自転車道場

ブレーキの整備 / 4

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ディープインパクト 2024/07/31 (水) 23:06:05 >> 2

 skogenさん
興味ある話題なので、参加します。^^;

とは言っても、うちのブレーキは5800と6800なので、清掃整備しかやってません。なので、経験に基づいた意見は出せません。ですが、金属表面そのものは多少の経験と知識があります。
私もst162cさんと同じで、機構部品の摺動部分には基本的には油を使います。量は薄い被膜を作る程度。

もし、潤滑剤を使わない整備をやろうとしても、潤滑剤無しの表面状態にするのはなかなか難しいと思います。金属表面を完全に清浄にするには、物理的な研磨、あるいは化学的な処理が必要です。仮に清浄な金属の表面が得られても、手で触るだけでも、空気中に放置しておくだけでも表面に薄い被膜ができます。

自動車だとそういう被膜では潤滑できないでしょうが、自転車だと有り得る。なんせ掛かっている力も摺動回数も小さいですから。

自転車でも高速回転するところや、強い力が掛かるところだと被膜は破れて金属同士が接触し、互いに摩耗するでしょうね。これは、金属の清浄表面がでている面を磨り合わせた場合に相当し、金属が摩耗する。なので、潤滑剤が要る。

じゃあ、自然に潤滑被膜が付着する非潤滑な面と、意図的に薄い被膜を付けた潤滑面が同じになるかというと、必ずしもそうはならない。湿度や温度、雰囲気、金属の材質などに依存して、とても摩耗しやすい表面になってしまうかも知れません。例えば、アルミナ(アルミニウムの酸化物)は研磨剤です。ですから、コントロールできる潤滑剤を表面に与えて、同じ表面状態を維持した方が工業的には良い。

そういう理由で、私は潤滑油を使います。清浄な金属表面がとても不安定なことは経験として知っていますから、意図的に表面を被膜します。むぅ、長文になってしまいましたが、さらに余談。。。。

昔、ある技術者が作った金属面の劣化が早く、その原因を探ったことがあります。答は出なかったのですが、その時に候補に上がったのが、ニンニクを食べたかどうか。ニンニクの成分には硫黄が含まれていて、硫黄は金属表面を侵します。うまく硫黄系の化合物が金属面に付けば保護膜になりますが、その逆もある。微妙で微小なスケールの世界での議論になります。

ところで、カップ&コーン式のハブでグリスを最小量にして調整すると、ホイールはとても良く回ります。必要最少量のグリスはほんの僅かです。グリスの代わりにミシン油を少量垂らしてもやはりとても良く回ります。極圧剤が入ってないので実走行はNGですが。しかし、グリスの油は温度や機械的な衝撃で分子が切れて、潤滑性が下がっていきます。減る割合も多い。ですので、グリス最少量でハブを運用するには、頻繁に整備しないといけないでしょう。異物が入った時のベアリングへのダメージも大きい。

そういうのに近いギリギリの整備もあるんだろうと思います。でも、普通の人には再現できなかったりする可能性が高い。平均値を高くするのか、外れ値を高くするのか、条件設定は様々でしょう。工業的には平均値を狙います。
以上、非実践的な意見でした。

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