札学心理学

22心理学(3) / 1367

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問題3
自己観(9章)と模倣(3章)

まず、自己意識とは、自分自身にのみ開示されたプライベートな世界であり、他人事ではない最も切実な対象領域であることである。そして、自己観とは「自分とはいかなる人間なのか」という問いに対する自分なりの答えである。自己意識と、自己観は類似するワードだと考えるため、内藤(1990)の資料を参照する。
理想我の獲得には、以下の理論が関係している。まず最初にあげるべき理論は、 フロイトの同一視の防衛機制が挙げられる。これは、モデルと同一化することで、相手の外観、特性、属性を全体的あるいは部分的に取り入れることである。これによって理想我が形成されることになる。また、内藤(1990)は、「モデルの模倣的行動を取り上げた学習理論としては、バンドューラの社会的学習理論があり、この理論では、モデルの示範を単に観察するだけでも、対面せずに書物を読むだけでも、模倣が生じることを明らかにしている。」と述べている。これらのことから、自己の概念の獲得や評価の成立には、模倣現象が深くかかわっていることがわかる。
 さらに、模倣を行う際に対象にとって、対象者にとって好ましい人であれば、代理強化に大きな変化があることが、前田(1980)の研究からわかる。これらは、自己観が模倣に作用している証拠だと考える。

前田哲雄(1990)『自己意識と模倣行動』

https://www.jstage.jst.go.jp/article/pamjaep/22/0/22_90/_pdf/-char/ja

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