札学心理学

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1369

問題3

行動変容(2章)と進化(3章)
まず行動変容とは、人間を含めた動物が生きていく中で学習をしてできないことができるようになることだ。そして進化は、ある能力をもつことが何らかの機能を誘発して利益を得たとき、能力を持たない個体よりも子供を残す確率が上昇し、遺伝子で伝達されるものの場合は世代を重ね能力をもつ個体が増えていくことだ。つまり、動物は日々変わっていきそのときの環境などに影響され進化していくということだ。最近だと人の食生活が変わり親知らずがない人も増えてきている例がある。このように、どちらも適応していく部分か類似していると言える。また、行動変容は個人に影響を及ぼし、進化は集団に影響を及ぼす点は対になっていると言える。

1368

問題3
側頭葉(4章)とフラッシュバルブ記憶(6章)
 フラッシュバルブ記憶が起こる理由として側頭葉のつくりや働きが大きく関係していると考える。
フラッシュバルブ記憶は劇的な事件の知らせや大きな刺激が引金となり、まるでフラッシュをたいてその時の様子を写真にとったかのように鮮明な記憶が残り、正確に思い出せる記憶の事である。私たちで例を挙げると「東日本大震災」や「北海道胆振東部地震」が起きた当時、自身は「どこに」、「誰と」、「何をしていた」など正確に思い出すことができると思う。実際私自身も東日本大震災の際は小学校で教室の右端から2番目の席で授業を受け、揺れを感じてからしばらく机の下に隠れていた。また、アメリカでは1963年に起きたケネディ大統領暗殺事件について、暗殺事件から10年後に雑誌「エスクワイア」がその当時どこにいたかを多数の著名人に尋ねたところ、当時の状況を見事に再生したことを報道した。
 そして側頭葉は主に物体の認知や記憶に関する情報処理を行う働きがあり、耳からの音や話し言葉などの感覚情報を受け取る。側頭葉が損傷、もしくはなくなった場合、私たちは目や耳は機能していてもそれが何なのか理解し、処理することができず記憶することができなくなる。そして、フラッシュバルブ記憶が記憶されているのは側頭葉内でも脳の記憶の中枢であり、記憶を作り、それを選別している「海馬」と、情動や視覚情報を扱い、特に不安や緊張、恐怖反応において重要な役割を担っている「扁桃体」に記憶されると考えられている。偏桃体で感じ、つくられた情動が海馬に送られ、記憶を形成する。また、偏桃体で感じた恐怖などの刺激が強くなるほど長期記憶として蓄えられ、その後大脳へ記録される。
 また、特殊な事例として自閉症の患者はさらに細かな記憶まで思い出せている事例がある。日本の重度の自閉症者が16歳のころ、10年以上前のとある日の丸1日の出来事を正確に絵にしていったといった事例があった。このような自閉症の症状のある方にはる側頭葉、および前頭葉で健常群において年齢とともに見られる皮質の容量、厚さの減少が少ないという報告がある。この報告から自閉症者は記憶に関する働きを持つ側頭葉に何らかの異常があると考えられる。おそらく一般の人間の脳は記憶を構成する際、必要だと思われる情報以外を捨て去り、必要な情報のみを記憶するためにできるだけ必要最小限の記憶へとまとめているが、自閉症者はそれが何らかの異常によって必要最小限の記憶へまとめるのではなく、目に映ったものすべてを事細かに記憶してしまっていると考えた。
以上の事からフラッシュバルブ記憶が起こる理由として側頭葉のつくりや働きが大きく関係していると考えた。

1367

問題3
自己観(9章)と模倣(3章)

まず、自己意識とは、自分自身にのみ開示されたプライベートな世界であり、他人事ではない最も切実な対象領域であることである。そして、自己観とは「自分とはいかなる人間なのか」という問いに対する自分なりの答えである。自己意識と、自己観は類似するワードだと考えるため、内藤(1990)の資料を参照する。
理想我の獲得には、以下の理論が関係している。まず最初にあげるべき理論は、 フロイトの同一視の防衛機制が挙げられる。これは、モデルと同一化することで、相手の外観、特性、属性を全体的あるいは部分的に取り入れることである。これによって理想我が形成されることになる。また、内藤(1990)は、「モデルの模倣的行動を取り上げた学習理論としては、バンドューラの社会的学習理論があり、この理論では、モデルの示範を単に観察するだけでも、対面せずに書物を読むだけでも、模倣が生じることを明らかにしている。」と述べている。これらのことから、自己の概念の獲得や評価の成立には、模倣現象が深くかかわっていることがわかる。
 さらに、模倣を行う際に対象にとって、対象者にとって好ましい人であれば、代理強化に大きな変化があることが、前田(1980)の研究からわかる。これらは、自己観が模倣に作用している証拠だと考える。

前田哲雄(1990)『自己意識と模倣行動』

https://www.jstage.jst.go.jp/article/pamjaep/22/0/22_90/_pdf/-char/ja

1366

問題3
・宣言的記憶(6章)と単純接触効果(8章)が関連していると思う。宣言的記憶は言葉や記号などで表すことのできる記憶のことである。また、単純接触効果は人は初めて接するものよりも繰り返し触れてきたもののほうが好ましいと感じる傾向のことである。どの部分が関連しているかというと、宣言的記憶は長期記憶に分類され主な長期記憶は短期記憶を変換して記録されるものである。しかし、それを行うことは難易度が高い。そこで単純接触効果の繰り返し触れるものは好ましく感じるという特性を利用する。好ましいなどの快感情は記憶しやすいと検証されている。だから繰り返し行うことで単純接触効果を起こし快感情を発生させることで宣言的記憶に残りやすくすることができる。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsre/28/Supplement/28_ps22/_article/-char/ja/

1365

問題3
「欲求不満」(10章)と「不合理な信念」(12章)
欲求不満と不合理な信念は関連している関係であると考える。欲求不満とは、自分が満たしたいと思ったことが阻止され、かつそれに対応できない場合に緊張が高まってしまい不快な感情になるということである。そして不合理な信念とは、出来事に対する受け止め方が過度に自責的で決定的で気分をみじめにさせるという特徴をもつものである。どちらも出来事が自分の思うようにいかなくなってしまった時に起こってしまい、ネガティブな思考が生まれるというところが一致している。また、この2つは同時に起こったり別々で起こったりするのではなく、段階を踏んで起こっていく場合もあると考える。はじめに何らかの嫌なことが発生し、欲求不満に陥る。そしてその不満がさらに非合理的な行動や破壊的な行動を起こすようになってしまうと欲求不満よりもネガティブな感情が強い、自分を責めるという不合理な信念が起こってしまうと思う。不合理な信念は自分を過度に責めすぎるという特徴があるため、私は欲求不満よりも不合理な信念のほうが強い感情であると感じ、不合理な信念が後に生じると考えた。
https://hyogo-u.repo.nii.ac.jp/index.php?action=repository_action_common_download&item_id=3246&item_no=1&attribute_id=17&file_no=1&page_id=13&block_id=21

https://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/opac_download_md/4777931/13_p001.pdf

