クオリア44さん
ポジションの起点となるbbを起点に考えると、シートチューブ角が1度違うと、トップチューブで概ね1cmの差になります。勿論、寝ていると、bbの垂直線上の後半が1cm伸びる計算になります。なので、2度の差が有るviper とToronto を比べると、サドルの前後位置をbbを起点としたポジションで補正すれば、正に手の届く距離が僅かですが逆転します。
それだけで比べれば、Toronto の方が乗りやすいと言う事になります。
私が実質的にほぼ同じポジションになると書いたのは、こう言う意味です。
あと、ヘッドチューブ長は小さいサイズの場合は短めに方がセッティングの自由度が高くて望ましいのですが、Toronto のインテグラルヘッドパーツは、ベアリングがヘッドチューブ長のなかに収まるのに対し、Vipers の普通のアヘッドタイプはチューブの外側に位置するベアリングの分だけ実質的に長くなります。
あと、ダストカバーの厚みも関係しますが、これはToronto はかなり薄そうだしインテグラルタイプだと最薄で3mmのものまでありますから、ヘッドパーツのタイプが違うと、単純に寸法だけを比較出来ません。
ただ、それでも実質的にもviper が短い事は間違い無いです。実質的な寸法差が表示よりは小さいと言うだけです。しかし、ハンドルを下げたい時は、ステムの角度が深いものを使えば、多少長めのヘッドチューブでも何とでもなります。ただ、余りに角度がきついものはロードバイクの文脈からすれば、美しく無いとされ、好まれません。が、Toronto は文脈内のギリギリ25度以下でセッティングが出る筈です。
と言う訳で、Toronto はポジション設定の点では、何も問題有りません。
あとは、tornado は、ヘッドチューブ角やチェーンステイ長、そして表記は有りませんが多分bbハイトが低めで、所謂、コンフォート系のジオメトリーで、ロードバイク本来のキビキビした操縦性でなく、安定寄りになっています。
特に、寝てるヘッドチューブ角は反応性が鈍いので良く無いとする見解が有りますが、実は人の対応力は大したもので、コーナリングの最初の段階で、ハンドルを旋回方向と逆に切るフェイントモーションを無意識に入れる事で、寝てるヘッド角ならではの切れ込んで大きな舵角が付いて、グイグイと曲がる様に感じる事もあり、慣れちゃう人も多くて、実際に乗ってみないと、問題が有るかどうかは分かりません。
レースの場面では、フェイントモーションが間に合わない事が想定され、良く無いのですが、そうじゃなければ、特には問題になる場合は多く有りません。また、この事を含めて、カーボンフレームは各部の剛性を自在に設定出来るので、ジオメトリーの理論通りに、影響が出る訳じゃあ有りません。
トレックのコンフォートモデルのあり得ないbbハイトの数値、ピナレロの一見、手抜きのサイズによってヘッド角がかなり違っても同じオフセットのフォークで済ます仕様も、メーカーには、問題は無いと言う実験結果の解析があっての事です。
なので、Toronto の操縦性も、乗って見れば、末長く気に入って楽しめる可能性もあり、多少のクセを感じても、慣れちゃって、軽量で有る絶対的なメリットの方が有り難く思える事が有るかもしれません。女性用のロードバイクが、大体同じ傾向のジオメトリー設定なので、どこかの販売店で試乗させて貰えば、大体の相性が掴めると思います。で、多くの人は後者の軽量で安定寄りの軽量なカーボンフレームを選んで、楽しく乗ってます。
上りが辛すぎると言うのが、ビギナーが躓く要因なので、軽量なフレームのメリットは確かです。パワーが有る人の場合は重量が有っても剛性に高い方が、上りやすいと感じる場合もありますが、女性だと、そんな人はまず居ないでしょう。とりあえず、選択肢を最初から狭めない方が良い、と私は思います。