終わる。」
追記:お好きな「ジョニーが凱旋する時」を聞きながらお読みください。
Hurrah!Hurrah!(今更)
仁:「ただいま~疲れた~」
玄関から仁の声が聞こえる。どうやら仕事から帰っていたみたい。
「お帰り~ご飯できてるよ~」
リビングのソファーから声を掛けた。ふらふらとした足取りで仁がこちらに近寄ってきて…
ポスッ
仁:「雪癒して~」
私の体に仁が倒れこんできた。よっぽど疲れてたみたい。
「どうした?そんなに疲れて?」
仁:「夜戦訓練をやってたんだけど、訓練後に装甲車が一台がけから転落してね…その救出作業で疲れた…」
「あらあら…とんでもないことがあったんだね」
仁:「明日はそのことのレポートと広報を書かないといけないから余計にだるく感じる…」
「はいはい。それじゃあなでなでしていきま~す」
疲れた仁をいやすために私は彼の頭をなで始めた。
仁:「♪」
どうやらご満悦。彼の頭をなでながら質問を始めた。
「ところでさ仁」
仁:「なに?」
「昨日あったカーチェイスのレポートってある?」
仁:「あるはあるけど…どうして?」
「明日のテレビの特集で必要みたい」
仁:「ふ~ん。社長に聞いてみる」
「社長本人に?」
仁:「レポートはいつも社長さんに渡してあるからね~」
「それじゃお願い♪」
仁:「じゃ、もっと強く撫でて~」
「はいはい」
地中海性気候特有の乾燥した晴天の日。一台のSUVがWBF社駐車場に入った。車体の横にはちっちゃくWBFと黒くペイントされており狼のイラストもあるが、これが自家用車だとだれも思わなかった。
ガチャ バタン
車の中から一人の男性が出てきた。背中にはリュックサック、手にはガンケースを持って。
ウィーン
社員A:「あ!おはようございます。仁先輩」
仁:「おはよ~」
朝のメインエントランスに仁の声が響く。そんな彼。とあることをど忘れしていた。
スキャナー《ピッ 認証しました》
何かを忘れたことも知らずに仁は自分のデスクに向っていく。そして彼が広報部に足を踏み入れた途端
『happy birthday!仁!』
仁:「え?」
そこにはM-16のメンバーはじめ、広報部の同僚、そして社長までいた。あまりの驚きに仁はしばらくの間、体が止まり
仁:「自分の誕生日ど忘れした!!!」
といって頭を抱えてしゃがみこんだ。
バンパー:「おいおい。自分の誕生日まで忘れるって…記憶力終わってるのか?(笑)」
仁:「仕事で忙しいんだよ!先日の装甲車落下事件の後処理もだし…」
ハス:「とりあえず仕事は忘れて!自分の誕生日を楽しもう!」
アイサ:「そうだよ。私たちは普通のPMCと違うんだから。これぞアットホーム!て感じ」
ジョージアン:「彼らの言う通りさ。さて私はここで。ETFのことも気にかけないとクレームが来るからねぇ」
仁:「みんな…」
仁は今まで何度も誕生日を祝ってもらったが多分これが一番最初の
仁:「初めてこんなに多くの人に祝ってもらったよ」
盛大に祝ってもらったやつだ。
~追記~
30歳、おめでとう。仁
談話室でも言ったが、
誕生日おめでとう、仁君
ありがとうございます
「相変わらず顔色が優れないようだな」
バーの扉を開き、入って席につくなり№2は、アイリスは言った。
「入ってくるなりそれですか。もう少し何かないんですかね」
「悪いが私に気を使った発言はできないのでな」
バーカウンターでグラスを拭いていた職員が、アイリスが席に座ったことを確認してから言った。
「お客様はいかがなさいますか?」
アイリスは少し悩み、横にいるヘンダーソンのグラスを盗み見る。ヘンダーソンはその視線に気づいたように口角を少しあげ、意地悪そうに言う。
「バレてますよ、ここのおすすめは」
しかしオヌヌメを言われてから決めるほど、彼女はやわじゃない。
「ではモッキンバードを頼もう」
「かしこまりました」
横で聞いていたヘンダーソンが、堪えるように笑う。
「以前シュガートさんとご一緒した時、確かモッキンバードを頼んでたんですよ」
「あのクソ男と同じとは、不快だな」
アイリスは眉間にシワを寄せ、見るからに不機嫌そうに顔を顰める。電球の柔らかな光が、グラスに反射してテーブルをオレンジに染める。でも注文を変えないあたり強情だな。ヘンダーソンは考えた。
「最近の調子はどうだ?寝てるか?」
アイリスが言う。彼女が言う「寝てるか」とは以前話してた家で寝ることを指しているのだろう。
「えぇまぁ、最近はだいぶ良くなったと思いますよ。少なくとも2ヶ月前よりかは遥かに。」
アイリスは目を細め、ヘンダーソンの目…の少し下を指差す。
「しっかり寝ていたらこうはならん。もう少し休む時間を作れ。最近の設計依頼は以前より多くはないだろう?」
「…それはそうですね。財団の時は依頼がひっきりなしに来てましたから」
ヘンダーソンは懐かしむように上を向く。今はもう、後悔と懺悔しか残らないあそこに。視界に映るのは古びた電球と暗いダークオークの天井だけだった。
「もし、彼女に会えると言ったら、お前は…君は会おうとするか?」
沈黙。ヘンダーソンは上を向いたまま動かず、アイリスはその横顔を見つめる。周りの人間の声が、その一瞬だけ消えた気がした。
「私は…会わないですね。会ったとして、どんな顔して何を話せばいいのか、もうわかりませんね」
ヘンダーソンは下を向き、瞠目する。アイリスは気まずそうに目を背ける。
「いや、すまない。今のは良くなかった」
「いえ、大丈夫です。もう何度も考えたことですし、そろそろ慣れなくちゃですからね」
そう言って彼は笑い、別の話題を切り出す。アイリスは自分に気を遣っていると自覚を覚え、羞恥と罪悪感から目を背けた。
「そう言えば、『SFX計画』が始まったと聞きましたが、担当は決まったんですか?」
「あぁ…そのことなんだが、君に決まった」
「え?」
「頼んだ。明日君の端末に資料が来るはずだ。待っててくれ」
「そうですか…わかりました。お受けしますね」
ヘンダーソンは手元のグラスを一気に煽り、財布を取り出し、金を置いて席を立つ。
「あ、今回は相談代と言うことで私が支払い持ちますね」
「いいのか?誘ったのは私なのに」
「いいんですよ。私は家に帰りますね」
あっけらかんとするアイリスを置いて、ヘンダーソンはドアまで歩き、止まる。前を向いたまま、
「貴女は…折れないでくださいね」
去った。
