ここはジャパリ文庫
SSシリーズを投稿するスレです。
多分何言ってるかわからんと思うからざっくり説明すると、
出版社みたいにここでたくさんの作者さんがSSを投稿し、みんなを楽しませる感じのスレ、
個人で出すよりこういう感じで出した方が知名度も上がるかもしれないし、何より人気投票とかも取るつもりだから(取らないかもしれないけど)みんなももっともっとSSという存在に触れられると思うんだ。
だけど作者さんが傷つくようなことは言うなよ、おかしいと思ったらおかしいっていうのは悪いことじゃないがアドバイスって形で言ってよな
1・まず宣伝をする。
「漫画雑誌とかでいう読み切りみたいなの、ざっくりとしたあらすじとか書いたらいいと思う。[近々公開]とか[○月○日公開予定]とかも書いていいよ(これは好きな時に書いてね)」
2・投稿する。
「書いた自分の作品を投稿しよう。長さはどんだけでもいいしクロスオーバーでもいい、面白い作品を作ろう(読者さんは感想などを書こう。作者さん、喜ぶよ)」
3・続きを投稿する
「続きは一週間後くらいに投稿しよう。予定や気分で投稿できないなら作者かわかるようにしてから[今回は投稿できません]と書いておこう」
自分の作品を投稿して、君もスターになろう!!
・すでにSSスレで投稿している作品でも、こちらで投稿しても良いとする。(ただし、SSスレとここと両立されて投稿すること)
・すでにSSスレで投稿している作品をこちらで投稿する場合、すでに書いている話を一気に投稿しても良いとする
・一人につきSSは何作品も投稿しても良いとする
(投稿できないなどのことは自己責任でお願いします)
・クロスオーバー作品を書く場合はなんの作品とのクロスオーバーなのかを明確にする。
(タイトルの横に「けもフレ×???」という形で書いておくなど…)
・最新話を上げる時、前回のアンカー付けを忘れずに
・SSの最後に予告をつけてもいいとする。
又はつけなくてもいいとする。
・書けるSSは、けものフレンズのSSのみとする。
・ SSを投稿する場合は
ラベルをつけて投稿すること
《【現在連載中の作品】》
・【アラフェネぶらり旅〜まんまるを探して2周目〜】(完結)
・【サバずきんちゃん】
・【アナザーワールド・サンドスターストーリーズ】
・【けものフレンズ2】
・【虫喰いでないフレンズ】
・・・・・・・・・・・・
ミライ
「ふー、最後に一回は この観覧車に乗っておかなくちゃね!
結局、パークの職員は島を出ることになりました。
短い間でしたけど、私はここで出会えた沢山の奇跡に、感謝しています! きっとまた……
ラッキー、留守をよろしくね!
ラッキービースト「マカセテ…」
ミライ「ごめんね…すぐ戻るから…… あっ!」
一陣の風が吹き、ミライのぼうしは飛ばされた。
そして・・・
そのぼうしはやがて・・・
【未来のぼうし】
[1話] ~Aパート~
未来「ん゙ん゙っ 我ながら良い話っ!」
・・・イさん… mライさん…
未来「ぐへへ… 」(じゅるり)
???「ミライ先生!」
未来「誰が先生やねん!」
両耳を摘んで左右に引っ張る。
未来「私のことを先生って呼ぶなって言うたやろ!」
???「イタイイタイ!」
ハッ! . Σ(゜Д゜)
未来「ごめんなさい。 引っ張りやすい耳だったから、つい… 」
???「ひどいよ~」
私の名前は未来。
ラノベ作家だ。 ちなみに未来はペンネームだ。
処女作は「かばんとぼうし」
仮想空間に作られたサファリパークに迷い込んだ主人公かばんの冒険活劇だ。
それが、とあるプロデューサーの目に留まり、まさかのアニメ化。
そしてネットの評判をきっかけにメガヒット。 劇場版まで作られた。
しかし、その後は・・・
佐波「もう、自分の作品を読みながら悦に入るのは気持ち悪いからやめてよぉ!」
彼女の名前は佐波 音子 。
一応、担当(編集)さんだ。
私はサバちゃんと呼んでいるが、本人は「みんみ」と呼んで欲しかったらしい。
どういう云われなんだろう?
目はクリクリしてて鼻筋は通っていて、ほっぺはぷにぷに。
キレイな富士額にいつも上がった口角。(例えるならmとω )
中学生かと見紛うような童顔だ。
そしていつも手乗りサイズのぬいぐるみ(ミンミービーストというらしい)を肌身離さず持っている。
なんでも護身用だと言う。
防犯ブザー的なアレだろうか?
未来「いいじゃないですか… 少しくらい過去の栄光に浸っても・・・」
サバ「じゃあ、せめてヨダレぐらいは拭いてよぉ」
未来「おっと、ごめんなさい」
言葉遣いが逆、と思われるかもしれないが、これは私から提案したものだ。
最初サバちゃんもおかしいと訴えた。
サバ「先生の方が絶対年上でしょ!?」
未来「永遠の17歳♡」
サバ「・・・」
露骨に「なんやコイツ」という しかめっ面をしていたので「可愛くないですよ?」と注意したら、
それからは半笑いと真顔を足して2で割ったような、なんとも微妙な顔をするようになってしまった。
私は心の中で「例の顔」と名付けておいた。
(そういえば、いつも持っているぬいぐるみの顔と似ているような気がする)
とにかく「先生と呼ばれるのは偉そうで嫌です!」で押し通した。
更に さばちゃんはタメ、私は敬語で話すというルールを設けている。
そうしないとポロっと大阪弁が出てしまうから。
ーということにしている。
未来「いつの間に勝手に部屋に入ったんですか?」
やっと本題に入れた。
サバ「連絡は入れたよ?」
確かにラインメッセージが届いていた。
だが時間はAM2:05 なんでも彼女は夜行性だから、らしい。
そういうわりには昼間も元気なのだが・・・
サバ「部屋のチャイムも鳴らしたのに返事が無いから、孤独死でもしてるのかと思って」
縁起でもない。
未来「 ーで、今日は何ですか?」
担当が作家の所に来て、何も無いものだが一応聞いてみる。
サバ「ねぇ、未来さん。 そろそろ新作を書こうよ!」
未来「・・・」
この子が担当になってから、仕事らしい仕事もせず、他愛もない話をしているだけだったので
いつ、そう言い出しても不思議ではなかった。
今まで決して急かしてこなかったボス(編集長)にも頭が上がらない。
未来「よし! じゃあ今から打ち合わせに行きましょう!」
サバちゃんは途端に「例の顔」になった。
・・・・・・・・・・・・
アナザーワールド・サンドスターストーリーズ
第6話〈星に願った特異点〉
11月6日。
サイレンは次第に強くなる。
ツチノコ「いや、あれだな…」
ビルの上。
サンド「なんだ?」
ツチノコ「高みの見物って響き悪いけど、実際やってみると案外楽しいもんだな」
サンド「そういうのサドって言うんだぜ」
今日も力のない僕たちは、大きな敵を目前に勝負を挑む。
ジド「なぁ、なんでこんなことさせるんだ?」
サンド「え?なんでって言ったらな〜」
ジド「昨晩の話を聞いてもこれの必要性がない気がする。精神面を鍛えるにしてももっといい方法があるはずだ」
サンド「まぁ、やる理由は精神面が20%で〜」
ジド「え?少な」
サンド「これからのプランを練るのに必要なんだ」
ジド「プラン?」
サンド「そう、野心覚醒にも個性がある。能力の違いさ、それによってプランを変えるんじゃ」
ジド「はぁ、つまり個体個体で得る能力が違うと……つまりゴーレムは……」
かばん「うわぁぁぁぁ!!!!」
転けた。
痛い。
足がむくんで立てない。
ツチノコ「あ、かばんが転けた」
ジド「ちょっと待って、なんでそんな冷静なん?」
セルリアンは僕の方に向かって攻撃を仕掛けてくる。
サーバル「かばんちゃん!!」
僕は声が聞こえた方向を向く。
かばん「サーバルちゃん来ちゃダメ!!……て、あれ?」
目を瞑った。
サーバルが僕の警告を聞いたと思って、
目を開けるとそこは空中。
サーバル「無茶しちゃダメだよ!かばんちゃん…」
かばん「サーバルちゃん……」
サーバルは僕を横抱きし、空を舞う。
セルリアンは一瞬戸惑い、すぐこちらを見た。
サンド「ほうほう、あれは……」
ジド「能力がわかったのか?」
サンド「ああ、あれは速さだな……」
ジド「お前それあてずっぽだろ」
サンド「違うわ」
その速さは一瞬といっても過言ではない。
サンド「ただし、野心覚醒しないなら話は別よの、あいつに電話しよ」
ジド「ま……まさかゴーレム!!??」
サンドが電話をかける。
僕たちは着地し、次の攻撃に警戒していた。
サンド「あ、もしもし?俺だよ、サンドだよ」
ジド「こんなに馴れ馴れしいのか……?」
サンド「今日来れる?あ?マジでー?うんわかったわ」
ツチノコ「断られとる……」
ジド「で!どうだった!?」
サンド「来られないんだとさ」
ジド「はぁ……ゴーレムと一瞬でもいいか会話したかった……」
サンド「は?あの二人じゃねぇよ」
ツチノコ「だろうな」
ジド「じ……じゃあ誰だよ」
サンド「え?アークだけど……」
ジド「は?」
ツチノコ「ん?」
サンド「いやアークだけど……」
その場が固まる。
ツチノコ「え?アークってあれ?誰?」
サンド「いや、アークセルリアンだけど」
ジド「はぁ!?なんで!?電話で話してんの!?」
サンド「悪い?」
ジド「悪いとかの問題じゃなくて……敵だろ?」
サンド「いやぁ、そんなことないさ、あいつ結構面倒見がいいんだぜ、スマホの使い方とか教えてくれたし、たまーに風呂とか入らせてくれるぞ」
ジド「仲良しか」
ツチノコ「てか、なんで来れないんだって?」
サンド「隣町で一人カラオケってよ」
ツチノコ「一緒に行ってやれよ」
サンド「やだよ、あいつ歌下手だもん」
僕たちの方から激しい打撃音が聞こえ、3人はこちらを伺う
サーバル「うみゃー!!」
何度も攻撃を避けたため、地面はボコボコ
サンド「アークが来ないんだったら仕方がない。俺が行くわ」
サーバル「え?サンドさんが!?」
かばん「サンドさんがどうしたの!?」
サンド「耳がいいのはわかってってる。んじゃ、行ってきます」
ジド「は……はぁ…」
ツチノコ「大丈夫か?」
サンドが飛び降りると、狙ったかのように僕たちの前に着地した。
かばん「さ……サンドさん……」
サーバル「よかった……サンドさんが助けに来たよ…」
サーバルは僕を下ろした。
サンド「いいかい?こういう時は自信を持つことが大切だ。
かばん「自信……ですか……?」
サンド「そう!そして、ヒーローはまず名乗からだ!!」
サーバル「名乗り〜?」
サンドはセルリアンの方を向き、ニヤリと笑う。
そして深く深呼吸し、
サンド「……ミラクルスター!!!」
右手を大きく振り上げて、拳を握る。
サンド「サンドスター!!!」
サッとポーズをとる。
僕たちは唖然としていた。
ツチノコ「これってキュウレンジャ……」
ジド「言っちゃダメ」
とまと「初期案ではキュウレンジャーの存在を知らなかったんや……でもこれサンドスターの『スター』の部分を使ってみんなにそれぞれの輝きがあることを象徴したかったんや……その代わりオリジナル要素少し入れてるから許して」
ツチノコ「ならいいか……ん?誰だお前」
場面を戻して、
サンド「いいこと教えてやる。俺は伊達にサンドスターやってたわけじゃねぇんだぜ」
セルリアンがサンドに向かって攻撃を仕掛ける。
何本もの触手がサンドの方へ向かった。
・
第7話は続く……
とまと「次回の!アナザーワールド・サンドスターストーリーズは!?」
フルル「最近寒いねー…」
ジェーン「換気のために窓開けといたからですね」
プリンセス「ちょっと!雨降ってるわよ!」
コウテイ「おい!窓の前に特撮系のフィギュアが!」
とまと「あぁぁぁぁ!!!!80!!80がぁぁ!!」
イワビー「これはロックじゃなくてヘビィだぜ…」
プリンセス「あれ?濡れてないわ!」
ジェーン「これは奇跡ですね!」
フルル「キセキー」
コウテイ「き……奇跡と言えばー」
イワビー「次回!〈キセキノチカラ〉、次回もロックだぜ!」
とまと「完璧な繋げ方や」
プリンセス「無理矢理なんじゃ……(ボソッ)
ズドドドドド!!!