1364

問題3

5章の血液型妄信と9章の利用可能性ヒューリスティックは類似しているといえると思う。血液型妄信はA型の人に対してきちんとした几帳面の人が多いとおもいこんだり、B型の人に対して、二重人格、わがままでマイペースと科学的根拠はないのに思い込んだりすることである。利用可能性ヒューリスティックは実際の例を挙げると日大でたくさんニュースに取り上げられるような事件があれば、人々は日大に対して事件を犯したのは一部の大人や学生なのにマイナスなイメージを持ってしまうという現象である。血液型妄信も自分はたまたま事件を起こして二重人格が発覚してそのなかでもたまたまB型が多かったというだけでB型が二重人格が多いと錯覚してしまったのではないかと思った。
これもあるいの利用可能性ヒューリスティックといえるのではないかと思うのでこの二つの単語は類似しているのではないかと思った。

1363

問題3
「ミーム」(3章)と「ステレオタイプ」(9章)

ミームは脳に蓄えられた、文化を創り出す情報のことであり、ステレオタイプは特定の社会的集団に関する知識、信念、期待によって構成された知識構造です。この二つの関連性ですが、ずばり、ミームがステレオタイプを形成する要因になりうるという考えです。尾鍋(2002)によるとミームは分類分けでき、その中に関連付けミームというものがあります。関連付けミームはミーム同士を関連づけるとこにより、ある物事(ミーム)によって別の感覚や考え(ミーム)が心に浮かぶ引き金となることとあります。例を挙げると、何かのにおいを嗅いで、過去の記憶を思い出すのは、においと記憶の関連づけミームがあるからです。また、「学校」という言葉を聞いて、自分の「学校での体験」が心に浮かぶのは、学校と「自分の体験」との関連づけミームが心にあるからです。このミームはステレオタイプにも言えるのではないかと考えます。何かのにおいや言葉というのを「社会的集団」に置き換え考えると、それはステレオタイプであるといえると考えます。例として挙げるのであれば「先生」という言葉を聞いて、自分の過去を思い出し「よく怒られていた」と考えるとします。ここまではミームですが、他の人も過去の記憶で「よく怒られていた」と考えていたならば、先生=怒こりやすい人というステレオタイプが形成されるといえます。したがって、ミームがステレオタイプを形成する要因になりうると考えます。

参照文献
尾鍋史彦.パピルス.2002-10. chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.jstage.jst.go.jp/article/jtappij1955/56/10/56_10_1524/_pdf.  (2023-02-03)

1362

問題3
学習(2章)と発達(7章)
学習とは、「できなかったことができるようになること」と教科書では説明されている。発達とは、「受精してから死に至るまでの変化」のことをいう。学習と発達の関連する例として、ピアジェの子供の発達段階をあげる。感覚運動期(0歳から2歳)の発達では、「シェマ」「同化」「調節」を繰り返して多くの物を学習していく。形式的操作期(11歳〜)の発達では説明・映像などから具体的なイメージを描くという抽象的思考ができるようになる。このことから、年齢を重ね身体や心の発達が進むことで様々な学習の仕方を獲得していくと考えられる。裏を返せば、発達が遅れることは学習にも影響が出るということである。
よって、学習と発達は関連している。

参照文献
金沢創・市川寛子・作田由衣子(2015)「ゼロから始める心理学・入門」有斐閣.
中道圭人・小川翔大(2021)「教育職・心理職の為の発達心理学」ナカニシヤ出版

1361

問題3
学習(2章)と発達(7章)
学習と発達という言葉は類似している。こと心理学においては特に似ている。何故ならどちらも「何かが出来なかった状態からできる状態になること」を示しているからである。であるなら、どちらか片方で十分でないか、そう思うのは必然である。しかし、現に二つとも教科書に載っている以上、違いがあるはずだ。では、その違いとは何なのか。まずそれぞれの言葉を教科書ではどう扱っているのか挙げていく。まず学習は、教科書ではソーンダイクの問題箱を筆頭に自発行動(オペラント)を中心に説明されており、できなかった行動をできるようになることを指す。対して発達とは、教科書では脳科学や認知についての発展について述べられており、認知や人間の成長過程についての記述から、内面的成長のことを指していると考えられる。以上の事柄と教科書を読み込んだ結果、私は学習は立つ、走るといった外面的(表面的)な成長のこと、発達は認知や人間観などといった内面的(裏面的)な成長のことを指すと結論付けた。つまり、学習と発達は表面的成長を指し示すか裏面的成長を指し示すかといった違いがあることが分かった。そしてこれまで語ったことから、学習と発達が「成長すること」という点において一致し、「表面的成長か裏面的成長か」という点において対の関係であると言える。

1360

問題3
文化的な進化(3章)とライフサイクル(7章)
 文化的な進化とライフサイクルとは相互に作用していると考える。
 文化的な進化とは、遺伝子情報的な進化(垂直)ではなく同世代を生きる人間内での技術の進歩などの、脳内に蓄えられる情報(水平伝播)を用いた進化をいう。
 対してライフサイクルは、人の発達を段階的なものだと考えるのではなく、人生のライフタスク(発達における課題)を次々とこなしていくことと考えることをいう。
 文化的な進化をする際に必要な要素となる水平伝播は同世代内での情報の共有であり、共有された情報が世間一般に使われるようになったときに文化的な進化が起きたと言える。そこで進化した後に生まれるヒトのライフサイクルは、文化的な進化が起こっているため「文化的な進化を起こした課題を克服する」といったライフタスクが新たに発生する。これは新たな文化的な進化を起こすわけではなく、文化的な生活を行う上で必要な学習である。(道具の使用法を学ぶなど)
 また、新たなライフタスクが発生したライフサイクルの中では、文化的な進化が起こった時よりも若年のヒトが「文化的な進化を起こした課題」に対面するため、道具の進化に当たる発想などが新たに生まれやすい。これは新たな文化的な進化への入り口になると考える。
 よって文化的な進化とライフサイクルは相互に作用している。

1359

問題3
2章の行動変容と3章の自然淘汰
自然淘汰と行動変容は類似している。自然淘汰は生存するために環境に適応しようとし、行動変容は行動が変わることである。行動変容についてこの参照文献では健康と関連づけて説明している。この参照文献では行動変容は健康行動を獲得し、不健康な行動を減少させることと定義している。不健康になると病気にかかって早くなく亡くなってしまうこともあるので不健康になる行動を減少し、生きようとしていることがわかる。よって、自然淘汰と行動変容の二つのキーワードは生きるために行動するという考え方が類似している。
参照文献
https://www.jamp.gr.jp/wp-content/uploads/2020/03/130_06.pdf