SFX計画:新型ステルス戦闘機開発計画。USMIを中心としたセントリオルグループが担当する。実質的にユニオンが北米軍に政治的圧力を用いてはじめさせた計画と噂されている。
莆田市は混沌に包まれていた。路を覆い尽くしているのは鉄パイプや雑多な銃を持ち自由と独立を叫び続けている暴徒達であり、その様子を怠惰な警官達が誇らしげに眺めている。その様相はまさに80年代の天安門広場を思い起こさせるような光景だったが、それを気にしている者は誰もいない。それは、この出来事は1ヶ月以上前から続いている事であり、莆田市に住む住民の多くが「暴徒達は自分達を全く気にしてなんかいない」ことを知ってからは住民達もまた彼らを気にすることはなかったからだ。
だがこの日は少し違った。
兵士達は楊煌明の命を受けプラカードを掲げる群衆の前に立ち塞がる。布で顔を覆い今にも飛びかかりそうな暴徒達はひたすらに自分達を解放するように訴えていた。彼らの中には労働組合のメンバーやただ仕事をすることを強要されてきたサラリーマンもいることだろう。そのうちの誰かが兵士達に向けてレンガを投げつけた時その場の空気は一気に怒気に満ちた。暴徒達は一斉に兵士達へ噛み付くように襲いかかり一方その兵士達は正面から彼らを弾き飛ばす。気づいた時には現地警察すら彼らの味方をしていた。このまま放っておけば事態はいずれ取り返しのつかないことになる、兵士の誰もがそれに気づいていた。そんな中無線が司令部からのたった一言の命令を読み上げる。
「行政長官閣下が命令を下された。その場にいる共産主義パルチザンを全て銃弾の餌食にしろ」
1人の兵士が目立たず、だが印象に残るような重低音を鳴らすと彼らのリミッターは簡単に外れてしまった。206名いた兵士のうち、その時撃たなかった兵士のは39名だった。彼らは自身が今後生きる上でこの時のことを思い出し罪悪感を感じない為撃つのを躊躇っていたが、なおも自分達に向けてレンガを投げる群衆と今後部隊内でどのような扱いを受けるかを考えて結局引き金を引く決断を下す。その様子も見てしても最後まで群衆に銃口を向けなかった兵士はたった4名のみだった。
死屍累々とはまさにこの事を指すのだろう。耳を劈くような重低音が数十秒にわたって響き渡り、先程まで威勢よく独立と自由を訴えていた煽動者とそれに従属していた群衆は皆、今では言葉にもならない喘ぎ声をあげ銃弾により引き裂かれた腹から小腸と血が飛び出さないよう必死に押さえつけていた。兵士達はそんなことを気にせず彼らの頭蓋骨からスープのように溢れる脳髄を靴に擦り付けながら逃げ惑う1000人近くの人影を追うべくゆっくりと歩き続ける。群衆達は皆、次のチャンスを求めていた。散り散りとなりただ逃げ続ける。次は南昌だ、次こそは…、次こそは……。
蜘蛛の子を散らすように
(人的資源 -397)
企業国家に共産主義、社会主義、進歩主義などと言う思想は要らないので大規模な粛清を行っている状況です。
ルイス『久しぶりにこんなに飲んだわ~』
ルェン「私はまだまだ飲めるが…もしかして、もう限界か~?」
ルイス「そんなわけないでしょ!店員さん、ウォッカもう一杯お願い」
店員 「かしこまりました」
ルイス「…あなたの隣はもう限界そうだけどね」
仁「わふぅ~」
ルェン「こいつ完全に潰れてんな」
ルイス「もうお酒じゃなくて水飲んだ方がいいんじゃ」
仁「ふぁいじょぶ!みゃだひぇいき!(大丈夫!まだ平気!)」
ガシッ
ルェン「あ、ちょ!仁!やめろ!」
仁「みゃだのみぇるってぇ~」
ルイス「あら」
ルェン 「おいこら、離れろって!」
仁「ふわぁ~」
ルェン 「…こりゃ離れんな」
ルイス「ルェン、あんたモテモテだねぇ~」
ルェン 「え、おまなにいって」
ルイス「そういえば仁…君?どこかで聞いたことあるんだけど雪さんって子がいるらしいけど…平気なのかしら?」
仁 「えぇっ?えっとぉ…てゃぶん(多分)…」
ルイス「ま、あなたがよければいいけど~。ほら、もっと飲みなさいよ~、ルェンの歳知りたいでしょ?」
仁「しょうだにぇ!わきゃった!(そうだね!わかった!)」ゴッゴッゴッ
ルイス「いい飲みっぷりね…。さて、ルェン?まだいけるわよね?」
ルェン「あったりめーだろ?まだまだいけるぜ」
ルイス 「よ~し、こうなったら絶対に勝ってやるわよ」
ルェン「望むところだ」
遅くなりもうした()申し訳ないです
ルェン、仁、ルイス3人とも酔ってきています(なお1人泥酔)
ルイス「そういえば仁…君?どこかで聞いたことあるんだけど雪さんって子がいるらしいけど…平気なのかしら?」
→ニヤニヤしながら言ってます()
おぉ、きたきた。完全に潰れとんな()ちなみに雪に関しては十五年の信頼関係がありますので他の女子と戯れても問題ありません(なんだったらたまに仁を女の子としてみることもあるし…)
んで、次は私が書きま~す
女として見ているなら雪さんバイセクシャル説が……()それはさておき、ありがとうございますー
可愛すぎて女の子に見えるってことですよ。リバティニアさん()仁「う~ん…」
ルイス「眠くなってきた…のかな?」
仁「みゃだみゃだ…(まだまだ…)」
ルェン「これ以上飲んで家に戻れなくなっても知らないぞ」
ルイス「って言っても聞こえてなさそうね」
仁「みょういっぴゃん!(もう一本!)」ゴッゴッゴッ
ルェン「こりゃだめだな…これがWBF社のエリートPMCって言われても信じようがない姿だな」
ルイス「野生の本能や危機管理能力が全くなさそうな状態だしね。そろそろ水飲んだらどう?」
仁「はぅ~」
ルイス「…ところであなたが言っていたWBF社のエリートPMCっていうのはどういうこと?」
ルェン「言ってなかったか?こいつは台湾…いや、名前は伏せとくがとある事件の後にWBF社という傭兵会社の社員になったっていうことを」
仁「ちゃちゃのしゃいうひゃないよ!きだうぶちゃいいんだよ!(ただの社員じゃないよ!機動部隊員だよ!)」
ルェン「はいはい。勝手にしとけ。てなぁ、こいつは傭兵のスナイパーってことだ」
ルイス「彼があの人外スナイパーってことね…ところで雪さんっていう子と仁君はどういった関係かわかる?」
ルェン「詳しくは知らないが…中学時代からの縁で、今は結婚しているらしい」
仁「ひゃうだよ!(そうだよ!)ゴッゴッゴッ
ルェン「まだ飲むのかよ!」
ルイス「本当にいい飲みっぷりだわね~。ところで仁君って結婚しているんだ」
ルェン「詳しくは知らないけどな。とりあえず恋人関係って思っとけ」
