自転車道場

フレームの話 / 93

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ディープインパクト 2024/10/05 (土) 21:42:38 修正

 skogenさん  

クオリア44さん
それは極論です。
基本にダイヤモンドフレームがあり、そのジオメトリーを見るとBBとサドル位置とハンドル位置が大まかに分かる。なので、ジオメトリーを見れば分かっている人は判断が付く。剛性とかもある程度推定できる。

もし標準から外れてしまった異型のフレームになると、乗れるかどうか事前に図面を引かないといけません。だからジオメトリーは無意味であり、不要である、というのは論理的に正しいですが、適応できる範囲がとても狭い。言い方を変えれば、一般的な知識として役に立たない。^^

あと、シートチューブ角85度のフレームについては、ハンドルの反応性に問題があり、落車を引こ起こす、という点は重要かと思います。やはり例外なんでしょうね。それにしても、いろんな自転車をお持ちなんですね。自転車愛は伝わってきます。私が知っているマニアな方とは守備範囲がだいぶ違いますが、いろんな自転車を所有しているのに不案内な者からは同じように見えてしまって、何となく趣向が分かるのが面白いです。

後ろ三角の作図画像1
このスレのタイトル「ジオメトリーの考え方」について、いろいろと勉強になってます。情報になってるかちょっと微妙な流れもありますが。。。ここは踏み応えて(笑)、私が知りたかったフレームのジオメトリーの決め方について大まかな方針が立ちました。ジオメトリーの見方を身に付けるために、実際にフレームを作図しちゃおうというのが私の方針です。名付けて「skogen式フレーム設計法」です。^^

◎サドル位置の決定

  1. 体の寸法L1~L6までのサイズを採寸。四肢骨長の標準値は藤井の式で推定可。
  2. BB位置を定め、3時と6時のクランク(長さL9)を描き、くるぶしの位置P1、P2を定める。
  3. クランク位置3時の拇指球を通る鉛直線S1と、くるぶしの位置P1を中心とする脛骨長を半径とする円C1を描く。その交点が膝の位置P3。
  4. 下死点での膝の曲がり角を決める(例:S1に対する脛骨の角度は20度)
  5. くるぶしの位置P2から膝の曲がり角で脛骨を配置し、膝の位置P4を決める。
  6. P3とP4を中心とする半径L1の2つの円C2、C3の交点が大腿骨の付け根P5
  7. P5から下にL1/10の点がサドル位置の基準P6(坐骨は大腿骨頭頂の大転子の根本辺りにあり、それは大腿骨長の1/10程度)

◎後ろ三角の作図

  1. BB-P6がシートチューブに相当。
  2. BB下がりL7を決め、BB上方に水平線S2を描く。これがホイールベースとなる。
  3. BBを中心とするチェーンステー長L8を半径とする円とホイールベースS2の交点がリアエンドP7
  4. 後ろ三角が二等辺三角形となるようにシートステーを作図。つまり、チェーンステーの垂直二等分線を引き、シートチューブとの交点P8を求める。P7-P8がシートステー。また、P8はシートチューブの上端で、標準的なトップチューブはP8を通る水平線上に位置する。

作図例は身長170cmの標準値で、後ろ三角のジオメトリーは次のようになります。
・BB下がりの設計値 65mm
・シートチューブ角 74.2度、シートチューブ長 449mm
・サドル高 655mm
サドル位置は理詰めで決めることができましたが、美しい後ろ三角の描き方が最初は分らなかったです。つまり、シートステーの上端位置を決める条件が分からない。前三角やハンドル位置との関係で決めるのは、設計が複雑になるので第1段階としては避けたい。

さて、ダイヤモンドフレームはトラス構造なので、荷重のベクトルができるだけ三角形の重心に向いたほうが良い。シートステーやチェーンステーは細いが、左右2本で構成されるため1本だけのシートチューブと強度は近いはず。となると対象形トラスが良い形、つまり二等辺三角形にするのが正しい、と考えました。(構造計算をした訳じゃないので、多分に個人的な直感&美的感覚です)

また、3時のクランク位置での膝位置の決め方から分かるように、この設計は平地巡航でシッティングが中心の走り方を前提としてます。膝の位置を変えると、後ほどアップ予定の前三角の決め方から分かるように、上半身を含めたライディングフォームとブラケット位置が変わります。
以上、後ろ三角の作図方法でした。中学数学の問題と同じで、ほぼコンパスと定規で作図できます。^^;

机上の空論ではありますが、この手順を追ってから、市販車のロードバイクや競輪フレームの後ろ三角を見ると、その形の違いが良く分かるようになると思います。自分の自転車のあらも見えるようになるオマケ付きです(笑)。
ーーー以下、記号の意味(作図例での値 mm単位)ーーー
L1=大腿骨長(466)L2=脛骨長(390)L3=上腕骨長(345)L4=尺骨長(281)L5=くるぶしから拇指球までの水平距離(120)L6=足底から脛骨の下部までの高さ(30: 脛骨の下部はくるぶしの3cmぐらい下)L7=BB下がり(65)L8=チェーンステー長(405)L9=クランク長(170)

P1: 3時のクランクのくるぶしの位置 P2: 6時のクランクのくるぶしの位置 P3: 3時のクランクの膝の位置 P4: 6時のクランクの膝の位置 P5: 大腿骨の付け根の位置 P6: サドル位置の基準 P7: リアエンド P8: シートチューブの上端

C1: 3時のクランク位置で脛骨下端を中心、脛骨長を半径とする円 C2: 3時のクランク位置で膝を中心、大腿骨長を半径とする円 C3: 6時のクランク位置で膝を中心、大腿骨長を半径とする円

S1: 3時のクランクの拇指球位置を通る鉛直線 S2: ホイールベースの基準線 S3: BB基準線
ーー藤井の式(身長 y 単位cm) 男性について左右の平均値を使用
大腿骨長=(y-54.2)/2.49 脛骨長=(y--75.8)/2.42 上腕骨長=(y-73.1)/2.81 尺骨長=(y-80.9)/3.17

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