自転車道場

社用車製作 / 33

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ディープインパクト 2024/07/25 (木) 23:32:46 >> 5

社用車実際に使って頂いて、かなり好評です。軽い、安定している、乗りやすい、今のとこ、特に改善すべき点はありません。

僕は自転車に限らず人に頼まれることが多く、頼まれたことはベストを尽くし結果を出します。その結果を見た人がまた僕に頼んでくるという循環で仕事が増え続けますけど、最近は時間に限界があり、よっぽどの知り合い以外は引き受けないようにしています。

たとえば何件も自転車屋に持っていったけど直らなかった、直して欲しいと持ってくる、友達の友達みたいな人だとよく知らないし、知らないと断ってもいいし、他の自転車屋に持って行けばと突き放してもいいです。しかし自転車屋のレベルは僕が一番よく知っていますし、3軒回って1万円ほど損して、最後の頼みの綱で僕のとこへ持ってきて、そういう人に「自転車屋持っていって直してもらったら」なんて責任感のかけらもないようなことを僕は言えません。

それで直してあげます。すごい直ったと感激してもらえば、それでいいです。
僕は手間賃などはもらわないし使った部品代だけ実費もらうだけで得することはありませんが、僕も小学生や中学生の時に、いろいろな達人や変人のおじさん、メカニックや選手の人たちに様々なことを教えてもらいました。それらの人たちは何の利益を得ることもなく、僕みたいな変なガキに全力で技術を伝えてくれ、そういう延長に今の僕があります。

みんなに共通していることは「自転車が好き」お金の話ばかりが先行する、くだらない世界で、どんな安物自転車でも、どんなボロ自転車でも、最高の整備をして、120%の性能を発揮させて走らせる。自転車が喜んでいる、そんな姿で走らせたい、喜んでいる自転車に乗れば、人も笑顔になります。

人に頼まれることがない人は逃げることができます。しかし明日のレースの決戦ホイールを組んでくれと頼まれて「自転車屋で作ってもらったら」みたいなアホな回答はないです。他の誰でもなく僕が作った自転車で生死を賭けて戦いたいと頼んできている相手には僕も命を賭けて期待に応えるしかありません。これ以上のものは誰も作れないというところまで完成度を上げて作るしかありません。まず最初に覚悟を決める、逃げるという選択はありません。
 失敗すれば責任をとって腹を切る、これは言葉の遊びでも比喩でもなく、真剣勝負の世界での信頼関係は覚悟のない人間とは築けないので、本当にそう思って作ってきました。腹を切るというのは自殺ではなく、死を恐れて、生きることをためらうのではなく、死ぬ可能性があっても、生きることを最大限貫くということです。すごい緊張感と張り詰めた空気の中で整備していました。
 だから僕に頼んでくる人がいます。

 この社用車も半端な気持ちでは作っていません。
 半端じゃない自転車がどういうものか、それが少しでも伝わって自転車を好きになってくれる人が増えればいいなと思います。

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