ルイス「ふぅ~ん…ところで…」
ルェン「なんだ?」
ルイス「さっきからジョッキが止まっているけど、もう無理…なわけないよね?」ニヤッ
ルェン「ばかいえ。勝負はここからだ!」
仁「びゃくも!(僕も!)」
ルェン「…食い終わった後でお前のスマホを貸せ。お前の兄に連絡とってやるから…そろそろやめとけよ…」
ルイス「どうやら一度酔ったら止まらないタイプみたいだわね~」
・中学時代からの縁で、今は結婚しているらしい
→結婚してます()
・「…食い終わった後でお前のスマホを貸せ。お前の兄に連絡とってやるから…そろそろやめとけよ…」
→茶番の最後にできれば誰かが狼くんの代わりに連兄さんに連絡とってください()じゃないと夜道で襲われるかもしれないので()
無職のくせに情報通なルェンさん
次は私がやります。そろそろ終わらせましょうかね…
テイラー様
これを書いている今、ロンドンでは幻想的なほど深い霧に覆われております。首相官邸は奇妙なほど静かです。就任式を前に、最も重要な固僚以外はみな辞職しました。 私に出来ることといえば、管理人としての役割を務めながら、今日までの約20年間の仕事を振り返ることだけです。
あなたが一年生議員として下院に入った時のことを思い出します。外交活動への献身と議会業務のあらゆる場所での政治的勇気からして、あなたが偉大な人物となる運命にあることは明らかでした。単なる局地的な問題に留まらず、広く国家全体の問題に目を向けていることに、ストラウド氏やパークス氏は深く感銘を受け、あなたを指導し、助言を与えることになったのです。 故アーサー・F・レナード首相も、あなたの献身な的勢力と能力を知り、高く評価していました。あなたが下院から上院に移った今でも、私はあなたを深く尊敬し、親しい友人の1人に数えています。
あなたのその能力が、祖国の発展のために発揮されることは問違いありません。あなたは常々、人々の向上と福祉政策を献身的に誘引してきました。 大きな不和や悲劇が蔓延る激動の時代に、この国はかってないほどその能力を必要としています。この国を変革させ、保守党の伝統的な仕事を完成させることのできる進歩的な法案を可決するためには、あなたの技術と能力の全てを頼る必要があるのです。
このことに関して、私からこれ以上の助言は必要ないでしょう。しかし、あなたには私の絶え問ない支持がついていることを覚えておいてください。あなたの成功を神に祈り、私は私にできることをやっていきます。
敬具
Chester Lawrence, Interim Prime Minister of the United Kingdom.
(疲れた顔に小さく笑みを浮かべた後、首相は丁重にファイルする)
雪「ねぇ、仁。今日仕事仲間と飲みに行くんだけど…」
仁「そう」 カチャカチャ(←キーボード音)
雪「ただ男性もいるんだけど…」
ピクッ
仁「ふ~ん」
クルッ
仁「それで時間は?帰ってくる時間」
雪「20時半か23時ぐらいに帰ってくると思う」
仁「分かった。迎えに行く」
クルッ
仁「それじゃ、楽しんできて」
雪「やっぱり…行くの嫌?」
仁「……嫌だけど信頼してるから大丈夫」
雪「分かった!すぐ帰ってくるからね!すぐ帰ってくるから!」
仁「うん」
ぎゅむ
仁「どした?雪」
雪「…眠い」
仁「それじゃ、寝る?」
雪「…やだ」
仁「それじゃ、どうする?」
雪「……」
仁「雪?あれ?寝ちゃった?」
雪「スゥ…仁…」
仁「しょうがない、ベットまで運ぶか。よいしょ!」
「頭目の敵討ち…、ではなさそうだがおまえら何だ?」
頭目の真似事をしだした"一つ目"は軽く一礼をして、
『これは…、私としたことが、申し遅れました。ミーナ・フェア・リュクト。ただの研究者です』
「…じゃあこの足元のやつは?」
『それも私です』
「面白くない冗談だな、ッ」
冗談半ば、足に力を込めミーナを名乗る一つ目に一気に接近する。一つ目は定型的な格闘でこれに応じ、シナノの殴りも軽くいなされ拮抗してしまう。
死角をついて、自在に伸び縮みするコートの刺突がシナノの脇腹をかすめ、バランスを崩した隙にブレードが腕を斬りつけた。傷口からは青い血が吹き出し地面や天井を染めた。即座に体制を立て直し空かさず反撃とばかりに破片を拾い上げ一つ目に向けて射出するが、コートによって弾かれる。
(流石に同レベルのやつ連戦はキツイな…)
いくら半エーギルとはいえ、持続的な能力の使用は体力的にも、生命的にもよろしくない。体力消耗で負傷も増える一方だが、相手は残機ありで復活してきたやつ。手の内をある程度明かした結果、相手も機械のごとく素早く学習し対応してくる。積極的に攻撃してくる様子はなく、こちらの動きを伺っている節がある。
一息つく暇もなく一つ目のブレードの追撃が迫るが、辛うじて剣を交差させ刃と刃同士で火柱を散らす。…斬りつけられた腕が痺れるように、徐々に感覚を奪われていく。剣を持つ右手が痙攣を始め、カタカタと音を立てる。一つ目との力が拮抗しているのか、腕がおかしくなり始めたのか、…
今できる力尽くで剣を薙ぎ払い、一つ目を突き飛ばす。
『全身動かなくなると思いましたが…、』
「毒、仕込んでやがるな?」
『ご明察ですね、エーギルとやらには毒に対する耐性も持っているのでしょうか?』
「さあね、…」
酷く損傷した八つ目の亡骸を思いっきりけり上げ、一つ目に目掛けて投げつける。
亡骸の質量弾に、一つ目はするりと回避し亡骸は奥の壁に打ち付けられて、液体や様々な破片と共に弾け飛んだ。
『面白い攻撃ですn』
瞬間、一つ目の視界の端を剣の刃がかすめ、咄嗟に防御しようと出した片腕をシールドごとそのまま切断された。バランスを崩したか、少しよろめいて倒れそうになったが片腕を軸に、回し蹴りでシナノの足元をすくった。
「…ッ、くそ」
『”私”を囮に、”私”を斬る。面白い戦術です。実に楽しい。もっと見せてください』
ーーー、
通路の壁に背を向けて俯き、電気をほとばしらせていた黒い左腕は煙をいくつか立ち昇らせていた。目の前にはやや損傷しつつも変わらぬ表情で見下ろす一つ目の姿。
至る所から青い血を垂らし、吐き吸う息も小さい。ただ、黄色い目だけは薄暗い通路の中で光り、それは鋭い眼差しをしていた。
『…』
『…えぇ、わかりました。情報はバラバラに…』
【ーッ、】
今まで沈黙を保っていた館内放送にノイズが混じり、ノイズは徐々に大きくなった。
『...おや、混線でしょうか』
