skogenさん
クオリア44さんも勧めてる訳じゃ無さそうですが、ベアリングの研磨に挑戦しそうな人が居そうなので、ちょっと駄文を。専門じゃ無いので間違ってるかも知れませんが、素人がベアリングを研磨するのは無理だと思います。
鋼球の寸法精度はサブμmで仕上げられていて、それを受ける円筒形の内面(玉受け)と外面(玉押し)もサブμmの精度が必要です。鋼球は研磨剤で磨くことができますが、ベアリングに組まれた状態で研磨すると真円度が落ちます。
一方で、玉受け・玉押しは曲面の精度・平滑度が大事で、素人が仕上げるのはさらに難易度が高いだろうと思います。玉受けは中空の円筒の内面を磨いて真円にする訳ですから、機械仕上げするのも高い精度の機械と技量が必要でしょう。
グリス代わりに研磨剤をベアリングに入れて鋼球を転がして研磨すると、偏芯やレース面の大きな波打ちが起こるだろうと思います。ガタガタのゴリゴリになるんじゃ無いかな。いずれにしろ、研磨剤を詰めてベアリングを回すというのは、精度が悪い工作機械を使って最終仕上げをやるみたいなものなので、良くなるはずが無い。
極圧性能ですが、グリスは粘性がある液体なので、圧力が掛かると膜が切れると考える人は多いと思います。しかし、極圧剤は金属表面に吸着して皮膜を作っていますから、それを突き破るのは大きな圧力が必要です。被膜が破れると打撃痕や融着が生じるでしょうし、それが進むとフレーキングするので、ベアリングの寿命になります。もし、そういう力の受け方を想定して設計されている機械があれば、それは設計そのものが間違って居ると思います。
補足
極圧剤はモリブデン系とかグラファイト系の化合物だと薄い面状の分子構造を持っていて、それが金属表面に貼り付きます。有機系の化合物(硫化物系とか脂肪酸系)だと官能基が金属表面に結合して、分子の膜を作ってます。このような分子でコーティングされた金属表面どうしの接触と滑りが、極圧時の潤滑のメカニズムです。