自転車道場

劇的な瞬間 / 4

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ディープインパクト 2024/11/24 (日) 23:43:47

 人生は何回、劇的な瞬間を体験できるかだと思う。大阪から東京までノンストップランしたり、六甲山タイヤ引いて登ったり、サロマ湖で暴風雨の中、テント張ったり、全く意味のないことだけど「劇的さ」では一生記憶に残る。伊賀いちも迷子になったから、こんな道一生走ることないと思うところ走り、予期せぬ紅葉にであい「劇的な瞬間」を生きれた。
 自転車って「劇的な瞬間が多い」競輪場でジャンが鳴り、最後の200ハロン、10秒の時間が1時間のようにスローモーションに延びる、時速70kmなのにタイヤが止まっているように見える、人間の記憶って都合がいい。何時間も経っていても飛んで記憶が残っていないこともある。

 初めてスイスに行った時、お城で泊まった。古いお城で暗く電気がなく燭台があった。そこの近くにカフェがあり、夕方食べ物がなかったので食べにいったけど夕食はなくコーヒーだけ飲んだ。すると馬に乗った人が店に入ってきて隣のテーブルに座った。僕の横には馬がいる、息づかいが聞こえ馬のニオイがする。
 いったいここは何なんだ!中世の城と馬が来るカフェ。まるで演劇見てるようだった。そういう瞬間は今でも明確に覚えている。結局食料を手に入れることは出来なくてお腹空かして「今日は夕食抜きか」と帰っていったら、城主のおばちゃんがフランスパンをくれた。おいしかった。

 食事も風呂もなく寝る石のスペースだけを借りる、しかもそこはたぶん昔、囚人が幽閉された北塔、自転車旅は予想がつかない、毎日毎日が劇的な瞬間。お金では買えない「劇的な時間」
 そういうのって経験したもの勝ち!苦労と危険が大きい分、愛の感じ方も半端ない。自転車道場も「劇的な時間」を届けられたら最高です。

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