「...」
【ーッ、侵入者に告ぐ、我々はモルトラヴィス帝国軍である。直ちに武装解除し我が方へ降伏せよ!繰り返すーッ、】
窓から外を見ると、ヘリが研究所の空を覆い、戦車や装甲車が研究所の敷地内へと次々と突入していた。それと同時に今までまばらだった銃撃音や爆破音も盛んになり始める。
『流石に正規軍相手は分が悪い…、既に目標も達成しましたし、ここは撤退いたしましょう』
一つ目は、ただ名残惜しそうに
『シナノ外務宰相。貴重な時間をありがとうございました。いずれまた機会があればお会いしましょう』
「なに…ッ…、する気だ…」
『では、』
そう言葉を残すと、急に全身から発火し膝から崩れ落ちるように倒れた。通路のスプリンクラーが作動し辺りに雨のように水がまかれたが、一つ目の体は黒く焦げて判別のつかないものになっていた。
「…、」
おまたせしました()
迫真ミーナさん亡骸質量弾
ミーナさんの指揮機(八つ目)を利用したエーギルのパゥワーによる質量弾です()
戦況
3回戦目はきついでしょうね()
能力をばんばか使ったでしょうしシナノの侵蝕はさぞ進んだことでしょう()3戦目は、一般機のミーナさんの腕を切り落としたり善戦しましたが体力切れや毒、連戦による疲弊で敗北…みたいな感じです
青い血
シナノの血は青色です
その後
あとは後日談なりなんなりと()
執筆、お疲れ様です。
話の運びが綺麗にまとまっていますねスンバラシイ流石のシナノさんでも連戦は厳しかったようで...
ひとまずシナミー編は今回のところ一区切りといたしましょう。
後日談については少々お待ちを...。
ア・セブン・ネーション・アーミー・クッドントゥ・ホールド・ミー・バック
「どうだ、ライラ。 チェコ軍から最強の狙撃手たちを連れてきたぞ」
「…最強なのに複数人?」
「…真に受けるんじゃない。 比喩だ、比喩。」
2024年、トラスト。
トラスト・ゲリラの人外VSチェコの人外、おまけの選抜狙撃手チーム。
あらかじめ言っておくが、おまけの彼らはかませ犬ではない。
化け物を殺すのはいつだって人間なのだ。
マイコ・ヨーキィ 空母飛竜未だ戦闘続行中
1942年、ミッドウェー。
帝国海軍は空母「飛竜」の処分に失敗、放っておけば自沈するとみなし
生存者を救出して撤退した。
しかし、そう予測通りにははいかなかった。
…アメリカ海軍が撃沈された「ヨークタウン」の代わりとして鹵獲しちまったのである。
かくしてアーヴィング・ウィルツィー大尉の指揮の元、
「飛竜」改め「ヨークタウン2世」、通称「マイコ・ヨーキィ」号は
大西洋、朝鮮、ベトナムを駆け巡る。
歴史上前例がない数奇な航空母艦の一生を記録した架空戦記。
仁君、同業者に喧嘩を売られる
「えっと…僕に対戦依頼?」
「そうだ。どうやら相当腕に自信がある新人でね」
「めんどくさ~い。でもやらないと先輩としてのメンツがなくなるからな
スカーレット連邦
とある特殊部隊から来たという新入凄腕スナイパーが人外スナイパーの仁君に喧嘩を売る!会社の先輩と後輩という関係でありながらも下剋上を目指すスナイパーに仁君はどうするのか?
「まったく……僕が勝ったら弾薬代ぐらいは請求してもいいよね…」
「やぁみんな。作戦はどうだい?」
フランクな声と共に、軍服を着た男が部屋へと入ってくる。部屋の壁には大きなモニターがあり、部屋の真ん中には長テーブルといくつかの椅子が並ぶ。
「参謀総長!」
モニターを凝視して椅子に座っていた人間が全員起立し、『参謀総長』と呼ばれた男へ姿勢を正す。
「あぁ座って座って。すまない、コーヒーを。あぁそう、砂糖は多めでね」
そう言うと全員が座り、状況の説明を始める。モニターには赤外線映像が写されており、上空から見た二つの輸送ヘリが進んでいっている。
「現在2機のMH-3が『オスカーウッド』へ向かっています。ETAは1分後です」
男は顔を眉を顰めて口を開ける。
「予定より30秒の遅れだ、取り戻せ。ICFにオフレコでやってる作戦なんだ。バレたら勘違いで撃墜されるぞ。部隊に回線を繋げてくれ」
椅子に座っていた人間の中から1人の女性が立つ。スーツを着たいかにもエリートの様な雰囲気に、男は嫌悪感を抱く。
「参謀総長、部隊への直接の無線は指揮系統に混乱をもたらします。流石にそれは控えてい」
「つべこべ言わずにさっさと繋げ」
物言わせぬ男の態度に女はたじろぎ、テーブルの真ん中にあるマイク手を伸ばす。マイクのボタンを押し、
「回線、繋ぎました」
ETA1分後、作戦は既に始まっている。
何をする気なんだ!?()
次の回のお楽しみで…
ルェン「こりゃしばらく起きなさそうだな……、どうしたものか」
ルイス『どうするもこうするも、私達でなんとか運ぶしかないわね…、それか誰かに迎えに来てもらうか』
ルェン「それだ!それがいい。たしかコイツ兄貴がどうたらこうたらって話さっきしてただろ?そいつに迎えに来てもらおう」
ルイス『これまた随分勝手ね…』
ルェン「ダンマパダにも“善を為すのを急げ”って書いてあんだから心配すんな、ほら仁、おめーのスマホ借りるぞー」
ガサ
ルェン「もしもし?」
ルェン「あぁ?コイツの知人だ。名前?後でコイツから聞いてくれ、あんま知り合いを作るのは好きじゃなくてな」
ルェン「単刀直入に言っちまえばコイツ酔い潰れちまってな、残念なことに私達“非力”な女性2人組じゃコイツを背負って行くのはかなり難しい。ってわけだ、コイツを迎えに来てくれねぇか?」
ルェン「…よし、それでいい。流石はコイツの兄貴だけあって随分と物分かりがいいな。車かなんか用意しといて待っておけ、待ち合わせ場所は送っとk」
仁「ん〜」グイッ
ルェン「こら尻尾を引っ張るな!今おめーの兄ちゃんに連絡してやってんだ、じっとしてろ!」
仁「むにゃむにゃ……」
ルイス『…まだ寝てるわね』
ルェン「傭兵だからあんま普段寝ないんだろ。ナバラとかを除いて帝国は平和な部類に入るからな、今のうち平和を味わっとけ」
ルェン「それとコイツの兄貴が迎えに来るだとよ、さっさと会計済まして行っちまおう。…私もう眠いぜ」
ルイス『ちょっと、一つ忘れてることない?』
ルェン「…勝負のことか?引き分けだ、引き分け!コイツはすっかり寝ちまったし私達で割り勘ってことでいいだろ…ぁ、そうだ」
ルイス『?』
ルェン「全体の半分はコイツに払わせよう」
ルイス『相変わらずろくでもない事を…』
