札学心理学

22心理学(3) / 1344

1437 コメント
views
0 フォロー
1344

問題2
「ピアジェ」
 ピアジェは認知の発達段階を構築し、認知の発達は段階的に進行するとして、0-2歳の感覚運動段階、2-7歳の前操作的思考段階、7-12歳の具体的思考段階、12歳以降の形式的思考段階に分かれると言っている。また、人は環境から与えられる情報とそれを理解する自己の認知の枠組みであるシェマが調和していることを求める存在であるため、それらの間に矛盾が生じると葛藤が生じ、この葛藤を解消するために「均衡化」と呼ばれる心の動きが生じるとした。ピアジェは、この認知的な葛藤は認知発達の機会であり、矛盾していることを調節していくことで新たなシェマを獲得していき、新たな認知段階へ発達していくのだとしている。また、それまで認知発達理論では一般的であった「生得説か経験説か」あるいは「発達か学習か」という対立を「均衡化」理論で乗り越え、「構築説」を立てるという革新性の高い理論を作り上げた。この理論は今日の発達心理学においても使われているため、発達心理学、特に子供の認知発達へ貢献したといえる。
 参考文献
・中道圭人・小川翔大(2021)「教育職・心理職の為の発達心理学」ナカニシヤ出版.
http://repo.komazawa-u.ac.jp/opac/repository/all/17880/jrs021-02.pdf

 「セリグマン」
 セリグマンは、私たち一人一人の人生や、属する組織や社会の在り方が、本来あるべき正しい方向に向かう状態に注目し、そのような状態を構成する要素について科学的に検証・実証を試みる心理学である「ポジティブ心理学」を提唱した。「ポジティブ心理学」は精神疾患の患者の精神疾患を治すことよりも、人生をより充実にしたものにするための研究を行ったことでできた。教科書ではこの「ポジティブ心理学」の一分野である楽観主義について述べている。楽観主義は、よい出来事は続き悪い出来事はすぐに終わる「永続性」、よい出来事はあらゆる場面で起き悪い出来事はその場限定である「普遍性」、よい出来事は自分のおかげで悪い出来事は他人や環境のせいである「個人度」という3つの柱からなっている考え方である。しかし、悪い出来事を他のものに転嫁してしまう危険性もある。また、セリグマンは、現代人は国や神への信頼といった精神的な支えを失ってしまい、どこにアイデンティティや目標や希望を求めてよいかが分からなくなってしまい、無力感に陥ってしまうため、うつ病が蔓延しているのではないかとしている。楽観主義は万能ではないが、うつ病や自尊心の低減に対して効果が望めるため、心理療法の分野において貢献したといえる。
 参考文献
https://www.jppanetwork.org/what-is-positivepsychology
https://soka.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=39374&item_no=1&attribute_id=15&file_no=1

通報 ...