自転車道場

フレームの話 / 77

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ディープインパクト 2024/10/05 (土) 21:26:05

 skogenさん  ジオメトリーの考え方
別スレで勉強させてもらったフレームのジオメトリーに関する考え方について、ちょっと整理して、考察を深めてみようかと思います。

サドル位置の決め方とか、ハンドル位置を考えるのにトップチューブで考えるのかリーチで考えるのかとか、ホット過ぎてやや香ばしい議論に発展しました。

自転車を勉強中の私としては、ジオメトリーについてはまだ消化不良で、勉強するのに(理屈を捏ねるのに)この手の話題は好材料です。
画像1画像2
サドル位置の決まり方1 サドル位置の決まり方2
まず、第一弾としてサドル位置がどのように決まるか。
「工藤の式」を使います。
・身長=大腿骨長×2.5+56
および
・身長=脛骨長×3.3+47

これから
・大腿骨長=(身長-56)/2.5
・脛骨長=(身長-47)/3.3
・座高=身長-大腿骨長-脛骨長=(身長-123)/3.37
また、腕の長さ≒身長

実際にいくつかの身長で計算すると、次のようになります。(cm単位)
身長 大腿骨長 脛骨長 座高
140   33.6  28.2  78.2
145   35.6  29.7  79.7
150   37.6  31.2  81.2
155   39.6  32.7  82.7
160   41.6  34.2  84.2
165   43.6  35.8  85.6
170   45.6  37.3  87.1
175   47.6  38.8  88.6
180   49.6  40.3  90.1
185   51.6  41.8  91.6
190   53.6  43.3  93.1

#身長が高い人は膝下が長い、という俗説(?)がありますが、大腿骨の方が身長依存性が大きいですね。

さて、数学的に解くのは面倒ですし、説明が分かり難くなるので、作図でやってみます。

以下、簡単化のためにペダルは常に水平、くるぶしの高さやペダルの厚さを無視しています。(つまり、身長175cmの作図例は身長170cmぐらいに相当します)

まず、図に示すように、
i) クランクが3時の踵の位置を決める。
ii) 拇指球の鉛直線上で、脛骨長となる点が膝位置となる。

次に、
iii) クランクが6時の位置の踵の位置を決める。
iv) 6時の位置での膝の曲がり角から膝の位置が決まる。

最後に、
v) 3時と6時の膝の位置を中心として、大腿骨長を半径とする円を描くと、その交点から大腿骨の付け根の位置、つまりサドル位置が決まる。

9時、12時の位置では、i)やiii)に相当する条件が存在しないので、逆に腰の位置と踵の位置から膝の位置が最後に決まります。

※この作図から、クランク長を決める重要な要素は靴のサイズ、より正確には踵から拇指球までの長さである事が分かります。

このように大腿骨の付け根の位置は一点に決まることが分かりますが、その一点と坐骨の真ん中(サドルとお尻の接点)は腰骨の倒し方で前後にずれますから、現実のサドル位置は上半身を含めたライディングフォームでで少し変わることになります。

また、身長145cmのシートチューブ角が175cmの場合とほぼ同じになることから、現実の自転車で小さいサイズのフレームのシートチューブ角を立てるのは、別の理由があると想像されます(たぶんハンドル位置)。

なお、シートチューブの延長上にサドルの中心が来なくても、サドルの前後位置で調整可能ですが、力学的にはサドルの中心がシートポストの位置と一致していたほうが有利です。ずれていると、シートポストやシートチューブにサドルの固定点を回転の中心とするトルクが掛かり、フレームが変形します。

以上、素人考えでやってみましたが、現実のフレーム、ポジションに近い値になってるでしょ。じこまん ^^;

という訳で第一弾終わり。上半身は難しそうなので、第二弾の予定は未定。
この手の作図って久しぶりで、中学生に戻った気分で楽しめました。

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