ルェン「そうと決まればさっさとやっちまおう…、どうせエリートとかつぅんだから金持ってるだろ」
ルイス『…、』
ルェン「よし、さっさと行くぞ」
ルイス『それにしても、良かったの?勝手にお金使っちゃって』
ルェン「まぁ大丈夫だろ、なんかあったら送料ってことにしときゃいい」
ルイス『最近だとたまに送料無料のとこない?』
ルェン「12時過ぎにわざわざ歩いて配達してやってんだ。随分良心的なもんだぞ」
ルイス『あなたが勝手にそうしてるだけでしょ』
ルェン「どっちでもいいだろ、兎も角待ち合わせ場所はもう少し行った先の駅のとこだ。私が帰る方向とは真逆なのが気に食わんが……」
2週間ぶりです。遅れてしまいすみません…
・ダンマパダ
法典の一つ。仏教の教えを短い詩節の形で伝えたもののこと。
閉めをありがとうございました。無事に仁君も酔いつぶれてしまってね…
えっと、おっしゃる通り仁君は結構金持ちなほうです。ただ、装備代や弾薬代で結構な出費をかさむことがあります(弾薬代だけで年間110万行くか行かないか)
『こちらスーパー6-1、ETA1分後』
夜闇の中を2つの影が走る。北米陸軍第120特殊作戦航空連隊所属のMH-3が、冷たい荒野の空気を切り裂いて進んでいき、徐々に壁に囲まれた廃墟のような建物が見え始める。
エンド・オブ・カティーナ
24 9/15 UTM 01:21 120th SOAR,1st SFOD-D
暗い機内に、7人の黒装束の兵士が座る。銃を確認するもの、光学機器を調整するもの、祈るように天井の緑ランプを見つめるもの。ヘッドセットにポップノイズが入る。瞬間的に2つのヘリにいる計14人が耳を傾ける。
『こちら作戦監視室、参謀総長だ。30秒の遅れがある、何があっても取り戻せ。応答不要、アウト』
陸軍トップからの突然の無線に兵士たちは驚く。
闇が包むヘリの中に軽口が飛び交う。
「参謀総長だってよ」
「昇進できるかもな」
「実際デカい仕事だもんな」
「上さんが見てるんだ、腕を見せつけてやるか」
「まぁ、精々気張ることだ」
既に作戦の最中だと言うのに、軽い空気感を纏っている隊員に対して隊長が水を差す。
「無駄口を叩くくらいならNVGでも見てろ馬鹿ども」
その声と共に空気感が変わり、機内に重く苦しい暗闇が横たわる。2機のヘリが徐々に減速し、着陸に備える。兵士たちはヘルメットに付いたNVGを下ろし、各々のライフルのレーザーサイトを起動する。
『スーパー6-1、タッチダウン』
『スーパー6-2、タッチダウン』
若干の衝撃とともに機体が砂漠へとそのギアを着ける。14人の兵士たちが一斉にヘリの中から駆け出し、砂を蹴りながら目の前の建物を囲む外壁へ張り付く。
「オスカーウッド到着、C2を使用」
兵士の1人が壁にある鉄扉に手早く爆薬を仕掛ける。近くにいた兵士は離れ、ドアに銃を向けてその時を待つ。
「3、2、1、エクスキュート」
閃光と煙、爆音が起こる。外壁に張り付く兵士たちが壁の内部に続々と入っていく。ライフルを斜めに構え、緑色の視界に映るレーザーを四方へ向けて警戒。
「2、右クリア」
「3、左クリア」
部隊は二つの班に別れ、片方の7人の1人が建物の正面扉を蹴り開ける。内部は暗く、ナイトビジョンが生かされる。正面扉から真っ直ぐと廊下が伸び、左右にそれぞれ2つずつ木製の扉がある。
そのうちの右奥のドアが突然開けられ、銃を持った男が飛び出す。飛び出すと同時に、男の胴体には2つの緑のドットが浮かぶ。サイレンサーにより減音された銃声が響き、男は苦しみに悶えながらのたうち回る。
近づいた兵士は無言でその頭にドットを持っていき、引き金を引く。
その間に左右の扉が開けられ、他の兵士がクリアリングをする。6秒後、7人全ての兵士が廊下に出てき、目の前にある階段に向かう。
「7、後方警戒」
「2、上方警戒」
列を成す7人が上方、後方を警戒しながら素早く階段を上がっていく。階段を登りきり、暗く広い部屋が広がる。一つの机と椅子に座る1人の男。
「待ってくれ、まさかこんな早く来ると」
男は言い切ることなく脳漿と血液を壁と机にぶち撒ける。兵士たちは死体に近づき、1人の兵士が取り出した写真と死体を見比べる。
「本人でしょう」
隊長が無線を開き、報告をする。
「こちらトレッド0-1、目標無力化、任務完了」
『こちら作戦監視室了解。帰投せよ』
黒い袋に死体を収め、袋を担いで走る。外で警戒していた7人と合流して壁の外へでると、丁度2機のヘリが到着する。ヘリに死体を乗せ、隊員たちも搭乗を始める。
『こちらスーパー6-1、早く乗れ。死体と一緒にランデブーだ』
ギアが荒野を離れ、ヘリが徐々に高度を上げていく。ヘリは一瞬で暗闇に消え、そこに残ったのはいくつかの死体と、静かになった『廃墟』だけだった。
楊煌明はただひたすらに自らの思い出が詰まった机に突っ伏していた。南昌の夕方はどこか懐かしさを感じさせるものだったがそれももう今ではどうでもいい、今はただ何も考えず休んでいたかった。嫌なことばかりが頭をよぎる。コニャックに手を出すという手段もあったがそれはあえて選ばないようにしていた。
突然トントントンと扉から彼を現実に引き戻す音が聞こえてくる。逆三角形の顔をした眼鏡の秘書がそこから姿を現すとやっとその要件を話し始めた。
「行政長官殿、我々に関する非常に喜ばしい情報とご相談がございます。只今入りましたチェコ軍からの報告によりますと我々は江西省九江市の濂渓区を解放し、彼らの最後の拠点を破壊しました。これで戦争は終わります」
『あぁ…』無愛想にそう答えると秘書が未知の生命体でも見るかのような目でこちらを覗いてくるのがわかった。
「どうされました、行政長官殿?今日は歴史に残る偉大な1日の一つとなったのですよ?」
『いいんだ…、無視してくれ。それで?相談というのはなんだ?』
「はい、現地司令官達からです。どうも共産主義者共の本拠地を発見し、彼らを今すぐにでも地獄に送る準備ができているとのこと。2時間以内のご回答ください」
そう言うと秘書は側から見れば丁寧だが、どことなく軽蔑するように紙束を楊の机へ置いた。
渡された書類をなんとか目だけ動かして一文字ずつ読んでいく。…なんなんだこの報告書は?文言の一つ一つが“これから起きる事は楊の下す命令にかかっている”、いや、“これから起きる出来事の責任を全て楊に押し付ける”ような書き方となっている。腹立たしい!お前らが手を下すのに私のせいにしようとしているのか?無責任にも程がある!
