小杉むさしさん
想像と思いつきでどんどん書いちゃいますけど、品質管理方面で自転車メーカー自身が気にしているのは精度じゃなくて、パーツの組み込み忘れの方なんじゃないかという気がしてきた。いやあだからなんだよって話ですけどね。
ご存知の通りカーボンフレームは200枚とか400枚とかのカーボンのシートを張り合わせて作っていて、ほとんどが手作業なわけですから、ヒューマンエラーの入り込む余地がカナーリあります。貼らなきゃいけないシートが貼ってないとか、2枚のところを3枚貼っちゃったとか、向きや裏表が逆だったとかね。そんなことが起ころうもんならもう精度どころの話じゃないんだけど、大いに起こりうる。っていうか当然起こると考えていないと品質管理出来ないですよね。
電子機器のアセンブリーのラインなんかでよくあるのが、やっぱり画像解析で作業者の組み込み忘れを監視して発報するシステム。半田するの忘れてるとか基盤にチップを置くのを忘れてるとか、ラインの途中で基盤を何度も撮影して段階ごとにパーツが足りてるかどうか監視するんです。作業者の手元を撮影し続けるシステムなんかもあります。
シマノとかのカップアンドコーンのハブのなかにベアリングの玉がきっちり同じ数はいってるじゃないですか。あれもラインで画像解析してパソコンが自動的に数を数えてるんでミスが出ないんですよ。
自転車のフレームのパーツの数の多さとか工程の複雑さとか生産のスピードとか考ると、やってるとしたらこっちかなあ。たぶん完成品の精度のチェックよりもこっちのが重要だし。
でも作りかけの自転車ってぐにゃぐにゃぶよぶよしてるから、画像解析だとパーツのカケ見つけるのは大変かなあ。人間の目なのかなあ。
こういう仕事にかかわらせてもらったのはもう3~4年前くらいですけど、最終チェックで不良品をはじくより、作業の工程で間違いを見つけて不良品が出ないようにした方がコスト的に有利なんで、いまどきの工場では最終チェックで不良品を発見するより、プロセスで不良が出ない方に力を入れるのが当然なんだなんて教えてもらいました。へーって感じ。