1358

問題3
類型論とステレオタイプ
 類型論とステレオタイプは類似する部分がある。類型論の長所としては即自に相手のパーソナリティーの全体像を把握しやすいというところだ。短所としては単にそれだけでは割り切れない中間型や混合型のパーソナリティーを把握する事が出来ないところだ。多様なパーソナリティーを比較的少数の型に当てはめることができるのかについての疑問もある。また各類型によるパーソナリティーの典型的な特徴を重視する事は個別の特徴が扱いにくく、ステレオタイプな考え方、見方になってしまう。さらに類型論では体系や内向-外向とそれから推測されるパーソナリティー特性が直線的かつ予測される答えが限られているので 同じ様な体形の人であれば同じ様なパーソナリティーと考えられるなど個人差の見当ができない。
このように、特定の分類に対して特定の特性があるという考え方が、類型論とステレオタイプは類似していると考える。

参照文献
齊藤勇(2020) 『図解 心理学用語大全』 和光堂              株式会社.
坂口典弘・相馬花恵(2017) 『心理学入門 心を科学する10のアプローチ』 講談社.

1357

参照文献を訂正します
ローナ・ウィング(1998).(翻訳 久保紘章,佐々木正美,清水康夫).『自閉症スペクトル-親と専門家のためのガイドブック』.東京書籍

1356

問題3
「楽観主義」(10章)と「論理療法」(12章)
 論理療法とは、何か問題となる出来事が起きて悩みや心の病が生じている場合に、その原因が認知の歪みにあると考えるものである。論理療法を提唱したエリスは、出来事に対する受け止め方が過度に自分に責任があると感じてしまう場合に、うつ病などの望ましくない結果が生じてしまうと考え、この誤った受け止め方や歪んだ認知を修正することができると考えた。この修正の結果、どのようになるべきかというのの一つに楽観主義があると考えられる。楽観主義は、悪いことはその場限り、悪い出来事は他人や環境のせい、悪い出来事はすぐ終わる、という考え方であり自尊心の低減や抑うつ気分が生じることを避けやすいものである。すべて自分に責任があるという考え方から、楽観主義へと論理療法を使って改善していくことでうつ病の発生を防ぐことができるようになるため、楽観主義と論理療法は関連しているといえる。

1355

問題2

「スキナー」(2章) 
スキナーは、教科書だとオペラントとレスポンデントという言葉を作り行動分析学を創始したとある。さらにスキナーは、実験装置を含めオペラント条件づけの実験手続きを体系化していている。その最終的な実験装置がスキナー箱であるが、元の目標はソーンダイクの実験ほど人手がかからず、行動と結果の関係を簡単に設置できる自動化された実験装置を作ることであった。代表的なスキナー箱にネズミ用とハト用があるがネズミ用を説明すると、正面パネルにレバーとエサの受け皿と手がかり用ランプが付いていて、レバーを押すとその信号がパネル背後の機械に伝わり、自動給餌器を制御して錠剤状のエサを受け皿に落とす仕組みになっている。このように、自動的に実験ができるよう工夫されており、人手が最小限で済み実験が効率化され、実験手続きの客観性が保証されることになりオペラント条件づけの研究が大きく進展した。そして、心理学以外にも農学、医学、獣医学など様々な領域、ヒト、サル、魚類、昆虫、家畜動物を含む様々な動物を対象としてオペラント条件づけの実験が行われているため、多学問に影響を与えた人物と言える。

岩本・和田(2006)「行動心理学 社会貢献への道」勁草書房

「バンデューラ」(3章)
バンデューラは、教科書だと観察学習を提唱し、学習が個体レベルで生じるとした当時の学習心理学の考えに一石を投じたとある。ほかにもバンデューラは、社会的学習理論の中で、ある行動を遂行できる、と自分の可能性を認識していることを自己効力感と呼び、自己効力感が強いほど実際に行動を遂行できる傾向にあると述べた。そして、認知を重要視した自己効力感を中心概念とした社会的認知理論へ発展させた。行動達成に影響を及ぼす自己効力感は、疾患を抱える患者が身の回りの変化に対応し、療養行動を遂行する上での資源となると考えられている。その影響は日本にもあり、教育、臨床心理の領域で多く取り上げられている。しかし、看護学領域には広く浸透はしていない。それでも、自己効力感はストレスのコントロールや自信などにつながるため、広まることは学問以外にも日常を暮らすうえで人々にプラスの影響を与えられると言える。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jans1981/20/2/20_39/_pdf/-char/ja

1353

問題2
クレッチマー
 クレッチマー(E.クレッチマー)はドイツの医学者であり、精神医学の創始者と呼ばれており、1921年にだした「体型と性格」という本で体格・体型の違いが性格や気質に関係しているとし、性格類型論(タイプ論)を指摘した。これは上記で述べた性格・人格や気質を、体格・体型の違いで合計3つのタイプ1.太った人(肥満型)2.痩せている人(細長型)3.筋肉質な人(闘士型)に分け、それぞれの体系によって性格や気質が異なるといったものである。具体的には肥満型だと躁うつ気質であり、おおらかで社交的な性格をしているとされている。細長型だと分裂気質(非社交的で内気で、ひかえめな気質。)であり、神経質で非社交的な性格としているとされている。最後に闘士型はてんかん気質(粘着性が高い、物にこだわりやすい、回りくどい話し方をする)であり、几帳面で融通が効かない性格をしているとされている。これらは彼が診察していた精神病患者たちにみえた、身体的特徴(体型)をもとに指摘されており、このことから体型と性格には和親性があると主張していた。一方これには様々な懸念点も存在していた。
クレッチマーの考えは近年でこそあまり使われることはないようだが、それでも当時の個人差心理学の発展に貢献しており、現代でも類型論の代表例として挙げられたり、この性格類型論をもと他の学者(シェルドン)によりもっと具体的な研究を行い新たな類型論をつくりあげられたりとクレッチマーは心理学の発展に大きく貢献したといえる。

