前の説明だけだと単なる鬼コーチのいじめと誤解されそうなので、もう少し詳細に解説します。
>今のギア比では、キツイ坂が上れないため、今のギア比で良いのか、鍛錬の問題なのか相談
とのことでしたが本当の質問は「キツイ坂が速く登れないため」しかも狙っているタイムはレコードクラスとのことなので、そのためのベスト対策を提案しています。
自転車で速く走る大きな対策は3つあります。
1.機材交換で重量を軽くする。
特にタイヤ、リムなどホイールの回転関係の軽量化が効果大。
しかし、これは金がかかります。一番安くて効果的なラテックスチューブ化でも1本2000円、前後で4000円かかります。レース決戦機材は高価ですが耐久性はなく、そのレースだけ持てば十分というものが多く、ラテックスチューブも耐久性はありません。
そして空気が抜けます。チューブを入れる整備ミスでも簡単に穴があきます。
これらは軽いリムなども共通で決戦時だけ持てばいいという作りです。
ヒルクライムに特化した軽量ロードを組めば最低でも50万はかかります。
tour-neyさんの思いが、そこまで金を投資してでも達成したいものならやればいいと思いますが、以前にTCRもVIPERで首や肩が痛くて乗れないという結果があり、現在のマイパラス501改に至っているので、100万投資してヒルクライム用ロードを組んでも結果は出せずドブ捨てになるかもしれません。まあ4000円のドブ捨てで済むラテックスチューブ(1本30g)前後交換位でやめておいた方がいいと思います。
2.空気抵抗を減らす。
自転車のエネルギーは70%以上が空気抵抗のために使われます。前面投影面積を減らすのが効果大。具体的には前傾姿勢(ハンドルを下げ、頭を下げる)Qファクターを狭くし前後ハブも狭くする、足の毛を剃り、着る服もツルツルの空気が滑るものを着る。
まず前傾姿勢ですが、そもそもロードに乗るのが苦痛でマイパラス501を選んだ時点でハンドルを下げることは無理で対策としてツルツルのヘルメットと服を使う位。これらも持ってなければ購入しなければならない、しかも値段は5万位します。まあやってもいいですが時間短縮はほとんどありません。
3.自転車を速く走れる形に整備する。
1、2はお金がかかり、プロが賞金もらうなど元が取れるなら挑戦してもいいですが個人の道楽でやるには労多く益少なし。特にtour-neyさんはロードの姿勢が無理なので、やれることはこの3しかありません。マイパラス501のような9980円の剛性のない鉄フレームで100万200万かけたヒルクライムロードが出したタイムを破りたいということですから、普通のことやってても絶対不可能。じゃ無理なのか?というと、それができちゃうところが自転車の面白いところ。その方法を上で提案しました。
世の中の最速自転車は固定ギアピスト
これはバンク上の話ではなく街道でも同じ、部品点数も最小で幅も狭く、自転車を最速で走らせたいならピスト化しかない。そして登り坂を速く登るのもピストが最速です。実際に固定ギアで坂を登ってみれば、どれだけ速く登れるか実感できます。
ここからはまさしく本題
>[相談] ヒルクライムに必要なギア比を知りたい
ギア比は最低3.0倍です。45×15、36×12でもいい。ただ同じ3倍でも実際に走ると45×15の方が軽い。アワーレコードの自転車が前60のような大きなギアを使うのは走行が軽いからです。これは実際にタイムトライアルなど実走してみれば体験できます。
僕の今までの体験では固定ギア3倍が坂で失速しない最低ギア比です。これより軽くなると加速が足りなくなり遅くなる。重いのはOKだけど頂上まで走りきれるかどうか?
