札学心理学

22心理学(3) / 1368

1437 コメント
views
0 フォロー
1368

問題3
側頭葉(4章)とフラッシュバルブ記憶(6章)
 フラッシュバルブ記憶が起こる理由として側頭葉のつくりや働きが大きく関係していると考える。
フラッシュバルブ記憶は劇的な事件の知らせや大きな刺激が引金となり、まるでフラッシュをたいてその時の様子を写真にとったかのように鮮明な記憶が残り、正確に思い出せる記憶の事である。私たちで例を挙げると「東日本大震災」や「北海道胆振東部地震」が起きた当時、自身は「どこに」、「誰と」、「何をしていた」など正確に思い出すことができると思う。実際私自身も東日本大震災の際は小学校で教室の右端から2番目の席で授業を受け、揺れを感じてからしばらく机の下に隠れていた。また、アメリカでは1963年に起きたケネディ大統領暗殺事件について、暗殺事件から10年後に雑誌「エスクワイア」がその当時どこにいたかを多数の著名人に尋ねたところ、当時の状況を見事に再生したことを報道した。
 そして側頭葉は主に物体の認知や記憶に関する情報処理を行う働きがあり、耳からの音や話し言葉などの感覚情報を受け取る。側頭葉が損傷、もしくはなくなった場合、私たちは目や耳は機能していてもそれが何なのか理解し、処理することができず記憶することができなくなる。そして、フラッシュバルブ記憶が記憶されているのは側頭葉内でも脳の記憶の中枢であり、記憶を作り、それを選別している「海馬」と、情動や視覚情報を扱い、特に不安や緊張、恐怖反応において重要な役割を担っている「扁桃体」に記憶されると考えられている。偏桃体で感じ、つくられた情動が海馬に送られ、記憶を形成する。また、偏桃体で感じた恐怖などの刺激が強くなるほど長期記憶として蓄えられ、その後大脳へ記録される。
 また、特殊な事例として自閉症の患者はさらに細かな記憶まで思い出せている事例がある。日本の重度の自閉症者が16歳のころ、10年以上前のとある日の丸1日の出来事を正確に絵にしていったといった事例があった。このような自閉症の症状のある方にはる側頭葉、および前頭葉で健常群において年齢とともに見られる皮質の容量、厚さの減少が少ないという報告がある。この報告から自閉症者は記憶に関する働きを持つ側頭葉に何らかの異常があると考えられる。おそらく一般の人間の脳は記憶を構成する際、必要だと思われる情報以外を捨て去り、必要な情報のみを記憶するためにできるだけ必要最小限の記憶へとまとめているが、自閉症者はそれが何らかの異常によって必要最小限の記憶へまとめるのではなく、目に映ったものすべてを事細かに記憶してしまっていると考えた。
以上の事からフラッシュバルブ記憶が起こる理由として側頭葉のつくりや働きが大きく関係していると考えた。

通報 ...