自転車道場

社用車製作 / 20

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ディープインパクト 2024/07/25 (木) 23:23:43 >> 5

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僕は常に書いていますが、改造はやる前より危険になるならやってはダメ、やる前より安全にしなければ改造する意味がない。

今回の製作は改造ではなく製作ですが自転車のことをよく知らない人が誤解することもあるかもしれませんので補足説明をしておきます。

まずフレームを削ったり穴開けたりすることが、ぶっ壊すことのように勘違いしている点について

フレームというのは鉄のパイプや鉄板を切断、溶接、穴開けして作ります。どこのフレーム工房でも削ったり穴開けしたりして作ります。僕が教わった競輪フレームビルダーのおっちゃんは、この作業すべてにこだわりがあり、たとえば5mmの穴を開けるとき、まず最初に1mmのドリルで穴をあけ次に2mmであけ3mm、4mm、5mmと5回開けます。普通の人は5mmのドリルで1回で開けるでしょう。少しの狂いも許せない、それが本物のプロのこだわりです。

僕は小学校から自転車を分解し組み立て、フレームも穴を開けたり削ったりして遊んできました。どこまで削れば壊れるか、そこに穴をあけるとどういう影響が出るか、様々な実験もしました。そしてフレームはどこが折れ、どこが弱く、どこが強いかを学びました。その経験を現在自転車を製作する時に生かしています。

今回フレームはフロントエンドを8mmから9mmへ削り、奥行きを5mm削ってハブ芯を上方向へ持ち上げています。写真1が現在の最終形態です。この写真を見て、どういうことがわかるでしょうか?
まず初期状態よりも、フロントエンド全体の中心部にハブ芯が移動し、そこでハブを固定しているので、最初の状態より、安定し、固定力がアップしています。最初エンドを見た時にフォークの丸いパイプ部分とハブ芯固定軸がずいぶん離れているので、これは削ってパイプに近づければ安定すると思いました。実際に走行実験を行うと予想的中!初期状態より前輪のつかみが強くなり、ブレが少なく安定しました。

軸も8mmより9mmの方が軸強度が強くなります。

つぎにリアブリッジの説明をしましょう、2枚目の写真が現在の最終形態です。
今回リアブリッジに6mmのブレーキ穴を開けました。

競輪ピストのフレームはリアブレーキの穴がありません。そのためブレーキを取り付けるには鉄板2枚ではさんだりします。ピストで使うならそれでもいいのですが、リアブレーキをずっとつけたままで乗り続ける場合、この鉄板いらんなあと思います。じゃあどうすればいいでしょうか?
ブリッジにブレーキ穴を開ければいいだけです。

僕も最初、こんなとこ穴あけたらフレーム壊れるんちゃうのとビビリましたけど、ビルダーのおっちゃんに「ロードはみんな開けてるやろ、そこはフレーム全体でもっとも力がかからんところや」と言われて、穴開けました。こうやってピストをロード化したものを何台か作りました。

次に普通のママチャリのキャリパー化ですが、ママチャリの鉄板は競輪ピストみたいに薄くはなく厚みがあり幅も広いので、穴を開けても余裕の強度があります。今までにブリッジに穴をあけて、そこが原因になりトラブったことは一度もありません。

今回使ったフレームはブリッジがコの字型で上下の鉄板にナットがぴったしくっつき、遊びがなくブレーキ本体も動かないので、ブレーキをかけても安定して制動します。

僕が700cとショートリーチ49mmブレーキにこだわるのは、それが一番安全だからです。
57mmロングリーチブレーキは本体の強度が落ち、それが制動に影響します。もちろん49mmでもテクトロでは材質が悪いのでダメですが、今回4500ティアグラを使って最高の効きにしています。
軽い自転車の方が緊急時の立て直しが出来、ケガを防ぐことができます。重い自転車は倒れかけると立て直すことが困難です。電動自転車は最も危険な自転車です。そして各部品も弱くて動くものは遊びができ動きが安定しません、制御しやすいものは力が分散せず、集中して生かせる部品です。ショートリーチとロングリーチなら、明らかにショートの方が優秀です。

次にブレーキレバーの話をします。今回4000のVブレーキ用レバーを使いました。クラリスレバーはキャリパーとVを切り替えできるので今までキャリパーを使う時はクラリスを使いました。しかし実験の結果ショートリーチキャリパーを23Cで使う場合、Vブレーキ専用の方が引き量が合っていて使いやすいことがわかりました。それでVブレーキ用レバーを使っています。

僕の部品選択は場当たり的にやっているのではなく、試行錯誤して実験し、結果が一番よかった組み合わせで作っています。最後に。これをばらすと自転車屋さんに怒られるかもしれませんが。余興で、みなさんにひとつ質問を出します

このフレームは前後のエンド幅を広げています。自転車知らない人は、エンド幅なんて広げたらフレーム壊れる?とビビルでしょう。確かにアルミやカーボンフレームなら、パキッと折れるかもしれません。また最近の中国製鉄フレームも品質悪いのでヤバイかもしれません(僕もなるべくさわらぬ神に祟りなし主義です)

それでは問題です。
☆みなさんはママチャリの後輪タイヤやチューブをどうやって交換しますか?
ドラムブレーキのねじをすべて外し、チェーン引きを緩め、フロントチェーンカバーを開けてチェーンを外し、後輪を引っ張りだし完全にチェーンを外し、ようやく後輪単体にして交換が可能になります。ママチャリの後ろタイヤ交換は大変な作業です。

ところが自転車屋さんは前輪のタイヤ交換と同じくらいの短時間で後輪のタイヤ交換をします。
チェーンカバーなんて開けないしチェーンも外さず、後輪タイヤの位置もそのままです。

質問◎自転車屋さんは、どうやってママチャリリアタイヤを交換しているのでしょうか??
この交換方法がフレームのエンド幅の話と重要な関係があります。知っている方回答どうぞ。
自転車屋さんの驚くべきタイヤ交換方法とは???・・・・・つづく。

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