地面に何本もの触手が叩きつけられる。
ツチノコ「あ!?ジド!これって行ったほうが……」
ジド「まて……まだ死んでないはず……」
煙立ち込める中。
白い輝きが煙を貫く。
サンド「【ミラクル】……つまり奇跡……俺の力は奇跡のチカラよ!!!」
かばん「奇跡……?」
サンドが手を前に出すと
サンド「そして必殺技は大声で!!」
ツチノコ「うわぁ…」
周りに行くつかの光の輪が出現。
サンドは大声でこういった。
サンド「エンペラー・ザ・サンドスター!!!」
前に出した拳を握ると、光の輪から光線が放たれた。
それらは、セルリアンの触手を断ち切り、体を貫いた。
そしてUターンしてコアの元へ……
パッカァァァァァン!!!!!
強く弾け、その場には強い風が吹いた。
かばん「こ……これが……」
ジド「サンドスターということは嘘ではなかったか……」
ツチノコ「待って、これBSSより強くないか?」
あたりがキラキラと輝く
サンドは手を下ろした。
サーバル「す……すっごーい!!!」
サンド「だろぉ!?かっちょええやろぉ!?」
かばん「すごいです!この調子ならあの数も……」
サンド「は?あの数?」
サンドが後ろを振り向くと、そこには大量のセルリアンがこちらを見つめていた。
サンドは唖然となり
サンド「逃げるぞ〜……」
サーバル「え?」
サンド「逃げるぞぉぉぉぉ!!!!」
サンドは走り出した。
その方向は確実にジドの家。
ツチノコ「お……おい!逃げたぞ!!」
ジドは黙って携帯を見ている。
ツチノコ「チッ……仕方ない……ここはBSSを使って……!」
ジド「待て」
ツチノコ「え?」
ジド「ここは逃げたほうがいいというか、一旦引いたほうがいい」
ツチノコ「なんでだよ!?」
ジド「……後はアイツらに任せる……か……」
ツチノコ「ジド……?」
ジド「牢屋にぶち込まれたくなかったらな」
ジドたちはBSSを使い、ビルから降りる
裏路地を使って逃げることにしたのであった。
かばん「サンドさん!なんで逃げるんですか!?」
僕らは走る。
サンド「いやぁ?べつにぃ?別にあの技使ったら少し時間経たないとまた使えないとかそういうのじゃないしぃ」
サーバル「理由になってないよぉ〜!」
サンド「あー!あー!そうそう!セルリアン退治はあんたらの責任であって俺の責任ではない!悪魔であの時はお前らがピンチだったから助けただけだ!お掃除は専門じゃない!」
かばん「こんな時になにいってるんですか!!」
サーバル「ジドさんたちは!!?どこ行ったの!」
サンド「なんで俺が知っとんじゃぁぁぁぁぁ!!!!!」
・
サイレンの音と共にサンドの叫び声が響く。
突っ走ること5分頃。
セルリアンたちの目線は、もうサンドたちを追いかけてなかった。
その頭上にはヘリコプターが空を舞っている。
そこから何かが降ってきた。
何かはパラシュートを広げ、セルリアンに注目されながら着地。
二人の人がそこに立つ。
???「全く……こうも体が良くなると容赦なく仕事が入ってくる……」
???「文句ばかり言ってられないぞ、今日は食べ放題だろ?」
???「それにしても……この量、傷なしで帰れますかね…?」
???「愚問だ……知性のないセルリアン相手なら、足し算をするくらい簡単だ」
???「まって、それ普通に難問なんだけど」
???「それはお前がバカなだけだ、全員無事に着地できたし……」
???「一人貧血で倒れてるけどな……」
???「今日退院するでしょ?」
???「んなことどうでもいい!よっしゃ行くぞ!!尼共!!!」
第8話へ続く……
イワビー「次回の!アナザーワールド・サンドスターストーリーズは!?」
ジェーン「次回は新しい何かが登場するようですね」
コウテイ「はて、誰だろうか……?」
とまと「だんだん書くのが楽しくなってきたわ」
プリンセス「今回いつもと比べて文字数少ないくないかしら?」
とまと「ああ、たしかに少ないね
フルル「手抜きー」
イワビー「いくら2日間連続投稿とはいえ、手抜きはいけないぜー!」
コウテイ「大丈夫!次回はギャグを多くするとのことだ!」
とまと「は?ちょっとハードル上げちゃやーよ」
フルル「次回ー〈悪魔ですから〉だよー」
プリンセス「お…お楽しみにー…」
ジェーン「あ………」
【未来のぼうし】
[1話] ~Bパート-1~
今日は何か事件があったのか、やけにパトカーや警察官の姿が目に付く。
おかしいな。 脱走犯は捕まったはずだけど・・・
気を取り直して#きんのぶたにやってきた。
関西ローカルのしゃぶしゃぶ店だ。
サバ「普通、打ち合わせって言ったらファミレスとかAライセンスとかじゃないの!?」
サバちゃんの抗議も もっともな気もするが、
喫茶店に行くなら行くで そこらで良いのに、なんでわざわざ東京まで行かにゃならんのだ。
そもそも打ち合わせなんて口実で、サバちゃんを愛でたりイジるのが目的なのに。
サバちゃんはバニラジェラートをパク付きながらこちらを睨んでいる。(ジト目も可愛い)
一方の私はミミガーを しゃぶしゃぶしながら、
未来「ねぇ、食事で お肉を食べてるカップルはデキてる、ってホントなのかな?」
―と振ってみる。
サバ「知らんわ! しかもウチら、女の子同士やぞ!?」
セクハラチックな発言に半ギレだった。(でも大阪弁のツッコミも可愛いから許す!)
この店に彼女と来るのは3回目だが、菜食主義なのか、肉を食べているところを見たことが無い。
でも立場や環境が変わると、考え方や信条は変わるものだ。
ブレてる、とか掌返しなどと批判されることも多いが、柔軟な考え方や多角的視点は大事だ。
そういった適応能力の高さもヒトの強みなのかもしれない。
ズルい大人の言い訳かもしれないけど・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
しゃぶしゃぶとサバちゃんのリアクションをたっぷり堪能した後は
「声を出すとアイデアも出てくるものですよ」と言って、2人でカラオケに行った。
(そんな出任せも素直に信じて付いてくる、ちょろいサバちゃんも可愛い)
未来「よくそんな歌手・曲を知ってますね」
サバ
「エゴサをしたら ある掲示板の安価スレに私のプロフィールが載ってて、興味が沸いたんだ。
最初はCV:尾崎豊って誰? って感じだったけど」
ホント何言ってんだろ? その掲示板。
サバちゃんは声優の尾崎由香さんみたいにピュアで可愛い声なのに・・・
ーて、そういうことか! なかなかセンスのあるボケじゃない。
それにしても最近は一般人までエゴサなんてするんだ…
その後、1時間ほどで帰路についた。
私が「アイデアが出ないと声も出ない」と言って歌わなかったので、
サバちゃんが歌うか おしゃべりをしていたのだが、間が持たなくなったのだ。
(ここでもサバちゃんはあっさり信じた・・・ 大丈夫かな? この子。 ちょっと心配になってきた…)
アナウンサー「・・・n王寺動物園からジャガーが逃げ出しました・・・」
未来「!」
ちょうど町の電気屋さんの前を通りかかったところ、TVからニュースが聞こえてきたので思わず立ち止まった。
サバ「未来さん...?」
私は動物が好きで、動物園にも よく行っている。
だからその手の話題には敏感だった。
ワイドショーが「動物園からジャガーが忽然と居なくなった」という話題を取り上げていたのだ。
サバ「未来さん、店先でTVにかじりつくのはやめようよ~」
未来「・・・」
番組MC「では現地と中継が繋がっています。 津田さん?」
リポーター「はい。 津田です。 今、天王寺動物園に来ております」
リポーターが経緯をおさらいしている。
そう言えば今日は警察の姿が目に付くと思った。
リポ「では飼育員さんのお話をお聞きしましたので、そちらをどうぞ」
リポ「では当時の状況を教えてもらえますか?」
なかやまおにいさん「朝、ごはん!を持ってきたらジャガーがおりませんやんか」
リポ「檻が破れてたり、ドアが開いていたとか?」
中山
「檻に異常は見当たらんかったし、施錠もちゃんとしてたんやで。
まるで まほう!のように消えてたんですわ。 中から開けたなら話は別やけど・・・」
リポ「他に何か、普段と違ったことは?」
中山「せやなぁ・・・ そう言うたら地面がキラキラしてたかなぁ?」
未来・サバ((!?))