怒りに任せその憎たらしい21枚の紙を放り投げる。今まで気にしたことがなかったが、どうやら自分は怒りを覚えると頭を引っ掻く衝動があるらしい。3度か4度ほど深呼吸を繰り返すと彼は再び自身の疲れ果てた体を椅子に放り投げた。
…いや、冷静になれ。そうだ、煌明。出来る限り懸命かつ合理的な決断を下そうじゃないか、もしそれが誰かの命を奪うことに繋がろうと自分がやったことじゃないし私のせいじゃない今にも息絶えそうな楊の罪悪感と倫理観が彼の孤独で残忍な意思に何度も何度も訴えかけてくる。頭の中に何千文字もの言葉が浮かんでくる。会話、交渉、和解、責任、信頼、逮捕、撤去、排除、粛清、悲鳴…。
あぁ。うるさい!うるさい!うるさい!
そこからはあまり彼自身も覚えていない。誰にも入らないよう命令し、アルコールに身を任せて彼は自分の世界に飛び込むと最後の憂鬱な仕事を終わらせるため自身の持つ黒電話に向けてヤケクソな言葉を吐いた。
「……煌明だ。司令官達に好きにするようにと伝えろ」
(人的資源-3964、イベント - 中秋節の大虐殺 が発生、国家方針「全ての闘争を終わらせるための闘争」を取得)
スーパーイベント
僕は基本的によっているときの記憶は残ってしまう人であるため、恥ずかしいことも全部覚えてしまう。もちろん、先日ルェンさんたちと一緒にお酒を飲んだことも覚えている。結構恥ずかしいことをしたなと思ったが、僕は心から信頼している人にしか甘えないためルェンを信頼しているということを証明するものにもなった。
それはそうと前回の酒盛りの件を連にぃに密告されたのか、家に帰ってきたら雪がすごい顔で嫉妬していた。なんか仁だけ楽しんでてずるい。私も一緒に行きたかった。何とか機嫌を取り戻そうと必死になった結果…
雪:「すぅ…すぅ…」
「ふふ…かわいい…」
雪といつも以上にくっついて寝ることになった。普段は一緒に寝るがここまで密着することはない。なぜならどちらももふもふであるため夏場にくっついているととてつもなく熱くなる。でも雪はそんなのどうでもいいようで、とにかく僕とくっつきたかったようだった。
雪:「…だぁいしゅ……き」
「どうやらご満悦」
モルトラヴィスから戻った彼女は、とある場所に来ていた。
「あれからもう1年半か…」
あの戦争の日々がまるで嘘のように思えてくるほど静かなその場所には、数多くの人々の眠り場所を示す石達がただひたすら雨に打たれている。
ここに眠る人たちは、全員…
やがて、彼女は何百とある石のうちの一つにたどり着いた。
そして彼女の視界に入ったのは…“クラウス・アンドラーデ”。
「全部、終わったよ」
墓石の前に立ち尽くしながら、彼女はそう言った。
「戦いは終わった。共産主義も。でも、これが君のやりたかった事なのかは、私にはもうわからない。君は、もういないから。」
「どうなんだろう。君は、喜んでいるのかな」
問いかけても、あたりに響くのはやけに物静かな雨音だけで、返事が聞こえることはなかった。でも、彼は答えてくれた気がした。
「…じゃあ、そろそろ行くね」
冷たい墓石に花とウォッカを備え、また来ることを固く誓って彼女はその場を後にした。
『…そうか、終わったんだね。ありがとう。これで、何の心配も、後悔もなく…』
ー俺も傭兵になってみたい
そんなコメントが見えた。今、僕は久々の晩酌配信でEFTをしている。最近疲れすぎて、動画更新を忘れていたからその動画の代わりとしてね。
「傭兵ねぇ~…正直言って、それなりのポテンシャルがないといけないよ?」
100mタスクのために、敵が来るのを待ちながら返答する。
「それなりの実戦経験も必要だし、なにより給料が安い。普通に働いてた方がいいまである」
ー白狼君はどうなの?傭兵としてやりがいとかって
「やりがいねぇ……」
上を向いて考える。先ほどまで回っていたアルコールがどこかに消えた気がした。
「結構あるけどね。傭兵としてのやりがいは」
ー実際傭兵っていう職種はどうなの?大変?
「大変だけど、うちの会社はほかの傭兵会社よりいいかな。当たり前のように福利厚生があるし、何だったら定時退社に有休もとれるからね。思った以上にホワイトだよ」
グビッ ごくごく
缶に余っているビールを飲み干す。これだけでも結構酔いがすごい。
ー収入っていくらぐらい
やっぱりそう来たか。ある程度予想はつくから答えやすいな。
「いつもは月収60万弱。それにプラスしてハンター業や配信者の収入もあるからな。それと作戦随伴時の追加ボーナス。一年で1000万は超えてるんじゃないかな?」
あいまいだけど僕も気にしたことがないからわからない。
ー高くない?
「僕が特殊なだけ。普通だと年収400~600万ぐらいだよ。まぁ、うちの会社は副業アリだからみんなこれ以上は稼いでるけどね」
ーなんで傭兵になったの?
「スカウト。訳あってその誘いを断れなくてねぇ~楽しいからいいけど…」
ーこれからの続けるつもり?