僕は45×15で20kmの峠も東京大阪ノンストップランもできた(途中箱根も登った)
固定ギアはとても速く走れる、昔だるま自転車という前輪が大きく固定ペダルがついた自転車がありました。このだるま自転車で20km走ったことがあります、ペダルを回すタイミングが難しいのとハンドル操作が難解ですが、そこさえマスターすれば結構な速度で走れます。150年位まえにだるま自転車でレースやってたというのがわかる。
固定ギアはペダルが上がってくる、これが加速する時に最強の武器になります。
競輪選手は年1回自転車競技の全日本選手権を行いますが、僕の師匠の時代は全プロ大会のロードを競輪ピストで走っていました。流石に世界選手権ではピストは使わずロード使ってましたけど・・・、日本国内の大会ではピストで200km走ってた。
人類が発明した最速自転車はピスト、だからレコード狙うにはピストしかない。アワーレコードをロードで出したなんて話は聞いたことがない。固定ギアが最速です。ロードで3倍のギア比は重いけどピストで3倍のギア比は軽い。その違いが最速を生みます。
(注意点)マイパラス501でレコードを狙うというのは最初から無茶な話で普通のことをやってても出るわけがない、そして普通じゃないことをやる時はリスクが伴います。下手な乗り方すれば膝を故障したり腰を壊したり身体に負担がきます。固定ギアは美しいペダリングを要求されます。フリーに甘えたデタラメペダリングでは通用しません。
フリーだとフラペでも引き足使えますが固定ギアは振り落とされます。だから足はペダルに固定しなければ走れない、しかし固定すると信号で止まる時でもペダルに押し上げられて自転車から放り出されます。中途半端な覚悟でやると大けがするので覚悟のない人にはお薦めしません。死ぬか生きるかの限界追求なしでレコードが出るわけがなく誰でも出せる平凡でいいなら挑戦する必要もありません。挑戦した後には真っ白な灰しか残らない真剣勝負でやってください。
覚悟のない人はこっち側の世界には来ない方がいいです。
美容と健康で自転車乗るだけなら、まったく必要ない挑戦です。身体壊さないでね。
僕がよく行く峠 ベストタイムは39分 10年以上前に出した。
ロードで登ると45分以内に登ってた。2年位前から、この峠行くのやめた。ほとんど毎日走ってたけど最近は年に数回、そしてタイムも見なくなった。
行かなくなった理由は1.危険 道を知らない自動車がナビに誘導され入ってくる、道幅が狭いので自動車が入ってくると避けるスペースがないので正面衝突しかない。2.異常気象で落石倒木崖崩れが増え、道路の補修もされない、そのためタイヤが切れ、すり減り、BBは泥だらけ、機材の故障とタイヤ代など部品代がかかり、ボトルやライトも何度も崖に落下させ、費用負担が大きくなった。美容と健康でそこまでして走る意味あるのかと考え、やめた。サイクリングロードなど平坦路走ってればタイヤは減らないし機材も長持ちメンテも楽、正面衝突のリスクもない。こわい思いもしなくていい。だから今は年数回しか行かない。
毎日行ってた頃は45分は「おそい」と思った。クロスなら一番遅い時で50分、昨日はロードで51分。クロスの一番遅い時より遅かった、体感的にはそんなに遅く走ったつもりはないんだけどタイムは「速く」と脅迫しないとすぐ落ちる。時計も速度もみなくて、ナマケモノ走法で楽に登ってるだけなら51分は妥当な時間。最速を意識して秒単位で縮めにいってた時は1分遅いとものすごく遅く思った、今は時間みないから1分なんてどうでもいい、景色見て鼻歌で登ってる、息が上がることなんてない、長坂古道みたいな穴だらけや暗峠みたいな激坂じゃなければ、34×28くらいのギアで景色みて走ってれば頂上着きます。10%位までの坂で楽を優先して登れば、息切れして途中で止まることはないです。
速度を優先すれば平坦千mタイムトライアルでもぶっ倒れます。それはギア比も自転車も関係ない話。倒れるように走ったから倒れた。それだけです。このコース楽に走って倒れるほど角度がきつい難コースには見えないので、僕からは「楽に走ればいいだけじゃないの」としか言えません。
木曽谷はめっちゃ厳しいところもあったので行って見ないとわかりませんけど、たぶん足つき無しでマイパラス702でも走破できると思ってます。また機会があれば一度走りに行きます。速く走りレコード狙いたいなら、ピスト固定ギア化、ただ足つきなしで走りたいだけなら、今のままでナマケモノ走法で楽に走ってください。くれぐれも故障や危険には気をつけて。