自転車道場

フレームの精度と適正サイズ / 209

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ディープインパクト 2024/09/22 (日) 19:55:19

クオリア44さん
ヘラーマンさんの実験?が殆ど無意味な理由を説明しておきましょう。
リアアクスルを路面に対して垂直方向に動かしちゃうと、タイヤ外周部ではキャリパーで観測されると数値よりも大きく垂直方向にズレます。とりあえず、コレを1.2倍としましょうか。

で、コレをタイヤの接地面を基準に考えると、左右で その2倍のズレます。

そして、人が乗るシステムとして、この状態を捉えると、手放し走行で上体を立てると、頭の位置はタイヤ直径の3倍ほどになりますから、タイヤ接地面からの横方向のズレも比例によって3倍になります。

さて、接地面を基準に考えた場合、キャリパー部で観測されるズレが手放し走行の人の頭の位置でどれだけズレるか?を計算すると、1.2 ×2×3=7.2倍に拡大しますね。

実際には、手放し走行だと大半の荷重はリアにかかりますから、フロント側が塗面に対して垂直から傾いて、フロントホイールに舵角が付いて走行する車体は曲がります。

そして、コレを上体だけで修正して直進を保とうとする場合には、サドルの上の上体だけを傾けて行うので、先ほど計算された頭の位置の接地面を基準とした時の左右方向のズレの2倍、動かす必要があります。
つまり、観測されたズレの7.2倍の2倍の14.4倍、動かす必要があります。

これで誰にも理解出来たと思うのですが、リアアクスルを路面に対して垂直方向に動かしちゃうと、直進性に滅茶苦茶に影響があり過ぎるので、フレームの製品公差の範囲内のズレが乗っただけで分かる、なんて言うのならば、垂直方向にズラすならば、セッティングするズレは、せめて今回の10分の1以下でないと、全く意味は無いのです。

私が最初に、路面に対して水平方向と垂直方向と分けてズレを設定する為にトラックエンドのピストバイクを用意しましょう、と言ったのは、垂直方向にズラすと直進性の変化を誰でも簡単に分かっちゃう事を予め知ってたからです。

で、私が昔読んだ記事でズラす方向を横方向だけに設定してたのも、おそらくは同じ理由です。

私は、正爪のエンドのトライアスロンバイク、ファットバイクを持っていますが、クイックの固定が甘い時、ディスクブレーキでリアを強くかけた時に、大きく水平方向にハブがズレちゃう事があるんですが、ヘロヘロに疲れてると、ズレた事を全然気付かないので、経験的にも水平方向の変化だけなら直進性に影響は少ないのは知っていました。

さて、実はこの「乗る人まで含めたシステムとして捉える」場合、人の乗車姿勢が完全に左右対象でない場合には、たとえ自転車の精度が完璧でも、手放し走行だと僅かに車体が傾いて、フロントタイヤに舵角が付いちゃいます。
おそらくは、サドルの着座位置が1mm以下でもズレれば影響が出ます。

乗り馴れた車体なら、殆どズレる事は有りませんが、そうじゃないと十分にあり得ます。

さらに、垂直方向の精度さえ出てれば、乗る人を含めたシステム、が多少は重量とかが左右非対称でも直進するので、手放し走行でも 普通に走っても、フレーム精度が完全に出てる事は感知不能です。

また、カーボンフレームは質量が小さいので、人の左右差を起因とする操縦性の変化に金属フレームよりも大きく影響が出る事が予想されます。
で、コレをフレームのせいだと十分に誤認し得る。

というか訳で、これで全ての疑問がエレガントに説明出来たと思います。

図に描きました。画像1

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