「うん。もう数十年はやりたいかな。ぶっちゃけ配信一本でも生きていけるけど、せっかくの軍での経験を活かしたいじゃん」
リスナーと談笑しながら僕はゲームをする。まだこれからだよ。僕の傭兵ライフは
「ゲリラの元幹部を殺害…か。よくここまで隠したものだ」
無機質な蛍光灯が照らすオフィスの一角で、かつて№2と呼ばれた女は独り言ちる。手にはタブレット型端末を持ち、ニュースを読んでいるようだった。
「これで№1は死亡、くだらん革命ごっこも終わり…ではないか。しかし最後の言葉がなんとも情けない」
デルタフォースから上がってきた報告の中にあった、撃たれる直前の№1を笑いつつ、アリシアは思い出す。シュガートと呼ばれ、多くの財団職員に慕われていた壮年の男を。
「まだ終わらないか…№1が死んだ今、シュガートが動くかもしれないな。奴を殺すまで私も死ねん」
脳裏にバーを去っていくヘンダーソンの姿が映る。曲がりなりにも信頼していた部下を誑かした革命家連中を、彼は恨んでいるだろうか。否、恨んではいないだろう。危ういな。誰かを恨んでいると、ある意味それが生きる目的にもなる。彼は何を見て生きるのか。自らの頭を埋め尽くす思考に嫌気が差し、一度画面から目を離す。
突然、断続的なヘリのローター音が聞こえてきた。席を立ち、窓の外に目を向けると、一機のUH-3が頭上を通り、夕陽に染まる後ろ姿をこちらに晒していた。
「一体どこに…あぁ、国防総省か」
ここからは見えない五角形の建物を思い浮かべながら、席に戻る。コーヒーを一口飲んで、タブレットへと意識を戻した。
2024年2月、トラスト地方。
戦火真っただ中のこの場所で、
チェコ最高の狙撃手のライラ・ニーニコスキは
窓一つない部屋の中で同じく精鋭兵と共に簡素なパイプ椅子に座っていた。
その視線の先では、壁に設置されたスクリーンを操作している
彼女の上官… ハンネス・コイヴランタ少将が立っている。
「やあ、諸君。 わざわざ遠くからここに来てくれてありがとう。
早速だが、今回の作戦のブリーフィングを始めさせてもらう…」
リモコンのボタンを押すと、、
少将はこの精鋭たちにブリーフィングを始めた。
スクリーンに、不鮮明な中国系の一人の写真が映し出される。
「まず…今回の標的、刘梓萱(リウ ズシュエン)だ。
今のうちに顔を覚えておくといい」」
「刘梓萱? 誰だ、そいつは?」
ライラの隣に座っている、一人のビリー・ゼイン似の男が質問する。
すぐさま少将が回答した。
「ああ、すまん。説明を間違えた…
最近チェコ軍でよく噂されている「南昌の暗殺者」の事だ。
情報部がどっかから本名を見つけてきたらしい。」
「あの、見えない所から正確に敵を射抜くとか言う「南昌の暗殺者」か?
てっきりプロパガンダかと思ってたぜ」
「今回の標的はそのプロパガンダだ。
上層部もただの噂だと思っていたんだが、スパイが向こうの政府官僚から聞きだしてきてな…
後で説明するが、証拠もちゃんとある。」
「でも、いる場所が分からないですよね?
いったいどうやって見つけるんですか?」
今度はライラが質問する。
「使用銃だ」
「…使用銃?」
「標的は鹵獲品のチェコ製のCz.07対物ライフルを使ってる。
14.5㎜弾を使用する大型の銃で、その薬莢をうちの空挺兵が先日発見した…
龍虎山、要は山岳地帯でな」
「…山岳地帯であの銃を?
二組に分解しなければ持ち運べないほど重い銃ですけど…」
「それがな、どうやら…
あー… 彼女は、人間じゃないらしい」
「人間じゃない?」
「どういう事だ? まさか嘘じゃないだろうな」
「そんなことあり得るのか? ここはマンガじゃないぜ」
口々に声が上がるが、それをさえぎるように少将が言った。
「最初は私も嘘だと思っていたんだが…現地部隊の話を聞くにどうやら本当らしい。
現に、チェコ空軍の無人偵察機がそれを一人で持ち運ぶ様子を撮影してる。」
「それで殺せなかったんですか?」
「いや、直後に撃墜された。
エンジンを対物ライフルで撃ちぬかれたと説明してる。」
「…その人、本当に人間なんですか?」
「ああ…さっきも言ったが、人間じゃない。
人外とか、そういう類の奴らしい。」
「成程…だから、私を含めて色々な部隊から精鋭狙撃手が引き抜かれたんですか」
色褪せたベレー帽をかぶった、初老のランディ・クートゥア似の男が言った。
「ええ、その通りです。
場所は高地地帯で、通常とは環境が違う。
そこで、軍の上層部はこんな場所でも狙撃ができる
精鋭狙撃手チームを編成しました。
…それで、現地で指揮を執ってもらうのが貴方と言うわけです」
少将が敬意を表しながら回答した。
「さて…それでは、今回の作戦に参加する隊員を紹介させてもらう。
えーと、右から…
チェコ最高の狙撃手、ライラ・ニーニコスキ。
(ニョック・リ似(フルメタル・ジャケットのベトコン狙撃兵))
空挺軍所属のマークスマン、エルヴィーン・ロハーチェク。(アントニオ・バンデラス似)
担当は狙撃手。
海兵隊偵察部隊所属の精鋭兵、デニス・シュルツ。(ビリー・ゼイン似)
担当はポイントマン。
特殊部隊員、ラドヴァン・シュチェルバ。(ケラン・ラッツ似)
担当は衛生兵。
高地部隊所属のグエン・ヴァン・クアン、(タイ・ホア似)
それと現地ベテラン狙撃手、チャン・バー・ビエン。(クアン・ス似)
両者とも担当はスポッターだ。
最後にチェコ軍教官、テオドル・リネク。(初老、ランディ・クートゥア似)
担当は現地作戦指揮。」
「たった7人? 少なすぎませんか?」
「安心しろ、ライラ。
コマンド迫撃砲装備の一個中隊を護衛に着けておくから、
機関銃手や通信兵、衛生兵とかはこっから引っ張ってくるといい。
それから…」
「それから?」
「あー、驚かないで聞いてほしいんだが…
今回の作戦に当たって、こっちも人外を投入することが決定した」
正体を現したな!チェコの人外め!!!