リポ「逃げたジャガーの特徴は?」
中山
「顔がでかくて、首が太くて、脚が短くて、ちょっとずんぐりむっくり(笑)な感じの頑丈な体をしてますわ」
リポ「では、今どんな所に潜んでいると思われますか?」
中山
「木にも登らなあかんし、水にも入らなあかんし
どこでも、こう、狩りしたりできるような体になってるんで・・・」
リポ
「どこにいてもおかしくない、と言うことですね。
では最後に『ヒョウ柄の服を着たオバちゃん』との見分け方をお願いします」
中山
「ヒョウの模様は丸っこい輪っかが体に散らばってますやんか。
その丸っこい輪っかの中にさらに点々があるのがジャガーです」
リポ「ありがとうございました」
リポ蒲 さん』からのメッセージです」
「では最後に園長の『
カバ「野生のジャガーを見たら基本 逃げるんですのよ?」
リポ「現場からは以上です」
MC「はい。 ありがとうございました。 皆さんもお気を付け下さい。 では次の話題です」
サバ「ばったり出くわして、噛まれたりしないかな?」
アナウンサー「気象庁によると大阪府内で頻発している震度0の無感地震が、火山性と思われるとの報告が・・・」
未来「機嫌が悪そうだったら、気を付けよーね」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
[補足]
#佐波ちゃん
#蒲さん
【未来のぼうし】
[1話] ~Bパート-2~
自宅マンションの前に着いた。
未来「ねえ、うちに寄ってかない?」
サバ「えぇ… 下心見え見えですよ~?」
未来「何もしないから」
サバ「ホントかな~? まあ、ちょっとだけなら・・・」
・・・イさん… mライさん…
未来「ぐへへ… 」(じゅるり)
サバ「ミライ先生!」
未来「誰が先生やねん!」
両耳を摘んで左右に引っ張る。
未来「私のことを先生って呼ぶなって言うたやろ!」
サバ「イタイイタイ!」
ハッ! . Σ(゜Д゜)
未来「ごめんなさい。 引っ張りやすい耳だったから、つい… 」
サバ「ひどいよ~」
つい妄想にふけってしまった…
コホン。 では気を取り直して・・・
未来「ねえ、うちに寄ってかない?」 (イケボ)
サバ「やっとその気になってくれたんですね!」
未来「え?」 (サバちゃんってそのケがあったの? 心の準備ができてないよ~)
サバ「え? お仕事してくれるんじゃ?」
未来「何もしないよ!?」
サバ「ひどいよ~」
なんか思ってたのと微妙にズレた展開になってしまった…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
結局ウチに寄っていったサバちゃんと思う存分 遊んだ。
このSSは「子供が読んでも大丈夫な健全路線」がモットーだから「トランプ」で、だ。
中でも「スピード」は半端ない速さだった。
世界チャンピオンのCHIKUTAにも負けないんじゃないだろうか?
要はコテンパンにされた。
あんまり悔しかったので、明日は「動物園に取材」に行く、と伝えた。
作家がそう言えば一般的には創作活動の一環だが、私の場合は実質遊びに行くようなものだ。
未来「じゃあ明日、朝9:00に。 例のコスで」
例によって、サバちゃんは「例の顔」になった。
うんうん、やっぱり可愛いよ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1人になった部屋で、私は後ろの壁を見やった。
そこには2本の羽飾りの付いた ぼうし(白い探検帽)が掛かっていた・・・
げんじつちほーに起こる思いもよらない異変!
未来とサバちゃんに突如 訪れるピンチ!
やっと登場するフレンズ(?)たち!
未来の未来はどうなる!?
2話もお楽しみに!
~to be continued~
[おまけ]
安価ssより、「天才アライ博士の研究録」
の改訂版を公開予定
天才アライ博士の研究録
真っ赤の林檎が、枝から離れて地へ落ちる。
青々とした葉が、落ち行く真っ赤な色の林檎に触れて、静かに音を立てながら、揺れる。
林檎は、土で覆われた地面へ落ちた。
そして、そんな光景を偶然見掛けたアライグマは、そんな地面に落ちた林檎を見据えながら考えた。
汚れてしまった林檎を洗わなきゃなのだ!
じゃないと食べられないのだ!
そして、そう考えたアライグマは、林檎を拾うと、急いで川へ向かった。
川へ到着し、アライグマは言った。
「じゃあ早速、洗うのだ!」
ジャブジャブ、ジャブジャブ。
アライグマは洗い終えた林檎を拭いて再び見た。
そして、そのリンゴを見ると、驚きと共に、こんな声を放った。
「はっ……!これは……!」
そして、アライグマは思った。
こんな熟れていて美味しそうな林檎、一人で食べるのにはもったいないのだ!
そう思ったアライグマは急いで、ある一人のフレンズのもとへと走った。
「フェネックー!」
……
………
…。
「アライさーん。これはトマトだよー。」
そのフレンズ……フェネックの口から、そんな言葉が放たれた。
前の話>> 377、>> 378、>> 383、>> 384、>> 385、>> 386
【未来のぼうし】
[2話] ~アバン~
取材が建前であろうと、プライベートの遊びであろうと、
私が動物園に行くときには、イベントの有無に関わらずコスプレをする。
会社員が戦闘服のようにスーツを着るのと似ている。
ーというのは口実で、純粋に「たーのしー」からだ。
私は青い迷彩柄の縁取りされた白の上下、お腹の辺りにウエストポーチ、伊達眼鏡とお気に入りのぼうし。
ぼうしは白の探検帽で、2本の色違いの飾り羽が付いている。
気持ちだけでも探検気分を味わいたいのだ。
一方のサバちゃんは猫娘だ。流行 りの赤系某妖怪ではなく、黄色ベースのリアルに近い猫っぽい恰好だ。
ーと言っても最近
#某高校の校舎にありそうな大きい猫耳、バナナのようにボリューミーな髪、
蝶ネクタイとスカートは黄色地に黒い斑点、ご丁寧に縞模様のシッポまで付いている。
そして、いつものようにお気に入りのヌイグルミ「ミンミービースト」も一緒だ。
未来「どうしたんですか? これ…」
サバ「自分でコーディネートしてみたんだけど、変かな?」
未来 (♡ ´ ∨`♡)
私は押し倒して食べちゃいたい気持ちをなんとか抑えながら、いい顔で親指を立てて見せた。
未来「よ~し! #みさき公園に向かって、しゅっぱーつ!」
サバ「おー!」 (ノ`・ ω・´)ノ
【未来のぼうし】
[2話] ~Aパート1~
初めて電車に乗る子供のようにはしゃぐサバちゃんを横目に見ながら、私は物思いにふけっていた・・・
前にいた職場は、あるトラブルにより上の判断で放棄することになり、私も退去をせざるを得なくなった。
その後 戻る目処も立たず、かと言って何をする気も起こらず、
なんの気もなく訪れた展望台で偶然、八木さんに出会った。
彼女は占い師で、初見にも関わらず声を掛けてきて、プロファイリングし、私が何者かを教えてくれた。
プリンセス・ヤギ「あなた、何かを溜め込んでるわね!」
思い込みの激しい人だった。
ヤギ
「いい? ヒトは何かを表に出さずに生きていけないわ!
