自転車道場

ブレーキの整備 / 41

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ディープインパクト 2024/09/11 (水) 21:20:46

自転車屋の完成車を買ってくると100%整備をやり直す箇所があります。99%ではなく100%。ママチャリ、ロードバイク、電動アシスト、すべての自転車で100%やり直し。
それがブレーキ整備です。
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どうしてこんな使えない整備するのかなと長年不思議でしたが、最近謎が解けました。自転車整備士の試験というのがあり、その実技テストの正解が「この自転車屋レベルのブレーキ整備」でした。
自転車道場にも「自転車屋レベルのブレーキ整備で被害を受けた人の相談が来ています」
ロードバイク初心者です。ブレーキで悩んでいます。https://zawazawa.jp/dojo/topic/50

*一部抜粋*
自転車は必要のないのにつけてていい部品というものは存在しません。必要がなければ外して使わない。必要なら使う。完璧なものを作って最高の安全を手に入れるのか、自転車屋レベルで妥協し、必要のない害のある部品を使い続け、ケガしてから反省して最高のものにチャレンジするのか、整備に必要なものは「不退転の覚悟」であり、困ったら自転車屋に逃げ込もうなどと考えるレベルなら、最初から何もせず、自転車屋に丸投げして「自転車屋レベル以下で乗り続ける」
中途半端が一番危なく、自転車にとっても自分にとっても最悪です。
そして、その中途半端な知識、スキル、経験しかないレベルで、まだやってもいないことの結果をわかったなどと「思い込まないこと」

昭和平成さんの急ブレーキの練習もたぶん「自転車屋レベルのブレーキ整備が原因」と僕は思っています。レバー握ってシューが当たる位置のハンドルとの開きを測ればわかります。
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僕の整備したブレーキのレバー開き写真をアップします。
最大50mm 最小20mm前後です。*最小=握ってシューが当たる位置でのハンドルとレバー間距離。
50mm~20mmの間をレバーは動きます。このレバーの動作範囲がどのくらいあるかで、ブレーキの軽さ、コントロール性能、効きが変わります。
自転車屋レベルのブレーキ整備だと最小開きは30mm以上あります。

基本的なことを書きます。
自転車はブレーキを使わないで走るのが一番安全で安定します。ブレーキをかけると走行が不安定になります。ブレーキの効き具合を細かく0%~100%まで1%づつ変化させて使えるようなブレーキは優秀で0%・70%・100%のような3段階くらいしかない感じのものは最低です。

自転車のブレーキの最大の目的は停止ではなく減速です。速度を1km単位で減速するようなコントロールが理想です。では最大50mm最小20mmのレバー調整と最大50mm最小30mmのレバーではどちらが細かくブレーキをコントロールできるでしょうか?

また人間の手はパーに近くなるほど握力が弱くなり、グーになればなるほど強くなります。開きが大きいと手はパー状態になり、必死で握らないと効きません。「自転車屋レベルのブレーキ整備」では常に必死に強い力で握ろうと走っています。

僕の整備したブレーキだとふわっと指に力を入れて少しだけシューを押すという走りができるので、あまり力を必要とせず余裕を持って走れます。

ブレーキに影響が大きい部品を並べると1.ブレーキレバー、2.ブレーキシュー 3.ブレーキ本体 4.ワイヤー類。レバーも本体も材質が弱くてたわむと力が逃げ、ブレーキ性能を落とします。
 整備でマイナスになるのは1.抵抗の大きいワイヤリングと2.握れないレバーです。握れないレバーの原因はワイヤーの張りすぎ。

握力の弱い手の小さな女性でも、たわまないレバー&本体でワイヤリングの抵抗を最低限にしてワイヤーをガチガチに張らず、握り切れるように整備してあげれば「同じ自転車とは思えない、ブレーキがうそみたいに軽くてスッと止まれる、乗ってて楽しい」と言う自転車に変身できます。

ただひとつだけ注意点があります。僕のやっている自転車道場レベルのブレーキ整備は、自分の自転車は自分で面倒を見ると覚悟を決めた人だけがやっていい整備です。最小開きを小さくするとシューが減った時はワイヤーを張り直さないと最悪握ってもシューが当たらないということになります。本来ブレーキのワイヤー調整というのは空気圧管理と同じで自転車の調子を見て走りながらでもアジャスターボルトを回して最適化する整備で、ノーメンテで放ったままみたいな人にはとても危険な整備になります。

自転車なんて自転車屋に丸投げ、自分では一切整備しないという人には自転車屋レベルのブレーキ整備の方が安全です。ハブやBBをガチガチに締めて少々ゆるんでも外れないようにしておくのと同じで、シューが減っても大丈夫なようにワイヤーはガチガチに張っておく方が、自分で何もしない人には安全です。

ロードバイクに乗っている人で空気を全く入れたことがないという人はいないと思います。空気圧管理を毎日するのは当たり前の話。同じようにブレーキのワイヤ調整も自転車の変化に合わせて、すぐ行うのも常識。(実際には空気入れほどやる回数はなくシューが減らなければやり直しはありません)

自転車屋レベルのブレーキ整備の最大の欠点はブレーキのコントロールができないこと、握れば即ロック。また力をロスしているので腕が疲れやすい。

一度快適なブレーキ整備を知ると後戻りはできなくなるはず。今まですぐタイヤロックしていたのが、急ブレーキかけてもロックせず制動距離も短くなり安全に走れるのがわかります。
ただしブレーキ整備は危険と隣り合わせなので覚悟のない人にはお薦めしません。

ケガするので自己責任で!

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