クオリア44さん
https://cyclestyle.net/article/2012/03/15/6054.html
実は、かなり昔でも、実走行に於ける詳細なフレームの特性測定は可能で、ソレに基づいて開発、製造された初期の おそらくは結構な左右の剛性が非対称に設定されたフレームが、何の問題も無くピシッと真っ直ぐ走ると、ベラボウな経験を持つプロの自転車ジャーナリストがメーカーの広告に無関係な場で断言しています。
ドライブサイドがノンドライブサイドよりも相当に重い自転車のフレームの左右の重量差が走行特性の左右差に影響するとは理論的に有り得ないので、評価者の客観的なポテンシャルを勘案すれば、カーボンフレームに測定が困難な走行特性の左右差がある、という意見は、やっぱり どう考えても幻想でしかありません。
そもそも、人が乗るシステムとしてのロードバイクには、人の側に間違いなく少なく無い左右の差があるので、もし何かが感じられると思うならば、人が起点とした何かが原因で、自転車のが原因じゃない、以外の論理的な結論は存在し得ません。
さらに そもそも、道路自体が平面ではあり得ず、全ての道路はカマボコ型に傾斜していますし、風が完全に無風というのも、ほぼ有り得ません。これらの要因は間違いなく走行特性の左右差に影響してます。
仮説として、人が起点となる走行特性の左右差を誘発しやすいジオメトリーとかあって、ソレを誤認してるだけかもしれません。
で、前にも書いた様に、同じ車体を「重心のズレ」が感知出来ると主張する何人かの人が、互いにコミュニケーションを取れない状況で、異なる場所で、感知出来る「ズレ」とやらの方向と量の評価をしてみて結果を 突き合わせて見れば良いと思います。
万が一、意味ある傾向が得られれば、ソレは評価出来ます。私は、そんな結果が出る事を一切信じていませんけど。
人の感覚は特定の条件では微細な差を検知出来る一方で、簡単に騙されたりします。
超精密加工が人の手で行われてるというのは、何に限らず、全然珍しい事じゃないですが、超精密と評価出来るのは、超精密な計測器の支援で作業してるからで、人の感覚の方が優れてる訳じゃありません。
以前、旧タイプのポリマーコーティングケーブルの作動が怪しいという現象が報告された時、その原因はコーティングの磨耗による寸法変化だという意見が多かったのですが、私はソレを原因は特定出来ないが絶対に違うと指摘して、後に詳細な観察と比較実験で、剥がれてアウター内に残ったコーティングとインナーケーブルの残ったコーティングが、互いに張り付いて摩擦が増大する為だと特定しました。
原因は寸法じゃなくて不安定な摩擦だった訳ですが、私を含めて、コレが最初から明確に感知出来た人は誰もいませんでした。
という訳で、私は自分を含めて、人間の感覚を信じ切ってる訳じゃありませんので、ソレを根拠とする仮説も全然信じてません。