それは声でも、涙でも、絵でも、文章でもいいの!」
そこまで聞いて、
書き溜めた日記があったことを思い出したので、そのことを伝えると・・・
ヤギ「あなた、作家になりなさい!」
未来「ムチャクチャだよ!」
でもヤギさんは本気だった。傍 ら担当もしてくれた。
出版社を紹介すれば可能、とか私が担当になれば可能と、とにかくポジティブで
私もいつの間にか「その気」にさせられていた。
そして本当に出版社を紹介してくれ、占い師の
編集長(ボスと呼ぶように言われた)は忙しいらしく、挨拶したのは書き始めてから1ヶ月後、電話越しだった。
電話の向こうで しきりと女の子に言い寄られている風だったが、執筆活動には支障が無いので気にならなかった。
未だに会えていないが、全く仕事をしていない私を急かすでもなく、契約を切らないボスには頭が上がらない。
ヤギさんは「かばんとぼうし」がアニメ化された頃、本業の占い師が忙しくなり、担当を外れた。
今では、芸能人や政治家の人生相談から台風の進路予想まで、幅広く活躍している・・・
サバ「ミライさん! もうすぐ乗換えだよ?」 ⊂( ̄^ ̄)⊃
サバちゃんは腰に手を当て「ふっふーん!」とフン反り返っている。
確かに私がさっきまでボーッと考え事をしていたとは言え、
さっきまでシートに膝立ちしながら景色を見ながらキャッキャとはしゃいでいた子に、エラそうに言われたくはない。
ほどなく「なんば」に着いた。
みさき公園には、ここで南海電鉄に乗り換える。
ドアが開く。
他の乗客に続いて降りようをした瞬間、あの不穏な音が周囲で鳴り響いた。
緊急地震速報だった。
ーと、ほぼ同時に足元が揺れた。
サバ「きゃあ!」
未来「大丈夫? サバちゃん」 (イケボ)
私の胸にしがみ付くサバちゃん。
優しく抱き寄せ、余裕のある微笑を見せる私。
そして・・・
サバ「・・・イさん… mライさん!」
未来「ぐへへ… 」(じゅるり)
サバ「ミライ先生!」
未来「誰が先生やねん!」
手の自由が利かない。
サバちゃんが私の体をしっかり抑えていたからだ。
未来「結構、力が強いんですね」
サバ「鍛えてるから!」💪
意外だった。
見た感じ、上背がある訳じゃないし、筋肉質にも見えない。
しなやかそうではあるけど。
休みの日も猫みたいに ぐうたらしてると思ってた。
とりあえず電車は しばらく動きそうにない。
未来「みさき公園に行くのは諦めて、そこらをブラブラして時間を潰しましょうか…」
サバ「はいよ~」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
サンド「あー!片付け終わらん!ジドも手伝えっての!!何が用事を済ませるだ!」
11月9日。
ガラスまみれの僕の家。
少しの間放置してたもんだから、部屋は寒く、凍え死にそう。
サンド「しんど……テレビつけよ」
かばん「ちょっと、掃除の途中ですよ」
サンドは僕のいうことを無視し、テレビをつけた。
テレビをつけると、ニュース番組が放送されていて、
[続きまして……11月6日ごろ大量のセルリアンが発生し〜…]
サンド「お?ワンチャン俺ら映るんじゃね!?やばい!」
かばん「ちゃんと、特殊部隊が出動してくれたんですね……よかった……」
[ハンターが、緊急出動しました]
サンド「ハンター……やっぱり何者なんだ……?何人の団体だろ……100人くらい?」
[えー…今回は一人足らずの二人でしたが〜…]
サンド「二人!?てか!一人足しても三人!?」
[見事、セルリアンの群れを撃破することに成功しました。今後もセルリアンが多発すると考えられ………]
サンド「あの量を……?できるのか……?」
ジド「できるさ」
サンド「そうか……ん?ジド!?」
ジド「ああ、用事を済ませて帰ってきた。家に長居されるとひとたまりもないんでね」
ドアの付近にジドが立っていた。
サンド「てか、できるってなんだよ」
リビングを掃除していたサンドに近づく。
ジド「あいつらは君が思っている以上に斜め上だ」
サンド「斜め上?重火器武装とかそんなんじゃなくてか…」
ジド「奴らの力はBSSシステムを優に超えるだろう」
サンド「ん?それって良いのか?」
ジド「ただ、それはBSSプロトであることも、奴らのスペックも何もかもが足りてない状況においてだ」
サンド「あれプロトやったんか……じゃあ、なんでそんな火力が出せるん?」
ジド「それはだな……」
ダッダッダッダッ!!
走る音が聞こえる。
サーバル「サンドさん!ジド!これって何かな?」
サーバルが持っていたのはハンカチのようなものだった。
ジド「どれどれ?」
ジドがそれを手に取る。
かばん「サーバルちゃん、これってどこで見つけたの?」
サーバル「押入れの中にガラスの破片が入ってたから、取ろうとしたら落ちてきたんだよ」
ジドがじっとそれを見つめた。
サンドも、覗くように見た。
サーバル「どう?わかったかな?」
サンド「ああ、何もわからん」
ジド「だろうな、まぁ、僕にはわかるけどね」
サーバル「え!?なになに!?教えて教えて!」
ジドがそれをサンドに渡す。
ジド「これは、チームのマークだ」
かばん「チームのマーク?どんな感じですか?」
僕はサンドの持っているそれを覗いた。
ジド「通称、【ジャパリ・エスポワール】。対セルリアン用の特攻隊だな」
かばん「あー…ありましたねそんなの……」
サーバル「へー、そんなのがあるんだねー…」
サンド「ん?ありました。ってことは今は無いの?」
ジド「ああ、とっくの昔に解散した」
サンド「解散?なんかあったのか?」
ジドが少し黙る。
ジド「2.22、サンドスター消失事件……今から10年ほど前の話…」
サンド「10年前の2月22日……?…あ!あれか!」
ジド「あの時、謎の巨大セルリアン、2-XSによっての被害ではなく、彼らによる被害もあったんだ」
サンド「彼ら……?いったい誰が……?」
ジドはまた、黙り込んでしまう。
ジド「これは……知らない方が……」
サンド「なんだよ、焦れったいな」
ジドはまだ黙り込んでいる。
僕は知っていた。
その時、暴走を始めた張本人を
かばん「それって……【ヒグマ】さん……ですよね……?」
ジド「え?言うの?」
サンド「ヒグマ……って…セルリアンハンターじゃ………!?」
サンドは驚いた表情で僕を見る。
サンド「なんで暴走を……?」
ジドはため息をつき
ジド「……今は、確実にそんなことは起こらない……」
サンド「今は……?」
ジド「そんな過去があるから話したくなかった。サンドよ、僕の勝手な判断を許してくれ…」
サンド「判断……?何した!」
ジドはうつむき、
ジド「彼女たちを……この作戦に誘った……」
サンド「はえ……?」
サンドも黙る
ジドはうつむき、「すまない」と小声で連呼している。
サンド「は?お前そんなんじゃ無いだろ?」
ジド「今回ばかりは、勝手な行動をしてしまったとは思っている。前回の時も、この件が他社に漏れると面倒がかかることくらいわかってる……だけど…彼女たちなら……ハンター三人ならやってくれるって!!」
サンド「……まぁ、強さならあの鉄塊より強いなら話は別だ」
かばん「サンドさん、流石に強さだけで決めるのは良くないかと……」
サンド「かばん?なんでだ?」
かばん「あまり思い出したくないですが……僕が生まれて間もない時だから、町のことも、この世のこともなにもわかってなかったけど……あの目は……確かに【悪魔の目】をしていました……例え話ですけど、嘘じゃなくてもいいくらいです…」
僕は拳を握りしめた。
あの時、大量の被害とともに、人の友達をたくさん失った。
今、それがないとは言え、実際のところ、過去は消せない。
その事実を知って、その話を聞いたら本当に余計なことをしてくれたな…という気分になる。
ツチノコ「まぁ、悪魔だからな」
サーバル「うわ!!びっくりした!!」
ツチノコ「熱くなりすぎだ。ほれっ、ジュース買ってきたぞ」
どうやらツチノコが帰ってきたらしい。
片手にレジ袋をぶら下げ、鉄の腕はポケットに入れてる。
サンド「おい、それどういうことだ!」
ジド「ちょ!ツチノコ!これ以上印象を悪く……」
ツチノコ「サンド、俺の後輩を貶すようなら承知はしない。彼女たちは正真正銘の悪魔だ」
サンドの表情、ツチノコの表情を見てみると、どうやら悪魔であることがまずいらしい。
ジド「さ……サンド…どうか気を落とさないで……」
サンド「悪魔……ねぇ……」
ツチノコ「悪魔であることがまずいなら、今回の件で誘ったのは無しにしよう。口止め料としていくらでも払う」
ジド「え?だれが!?」
ツチノコ「俺の大切な後輩だ……!サンド、お前からの許可が下りないとただのガラクタになる」
サンドは黙った。
僕はなにもできず、ただ突っ立ってるだけ
サンド「これは、そんなに深刻視することじゃない。今からでも仲間に入れたいところだが……」
ジド「何か……条件を……?」
サンド「まぁ、悪魔ですから、それに俺を信じてくれないと話は始まらない。しばらくの間、ハンターの様子を見させてもらう」
ジド「戦いをってこと…?」
サンド「いや、しばらくの間、ハンターのお家にお邪魔する。ツチノコ、そしてジド。今回の勝手な行動の償いだ。俺たちが住めるように手続き頼む!」
ツチノコ「はぁ……俺はやめてるっての……」
ジド「潜入!?……わ……わかった…手続きはやっておく」
サンド「そしてその間に!!かばん!サーバル!」
かばん「は…はい!」
サーバル「はいはーい!」
サンド「俺らはお部屋掃除だ!やったね!」
かばん「よくないですよぉ〜……」
第9話へ続く……
(次回予告が少し遅れそうです……)
とまと「次回の、アナザーワールド・サンドスターストーリーはー?」
とまと「おい!誰だよ、何かが登場するとかギャグ多めとか言ったやつ!」
ジェーン「わ…私じゃないですよ!」
コウテイ「私でもないな」
とまと「お前らだよ!!」
プリンセス「だけど、ちゃんと次回は登場するのよね?」
フルル「そうしないと詐欺と一緒だねー」
イワビー「まぁ、新展開とか言いつついつもと一緒だったこともあったしな」
とまと「あー!あー!わかったよ!ちゃんと次回は登場させる!!」
プリンセス「ていうことで、次回!【悪魔と奇跡が出会うとき】お楽しみに〜!」
ジェーン「ふぅ…なんとかなりましたね…」
コウテイ「助かった……あの人面倒くさいからなぁ」
