クオリア44さん
10速時代には、アルテグラとデュラエースの性能には大差があって、変速のレスポンスも精密感も、圧倒的にデュラエースは優れてました。
コレは、クランク、チェーンリング、ディレイラー、あとブレーキキャリパーなどの材質がアルテグラは6000系のアルミなのに対して、デュラエースは硬い故に加工が困難でコストがかかる7000系のアルミを使用してるので、パーツごとの剛性が高くて、それがそのまま性能差になってたのが主要な理由です。
私は、アルテグラのコンポから一つずつデュラエースに交換して、確認した事があるのですが、リヤディレイラーをデュラエースに替えたら、変速性能がビックリする程向上した経験があります。
コレは、ディレイラーをむんずと掴んで捻ると、アルテグラとデュラエースとでは直接感じる剛性感に大差がある事からも、素直に納得出来ました。
11速コンポでは、其れ程の性能差が無いのは、システムの根本的な見直しで性能を素材の硬度に頼る必要性が薄れたのだと思われます。つまり、何が言いたいのか?と言うと、チェーンの寿命を変速性能の低下で判断するのなら、チェーン以外のコンポの性能差でチェーンの寿命が変わって来ると言う事実です。
なので、10速チェーンは寿命が短いとよく言われますが、10速のアルテグラ以下のグレードのコンポの完成度が低い故に、チェーンが少しの消耗で変速性能の低下が起きてるのであって、チェーン単体の責任では無くて、10速コンポと言うシステムの性能が良く無いのが根本的原因だと考えられます。
もっとも、少なくとも同じ変速数のチェーンとコンポとは完全に一体となってて不可分の要素なので、厳密な検証は無理ですが、先に述べたディレイラーのみ高性能パーツに交換した場合に、明確に変速時のチェーンからの音が静かになりますので、一応の証拠になると思います。
あと、チェーンの劣化に伴う変速性能の低下は、チェーンの伸びじゃあなくて、横方向の柔軟性が増大するのが、その原因だと思います。もっとも、それらを区別しても同じ事実の別の断面に過ぎないので、大して意味はありませんが、起きてる現象の考察には少しだけ役立つかも。