鶏 泰造さん R系リヤディレイラーを古いフレームに付ける際の不具合参考事例
BSのディレイラーハンガー。Bテンの当たる爪の位置が前に出ています。 ピナレロFP2のハンガー。Bテンの当たる爪がBSより後ろにあります。 シマノのマニュアルに書かれている取り付け位置関係。 つーか、これですやん(^_^;)。
ポン付けで変速が決まるので気に入っているR7000のリヤメカを、09年のピナレロFP2に付けてみたのですが、調整が決まらなくて難儀しておりました。
10-9-8速(13t-14t-15t)を上りで合わせると下りが悪くなり、ここをほどほどにすると3-4速(23t-21t)の下りが遅れるという症状で、気にしなければ使えるとはいえ、芸術的にはほど遠いレベル。これまで付けた2台は、台上で仮合わせしたらそのまま使えて拍子抜けしたのに、今回は実走でも調整が決まる気配がまったくありません。
ケーブルの取り回しやアウターの座り面など、ぜんぶチェックしても問題はなし。前にいじった機体は両方ともBSのフレームで、今度はピナレロだから、フレームとの相性とかあるんかなぁ?でも相性って何?どこの相性?と、さっぱり分からず困り果てていたのですが、症状から原因を探って対策をしたら、調子良く動くようになりました。
同じギヤ間で上りも下りも悪いというのは、ガイドプーリーとスプロケットが離れすぎているときに出やすい症状で、原因はBテンションボルトの締めすぎです。しかしR系のリヤメカからは、Bテンションボルトが無くなっています。代わりを務めるのが「エンドアジャストボルト」なのですが、これはすでにいっぱいまで緩めてあり、これ以上、ガイドプーリーをスプロケに近づけることはできません。
さて困った。と思って気付いたのが、ディレイラーを取り付ける際に位置決めするポッチの存在。機能的にはひとつ付いていれば良いはずなのに、なぜかふたつ付いており、このどちらをエンドの爪に当てるかで、ガイドプーリーとスプロケットの距離が変わることに気付きました。
付け方を変えるだけなので、費用はゼロだし復元性もあるので、試しにふたつのポッチが爪を跨ぐようにズラしてみたら、あらびっくり。私の知っているRD-R7000に戻りました。
で、エンドを良く見較べてみたら、BSのフレームは爪の位置がボルト穴のほぼ真下にあるのに対し、ピナレロはエンドの後端面とツライチぐらい。これでは同じように取り付けても、ガイドプーリーはスプロケから離れてしまうではないですか。
というわけで、R系のリヤメカを取り付けたのに、マニュアルどおりの取り付け位置ではイマイチ変速調整が決まらない場合、旧Bテンションボルトの当たる爪の位置をチェックして、後ろにあるようならこの方法を試してみて下さい。
ガイドプーリーとスプロケが近づいたので、ロースプロケでチェーン詰まりするようになり、エンドアジャストボルトの出番となりましたが、むしろ「調整機構が生かせる範囲に入った=正規の位置になった」ということでしょう。
この情報、ディーラーマニュアルに書いたほうが良いんじゃないかなシマノさん。