虫喰いでないフレンズ
六話>> 371
アフリカゾウ「ドブネズミちゃん?起きてる?おーきーてーるー?」
マイ「アフリカゾウ、おはよう。ドブネズミはどうしたのかな?」
アフリカゾウ「おはようマイ。あのさ、ドブネズミちゃんが起きてこないの。ずっと待ってるのに」
マイ「何時から?」
アフリカゾウ「6時くらいからだったかな」
マイ「相変わらず早起きさんだ。ドブネズミはいつ寝たんだか知らないが、爆睡しているかもしれないなあ」
アフリカゾウ「マイ、知ってるの?」
マイ「ああ。ネズミはな、ヒトより燃費が悪い生き物だ。だから起きている時間をなるべく減らそうとするために睡眠時間が長いと考えられている」
ののののののののののののののののののの
ののののののののののののののののののの
アフリカゾウ「へぇぇぇ、そうなんだ。私はあまり寝ないから、つまり…」
マイ「そうさ。逆に大きな生き物は寝る時間が少なくて済む。さて、ドブネズミ君に鍵のかけ方を教えなきゃ良かったか」
ドブネズミ「なんだと」
アフリカゾウ「うゎぁぁぁあ」
ドブネズミ「全部聞いてた。わたしはアラームの使い方を教わっといて良かったと思うよ」
マイ「冗談だ、でも良くなかったな。済まない」
ドブネズミ「…気にすんな。今日の予定はなんだ?」
マイ「ああ、朝食と旅立ちだ」
ドブネズミ「はいはいって、朝食?」
アフリカゾウ「朝ごはんもあるんだね。ここの朝ごはんは確かみんな一緒のものだったような…」
ドブネズミ「みんな一緒!?ウッ、流石のわたしでも夕飯のと同じのを食える気がしねえ。そんなに多くは無さそうだが食えそうなものは食っとかなきゃな」
マイ「そういうことじゃあない。朝食のメニューは朝食のためのものがある。場所は昨日と同じ所だが顔も洗っていないだろう。わたしはドブネズミ君と一緒に行くからアフリカゾウは先に行ってきていい」
アフリカゾウ「やった〜!ふっつうのごはんもたっのしっみたっのしっみ〜」
アフリカゾウはスキップしながら食堂に向かうが一人でハッとして途中で静かに歩いていった。
マイ「アフリカゾウを待たすのも悪い。洗面所に行こう」
洗面所ではマイが目の前で顔を洗ってみせた。
ドブネズミはいともたやすく正確に真似して顔を洗う。
ドブネズミ「…」
マイ「しっかり洗えているな。顔を洗ったことがあるのかい?」
ドブネズミ「ない。初めてだが」
マイ「そうなのか。飲み込みが早くてこちらも助かるよ」
ドブネズミ「…」
二人が食堂に移動するとアフリカゾウが何も取らず入口に佇んでいた。
アフリカゾウ「やっと来た〜。待ちくたびれちゃいそうだったところだよぉ」
ドブネズミ「ああ、すまん」
マイ「アフリカゾウ、待っててくれたのか。済まない」
アフリカゾウ「あっ、全然いいのにそんな」
ドブネズミ「待っていてくれてありがとう。行こうか」
朝食は夕食とは打って変わってプレート、器、箸やスプーン、料理の入ったトレーや鍋という順番の道になっていた。
「今日は白米が食いてえなァ」
「俺はパンにするゥゥゥっと」
ドブネズミ「やつらは?」
マイ「LBの製作部門の人だ。昨日のアイツらはみんなあそこで造られてる。外にいるのの定期メンテナンスと、他の部署の依頼を請けて新型を製作するのが彼らの主な業務だ」
朝食の準備は専用のLB(ラッキービースト)に任せている。
外でまんじゅうを配る、放送で警戒情報を伝える、LB仲間の安否確認といった仕事をこなしてはいるもののそれ以上精密さが要求される作業は外にいるタイプには難しかった。
そこでLB技術の向上の一環として新型が開発され、ゆくゆくは簡易的な仕事をする旧型を纏める存在として確立するために試験的に研究所内で運用している。
その新型がするこの時間帯の主な仕事は食器と調理場から出てくる朝食を並べることと掃除である。
ちなみに食器を下げるのは一人ひとりでやるものだし食べ残しを片付けるのは既に食器の片付けのシステムに組み込んでしまってあるという理由でLBには無関係となっている。
ドブネズミ「あんたはセルリアン対策とわたし達のようなフレンズの管理研究をやってるんだろ?なんで自分と関係ないところのやってる事までわかるんだ?」
マイ「関係ないなんてことはない。わたしの仕事の関係で、わたしはほとんどの部門のことを把握していなければならないからな。LBのことは現地のフレンズに聞けばわかるがね」
ドブネズミ「ふぅん…」
マイ「それより今は朝食のことを考えるとしよう」
アフリカゾウ「久しぶりにここのパンが食べられると思うと…」
ドブネズミ「あ、ヨダレが」
アフリカゾウ「へへへ」
マイ「マフラーじゃなくてこのハンカチで拭こうか…」
朝は米派とパン派の二手に分かれるように料理が並んでいる。
…のにも関わらず、三人とも自然とパンの列へと流れた。
途中ドブネズミはバターを取るやいなや、すぐ近くのジャムを素通りし料理を皿に乗せていった。
やがて取り終えたドブネズミはアフリカゾウがマフラーを振って呼んでいるところまで行き席に着いた。
ドブネズミ「アフリカゾウは卵食べないのか?」
アフリカゾウ「私はいいの。ジャムとかマーマレードのが好きだし」
マイ「アフリカゾウはその体でも植物性のものが好きみたいだ」
一同は手を合わせ「いただきます」を済ませ、それぞれの朝食に手を付けた。
のののののののののののののののののの
ドブネズミのチョイス:ミルク、ミニオムレツ、ほうれん草のソテー、焼きベーコン、プロセスチーズ、フランスパントースト、バター、マヨネーズ
アフリカゾウのチョイス:コーンスープ、フランスパン、イチゴジャム、ブルーベリージャム、マーマレード
マイのチョイス:コーヒー、食パントースト、バター、ピーナツバター
のののののののののののののののののの
ドブネズミ「アフリカゾウ、これをこうするとうまいぞ」
アフリカゾウ「えー、何それ!」
マイ「ほう。タンパク質、野菜、炭水化物が一つにまとまっているな。食パンにのせて挟むと具を落としにくくなるぞ」
ドブネズミ「いや、わたしは弾力の強い方が好きなんだ。具は少ないがこれがベストだ」
アフリカゾウ「けっこう油が多いみたいだね…」
ドブネズミ「アフリカゾウには油がダメなのか?」
アフリカゾウは以前ジャパリまんのマヨネーズ味の油分があわず食べきれなかったことがあったためかバターにも警戒心がある。
動物性の食材を食べないというわけではないが元の食性に近く野菜ばかりの食生活なのは、フレンズ化後の経験が影響しているからである。
過去にマヨネーズ味のジャパリまんじゅうが、マヨネーズが具の空間の100%を占めているほどのマニア向けだったのを聞く前に口にしてしまったのが切っ掛けだ。
ドブネズミ「マヨネーズも苦手だから野菜スティックに何もつけずボリボリ食べてたんだな」
アフリカゾウ「でもさ、油をとらないわけにもいかないらしくてさ。この体に油が少なからずあったほうがいいって言われちゃって、炒めた野菜くらいは食べられるようにはしてるんだよ」
ドブネズミ「まぁわたしは体が欲するからいろいろ食べるさ。だからさ、嫌なのに無理して食べるのは良くないんじゃあないか?体が欲するものだけでも種類は豊富にある」
アフリカゾウ「…そうかな」
マイ「お、どうした?なにか困り事か?」
アフリカゾウ「なんでも、ない」
ドブネズミ「ああ。問題はない。気にすんな」
アフリカゾウの悩みを聞いて親しくなれた気がした。
まだ特別重大な問題ではないようなのでマイには隠して後で聞くのもいいかと思っていた。
ミルクを飲み干し全部食べ終わると一息吐いてマイに旅立ちの準備について聞く。
ドブネズミ「おいマイ」
マイ「何だい?」
ドブネズミ「まさかこのまま何も持たせずに出ていけとは言わないよな?」
マイ「うん、そんなことはない。目的を遂行するためには君のスタンド以外にも必要な物があるからな。アフリカゾウも食べ終わっているようだしそろそろいくか」
「ごちそうさまでした」
「ごちそうさまでした!」
「ご…ちそうさまでした…」
その後食堂を離れた三人は、マイの個室で地図を広げていた。
マイ「旅は何日でもかけられるわけじゃあない。ここを周って戻ってきてもらわなければ困るんだ。だから、これを見て進むべき距離を大まかに把握してもらいたい」
ドブネズミ「なるほど。でも、この研究所の敷地は結構広いように見えたのにこんなにちっぽけだったとはな」
アフリカゾウ「私なら歩き回ってたからわかるけどね!…前にマイにも誰にも言わずにここを出ていっちゃったから、あまり自慢できないんだけどね」
ドブネズミ「…なんだって?」
マイ「アフリカゾウは実は元々ここに住み込んで私と一緒に暮らしてたんだよ。居なくなって一週間くらいしてLBの映像で居場所が判明したが、捜索に時間を割けないくらい忙しくてね。再会できたときは嬉しかったけど初対面のドブネズミ君がいて二人だけで喜び合うのは良くないと思って控え目にしといたんだ」
ドブネズミ「初めてこの部屋に来たあのとき、わたしからは何も言わずにいたからあんな突拍子もないことを言ってきたのか?」
マイ「ちょっと驚かそうとしたことは認める。すまなかった。アフリカゾウから事情は既に聞いてあるから君は知りたければ旅の道中にでも聞けばいいだろう」
ドブネズミ「あ!?そんなことは全然聞いてねえんだが!?いつそんな話をッ!?」
アフリカゾウ「昨日の夕食のとき…。あんなに夢中になって食べてるんだもん」
マイ「邪魔してはごちそうを味わえないからね」
ドブネズミ「まあいい。後でも聞けるんならそうする。で、わたし達はどこを一日どれくらい進めばいいんだ?」
マイ「そうだった、話がずれていたな。進捗状況が見てわかるように、表をつくった。持ち歩いて、進行度を書き込んでくれ。そうすると目標に追いついているかどうかが『わたしにも』わかる」
マイがメモ帳とペンを取り出し答える。
メモ帳は手帳として標準的なサイズより大きめで、ペンは先が丸いだけの棒のようだ。
ドブネズミ「『わたしにも』だと?ボスがいるからか?」
マイ「そうではないんだ。ここになにかしら書き込んで見るとわかる」
そのメモ帳とペンをとり『此島』と書いてみせる。
するとその字がパソコンのディスプレイに映し出された。
ドブネズミ「バランスも線の揺れも全く同じだ……いや、今書いているところが時間差なく表示されている」
