クオリア44さん
その自転車屋レベルの、ブレーキレバーの遊びを小さくする整備は、本来的には間違っていないと思います。私も遊びをギリギリまで小さくセッティングします。
一方で、ディープインパクトさんの言う整備も有効だとは思います。
つまり、通常の人が行う「間違ったレバー操作」に機械の方を合わせてると思うのです。
私は意図的にレバー操作を「引く」と表現します。ディープインパクトさんは「握る」と書きます。ココが問題の本質です。
本来なら、タイヤグリップの限界域で制動力をコントロールするためには、つまりグリップを失う兆候を感じたらレバー入力を緩めて、グリップが戻ったら再度 レバー入力を加えるという繊細な操作は、必ずレバーを引き込むという方法でしか出来ません。
具体的には、親指の付け根でハンドル、ブラケットをフックして、レバーの端のくびれを指の第1関節の硬いところに固定して、手首を下側にひねり込みつつ親指のフックに向けて直線的に引き込むのが本当は正しい操作です。因みに、この正しい操作だと、レバーとハンドルとの距離に操作が依存していないので、手の小さな人でも ちゃんとブレーキを効かせる事が出来ます。
対して、レバーを握り込むと、確かに指が大きく曲がる方が強い力が出せて段階的なコントロールをし易いと感じるかもしれません。
が、レバーの当たる指の位置が動いちゃうし、指の柔らかいところに当たっちゃうので、グリップ限界でレバーの入力調整を行うという極限のコントロールは出来ません。
まあ、この指の柔らかいところで操作する事で危険な急激過ぎる制動力の立ち上がりを防いでいる、とも言えますが。
つまり、究極の操作性を最初から放棄する事でかなうイージーな操作でも比較的安心出来るセッティングとも言え、グリップ限界のコントロールが出来ない人には、より安全かもしれません。
私はタイヤのグリップ限界でのコントロールをオートバイに乗ってた時期に何万回もオフロードで行なっていたので、原理的に同じ自転車でも同様にコントロール出来ますけど、多分、殆どの人は そんな事は出来ないので、間違った操作方法に機械の方を合わせるという方法論は有効だと思います。
因みに、この正しい操作の根本の「精密にレバーを戻す」というのはオートバイの方が より切実な要素で、オートバイではエンジン出力特性がアクセル操作とは完全にシンクロしないので、極低速でバンク中からのスムーズな急加速などの場合に半クラッチで出力をコントロールするのですが、コレは0.1mm単位のレバー操作が必要です。この操作はより滑りやすいオフロードでのモトクロスでも行いますが、多分、アクセルよりも半クラッチ操作の方がスムーズで精密な出力コントロールが出来るとは 普通の人じゃイメージすら出来ないでしょう。
まあ つまり、レバーを握り込むという本来なら間違った操作をしてる限り、精密なコントロールは無理だし、また正しく操作したところで、トレーニングしないとグリップ限界のコントロールは無理だから、遊びを大きく取るのは有効だと思いますが、遊びを小さくするセッティングが良くないと決め付けるのは、絶対に間違いだと思います。