鶏 泰造さん
「乗り方を変えた」という意味では、やはりデュアルコントロールレバー(STI)でしょう。
私が初めてJCRC戦に出たときには、すでにSTIへの移行が始まっていたのですが、私はまだフリクションレバーでスプロケも6速という仕様で走りました。最終周回の最後の短い登りでは集団の最前列にいたのですが、登り切ってから、みんながハンドルから手を離さずに変速して加速していくのに、私だけ片手を離して変速していたら置いてかれちゃって、幸い、ゴール前の牽制でスピード落ちたところに追いつき、ゴールスプリントには絡めたのですが、この時も途中で変速したおかげで失速し、ギリギリで入賞を逃した思い出があります。
クリテリウムなんかでも、STIならコーナーでブレーキングしながらシフトダウンできるので、ダブルレバーじゃまったく勝負にならなくなっちゃいましたよね。レースには出なくても、信号で止まる際なんか、ブレーキングしながらギヤを軽くしておけるから、すごく便利になりました。上り坂でダンシングしながらでも変速できるので、勾配の変化に対応するのも楽になりましたよね。これは「機能の進化」ですね。
「性能の進化」という点で言えば、スプロケットの歯型とチェーンの形状でしょう。昔はスプロケの歯もチェーンのプレートもまっ平らだったので、変速する際にはペダリングを緩める必要がありましたが、UGとかIGとかの歯型やチェーンができてからは、踏んだままでも変速できるようになりました。特にフロントのアウターに変速ポイントが付いてからは、フロントの変速がすごく良くなりましたよね。
ただしこれは、ある日突然、完成されたものが出てきたわけではなく、最初はフリーの歯先がひねってあるだけで、応力分布が良くなかったのか、歯がよく欠けました。その後、歯そのものは真っ直ぐで、変速ポイントにえぐりを入れたり、歯先の形状を低くしたりと改良が加えられ、現在の形に落ち着いています。UGとIGとHGと、あとは何があったかなぁ。ていうか、今はどれでしたっけ(^^;?
あとはデュアルピボット式のブレーキ。最初は「確かによく利くけど、ごついし機能美がないなぁ」なんて思って、しばらくサイドプルを使っていましたけど、長い下り坂ではDPのほうが圧倒的に楽なので、今ではこれ以外には考えられません(特にフロント)。
手組みホイールも、ハイトが13mmぐらいしかないチューブラーリムの時代はよく壊れましたが、クリンチャーだと低くても18mmぐらいありますから、ずいぶん頑丈になりました。
思えばずいぶん変わってきたものですね。20数年前に組んだロードレーサー、最初についていた部品は、ヘッド小物とシートピラーだけになっちゃいましたよ(笑)。