マイ「メモ帳がパソコンから離れると時間差はかかってくるけど、書かれていることがいずれはここに表示される」
アフリカゾウ「こんなものは私が居たときは無かったような…」
マイ「あったけど使いどころが無かったんだ。まあこれで晴れて役目を果たせるから大切にしてくれ。持っていくものはこれだけじゃあないがな」
そう言うと今度は取っ手付きで十字の印がついた箱と、赤と青の2つのウェアラブル端末を出してくる。
端末は腕時計くらいのサイズでデジタル時計、極小マイク、スピーカー、ボタン4つというデザインだ。
マイ「これは直接通信ができる時計だ。声を通信して送ることができる。上のボタンを押すと通信が始まる。こっちの箱は怪我したり具合が悪いときに使う」
ドブネズミ「また新しいやつか」
マイ「すぐ使い方は教えるが、まず注意してほしいことがある。これでの通信先はわたしの部屋ではない。通信を受け取るのはオペレーター、わたしとは別の人間だ」
アフリカゾウ「え?」
ドブネズミ「あ?」
マイ「本当はセルリアンを発見したとき連絡してもらうためなんだが、ほかに何か相談したいときはそう言えば相談に乗ってくれるだろう」
アフリカゾウ「その…マイと話したいときは、どうすればいいの?」
マイ「済まない、直接話せる手段が無いわけではないんだ。私と話したければその人にそう言ってくれ。出られれば話しに行く。でも話せないときもあるかもしれないから、わかっていてほしい」
ドブネズミ「そうか。いきなりだが、みんな持ってたその板は何だ?」
アフリカゾウ「スマホのこと?」
マイ「これか?…なるほど!これはスマートフォンという通信機器だが、充電器具を使えばこちらの方が使いやすいかもしれない。ちょっと待ってくれ」
しばらく引き出しを漁り、見せてきたのは片手サイズの箱だった。
箱の凹みに指をかけるとハンドルが展開した。
マイ「スマートフォンの使い方はアフリカゾウが知ってると思うから省く。こっちは映像も声と一緒に送れるんだ。バッテリが切れるとすぐ使えなくなるし、水に浸ると二度と使えなくなるのが欠点だが。充電をこの手回しハンドルを回してやることで電源問題が解決するとは、思い出せなかったよ。ドブネズミ君のおかげだ!」
ドブネズミ「なんか、困るな」
マイ「これらは君たちの助けにもなるだろう。スマートフォンも持たせるけど、水に触れないようにこの袋に入れておいてくれ」
マイはこのファスナー付き袋に入れたままじゃあ使えないから使うときだけ出そう、と付け加えつつ袋に入れた。
マイ「さあ、これを誰が持つかを決めようか」
アフリカゾウ「こっちは私が使うよ。使い方知ってるし」
ドブネズミ「そうか、じゃあわたしはこっちの小さいのか。ボタンとかの使い方は全部はわからんから今教えてくれるか?」
マイ「ああ」
︙
レクチャーを終えたドブネズミは腕に巻いた通信機を誇らしげに撫でていた。
マイ「持っていってもらうのはあと2つ。セルリアンを討伐したとき、破片をできれば回収して持ち帰ってきてもらいたい。そこでこの袋だ」
スマートフォン用のファスナー付袋とは別の袋の束をドンと置いてきた。
マイ「ほんの少しだけ取って入れればいい。むしろ袋が破けてしまうと袋として使えなくなる」
ドブネズミ「そんな少しで足りるのか?」
マイ「袋をいくつも用意したのは量を確保するためと破けたときの予備だよ。アフリカゾウが張り切りすぎて破ってしまうかもしれないからね」
アフリカゾウ「大丈夫だよ!そんなことないって」
マイ「はははっ、済まないね。でも誰しもが生きてる限りは何かを壊すことになる。心配することはないよ」
ドブネズミ(『生きてる限りは何かを壊す』、か…壊すものを選んでいるだけなのかもしれないな)
マイ「話がずれたけどこれが最後だ。水筒という物だが、水を入れて持っていられる。二人とも水が無いと困るだろうから渡しておくよ」
ドブネズミ「おぉ。水が飲めるのはいいとして、どういうことだ?水に困る程の辺鄙なところも通ることになるというのか?」
マイ「そうだ、通ることになるだろうな。砂漠といってな、砂や石だけの土地があると言えば分かるかな」
アフリカゾウ「砂漠っていうと、サバンナも水場はあるけど少ないし、暑いし木がちょっとあるくらいだね」
ドブネズミ「想像もつかん…」
マイ「そして、荷物はまとめてこのナップサックに仕舞っておけば持ち運びも楽になる。実質はこれ一つで持ち歩くから、両手で抱えて行くことにはならない」
ドブネズミ「これェ?」
マイ「それに、ジャパリまんじゅうも仕舞っておけるだろう。でもそのときは、その上に何か載せたり座ったりしないようにな」
ドブネズミ「色々まとめて言われても多分忘れると思うが、あの丸いのは潰れると中身がでてくるだろうということくらいはわかるだろう」
マイ「それもそうだな。じゃあそれらを持って玄関まで…そうそう、応急箱は開くと使い方を箱が教えてくれる。私なんかより分かりやすいから今はとりあえず持っていけばいい」
持ち物の道具の説明を終えると、三人で部屋を出て玄関へ歩く。
研究所の建物は外側に各部屋の窓が付いているため、廊下の窓の外は屋外とはいえ建物に囲まれている庭の様になっていて外と同じ空が狭苦しく囲まれている。
その空間は研究所の開設当初から喫煙する者が続出し、禁煙の貼り紙でなく灰皿が設置されたことで現在はすっかり喫煙家たちの憩いの場と化していた。
そんな歴史は露知らず玄関へ行くドブネズミはちらと見えたその穴の底のような空間に全く興味をもたず、淡々と歩を進めていった。
玄関に着くとマイは大声を張って確認を促す。
マイ「よし、調査行程の最終確認をするぞ」
ドブネズミ「はい。まずは研究所を出てすぐ左を向いて、山を右手に見ながら進む。海岸が近くに見えてきたら、山に向かう。高い木がなくなってきたら、岩石地帯まで登って手頃な石を拾う」
マイ「そうだ。岩石地帯の露出した石はサンドスターを含んでいるかもしれない」
アフリカゾウ「それで、また山を左に見て進んで、となりの砂漠のエリアにいく。砂漠に入る前に水場を探しておく。砂漠では砂を取ってくる。隣のサバンナ・水辺・高山・平原と進んで、それぞれセルリアンを倒せたら石をひろって戻ってくる」
ドブネズミ「各地でフレンズと知り合っていくのは新しいフレンズであるわたしのやることだな。アフリカゾウがみんなを知ってるとは助かるよ」
アフリカゾウ「ありがと。みんなの顔を見に行くのは私も楽しみにしてるし、ドブネズミちゃんをみんなに紹介できるなんて夢にも思わなかったから早く行きたいね」
マイ「それは良かった。でも早く行きたいなら確認をすませようか」
アフリカゾウ「うん、そうだったね。あ、一つ気づいたんだけど」
マイ「うん?」
アフリカゾウ「石をひろうって言われたけど、石なんて倒すとき砕け散っちゃうんだよね…。石が残らなくて取ってこれなくてもいいの?」
マイ「そうなのか。弾けたあとの欠片くらいは残っているんじゃあないかとは思ったが、サンドスターに変換されて完全に消えてしまうのか。セルリアンを捕獲して直接実験出来れば良いんだが、機械の攻撃が通じないという性質上、フレンズでなくては手に負えない奴らを調べるためにフレンズに依頼するしかない。おっと、長くなって悪い。要するに、何かセルリアンの手がかりさえあればいいということだ」
アフリカゾウ「りょうか〜い」
ドブネズミ「なあ、一通り物は有るみたいだし、やることも分かってるからもう行かねえか?」
アフリカゾウ「そうだね、じゃあもう行こう!行ってきまーす!」
マイ「気をつけてなー。セルリアンと無理に戦おうとしなくていいんだぞー。見たことを後で言ってくれればいいんだからー」
ドブネズミ「わーってるよ、わたしでもそんくらいわかるって」
後を見て手とマフラーを振るアフリカゾウを見て、危なっかしいと思いながらも自分も手を振りたくなっていた。
門を出て指示どおり左に行くと丘になっていて、上から研究所見渡せるようになっていた。
ドブネズミは振り返り見回してみると、青空の下に広がる研究所の敷地が前の自分の縄張りと比べて少し広いんじゃあないかと思い、ここを丸ごと自らの縄張りとするには骨が折れるだろうな、などと考えた。
一方アフリカゾウはこれからの旅路で再会するであろう各地のフレンズとの思い出に浸りつつドブネズミを安全に導こうという決意にみちていた。
アフリカゾウ「どうしたの、ドブネズミちゃん?」
ドブネズミ「研究所をこうやって見渡したことはなかったなと思って、やってみたんだ。居たのは短い間だったけど、なんだか懐かしくなってきた」
アフリカゾウ「なるほどぉ〜、わかるよその気持ち。こうやって上から見てみたのって、初めてかも。いいニオイもしてきたし、ちょっと惜しくなってきちゃうね」
ドブネズミ「…でも何か考えてずっとここに立ってるより先に進んだ方がましだな!行くぞアフリカゾウ!」
アフリカゾウ「え?ちょっとっ、それはそうかもだけどっ、そんなに急がなくていいってぇーーーっ」
二人が丘を駆け下り、平地に出てからラッキービーストを発見して立ち止まったのはそれから十数秒後のことだった。
←to be continued…/\┃
【未来のぼうし】
[2話] ~Aパート-2~
道頓堀にやってきた。
帰ろうにも電車が止まっているので、そこで時間を潰そうと思ったのだ。
いつもは賑わっているこの場所も、地震のせいなのか今は人通りが少ない。
ブラブラ歩きながら、また物思いにふけっていた。
「かばんとぼうし」を書き終えた私が、次回作の準備をしていると、
とあるプロデューサーが尋ねてきて、アニメ化したいという話を持ち掛けてきた。
その人の第一印象は「頭の切れる野心家」だったが、
ぜひ会ってみてほしいと紹介されたアニメ監督は、輪をかけて「仕事に情熱を傾けている人」だった。
そして信じられる人たちだ、と思った。
その後、そのプロデューサーや製作委員会の担当者とも打ち合わせをし、本格的にアニメ化は進んでいった。
私は純粋に「自分の作品が動く」かもしれないことにワクワクしていた。
そんな中での監督との打ち合わせは、文字通り#ココロオドルものだった。
面白いアイデアが次々に提示され、形にして見せてくれた。
何より、私の作品を私以上に深く理解している、と感じられたので「お任せします」と伝えた。
一方で事務的な話はつまらないし、よく分からないものだった。
