skogenさん
ブレーキの整備は非実践ですが、金属表面の話は机上の空論では無いですよ。
昔、技術者としてやった実験で、手と足と頭と鼻を使って得た経験と知識に基づいています。
上の書き込みでは潤滑の問題の本質部分を説明していますが、なんせ原子レベルの世界の話なので普通の人が想像するスケールとは違いすぎたかも知れません。まぁ、そういう世界もあるんだ、ぐらいで読んで下さい。^^;これだけでは、情報ゼロなのでちょっと無駄話を。
実際にモノを扱う世界に住む人で、ホコリとか汚れを軽視する人はまず居ないと思います。実験をやったことがある人なら、予期せぬ汚れで大抵は何度か失敗しています。試料が何かに触れて汚れが付いて失敗というのは良くある話です。
私はホコリの付着については専門では無いのですが、表面を扱う場合はとても重要な問題なので、多少の経験と知識を持っています。ただ、潤滑にも関係する表面の世界だとホコリのサイズが小さすぎて、、、除去がとても難しい。小さなホコリを取り除くのが難しいのは、当たり前のようで当たり前では無いかも知れません。その究極が非潤滑面の被膜です。私が居た世界では、目で見えるホコリは問題にはしません。簡単に除去できるので。
その一方で、面白い(?)のは、科学技術が進み過ぎたせいか、そういう目で見えるホコリを無視する人が居ることです。いまは装置とかが出す数字が幅を利かせてて、自分の目で見ようとしないんですよね。私自身、そういうホコリで2年ぐらい無駄な時間を費やした経験があるので、問題があれば目を凝らして扱っているモノを見るのが先だと思うんですけどね。
目に見えないものを相手にするなんて、あまり身近の話では無いと思うかも知れませんが、そんな事は無くて、プロの料理人が目に見えない病原体を相手にするのに似ています。家庭でも食材の汚染に注意して料理する人は多いでしょうから、そう意外でも無いかな。セントラルキッチン方式だとそういう意識が無くても食中毒は出さないのかも知れませんね。これも、目に見えるホコリを気にしない人が増えたという話と近いかも知れません。
もう少しダイレクトに書きますね。
ここで言われている「油を使わない」というのは、私の感覚では「油を使っている」という状態と同じなんです。
普通の人がパーツを拭くのは、「適度に表面を炭化水素(油)でコーティングする」操作になっています。金属表面が油でコーティングされないようにするのは、とても難しいです。
どうやるのか。厳密な意味で潤滑油を使わない金属表面の状態は、清浄な金属表面を出した状態なんですが、それは物理的・化学的洗浄した金属表面を真空中に置き、適度に加熱した時に得られる状態です。
もちろんそんな処理を自転車パーツでやる人は居ないでしょう。例えやったとしても、空気中に戻せばすぐに何かが表面に付着します。分子レベルの厚さの被膜ができます。それが硫黄なら、あるいは酸化被膜なら、金属表面が摩耗する可能性が高くなります。
普通の人が行うレベルの洗浄なら、油を使った後に綺麗に拭き上げた後に得られた金属表面と、油を使わずに拭き上げた金属表面は大差ありません。
でも、どうやらここで出ている話は、油で濡れたむき出しの金属表面を作り、それを長期間放置するような整備はダメだよって話みたいですね。そりゃそうでしょうね。。。私の感覚がちょっとずれてたかも知れません。(いや、大ズレだって ^^;)