エリス
 エリスはアメリカの臨床心理学者であり、1955年に論理療法と呼ばれるものを提唱した。この論理療法は何か問題となる出来事が生じ、心の悩みや悩みなどが生まれてしまった場合、その出来事やそれによって自分が感じる刺激(結果)よりもそれをどのように解釈し、どのように「認知」したかによって影響を及ぼすことを重視した心理療法であり、受け取り方を変えれば悩みはなくなるという考え方である。有名な理論を挙げると教科書のコラムにものってある「ABC理論」である。これはある出来事(A)によって自分が刺激、結果(C)を感じるのではなく、このAとCの間に思い込みや固定観念などの認知の仕方(B)があり、このBの部分での認知の仕方を修正、もしくは変わった場合Cで感じる結果も変わってくるという考え方である。例えばこのBの部分で不合理な信念などマイナスなものとして、認知してしまうと自然とCも望ましくない結果になってしまう。そこでBの部分で合理的な思考で認知をするもしくは不合理な信念、思い込みを修正したり徹底的に論争することで、合理的な思考として認知することでCの結果を良いものにできると考えられる。
エリスのこの論理療法は現代では理性感情行動療法と呼ばれる最も有名な認知行動療法の基礎となっており、現代の心理学や医療を築くために非常に貢献している。

1352

問題2

「ウィング」
英国の児童精神科医ローナ・ウイングは発達の障害のひとつである自閉症への研究に貢献した。さらに、アスペルガー症候群、自閉症スペクトラムなどの用語の導入をおこなった。
 ローナ・ウィングは、「Wingの3つ組」とよばれる自閉症の本質を定義した。自閉症スペクトラム(ASD)は社会性(同年代の他者と相互的な交流を行うことが困難)、社会的コミュニケーション(社会的場面でのコミュニケーションの方法が独特であるのが特徴であり、言葉の裏を読むことが苦手。会話の中で気になった言葉のみに注目してしまう)、想像力(ものを並べる、特定の物を集める、変化を嫌う等のこだわりと言われる行動)、それぞれに質的な偏りがみられると提唱した。
 また、自閉症である自らの娘を対象とした豊富な臨床経験と研究によって、障害を最小限にして潜在的な能力やスキルを最大限に発揮できるような療育環境や日課のプログラム作成について解説した論文を書いている。

参照文献
ローナ・ウィング(翻訳 久保紘章,佐々木正美,清水康夫).『自閉症スペクトル-親と専門家のためのガイドブック』.東京書籍
https://hosei.repo.nii.ac.jp/index.php?action=repository_action_common_download&item_id=15398&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1&page_id=13&block_id=83

「シュプランガー」
シュプランガーは、性格や人格の研究において、類型論を唱え、研究へ貢献した。
 人がどの領域に文化的価値をおいているかにより、理論型(理論が通じることや真理に価値をおく。論理的に理解することで真理を追究する)、経済型(金銭的・社会的地位に価値をおく。利己主義的で、経済的観点から物事を捉える)、審美型(美的なもの、楽しいことに価値をおく。ものごとを感情を通して考える)、宗教型(神を崇め、信仰に価値をおく。博愛的で、人生を見つめ、道徳的に生きようとする)、権力型(他人を自分の意のまま従わせることに価値をおく。権力掌握に満足感を覚える)、社会型(社会への奉仕活動や福祉にかかわることに価値をおき、人の役に立つ行動をとる) の、6つの類型に分類した。
 これらは、生きていく上で重要な個人の価値観であり、社会的・文化的に形成された世間の価値観とは異なる。そのため、異なる価値観を持つ者同士が、理解し合うことは難しくなると、シュプランガーは提唱した。

(https://kokushikan.repo.nii.ac.jp/index.php?action=repository_action_common_download&item_id=6534&item_no=1&attribute_id=189&file_no=1&page_id=13&block_id=21)

1351

問題2への解答

カント

カントは『自然科学の形而上学』において、心理学は哲学であり、科学になりえないと主張した。カントは、ニュートン的科学を優れた科学のモデルだと考えており、そこには、数学が適用できることと、実験ができることが科学の要件だと考えていた。この批判に対抗するためにその後の心理学者たちは「心理学」をどのように数学的にとらえ、どのように実験を行うか試行錯誤していく。近代心理学の父ともいわれ、実験心理学の大きな流れを作ったヴントも、カントの批判に対抗し、人間の心理を自然科学としてとらえようという考えからだったとされている。このように、当時の心理学の科学的欠点を見つけ、後の心理学を科学的な学問に導いたカントは、心理学史上大きな貢献をしたといえる。

参照文献
齊藤勇(2020) 『図解 心理学用語大全』 和光堂株式会社.

シュプランガー
類型論の多くは、人の性格はある程度先天的に決められているとしているが、シュプランガーは、後天的に形成される価値観の違いで人のタイプを分類する、価値類型論を唱えた。真理の探究に価値を置いている理論型、美の探究に価値を置いている芸術型、効率的であることに価値を置いている経済型、偉くなることに価値を置いている権力型、聖なるものに価値を置いている宗教型、誰かの役に立つことに価値を置いている社会型の6つに分類した。人をこの後天的な6つの型に分けることで、自分はどんな志向や価値を持っているのかなどの個人の性格を理解するための指標とした。このように、性格を理解するための考え方の一つとして価値類型論を提唱したシュプランガーは、心理学という学問において、大きな貢献をしたといえる。

参照文献
齊藤勇(2020) 『図解 心理学用語大全』 和光堂株式会社.
坂口典弘・相馬花恵(2017) 『心理学入門 心を科学する10のアプローチ』 講談社.

1350

問題2
「カント」(1章)
カントは教科書内で、「自然の形而上学」において心理学に触れ、その不可能性の主張を行っている、近堂著作のカントの「心の哲学」によると教科書と同じようにカントは心理学という学問においては批判的なのがうかがえる、しかし同時に心についての洞察においては、哲学的な意義以上のものが期待されうるとあり、今日の議論の中でもカントが引き合いに出されており、心理学に貢献しているといえる。

参照文献
近藤 秀. “カントの「心の哲学」”.法政大学学術機関リポジトリ.2005-03-01. https://hosei.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=2931&item_no=1&page_id=13&block_id=83. (2023-02-02).

