札学心理学

22心理学(3) / 1352

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問題2

「ウィング」
英国の児童精神科医ローナ・ウイングは発達の障害のひとつである自閉症への研究に貢献した。さらに、アスペルガー症候群、自閉症スペクトラムなどの用語の導入をおこなった。
 ローナ・ウィングは、「Wingの3つ組」とよばれる自閉症の本質を定義した。自閉症スペクトラム(ASD)は社会性(同年代の他者と相互的な交流を行うことが困難)、社会的コミュニケーション(社会的場面でのコミュニケーションの方法が独特であるのが特徴であり、言葉の裏を読むことが苦手。会話の中で気になった言葉のみに注目してしまう)、想像力(ものを並べる、特定の物を集める、変化を嫌う等のこだわりと言われる行動)、それぞれに質的な偏りがみられると提唱した。
 また、自閉症である自らの娘を対象とした豊富な臨床経験と研究によって、障害を最小限にして潜在的な能力やスキルを最大限に発揮できるような療育環境や日課のプログラム作成について解説した論文を書いている。

参照文献
ローナ・ウィング(翻訳 久保紘章,佐々木正美,清水康夫).『自閉症スペクトル-親と専門家のためのガイドブック』.東京書籍
https://hosei.repo.nii.ac.jp/index.php?action=repository_action_common_download&item_id=15398&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1&page_id=13&block_id=83

「シュプランガー」
シュプランガーは、性格や人格の研究において、類型論を唱え、研究へ貢献した。
 人がどの領域に文化的価値をおいているかにより、理論型(理論が通じることや真理に価値をおく。論理的に理解することで真理を追究する)、経済型(金銭的・社会的地位に価値をおく。利己主義的で、経済的観点から物事を捉える)、審美型(美的なもの、楽しいことに価値をおく。ものごとを感情を通して考える)、宗教型(神を崇め、信仰に価値をおく。博愛的で、人生を見つめ、道徳的に生きようとする)、権力型(他人を自分の意のまま従わせることに価値をおく。権力掌握に満足感を覚える)、社会型(社会への奉仕活動や福祉にかかわることに価値をおき、人の役に立つ行動をとる) の、6つの類型に分類した。
 これらは、生きていく上で重要な個人の価値観であり、社会的・文化的に形成された世間の価値観とは異なる。そのため、異なる価値観を持つ者同士が、理解し合うことは難しくなると、シュプランガーは提唱した。

(https://kokushikan.repo.nii.ac.jp/index.php?action=repository_action_common_download&item_id=6534&item_no=1&attribute_id=189&file_no=1&page_id=13&block_id=21)

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