③10mmのボックスドライバ必要ないでしょうか?
必要ないです。写真のようなスタンドや泥よけなどが全部ついている状態で回すのではなく、ハブ芯に何もついていない状態で、しかもハブナットも外し、後輪が前後に動く状態なので、チェーン引きナットは手で回るくらいの状態です。はっきり言ってプライヤーやペンチでも回ります。
どういう状況でナットを回すかで負荷が異なります。写真のような状態で回すことはないので、そんな特殊工具必要ありません。もっと言えばチェーン引きもなくても困りません。そういう部品なので、ここは整備的にはどうでもいいところです。(僕はチェーン引きはうっとおしいので外しています)ハブ芯のナットをきっちり締めていれば後輪が前へ動くことはありません。
工具は手持ちのもので交換可能です。ドライバだけ少し頼りないので、ねじなめないように気をつけて。
ドライバというのは、こういう先だけを交換して使うタイプのものは品質が落ち力加減も難しいので買わない方がいいです。ドライバの命は先端部分の硬度と精度にあります。ここが悪いとねじをつぶします。上にあげたベッセルの+2は品質がよく値段が割安なのでお薦めしました。ベッセルでも、このドライバより下のクラスは硬度が低くてなめやすいです、寿命が短い。この青ドライバより上のものは、さすがベッセルという品質です。
モンキレンチの品質の見分け方は、完全に閉じた時にピタッと締まるかどうか、その時のガタをみればわかります。いいものはピタッと締まって頭がそろい、ガタがありません。もし買うときは、いいもの買ってください。
今回の作業は極限のトルク管理をするものがないので、ダイソースパナでもOKです。ダイソースパナは鉄の材質が悪いので強い力をかけると折れます、8mmや10mmだと、そこまで力かけないですから大丈夫です。折れた時はケガしないように気をつけて。
ホーザンのペンチは僕は使ったことがありません。ペンチは結構こだわってて何種類も買っています、今のとこクニペックスが一番かなと思います。クニペックスで切断するとワイヤカッターよりきれいにきれます。アウターワイヤーやインナーワイヤーは切り方で断面が汚くなります。よく切れるペンチで垂直にスパッと切ればワイヤカッターで切るより美しい仕上げにできます。ワイヤカッターでも斜めに切ったりすると、ひどい断面になります。(ワイヤカッターの使い方を知らない人が多いので正しく使ってね→ワイヤカッターは切り込む角度と速さがポイント)
クニペックスのペンチを使ったら他のペンチは使えなくなるくらい、よく切れます。
道具は正しい使い方で最高の性能を発揮して使いましょう。
そのうち品質の悪い道具はイライラする時期が来るかもしれません。
整備は時間かけて丁寧に完璧に仕上げてください。料理と同じ!がんばって!
ちょっと誤解されるといけないので追加補足。
シングルギアのチェーンの張り調整は、とても難しく最適な張りポイントは非常に狭い範囲の1点です。この張り加減を出す時に、チェーン引きのような荒い部品を挟んでいると、どうしても狂います。僕はチェーンの張り調整を極限まで追い込んでるので、邪魔になるチェーン引き部品は外しています。
ピストではチェーンの張り加減が速度に影響を与えます、真剣勝負で刀研いでるような整備なので、ここは妥協はありません。バンクでタイム計れば数値で出ます。
自転車屋みたいなチェーン張っとけば終わりみたいな整備なら、適当にチェーン引き締めてればいいだけなので、使ってても問題ありません。僕がチェーン引き外しているのは理由があって外しているので誤解のないように。
ぎゃくぱんださんは普通に自転車屋さんと同じ整備してください。