「エリス」(12章)
エリスは論理療法を唱えた人であり、森本(2002)で翻訳されたエリス自身の論文によると、アドらの個人心理学に影響を受けており、自殺念慮を持つクライアントに対し,無条件の許容と、クライアントの自滅的学習から生じる恐怖の感情に対する決然とした拒否、クライアントに対して、人生は退屈なものではなく、魅力的で挑戦しがいのあることを示す積極的で直接的なアプローチを行い,そのなかで認知療法をはじめとするほかの」認知的アプローチに対しても参考になりうると考える。

参照文献
アルバート・エリス.翻訳 森本 康太郎.危機介入としての論に両方の適用:自殺念慮を持つクライエントの事例. 2020. file:///C:/Users/81806/Downloads/33-3-193.pdf. (2023-02-02)

1349

問題2

エリクソン

エリクソンは生物学における生活環という概念を用いて、生涯発達における課題(ライフタスク)を列挙し、人生とは課せられたライフスタイルを次々とこなしていく過程と提唱した人物である。
(新川)が言うにはエリクソンは乳児期から老年期までのそれぞれの発達段階(ライフステージ)において、個々のパーソナリィティーが心理社会的に発達しそれぞれの段階に特徴が現れ獲得すべき発達課題があると述べた人物であるといっている。

次に書くのは各発達期におけるライフタスクの例だ。
乳児期   課題 基本的信頼 対立概念 不信   徳目 希望
幼児期前期 課題 自律性   対立概念 恥・疑惑 徳目 意志
幼児期後期 課題 積極性   対立概念 罪悪感  徳目 目的
児童期   課題 勤勉性   対立概念 劣等感  徳目 有能感
青年期   課題 自我同一性の確立 対立概念 自我同一性の拡散 徳目 忠誠
成人期   課題 親密性   対立概念 孤独   徳目 愛
壮年期   課題 生殖性   対立概念 停滞   徳目 世話
老年期   課題 統合性   対立概念 絶望   徳目 叡智

この提唱は特に発達心理学の分野において特に貢献したといわれ、また、エリクソンの研究に加えて現代の技術の等での研究によって高齢期においても成長、発達するということが実証され、発達心理学において大きく貢献したといえる。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jeiyu/16/1/16_57/_pdf

セリエ

セリエはストレス反応は警告期(一時的に体の抵抗力が低下する)、抵抗期(ストレス事態に打ち勝つために生理的機能はむしろ亢進する)、疲はい期(生理的反応を保つことが難しくなり抵抗力が弱まる)という3つの段階を仮定した人物である。さらに人はストレスを受けるとまず始めは機能低下をもたらすが、(ショック相)その後反転して機能を増大させることによってストレスに対処しようとする(反ショック相)。同じストレス刺激でも、その程度、強さの差さらには受け手側の生態条件の差によっていいストレスにも悪いストレスにもなりえると考えた。おもにストレスについて考えた人物の一人である。
セリエの考えは特に健康心理学の分野や医療系の分野に貢献しており、医療の分野などに「ストレス」という言葉が用いられるようになり、現代では精神的・肉体的に負担となるあらゆる環境刺激によって引き起こされる生体機能の変化(ストレス反応)を指すようになった。なのでセリエは心理学に貢献したといえる。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/129/2/129_2_76/_pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhas/6/2/6_2_2_1/_pdf

1348

問題2
カント(1章)
カントは「自然の形而上学」というものにおいて心理学にふれ、心理学の対象となる存在は大きさや形、重さなどがない存在のため、自然科学の対象とはなりえないという不可能性の主張を行った。カントは「自然の形而上学」というものを哲学と数学との関係で捉えたり、経験てきなものから捉えたりして、認識を深めていっていた。
カントがこのように「自然の形而上学」をもとに心理学のことについて深く考え、心理学は学問とするのに無理があると言わなければ、そんなことはないと反論してくる人はいなく、なかなか心理学についての研究が進まなかったかもしれない。よってカントは心理学の発展に貢献した人物であるといえる。
https://kochi.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=4538&item_no=1&attribute_id=17&file_no=1

ラザルス(7章)
ラザルスはフォルクマンとともに認知行動理論による、ストレス反応に影響を与える要因としてストレスの認知的評価モデルというものを提唱した。この認知的評価モデルでラザルスは、ストレスに対する一次評価と二次評価、ストレスコーピングという3つのあり方が大きいことを示した。まず、一次評価とは、ストレッサーにさらされた時にそれがどのくらい自分にとって悪影響をもたらすのかという評価が行われることである。その時同時に抑うつや不安、怒りなどのネガティブな情動も現れる。次の二次評価とは、そのストレッサーに対してストレスを軽減する方向で情動をコントロールすることができるのかという対処の可能性の評価が行われることである。そして、このストレッサーを解決するため、心理的な負担感を減らすために何らかの行動をとることをストレスコーピングという。ラザルスが認知的評価モデルを示してくれたことで、自分がどのようにストレッサーを評価しているかということがわかり、その評価からどんな対応をしていけばストレスと向き合っていけるのかを私たちは学ぶことができた。このことからラザルスはストレス社会の解決方法を導く第一歩になったといえるため貢献しているといえる。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhas/6/2/6_2_2_1/_pdf/-char/ja

1347

問題3
「刺激」(2章) と「発達」(7章)
刺激は、小児における発達心理学に関係していると考える。
小児の認知発達には、知覚化の感覚が正常であることと、それぞれの感覚に対応した中枢神経が正常に機能することが不可欠である。側頭葉と音、後頭葉と光のように対等関係が成立
するためには、生後早期からの適切な感覚刺激が持続的に与えなければならない。なぜなら、刺激の繰り返しによって、脳の神経細胞に反応パターンが形成されていくからである。
このように、生後早期から刺激により、感覚が発達し認知機能を獲得していくため、刺激と小児に発達は関係していると考える。

参照
小枝達也「ヒトの視覚の発達と発達心理学」_pdf (jst.go.jp).

1346

問題2
「バンデューラ」
カナダ出身のアメリカの心理学者であるバンデューラは、社会的学習理論を構築した。社会的学習理論は、学習がどのように成り立つのかを主としている。モデリングとも呼ばれるこの理論は観察学習とも同義で、個人が実際に経験をしていなくても観察をすることによって社会的な知識を得ることができるという理論であり、ボボ人形実験によって導き出された。
ボボ人形実験とは、子どもの集団を(A人形に暴力をふるう動画が流れるB人形にやさしくふるまう動画が流れるCなにも流れない)の3種類の部屋に分ける。その後動画と同様の人形を子どもに与えるとAの部屋にいた子どもは人形に暴力的になりBの部屋にいた子どもは人形にやさしくふるまい、Cの部屋にいた子どもはBの部屋にいた子どもよりは暴力的になった。
この結果はAの部屋の子どもはもちろん動画からの学習で人形に暴力的な行動をとったが、Bの部屋の子どもがCの部屋の子どもよりも暴力性がみられなかったことも観察学習によるものである。
この実験により社会的学習理論を導き出したバンデューラは、学習が個体単位で起こるとされていた当時の学習心理学に一石を投じた。

参考文献 2011 木谷 滋「社会的学習理論の詞機能図式 モデリング・心の理論・社会化の理論的統合」

「エリクソン」
エリクソンは人間の発達を「重要な中心性ー感覚(他社とのかかわりあいの中で獲得される積極的に生きている感覚)を、各段階ごとに、次第に増加していく他者との関係の中で再生していくこと」であると考えた。
これは当時代表的だったピアジェの発達段階論とは異なり、生涯を段階ではなく他世代と関わりあうことを含めた1つの円であると考えたものであり生物学の概念が取り入れられている。これをライフサイクル論と呼び、生涯発達をするとしたこの論は現代の発達心理学にも多大な影響を与えているといえる。