クレジットを原作or原案のどちらにするかとか、グッズの印税がどうとかいった、権利関係の話だ。
そちらは「お任せします」とだけ言って、深く考えることを放棄していた。
時は流れ・・・
アニメは大成功を収め、劇場版の話も出たのだが、その辺りから歯車が狂い始めた。
私にも取材やインタビューの仕事も増え、作家活動が思い通りに出来なくなっていた。
そんな中、私の発言に良くも悪くも過敏に反応する人が増え、
「私の意向」が私の知らないところで独り歩きを始めていたのだ。
いろんな人に「任せて」しまった私の落ち度でもあったが、
内部では派閥が生まれ、外部ではアンチが生まれていた。
恐らく情報のすれ違いやボタンの掛け違いが原因だったんだろうけど、様々な混乱が起こった。
例えば、アニメ監督に関して「感心して目から鱗が落ちる」というつもりで
未来「感覚が違い過ぎて常識が壊されますね(笑)」と発言すると、
監督を貶しているとか、逆に監督の品性を疑ったり、なぜか才能をやっかんでる、という意見まであった。
監督は劇場版も担当すると意気込んでいたが、
主役の声優が降ろされ、代わりに「私が推した」というジャニタレが起用されることが決まると
プロジェクトから去っていった。
確かに、あるインタビュー記事で「好きなジャニーズタレントは?」と訊かれたことは過去にあったが、
別の好きな俳優の名前を挙げる訳にも行かず
その頃 名前をよく聞いたタレントの名前を口にしただけなのだが、
当時は、まさか声優の人事に影響を及ぼすなんて思いもしなかった。
人事担当もきっと悪気はなく、そのインタビューを元に、私に忖度したつもりだったのだろう。
(劇場版の興行成績自体は微妙な数字だったが、評判は決して芳しくなかった)
この降板劇も、監督自らしたorさせられたか、を巡って内外で騒動が起こった。
そういったゴタゴタの数々に外野の人は、いちいち説明を求めたがったが、詳 らかにする訳にもいかないし、当事者間にも分からないことは説明できない。
すべてを
結果、適当にお茶を濁すか、黙るしかなかった・・・
私も無力感に苛まれながらそれらを黙って眺めるしかなかった。
そして「自分の手には負えない」と思い、徐々に疎遠になっていった。
また私は逃げ出したのだった。
未来「こんな話、つまらないですよね」
サバ「いきなり本編に戻ってきて、回想の感想を私に振らないでよ!」
【未来のぼうし】
[2話] ~Bパート-1~
未来「そう言えばサバちゃんは休みの日は何してるのですか?」
サバ「ミンミーちゃんと『狩りごっこ』だね~」
サバちゃんがいつも持ち歩いている「ミンミービースト」を見る。
どう見てもヌイグルミだ。
動きそうにない。
未来「!」
そうか。 膝に乗せて一緒に「モンハン」でもしているのだろう。
そう思うことにした。
未来(?)
気のせいか、ミンミービーストの顔が曇ったように見えたが角度のせいだろう…
サバ「でも最近はお休み続きで、体ばっかり鍛えられるんだよね~」 (¬д¬。)
しまった! うどんs… やぶへびだ!
未来「ひゅ~」 ♪~( ̄ε ̄;)
サバ「吹けてないし…」
サバちゃんには言ってなかったが、実は小説をまったく書いてないわけではなかった・・・
監督「僕って思いついたアイデアが面白いと思ったら、手当たり次第注ぎ込んで使い果たしちゃうんですよね」
未来「え!? そんなことしたら後で困るでしょ?」
監督作品 は作れないと思うし、
「でもそれぐらいしないと本当に面白い
もたもたしてるうちに他の人が先に似たアイデアを形にしたらコッチは使えなくなるでしょ?
だから1作品終わったら抜け殻ですよw」
未来「抜け殻…」
監督
「でもね。 クリエイターは『作ってナンボ』が身に染み付いてるから、時間が経てば湧いてくるんですよ。
作りたいという意欲とか、アイデアとかが。 苦しい時もあるけど、やっぱり楽しいですよ。
何かを作るというのは。 ここまでくると『業』ですよねw」
あの騒動の後、しばらく抜け殻のようになっていた私も、不意に
良い関係を築いていた頃の監督の言葉を思い出し、気付くと一心不乱に書いていた。
「かばんとぼうし」のサブキャラの2人を主人公に据え、ぶらり旅をさせるというスピンオフ作品だ。
ただ、出版社を通して大々的に世に出すと、鎮火し切っていない所に薪をくべそうだったので、
匿名(分からないだろうけど、アイコンはぼうしにしておいた)で、ある掲示板にひっそり投稿した。
当然、世間の反響なんて無かったし、連載終了後 数人の読者が「いいね」をくれただけだったが
まんぞく… だったし、まだ書けることが分かって安心した。
1週間ほど前、お客様にはツイッターでの短い近況報告を欠かさない監督から、私に直接の連絡があった。
最初にして、恐らく最後の。
監督
「お久しぶりです。 実は昨夜、あなたの出版社を爆破する夢を見ましてねw
そしたら気が晴れました。 また仕事を ご一緒できるといいですね」
生返事しか出来ない私に、監督は電話口の向こうで必死に笑いを堪えているようだった。
翌日、監督による新作アニメの制作発表がされた。
私は呆気に取られたが、すぐに
「これは監督なりの気遣いと、戦友への激励だ」と思うことにした・・・
未来「そろそろ本気で仕事を再開しようかしら・・・」
サバ「ホント!?」
サバちゃんはチョろいなぁ。
この手には何度も引っ掛かってるはずなのに…
でも元々「かばんとぼうし」は前後編の第一部として考えられた作品で、おおまかなプロットは頭の中にあった。
続編では私の前職での経k…
未来・サバ「「!?」」
grr…
振動している。
最初は雷かと思った。 スピーカーからの重低音にも似ている。
体の芯に響くものだったが、空気の振動ではなかった。
未来「地震?」
振動は地面からのようだったが今まで感じた地震とは明らかに違った。
地球が怒りに震えているようだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ぱっかーん!!
地面が空気を送り込まれた風船のように みるみる膨れ、破裂したようだった。
目撃者は、そう証言したらしい。
(そんな近くにいながらよく無事だったものだ)
私たちが見たのは、西の空に花火のようにキラキラ光りながら吹き上がるサンドスターだった。
サバ「なにあれ、なにあれー!?」
サバちゃんは無邪気に はしゃいでいるが、私は目の前に起こったことが信じられず、ぼーっとしていた。
心の古傷が疼いた…
ーと、なんばの空にも、虹色の粒と・・・ 黒い粒……?
ーが目の前の#かに道楽の看板に当たった。
未来「まさか…」
サバ「未来さん…」
未来(今度こそは・・・! この子だけでも守らないと...)
リカオン「ヒグマさん!ハンターの応募が三人もありました!!」
ヒグマ「はぁ!?三人!?」
キンシコウ「そんなに来るの初めて………いえ、来ること自体初めてですが……」
リカオン「ジドさんから直々に【こいつらは役にたつぞー!な!!】って言われました!」
そうリカオンは、ジドのモノマネをしながら言った。
クマデ「ところでどんな奴らが応募してきたんだ?まさか、裏町にゴロゴロいるチンピラじゃないよな?」
リカオン「見た感じ……まともそうですよ?二人に至ってはフレンズですし」
ヒグマ「フレンズ?もう一人は人か…」
キンシコウ「なんか…懐かしいですね……」
ヒグマ「……まぁな……人がハンターとしてセルリアンと戦うのはあれ以来か………」
毒牙「あの時はなんと……無残であったじゃろか……」
如意棒「ですね、いろいろありましたもんね」
クマデ「ああ、もう何年も前か……」
ヒグマ「クマデ、あんたのせいだよ」
クマデ「もうあんなことはしない、許してくれよぉ」
ヒグマがため息をつき、話を変える。
ヒグマ「リカオン、応募してきた奴らの写真見せてくれないか?」
リカオン「写真ですが?いいですけど…」
ヒグマが写真を手に取るとキンシコウもそれを覗くように見た。
ヒグマ「あ、この黄色い子」
キンシコウ「知ってるんですか?」
ヒグマ「足速そう、爪とかでひっかけそうだな」
キンシコウ「ああ、そう言う意味ですか」
ヒグマ「それとこの赤い子」
キンシコウ「この子はなんか強そうには見えないですね……」
ヒグマ「料理うまそう、家事とかもできそうだな」
キンシコウ「まぁ、ハンターには不向きですかね…」
ヒグマ「この子欲しいな、最近自炊できてないし……」
リカオン「待って、ハンターってなんでしたっけ?」
キンシコウ「ま……まぁ、面接もするんですし、後々のことはそこで決めましょう」
ヒグマ「この男はどうだろうか?あんまりわかんないな。裏町とかにいそう」
リカオン「確かに……でも流石に選ばないでしょ……ジドさんが……」
キンシコウ「あの人ならやりかねないですかね……?あの人、ゴーストタウンに一応住んでますし」
ヒグマ「まぁ、とにかく、ジドからか聞いたあの件もまだロクに果たせてないし、仲間が増えることはいいことだ」
キンシコウ「アークセルリアン……ですか……」
リカオン「あの、バカ強い武器を作れるジドさんが言うんだし、本当なのかもしれませんね…」
クマデ「ヒグマ、俺たちに手に負えなくとも、地球の危機はあいつらがやってくれるだろ?」
如意棒「ゴーレムですか?軽く一年ほど現れてないんですよ」
毒牙「うむ、いざとなれば彼女たちに委ねるしかないか」
ヒグマ「街を救ったスーパーヒーローだからなぁ……」
ミカ「皆さん!ここで何してるんですか!!」
ヒグマ「はえ?どうしたの?」
キンシコウ「今日なんかありましたっけ……?」
ミカ「今日は安売りの日ですよ!!私もさっき気づきました!!」
リカオン「えぇ!!それはマズイっすよ!!」
ヒグマ「えぇい!仕方ない!私のバイクで私だけも!」
ミカ「お一人様1パックの卵が………」
ヒグマ「だったらみんな乗れぇ!!」
キンシコウ「それダメですってぇ!!」
何気ない時間、彼女たちは卵を2パック安売りで買うことに成功。
明日、応募者が面接に来る。
・
アナザーワールド・サンドスターストーリーズ
第9話へ続く……
スナネコが砂漠で発見した謎の動物。
コインで買収したツチノコと共に何の動物か調べに行くことに。
待ち受ける試練、謎のセルリアンの目的、そして、その動物の正体とは…?