いろいろ人外が増えてきましたね()
南昌昌北国際空港の滑走路にて各国の輪送機が次々と着陸していき、その光景はあたかも流れる水滴のようだった。それらは今では貨物ターミナルに整然と並んでいる。機体にはモルトラヴィス帝国や北米独立国家連合を始めとした各国のの国章が刻まれ、それぞれの企業の紋章の付いた航空貨物を次から次へと吐き出していく。輸送機の砲銀色よりもそれぞれの紋章の色の方が輝いていた。
また木箱と一緒に各企業の代表者らもやって来て、欧人の監督の下、大勢の国家憲兵隊員や华人の男達が忙しなく動き回っていた。福建の港湾労働者や人夫がターミナルの影から用心深く見守る中、男達は手際良くトラックに貨物を積み込んでいっている。その様子は工場のベルトコンベア宛らの光景であった。
南昌内部ではバスやリムジンそして国憲隊のトラックで構成された車列が空っぽとなったの前に停車し、の紋章は度重なる雨や日光でコンクリートに染み込まずくっきりと見えていた。珠人と欧人は恐ろしき兵隊に護られながら欧州の男達と共に新しい巣穴に入り、南昌の街角に潜り込んで行く。
その夜、南昌のエリート達は集まりの企業の社長らを迎えた。
「お集りの皆様に乾杯」
と楊煌明は明らかに疲れ切っている様子で乾杯の音頭を挙げ、まるで練習していたかのような感性もその疲れの様子を完全には拭え切れなかった。各社の代表がそれぞれの意思で握手をし、シャンパンを片手に談話をする中、マクスフェルド大佐は減多に見せる事のない笑顔を浮かべており、その笑顔を見た翁敬黎はついにその場から去り彼らに対する不満の声を漏らした。
企業国家はまだ生きている。
・楊煌明(よう こうめい)
福江国(元トラスト)の行政長官。合理化による経済成長を目指し翁敬黎と対立している。
モデルは井深大
・マクスフェルド大佐
福江国家憲兵隊の司令官。在中利軍襲撃事件にてWOLF勢力の対処をした。
・翁敬黎(おう けいれい)
楊煌明の旧友。現在では福江国の国家方針の相違により仲違いし、現地人に寄り添った政治を支持している。
マクスフェルドの笑顔を見て不満を言ったのは他国企業の更なる進出により現地人の労働環境が悪化する可能性を思ってこと。
モデルは盛田昭夫
詳しくは個人設定スレをご覧ください。
人というのは自分たちと違う少数派を虐げたい、という考えがあるのだと私は思っている。そんな中、私はとある青年を見つけた。少数派であり、過去に過ちを犯し嫌われたがそれでもなお懸命に生きている。
「手がぶれてんなぁ~」
『焦りすぎだ。タイムアタックでも落ち着いてやるべき』
「そうなんだ…って社長さん!?」
青年は驚いた顔でこちらを見る。耳と尻尾を伸ばして
『顔に焦りが見えたぞ。それでも狙撃手か?落ち着いて狙え。お前の腕だったらやれる』
「分かりました。それと今お時間よろしいでしょうか?」
『問題ない。何か用か?』
彼はハンドガンをホルスターにしまう。
「社長さんは……なぜ僕を会社に招待したのですか?」
『……』
予想外の質問に私は思わず困惑した
「どこの国でも会社でもいいです。不祥事を起こして、世界の敵のような立場になった僕を雇うところってふつうありますかね?」
『…だとしたらうちが異常なだけだな』
笑って答える。彼もつられて笑う。
『傭兵としてみるならこの行動は一ドルのお金にもならないが…人として見るなら話は別だからな』
「…そうですよね。僕らの会社は普通の傭兵とは一味やふた味が違いますからね」
彼は立ち上がったラックに立てかけていた銃をかたずけ始める。
「この後新部隊での訓練がありますのでそろそろ行きますね。自分から呼び止めてあれなんですけど…」
『いいんだ。社員の心のよりどころにも慣れないと社長失格だからな』
彼はバックを背負い、射撃訓練場のドアを開ける。
「それでは行ってきます」
『あぁ、いってこい』
彼はドアをくぐり新設部隊の訓練に向かうべく、連絡通路を走っていった。
彼の名前は月夜仁。少数でありながらも懸命に生きてるしがないと自称する狼傭兵だ。
シェーン・レミックは、実に平凡な男だった。ある時までは。そこそこの大学を出てから、就職をしようとしたものの、彼は日々の生活から何かが足りないと感じた。「刺激」である。生と死の間を綱渡りし、一歩踏み間違えれば深淵に転げ落ちるところでタップダンスをする。そんな「刺激」を彼は欲していた。
そこからは早かった。まずは州軍広報センターの門を叩き、ニューヨーク州軍で2年間訓練と警備を行った。そして今、彼は州軍から引き抜かれてイラク・サウジ国境付近にいた。肩書はこうだ。『北アメリカ陸軍第6歩兵師団第42歩兵大隊E中隊第17分遣隊長』
強い風が砂を巻き上げ、汗ばんだ肌に少し張り付く。双眼鏡から覗くサウジ方向の景色には、アルゴン第三帝国陸軍の戦車部隊が映る。レミックの隣には部下であるスティール軍曹が同じように双眼鏡を覗いていた。
「なんと言うか…第三帝国陸軍というのは…不思議な雰囲気ですよね。不気味というか、かっこいいと言うか」
「ジャパニーズアニメの秘密組織みたいだな。LAHMV の燃料はどのくらいある?」
「ここから最寄りのキャンプ・デルタアルファまでなら」
レミックは双眼鏡から目を離し、時計に目をやる。短針は14:00を指していた。
「そろそろ戻る。全員呼んでとっとと帰ろうか」
「了解です少尉」
小さく頷くスティールを横目に、双眼鏡をしまって支給されたM6(プロジェクト時XM6.8)のスリングベルトに肩を通す。置いてあったバッグを背負い、20m離れた車両に向けて歩き出しながら無線で伝える。
「こちらチャーリー1アクチュアル。車両に戻れ、2分後にRTB」
言い終わると同時に空から聞こえる音に気づき、ヘルメットで重量が増した頭を動かす。
「空ってのは羨ましいもんだ。ゴミの掃き溜めみてぇな地上を見ることなく、悠々と飛びやがる。楽そうなもんだよな」
CAPをしているのか、我が物顔で空を漂う空軍のF-13CXを見て、レミックはそんな羨望とも憧れとも似つかない感情を抱いた。漆黒の戦車達が進軍を始めるところを尻目に、砂丘を去る。
どこぞのパイロット「航空機ってのは落ちたら終わりなんだ」
…エスコン0かなんかのセリフだった気がするんですが、うろ覚えなので教えてくれると助かります()
エリッヒ・ヒレンベランドさん、「シュネー1」さんの言葉ですね。彼の戦闘機乗りとしての生き様はかっちょいいですね…
(*゚Д゚)オォォ...クォレハ。
アルゴンの良さをよく分かっているじゃないですか(自賛)