ヘラーマンさん
私もフレーム製作は動画でしか見たことはないので、製品づくりの例として書いたんですが、カーボンフレームを全数検査しているメーカーにはFELTがあります。ドイツ市場は品質に厳しいのでやっているのかもしれませんけど、確かに乗った感じも重心がきっちりでていました。ツールに出てるメーカーのフラッグシップモデルでも重心出てないのが普通にあります。
FELTいわく通常のメーカーは5%の抜き取り検査とのことですが、私は抜き取りでも精度の傾向を見るには十分だと思います。職人によって精度はある程度わかるから。誰が作ったかの管理もしていないようなメーカーはないでしょう。
現状のモノコックフレームなら、前三角はカーボンシートを巻いた後に金型にいれるのでそれほどひどい精度にはならないと思っているかもしれませんけど、リヤ三角を接続するときは接続部の削り量や接続の甘さで精度が微妙に変わることやフォークの精度が出ていないことも十分に考えられます。実際に100万オーバーのロード(2018最新モノコックフレーム)でも実際に重心が出ていない試乗車に乗ったことがあります。クオリア44さんとか一般の方は気にしないのかもしれませんが、私はメーカー主催の試乗車をそのレベルでしか品質管理できていないメーカーはいくら走るフレームでも買わないです。
あとクオリア44さんは、後から削るみたいに言ってましたけど、後から削るのはBB孔ぐらいで、前後のフォークエンドは元からその形状の物を組み付けているので、もし削っていたとしたら精度出てないのを削って修正したフレームです。メジャーメーカーのフレームセットでもフロントフォークはそうやって修正したのをつけていることがあり、そういうのは微妙に重心が狂っています。この修正するものをつけると言うことはチェックしているのでできることです。
私はリッツさんへのコメントにも書いたとおり、フレームの重心位置にもこだわるため完璧な精度を求めています。私の求めるレベルだと精度に満足できないフレームでも返品交換はまずできないので、できるだけ良いものを手に入れるため最善を尽くします。また今回の話題はVENTAの話であり、フレームセットは完璧な精度だったことは事実です。もし完成車とフレームセットが同じだとしても同等(イコール)なので、フレームセットを買うことは勧められますが、実際に完成車を整備していなければ「完成車も同じだから完成車を買えば」とはとても言えません。
それと、定盤は使わなくても組付け精度を測ることは可能です。メリダなんかは専用の治具をつけたマイクロメーターでフレーム各部位の寸法を計測しています。あと自転車の世界で使ってるかは分かりませんけど、レーザーの3Dスキャナーとか、小杉むさしさんが言われるとおり写真から3D測量できる非接触の計測システムもあるので、やるかどうかは別としてメーカーにやる気があればいくらでもできます。
またメリダは完成したカーボンフレームを1台ずつ専用機械にセットして剛性テスト(設計値通りのしなり量に収まっているかを検査)するとのことで、メリダのカーボンフレームはアルミフレーム以上の耐久性だとうたっています。どのみちこの話題はいろんなメーカー(今回は本国Basso)の内情を知らないと結論はでませんし、今の所、内情を知らない人が憶測でしか書き込みしていないので買う人が判断されればいいと思います。
フレームセット買うには整備上の利点もあり、全バラして組み直すならフレームからのほうが早くきれいに組めます。特にプレスBBの場合は基本的に外すと再利用不可なので、シマノのベトベトグリスつけられたまま組まれていると困ります。