参考文献 鬢櫛 久美子(1997)「エリクソンのとい世代間の相互形成」

1345

問題2
・カウフマン
 カウフマンはK-ABC心理・教育アセスメントバッテリーを開発した人物の一人である。K-ABC心理・教育アセスメントバッテリーとは子供の知的能力を図るための検査のことであり、認知処理過程と知識・技能の取得度の二つの観点から評価して得意な認知処理様式を見つける。この検査の最大の特徴は子供の指導や教育に生かすことを目的としていることである。また、K-ABC心理・教育アセスメントバッテリーには改訂版であるKABC-Ⅱが存在する。K-ABC心理・教育アセスメントバッテリーと大きく違う点は基礎学力を測定できるようになった点である。
https://www.k-abc.jp/about/

・フォルクマン
 フォルクマンはラザルスと共にストレッサーに対する考え方によってストレス反応が起こるかどうかを説明するために、ストレスの認知的評価モデルを提唱した人物である。ストレスの認知的評価モデルとはストレッサーになりそうな場面になるとまず、出来事が自分にとって脅威的かどうかを評価する。次に自分の力でどうにか対処できるかを評価するという二段階で認知的評価を行うというモデルである。
https://www.armg.jp/journal/182-2/

1344

問題2
「ピアジェ」
 ピアジェは認知の発達段階を構築し、認知の発達は段階的に進行するとして、0-2歳の感覚運動段階、2-7歳の前操作的思考段階、7-12歳の具体的思考段階、12歳以降の形式的思考段階に分かれると言っている。また、人は環境から与えられる情報とそれを理解する自己の認知の枠組みであるシェマが調和していることを求める存在であるため、それらの間に矛盾が生じると葛藤が生じ、この葛藤を解消するために「均衡化」と呼ばれる心の動きが生じるとした。ピアジェは、この認知的な葛藤は認知発達の機会であり、矛盾していることを調節していくことで新たなシェマを獲得していき、新たな認知段階へ発達していくのだとしている。また、それまで認知発達理論では一般的であった「生得説か経験説か」あるいは「発達か学習か」という対立を「均衡化」理論で乗り越え、「構築説」を立てるという革新性の高い理論を作り上げた。この理論は今日の発達心理学においても使われているため、発達心理学、特に子供の認知発達へ貢献したといえる。
 参考文献
・中道圭人・小川翔大(2021)「教育職・心理職の為の発達心理学」ナカニシヤ出版.
http://repo.komazawa-u.ac.jp/opac/repository/all/17880/jrs021-02.pdf

 「セリグマン」
 セリグマンは、私たち一人一人の人生や、属する組織や社会の在り方が、本来あるべき正しい方向に向かう状態に注目し、そのような状態を構成する要素について科学的に検証・実証を試みる心理学である「ポジティブ心理学」を提唱した。「ポジティブ心理学」は精神疾患の患者の精神疾患を治すことよりも、人生をより充実にしたものにするための研究を行ったことでできた。教科書ではこの「ポジティブ心理学」の一分野である楽観主義について述べている。楽観主義は、よい出来事は続き悪い出来事はすぐに終わる「永続性」、よい出来事はあらゆる場面で起き悪い出来事はその場限定である「普遍性」、よい出来事は自分のおかげで悪い出来事は他人や環境のせいである「個人度」という3つの柱からなっている考え方である。しかし、悪い出来事を他のものに転嫁してしまう危険性もある。また、セリグマンは、現代人は国や神への信頼といった精神的な支えを失ってしまい、どこにアイデンティティや目標や希望を求めてよいかが分からなくなってしまい、無力感に陥ってしまうため、うつ病が蔓延しているのではないかとしている。楽観主義は万能ではないが、うつ病や自尊心の低減に対して効果が望めるため、心理療法の分野において貢献したといえる。
 参考文献
https://www.jppanetwork.org/what-is-positivepsychology
https://soka.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=39374&item_no=1&attribute_id=15&file_no=1

1343

問題2

スキナー
 アメリカの心理学者で行動分析学を創始した。彼の業績で有名なものはスキナー・ボックスと呼ばれる実験装置と強化子の概念だろう。
 スキナー・ボックスとは箱にレバーを取り付け、レバーを押すとエサが出る仕組みになっているボックスのことであり、スキナーはこのボックスにモルモットを入れ実験した。モルモットが偶然レバーを押す反応を見せるとエサが出てくるという刺激という形で帰ってくる。この仕組みをモルモットが理解するとモルモットは自発的にレバーを押すようになる。
 スキナーはこの結果から一連の手続きをオペラント条件付けと命名した。また、スキナーはエサが出るというモルモットにレバーを押させる刺激のことを強化子とした。
 スキナーのこれらの業績は彼自身が創始した行動分析学に留まらず、学習心理学まで影響を与えたため心理学史に貢献したと言える。

セリグマン
 アメリカの心理学者。ポジティブ心理学の創始者の一人である。教科書では楽観主義を主張していると紹介されたが、他にも学習性無力感というものを提唱している。
 学習性無力感とは「いくら努力しても期待している成果を得られない場合に感じる無力感」のことである。学習性無力感を調べる実験として犬を電気ショックが流れる地帯と安全地帯がある空間に用意し、電気地帯から逃げ出すことができない状況を作り出したものが行われた。犬は電気地帯から逃げ出すために試行錯誤するが逃げられないとわかると安全地帯へ逃げ出せるようになっても諦めて逃げようとしなくなるという結果が得られた。
 この結果からセリグマンは学習性無力感に陥る前にポジティブに考えることで人々の心の健康を守るという考えを楽観主義やポジティブ心理学として今なお主張している。
 彼の主張は世界中の研究者がポジティブ心理学を発展させることに大きな影響を与えたため心理学史に貢献したと言える。

