自転車道場

3本ローラー / 180

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ディープインパクト 2024/09/27 (金) 13:38:31

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力を抜くというのは「力を入れる」ことができない人にはできません。
僕は自転車整備で一番難しいのは空気入れといってますが何が一番難しいのかというと「力を入れるところと力を抜くところ」です。写真をアップします。この写真のAが全力を出すところでBが力を抜くところです。空気ポンプというのはAの部分でしか空気が入りません。Bのところでいくらがんばってもゼロです。
だからBのところでは余計な力を使わない=力を抜く。下手な人がやるとBの部分で必死に力を使い、Aの部分を押し込まずに力を抜きます。だからいくらやっても空気が入りません。

僕は今までに「このポンプいくらやっても空気が入りません、壊れてるんです、性能が低いんです」という人の目の前で、そのポンプを使ってタイヤをパンパンにしてあげたことが何度かあります。大学のサイクリング部で10人くらいの集団で誰も空気を入れることができなくて実演して教えてあげたこともあります。
ポンプが悪いのではなくて「ポンプの使い方を間違っている」のが原因。
自転車整備で一番難しい「空気入れ」をなめている、構造を頭で考え真剣勝負でやりましょう。

同じように3本ローラーに乗ると、みんな「きつい、疲れる、吐きそう」と言います。
一番軽いギアでしか乗れないとか、それって3本ローラーが原因なんでしょうか??

ペダリングの図を2枚目にアップします。Aが力を出すところ、Bが力を抜くところ、空気ポンプのA、Bと同じです。力を抜くというのは力を出すところを全力で力を出すから意味があります。
自転車はタイミングとバランスが重要で必要のないタイミングで力を出すとマイナスになります。
そのマイナスになるところで必死に力を使えば「きつい、疲れる、吐きそう」になります。

空気入れも、いくら必死に汗かいてもタイヤはペタンコのまま。
Aの部分のペダルの引き上げは、自転車全体の反動を利用します。全身の重心移動とバネがかかわってきます。それを習得するには「もがき」の練習が必要です。

全力を出せない人は力を抜くこともできません。

3本ローラー慣れてきたら5分の中に「もがき」を入れてください。
15秒もがき、15秒休憩、15秒もがき、15秒休憩のインターバルを2回1分だけ入れてみてください。
もがきは時速60km以上、休憩は30km以下、そんなイメージで。

日本の競輪場は400mバンクが多く、ラスト200mをハロンと呼び、そのハロンをもがききれるかどうかで勝負が決まります。一流選手はハロン11秒前後で走ります。しかし一般の人でも15秒あればハロンを走りきれます。バックスタンドからジャンが鳴りラスト3コーナーからゴールまでもがききるイメージで15秒。きつかったら10秒にしてもいいし5秒もがき15秒休憩など、自分の体調に合わせて変更してください。5分ローラーの中に1分だけ、全力を出し力を抜く、もがきインターバル練習を入れてみてください。そうすれば高速回転時にお尻が浮くこともなくなります。

僕らは3本ローラーのことを「回転台」と呼びます。
競輪選手で3本ローラーといってる人はいなかったです(今の若い子は知らないけど)
回転台とは回転を続けるための台です。決して足を止めないでください。固定ギアピストなら足を止めるということが不可能なので、いちいちこういう注意はする必要がないのですが、フリーギアで乗ると足を止めて乗る人がいるので、足を止めて乗るくらいなら回転台に乗らない方がいいです。回転台で足を止めるクセをつけると、ものすごい悪影響があります。

足止めてブレーキかけて止まるみたいな乗り方は最悪なので絶対しないように。
ブレーキは使わない、足は止めない、これを絶対守ってください。以上です。がんばって!

ちょっと自転車競技やる人向けみたいに熱く書いてしまいました。
楽しくないと続かないので、決して無理しないで身体に負担のない範囲で楽しんでください。
15秒インターバルなどは子どもさんや奥様、友達など身近な人にスタート、ゴールを言ってもらえば楽しくできます。自分一人でやってると苦しいことばかりでなかなか続きません。

僕の書いていることは常に正しいことではありません。自分の身体に合わない時はやめるか、自分の身体が楽な方に修正して使ってください。人間の身体は不器用でデリケートです。覚えるのに3年かかり忘れるのは3日みたいなことがあります。

誰でも普通にできる、空気入れやペダルを回すみたいなことの方が、ものすごく難しく奥義を極めると大差が出たりします。

街道を自転車で走っていて「あれ、この回転、ローラー台の回転だ」と思えるようになればペダリングが身についてきています。やりたいことはひとつだけ。
 「自分の足でペダルを回す邪魔をしない」邪魔をしないようになるとペダルはクルクル回ります。一番走るのを妨害していたのは自分だった!みたいな。楽しく乗ってください。

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