自転車道場

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ディープインパクト 2024/09/14 (土) 01:36:47 修正

 skogenさん
今回は楽な姿勢という事でハンドルを上げるという修正で良いのですが、将来、背筋、腰回りが強くなったらハンドルは下げた方が良いです。

背筋、腰回りの筋力、柔軟性で変わりますし、バランス調整能力とも関係しているので、適した乗車フォームは個人差が大きいのですが、本来は自転車の種類に合ったフォームがあります。

ロードバイクの場合は、前荷重で低重心のほうが楽に走れます。つまり、前傾が深いフォームのほうが向いています。

以下、理屈(いつもながら長文失礼)
フロントホイールが進行方向からそれた場合、働く復元力Fは、荷重L、トレールγ、横方向の加速度をGとすると
F=LγG
という関係があります。つまり、フロントが荷重が大きいほど、トレールが大きいほど大きな復元力が働き、自転車は真っすぐ進もうとします。

もし、ハンドルを上げると荷重は後ろに移動します。結果、復元力が小さくなり、直進安定性が落ちます。大抵の人は、真っ直ぐ進まないロードバイクをハンドルを抑えて止め、真っ直ぐ進ませようとします。あるいは、乗車姿勢を立てて、体を楽にすることで対応しようとします。直感的には正しそうなこの対処は、理にかなってません。

ロードバイクのキャスタートレールは小さく、例えば55mm。クロスバイクは65mm、ママチャリは75mmといった値になります。なので、ロードバイクの復元力Fは小さく、真っ直ぐ進みにくい。

荷重は乗車姿勢で変わり、ママチャリやクロスバイクは乗車姿勢が立っているので、リア荷重になります。そのため荷重バランスから考えると前輪の横加速度に対する復元力が小さくなってしまうため、真っ直ぐ走る自転車になるように、設計ではトレールを大きくします。

ロードバイクは乗車姿勢が前傾していてフロント荷重になることを前提に設計されており、トレールを小さくしても前輪の復元力が確保できます。また、トレールを小さくすると、クイックなハンドリングになり操縦性が上がります。

加えて、体の重心位置とフレームの重心位置はできるだけ近づけたほうが安定性が上がります。重心の前後位置については、ロードバイクの重心はBBの5~10cmぐらい前にあり、クロスバイクやママチャリはBB付近になります。これは、フロント荷重とする傾向と一致してます。つまり、ロードバイクは前荷重、前荷重は後ろ荷重とした方が車体とのずれが小さくなる。

高さ方向はどの自転車も大差無いですが、ロードバイクは軽いため、乗車姿勢が高いと重心位置は高くなります。ママチャリは車体が重いため重心位置の上方への移動は小さくなります。なので、ロードバイクは乗り手の乗車フォームをより低い重心にした方が良いことになります。

話が少し変わって、ヘッドチューブが軽く回るのが良いのも、前輪の直進性を保つためです。これも慣れないと逆に考える人が多く、ハンドルが軽く回ると自転車がふらついて真っ直ぐ進まないんじゃないかと想像しますが、実際は逆です。

自転車の直進安定性は私には最も大事で悩んだ問題で、いろいろ勉強し、経験を重ねたんですが、自分の常識に反することが多いと感じました。ロードバイクが乗り難いと考えて、ママチャリ姿勢に近づけ、いよいよロードバイクが嫌いになり、遠ざかってしまう人は多いんじゃ無いでしょうか。自転車と自分に合った、正しいフォームがある事を知るのは、経験上、とても大事だと思います。

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