自転車道場

フレームの話 / 30

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ディープインパクト 2024/10/02 (水) 09:18:02

葉っぱ先生さんは大きな誤解をされているので、そこだけ補足入れておきます。本当は自分で体験して結果を確認するのが一番いいので、ぜひ機会があれば実験してください。
画像1
自転車にとって軽さは「速度」をあげる上でそれほど重要な項目ではありません。特にフレーム重量は速度とは、ほとんど関係ありません。
自転車の部品で軽量化が速度にもっとも影響を与えるものは「タイヤ・チューブ」です。その次はリム、そしてペダル、クランク、ハブ。もしヒルクライムで速くなりたい、そのための機材交換をするならタイヤとチューブを交換するのが一番効果があります。そしてリム。フレームを500g軽量化するより、チューブを10g軽量化した方が速くなります。

写真はGIOS ミストラルのタイヤ重量ですが。ミストラルに標準装備されているタイヤをルビのプロ23+ビットリアウルトラライトチューブに前後交換すると1kg軽量化されます。このタイヤとチューブの1kg軽量化はフレームを5kg軽量化するより「速さに効果が出ます」

つまり1500gのカーボンフレームを1000gにするより、タイヤを10g軽量化した方がヒルクライムの速度は上がります。

自転車は軽いことは必ずしも善ではなく、ある程度の軽さになってれば強度、精度、品質の方が走る上で影響が大きくなります。具体的にいえば重量8kgのロードで精度がよく品質がいいものは6kgで精度が悪く品質が落ちるものより「速く楽に」走れます。

すごく昔に1970年頃、軽いことはいいことだ!が大流行しました、ギアやクランクにドリルで穴をあけ、フレームにも穴をあけて蜂の巣みたいな自転車にしていた時代がありました、その当時はクロモリフレームでしたがフレームチューブも軽量化が流行し石渡とか丹下で細い薄いチューブが発売されました。そのチューブは親指で押さえればへこみ転倒すれば一発でTHE END。当時初代デュラエースが発売されましたがデュラもその影響を受け、軽さ重視、結果たわむし曲がるし力入らない、当時競輪界では「デュラ使ったら負ける」と誰も使いませんでした。
 カンパとスギノに比較するとデュラは明らかに弱すぎました、僕もデュラは悪いと使いませんでした。中野浩一世界戦10連覇はシマノの部品は使ってません。
 当時、僕は実業団チーム結成に参加し、その会社が国際見本市用に作った5kgロードバイクを、これおまえ乗ってみろといわれて譲ってもらい、乗りました。5kgのロードなんて夢のよう、ワクワク。しかし、ことごとく壊れて1ヶ月も持ちませんでした。(部品が壊れる、ものすごい恐怖を味わった)軽いというのは怖い!命張って思い知った。
 同じ時期、競輪の世界で軽いフレーム=善というのをひっくり返した人がいます。阿部良二さん。世界戦で初めてメダルをとった日本人です。
 阿部さんの世界戦用決戦ピストを見て触ってものすごい衝撃を受けました。外観がもう明らかに違っていました。バックフォークの太さがシートチューブと同じくらい太い!頑丈、重戦車って感じ、バックフォーク、こんなに太くていいの?。そしてホイール、当時ダブルバテッドスポークが流行りで15/16の段付きスポークで決戦ホイールは組んでましたが(とにかく軽量化するために、できるだけ細いスポークを使っていた)阿部さんのホイールは14番ストレート。うそやろぉ、こんなぶっといの使っていいの?
 軽さではなく、剛性・強度重視、それが阿部良二さんの世界戦銅メダルをとった決戦ピストの答えでした。僕の5kgロードに乗ったボロボロ体験とこの阿部良二さんの重戦車ピストが世界で初めて銅メダルをとった、この2つの経験から軽さは善ではないということを学びました。

 今年、北海道にいって峠でヒルクライムに出場して2位だった女性の方に抜かれたのですけどBSチャリダーに出ている三谷さんとかいってましたけど(僕その番組見てないので知らないと答えた)この三谷さんヨネックスのロードに乗られていて、ホイールにGOKISOのハブ入ってました。坂得意の方みたい。道の駅で休憩時に少し話ししましたけど「軽さはヒルクライムに有利だと思ってたけど、今はそうでもないです、軽すぎてもタイムは縮まりません」みたいなことをいってました。僕は30kg以上あるキャンピングクロスバイクで走ってましたけど、それほど追いつけない速度でもなかったし、なので軽い=善だと盲信せず、ベストな解をみつけることをお薦めします。

軽い部品というのは簡単に壊れますし、寿命というものは設計概念になく1レース持てばいいという発想なのでコスパはめちゃくちゃ悪いです。使い捨てと思ってた方がいいです。カーボンフレームは昔は1500gくらいでも割れて3年でフワフワになるし、だから危なくて僕も人には薦めなかったのですが技術が進歩して今ではとんでもなく軽いフレームでなければ倒してもぶつけても持つし10年くらいフワフワで走れないということはない感じがします。なので僕も最近はカーボンフレームをお薦めしています。だいたいクロモリはろくなのがないですし、明らかに時代はカーボンへ移行していますから、ものは一番売れるものが一番品質が高くなります。チューブラーが廃れてクリンチャーに移行しているのと同じ。

完成8kgくらいで収まれば、後は強度、精度などを重視した方がいいと思います。
本当は自分で血だらけなって経験し、何が真実かを知っていくのが一番いいですけど、少しだけネタバレの補足でした。

いいフレームに出会ってね。

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