参照文献 中野 明(2022) 心理学大事典 秀和システム

1342

問題1
「ネガティビティバイアス」8章
ネガティビティバイアスとは人はポジティブな情報よりもネガティブな情報に注意を向けやすく、記憶にも残りやすい性質を持つ傾向があるということを表す心理学用語である。また、これは自身が生きていくためにさまざまなリスクを回避するために身につけたものではないかといわれており、元々は人類が進化する過程で災害や事故などの身の危険から守る防御としての役割を果たすために、長い歴史の中でポジティブなものよりも、ネガティブな刺激をより速く認識するにように脳が発達していったとされている。具体例を挙げると、{Aさんは某家電量販店で新しくノートパソコンを購入するとする。その際商品についての口コミを参考にしたのだが、その商品の全体の評価は「☆5」のうちの「☆4.1」だった。この評価から分かるように口コミの大半が良いことを書かれており、ネガティブな口コミの方が少なかった。しかし、Aさんは良い内容の口コミよりもネガティブな内容の口コミに目が行ってしまい、その場での購入をやめて、もう少し情報収集をすることにした。}この例だとAさんは購入しようとしていたノートパソコンが良い製品だというのは理解していたが、数少ないネガティブな口コミを見た結果、「もし自分に合わない性能で買ったことを公開したらどうしよう」や「買った後にもっと良い製品を見つけたらどうしよう」などのある種のリスク、不安を感じ、それらを回避するためにもう一度情報収集をやり直したことになっている。
「ステレオタイプ」9章
 ステレオタイプとは特定の社会集団に関する知識、信念、期待によって構成された知識構造、多くの人に浸透している固定観念や思い込みのことであり、ステレオタイプは特定の文化によって既に類型化され、社会的に共有された固定的な観念によって作られている。具体例を挙げると1.血液型だと「A型は、几帳面B型はマイペース」2.国のイメージ的な面だと「イタリア人はピッツァやパスタをよく食べがち」「日本人は礼儀正しい、義理堅い」3.性別だと「男性はたくましく、女性はおしとやか」など我々の生活の中にたくさん存在している。実際に私もサークル内の飲み会の席でサークルメンバーの血液型を充てるといった内容の話をしていた際、私はO型なのだが周りには「しっかりしてそうだからAかと思った」といわれたり、部長のときはいつもみんなを上手くまとめたり、的確な指示をだしたりしているから満場一致でA型だったが、実際はB型だった。このように社会的に浸透している固定観念などによってステレオタイプは定着されている。
 一方似たような意味で「偏見」と呼ばれるものも存在し、これはかたよった見方・考え方。ある集団や個人に対して、客観的な根拠なしにいだかれる非好意的な先入観や判断の事でありステレオタイプとの違いは、マイナスの意味で使われているか否かであり、偏見は「お酒が飲めないと付き合いが悪いと言われる」などのようなマイナスのイメージによく使われる。そしてこれらは行き過ぎると「差別」となる可能性もある

参考資料
https://mitsucari.com/blog/negativity_bias/#:~:text=ネガティビティバイアスとは、人,される傾向があります。
https://sports-for-social.com/3minutes/stereotype/
https://dictionary.goo.ne.jp/word/偏見/

1341

最終レポート 問題1

 
行動変容(2章)

行動変容とは、学習することであり、今までとらなかった行動が頻繁にとれるようになることである。そして、結果を伴わせるように細工をすると結果に伴う行動をたくさんとれるようになり、その状況化で得をするような結果をもたらす行動をとれるようになることである。
逃走中の逃走者心理を例に挙げると、まずあまり動かず隠れていてミッションにも参加しない人は、その行動をとることで逃走成功確率が上がり賞金という得をゲットしやすいと学習し自分で選択していると考えられる。次に、自首することを厭わない人はこの先確保されるリスクなどを学習したうえで確実に積みあがった賞金をゲットするという選択をしていると考えられる。最後に、危険を顧みずミッションにも参加する人は、ミッション成功後のメリットや参加することからの自分への評価の変動を学習していて選択していると考えられる。
人によって得に感じることは違い、同じ状況化でも違う行動変容が起きていくと学んだ。

水平伝播(3章)

水平伝播とは、個体間で学び模倣し、教えていくことで進化していき個人・集団の発展のきっかけになるものである。
友達と勉強することを例に挙げると、まずノートの取り方や大事な部分の見分け方などを共有して模倣する。そうすることで自分の理解にもつながり人にも教えられることが増える。このことが身内やネットの中の知り合いなど多方面に広まりループしていくことで、関わる人全体の理解という水平伝播が生じる。この例の担い手は無数の人から集まる多様な勉強法になる。

202

課題8 スキーマアプローチ ナビゲーション実験
 供述の信用性鑑定については、「「たくさん話しているからと言って体験が必ずある」とは言えない。 」ということに同意します。なぜなら、供述者が他人から聞いた可能性や、他の経験から得た可能性もあり、体験したとは限らないため、供述の信頼性が低くなり、捜査記録の信用性が保てなくなるからです。
 一般法則検定と例外の問題は、例外と一般法則の関系をどのようにしてうまく処理するか、非常に考えさせられる問題だと思います。あるいは一般法則から考えて、例外を減らすにはどうすればいいのでしょうか。
 想起の形式によって体験質を問うこと、とても必要だと思います。しかし、記憶という形では、記憶が本当かどうかの判断は難しいのです。

 

201

 課題7  現実の刑事事件と心理学 足利事件と自白の信用性鑑定 甲山事件と目撃証言の信用性鑑定 尼崎スナック狙撃事件と共犯証言の信用性鑑定
 「犯行動機の変遷」について、3つの相をどのように使い分けているのかを知りたいのです。
  検察官は「恐怖感から凶器を大きめに供述した」と言った。恐ろしさが一番印象に残るとは限らないのが、大きな凶器だと思います。もっと危険な凶器かもしれません。たとえば銃とナイフなら、銃のほうが害が大きいと考えるでしょう。だから、銃の存在に注目したのかもしれませんから、必ずしも大きな凶器を供述したわけではありません。私も同意しますが、凶器を使う主体によって、主張の度合いが変わってくるからです。
 「現場調査から須賀氏の供述の不自然さを言おうとした」について、これは捜査機関や弁護団だけがすべき仕事だとは思いませんし、心理学者だけがする仕事でもありません。これは共同で行うべき問題で、三者で協力してこそ、その主張の正確さをより包括的かつ正確に判断することができますし、心理学者の役割のほうが大きいのではないかと思いますので、それも心理学者の役割の一部です。

200

課題7
現実の刑事事件と心理学

三村事件について

意見

 動機の変遷に関する嘘分析第二相:金銭目的→第三相:三村への愛情という流れが不自然だと指摘した後に第三者である当時の恋人から嫌われたくないという感情を理由に第三相を隠蔽する合理的理由に裁判所は判断したとあったが、裁判心理学での「法や制度による制約がかかった特殊な環境で、人間がどう動いているか」を考慮する必要があることを再認識して考えた時、この「当時の恋人から嫌われたくないという感情」は先述した部分に含まれないのだろうかと考えた。個人的な考えとしてはそもそも裁判などがなかったらこの感情は出てこないと思うので含めて考えてもいいのではと思った。
ただ、これを含めてしまうと事件解決へ至るまでの枠組みが無限に広がっていってしまう危険性も同時にあると考える。情報の収集がつかず、何を調べたいのか見えにくくなりそうである。どこまでを「法や制度による制約がかかった特殊な環境」とするのかが(もう既に説明済みでしたらすみません。)難しい所だと感じた。

疑問

 また今回は講義動画を観ていると先生達の動機の変遷に関する嘘分析の意見を提出した後に「当時の恋人から嫌われたくない~」という情報を出されていたと個人で解釈しました。そのうえで上記意見を記述しましたが、この情報自体は先生達は初めから知っていたのでしょうか。知っていたうえでそこは含めず解析をされていたのでしょうか。知らずに解析されたのでしょうか。

1339

最終レポート
問題1
・操作的定義
 操作的定義とは本来定規などで図ることのできない錯視量(錯視によって生じる「どのくらい長くもしくは短く見えるのか」という誤差の感覚の量)やどのくらい嬉しいか、どのくらい悲しいかなどの感情の値を測定することができるようにするために数値化する作業のことである。具体的にどう定義化するのかというと大体三つの方法に分類される。一つ目は課題などを被験者に行ってもらいその成績から求めたい数値を割り出すといった方法である。二つ目に挙げられるのは自分で自分の心の中を答えてもらう方法である。例えば、アンケート用紙を配布し「この物事についてどのくらい嬉しかったか」などの項目で5段階評価などで答えてもらうことで数値を得ることができる。実例としては、私はスマートフォンのソーシャルゲームをよく行うのですが定期的に実施されるお客様アンケートでこのシステム、イベントにどのくらい満足したかという質問が5段階評価である。これにより本来図ることのできないユーザーがどれだけ満足できたがどうかがわかる。三つめは対象に対して観察を行い一定時間でどれだけ指標となる行動をしたかで計れる。例を挙げると対象が気分的に落ち込んでいるかを測定したいときに一時間の間でどれだけため息をしたかを指標として測定することができる。しかし、この方法はその行動(今回はため息)が測定したい感情(今回だと気分が落ち込んでいるかどうか)によって引き起こされたわけではない可能性があることを留意しなければならない。

・敏感期
 敏感期とは特定の時期に学習をすると学習が成立しやすい、つまり身につきやすいという時期のことである。似た意味の言葉に臨界期があるがこちらは「臨界期を超えてしまうともう習得できない、学習が成立しない」など厳密なものとなっている。敏感期の例を挙げると運動能力が挙げられる。一定の時期を逃してしまうと歩くどころか立つことすら難しくなってしまう。実例としては狼に育てられた少女が挙げられる。狼に幼少期を育てられた少女は二足歩行で立つことがとても困難となってしまった。しかし、長年の訓練によって二足で立つことに成功したことから敏感期を過ぎると学習することは困難ではあっても不可能ではないことを証明している。また、敏感期は確かに多くのことを学習することが可能になるがあまりにも多くのことを学習させようとすると容量がパンクしてしまうため注意が必要となる。

1338

問題1 
「手続き記憶」
手続き記憶とは、長期記憶の一種で道具の使い方や自転車の乗り方のようなものに対する記憶を言う。意識にあまり上がることのない習慣的動作のことであり、これらの実例としては九九の計算(暗記)の様に頭の中で計算せずとも答えを導き出すことができる物や、次の行為を意識せずとも行える自転車の操作などが当てはまる。

参考文献 重野純 (2012) 「キーワードコレクション 心理学 改訂版」

「ステレオタイプ」
特定の社会的集団に関する知識、信念、期待によって構成された知識構造をいう。紋切り型態度ともいう。
この実例として、血液型診断があてはまる。
日本において血液型を用いた性格診断は多くの人に知られており、小学生にもなればほとんどの人が一度は触れるものである。例えばA型の人は几帳面である・O型はおおざっぱであるなど、様々であるが私たちが生活する日本国内であればもはや正確性があると言っても過言ではない。
しかし、血液型診断がメジャーではない国(米国など)では星座占いによる性格診断が日本国内の血液型診断と同じような立ち位置にある。そして星座占いはアメリカでは日本国内の血液型診断と同程度の正確性を持っている。
これは、ステレオタイプによる作用である。なぜならステレオタイプには内容を意識させるとその対象がステレオタイプの内容と同じ現象を起こしてしまうためである。これによって日本ではA型は几帳面でO型はおおざっぱ等の、血液型診断の結果の通りに性格が診断され、アメリカでは誕生日の星座によって性格が診断することが可能となっている。

1337

問題2
ロフタスはアメリカの認知心理学者で、記憶を脳の中でばらばらに存在しており、そのばらばらの記憶が再構築されることと説明している。この論文ではそのことについて詳しく説明している。ロフタスは記憶のゆがみについて二つの異なるタイプの法的ケースを関連づけた。一つ目は犯罪が実際に起きて人々の記憶がゆがむケース。二つ目が起こっていない出来事を作り上げてしまうケースである。これは記憶のゆがみを法的ケースに関連づけているので、ロフタスは司法の場に貢献した。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjlawpsychology/12/1/12_KJ00008995149/_pdf/-char/ja

ニスベットはアメリカの社会学者である。ニスベットはますだとともに日本人とアメリカ人に、水中の風景が描写されたアニメーションを見せて、どんな画面だったかを自由に話す研究を行った。日本人は様々な情報を全体的に捉えてその背景や状況などに注意を向けていると考えられ、アメリカ人は中心的な事象に注意を向けて重要と思われない背景は無視をするという見方をしていたと考えられる。ニスベットは日本人のような認知の仕方を包括的認知傾向とし、アメリカ人のような認知の仕方を分析的認知傾向とした。ニスベットは文化差と認知を関連づけることに貢献した。
https://sites.ualberta.ca/~tmasuda/Masuda2014_Shintenkai.pdf

1336

問題3
「水平伝播」(3章)と「ソーシャルサポート」(10章)は関連していると思う。理由はクラスや集団で考えたときにA君がストレスを溜めていたとする。そこでB君がソーシャルサポートの中の情緒的サポートを施す。そこでのやり取りとしては完結しているが、もしつぎ仮にC君が困っていた時にはA君はB君に情緒的サポートをされたことによりC君を助けることができる。なので「水平伝播」が行われる。また、初めのA君とB君のやりとりをクラスの誰かが見ていたとする。それを見ていた人はA君にどのような対処をするべきかを考えれる。このように「ソーシャルサポート」は行った側、された側、それを見ていた側の3点により「水平伝播」によって循環してると思われる。これはSNSにも通ずると思う。困り事や相談事を匿名を使ってできる場があるのも「ソーシャルサポート」の「水平伝播」によってだと思われる。困り事や相談事をした側は次に回答側になることが出来る。それは「ソーシャルサポート」が「水平伝播」したからだといえる。