広大なちほーで繰り広げられるサンド・アドベンチャー!
《スナネコと暁の牙》
投稿予定…?
投稿できるかな?
いや投稿せんかもしれんわ。
確信がないわ。
近日公開!けもフレD Ver.NEØStage
これはけものフレンズ×電車でDのクロスオーバー作品です。
⚠︎注意!⚠︎
その1、この作品に出てくる地名、人物名、団体名、物質名、映像名は全て全くと言っていいほど関係がありません!
その2、この作品は誤字脱字、抜けている駅にエセ関西弁や、神奈川の方言(ジャン!)などが出てくる可能性があります。
その3、キャラの性格が違う子がいます。それらが嫌なら見なくてもいいんだからね!
───────────────────────
ニホンオオカミ「これの元の話であるWestStageはpixivで絶賛公開中です。見てください。」
ニホンオオカミはそう言って381系を運転して行ってしまった………
募集…好きなフレンズ、好きな車両、好きな路線など……
二作も新作が…!
負けていられないッ!
「書きっこ」だね!
負けないんだからぁ!
さらに賑わってくれて嬉しい限り
自分もまだまだ序章に過ぎないんで頑張ろう。
私事を終わらせてからですがね
【未来のぼうし】
[2話] ~Bパート-2~
目の前に蟹型セルリアンが立ち塞がっている。
未来(守ると言っても一体どうやって・・・)
元が看板だけに見上げるような大きさだ。
カニ「僕のために#ええ曲作ってもろて」
サバ「うわぁぁぁ... シャベッターーー!!」
未来「それも大阪弁…?」
カニ「浪花のモーツァルトことキダタロー先生にお礼を言 わな」
カニはそう言うと、私たちのリアクションもスルーして横歩きで去っていった。
未来「・・・」
サバ「なにあれ? 襲ってこなくて助かったけど…」
ツッコミどころは多々ある...が、 \(・_\)それはまあ(/_・)/置いといて。 ツッコミどころ
げんじつちほーにサンドスターが降り注ぎ、動物がフレンズ化することで起こりそうな混乱もさることながら、
もっと心配なのはサンドスター・ロウによってセルリアンが野に放たれることの影響だった。
でも自分に何が出来るというのだろう? 過去、逃げ出すことしか出来なかった私に・・・
サバ「危ない!」
視界の端で「黒い影」が襲い掛かってくるのを捉えた、と思った瞬間、サバちゃんが私の襟を引っ掴んで放り投げた。
道端の花壇に頭から突っ込む。
まるで いぬがみけ のようだ...
未来「イタタ...」
なんとか起き上がり、サバちゃんの方を見やって驚いた。
「#食い倒れ太郎」型セルリアンがサバちゃんを拘束していた。
いつもは太鼓を持っている場所に、サバちゃんを背後から抱きしめるように・・・
未来「そこを変わr… サバちゃんを放してください!」
太郎「それは でけへん相談やなぁ」 ┐(´ー`)┌
まただ。
大阪で生まれたセルリアンは大阪弁がデフォなんだろうか?
未来「じゃあ、何がしたいのですか!? まさか、サバちゃんに あんなことやそんn…」
太郎「それ以上言うな! このSSは『子供に見せても大丈夫な健全路線』なんやかr…」
ーと、セルリアンに ずんぐりむっくりな黒い影が襲い掛かった・・・ ーが、
太郎「おっと」
セルリアンは体を軽く のけ反らして避けた。
それはフレンズ化した姿のジャガーだった。
未来「ジャガー・・・さん?」
天王寺動物園から逃げ出したというジャガーがたまたま近くにいて、たまたまサンドスターに当たったのだろうか?
太郎「さすがに強そうな腕のジャガーを相手取るのは分が悪そうやな。 ここは一旦 引いとこか」
ジャガ「おい、待て!」
太郎は間抜けな見た目とは裏腹に、機敏な動きでサバちゃんを捕らえたまま去っていった。
太郎がいた場所には、サバちゃんの落としていったミンミービーストだけが残されていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【未来のぼうし】
[2話] ~Bパート-3~
ジャガー「大丈夫?」
ジャガーが心配そうに私に声を掛ける。
地震に噴火。 セルリアンにフレンズ。 守るどころか まんまと誘拐されてしまったサバちゃん。
目の前で起こっていることに思考が追いつかない。 これは本当に現実なのだろうか?
ミンミービースト「音子 ちゃん、何かあったの? 応答して?」
ジャガ「うわぁぁぁ・・・ シャベッターー!!」
!?
聞き覚えのある声にジャパリパークでの想い出が一気に蘇る。
やっと肝が据わった。
ミライ攫 われてしまいました。
「お久しぶりです、カコ博士。 サバちゃんはセルリアンに
私がついていながら・・・ 申し訳ありません」
私は簡単に経緯を説明した。
カコ咲洲 』に向かってくれる? そこに皆いるわ」
「音子ちゃんのことなら大丈夫。 ああ見えて、鍛えてるから。
取りあえず、あなたたちは『
咲洲? 皆? また新たなキーワードが出てきたが、乗りかかった船だ。 行くしかない。
ただ電車は動いていない。 どうやって?
ジャガー「咲洲まで行けばいいんだね」 ピュー(  ̄3 ̄)~♪
やけにものわかりのいいジャガーが指笛を吹くと、曳 いてやってきた。
ポニーほどの大きさをしたシマシマの軟体動物(?)が屋台を
ジャガ「さあ! 乗って!」
屋台に揺られながら聞いたところによると、
ミンミービーストにはGPS機能と通信機能が備わっていて、逐一連絡を取り合っていたらしい。
今回は緊急連絡ボタンによる警報信号を受信したため話しかけてきたという。
サバちゃんもパーク関係者だったのか…
ミライ「じーーーーっ!」
ミンミー(見てる… めっちゃ見てるヨ…)
前から気になって仕方なかったことだが、今一番訊きたいことを質問すると、
やがて一番答えにくいことを訊き返される可能性が高い。
なので、その次に気になっていたことを訊いた。
ミライ「ジャガーさんは、もしかして天王寺動物園から逃げ出した・・・」
ジャガ
「そうだよ。
動物だった頃のことだけど、なんの気なしに地面を掘ってたらキレイな石が出てきてね。
気になったから飼育さんの目を盗んでバックヤードに咥えて帰ったんだよ。
明け方、その石を前足でイジってたら、ぱっかーんと割れて・・・
サンドスターが降り注いだかと思うと、フレンズ化してしまったんだ。
あとは鍵を内側から開けて・・・ 晴れて自由の身になったというわけさ。
ちなみに この子は・・・」
シマナメの背中を撫でながら続ける。
「#ワールド牧場のポニーにたまたま野生のナメクジがひっついてて、
更に野生のヒトスジシマカが血を吸おうと留まったところにサンドスターが当たったようだね。
いわゆるキメラってヤツさ」
察しが良過ぎる… バックに「わかる~(天地無双)」という文字が見えた気がした。
カコ
「そちらの地質学者の研究で、おおさかちほーの地層にもサンドスターが含有されていることが分かってるわ。
サンドスター関連ではジャパリパークが最先端だからね。 情報提供、共同研究をしているんだけど・・・」
カコ博士は研究に戻っているのか。 ジャパリパーク自体はどうなんだろう?
カコ
「少し前から地殻変動に伴ってサンドスターが地表に現れるようになり、
ジャガーちゃんのようなフレンズ化の例が報告され始めていたのね。
大阪府知事は話の分かる人で、ジャパリパーク側から派遣した子と一緒に
フレンズ化した動物の保護、動物園との折衝、仕事の斡旋など、いろいろ取り計らってくれてるわ」
そう言えば大阪都構想やIR(カジノ)法案は、どうなったんだっけ?
現知事は前の人たちほど声高に訴えてなかった気がする。
ジャガ
「私もこの仕事を紹介してもらったクチだよ。
でも地震のせいでお客さんがいないから、早じまいして帰ろうと思ったけど、
悲鳴が聞こえたので駆けつけたら君たちと出会ったというわけさ・・・」
ミライ「でも そのお耳と尻尾は?」
ジャガ
「ん? ああ… ゆるキャラの着ぐるみとでも思ってくれてるんじゃないかな?
誰もツッコんでこなかったよ?」
大阪人って…
カコ
「最近になって国も やっと重い腰をあげたけど、
もし火山活動が起こってしまってフレンズ化・・・ 特にセルリアン化が大量に発生すると
おおごとになる、と以前から警告はしておいたんだけどね」
壮大(?)な世界観のストーリーになりつつあるけど、ちゃんと畳めるんだろうか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【未来のぼうし】
[2話] ~Bパート-4~
シマナメの曳く屋台は、ほどなく「大阪府 咲州庁舎」に着いた。
「知事には話を通してあるから」
カコ博士は そう言っていた。
これから何が起こるか分からないが、覚悟を決めて庁舎に一歩を踏み出した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
折楠 「怪しいやつを連れてきました」
SPに捕まってしまった...
???
「ご苦労。 ーと言いたいところだけど、
キミたちSPが守るべき主の元に怪しいヤツを連れてきてどうするのだ?
新井さんが襲われたらどうするのだ!?」
???
「ジャガーさんの屋台は何度も見てるでしょ~ 確かにシマナメさんは何度見ても謎の生命体だけどさ~」
なぜか場違いに思われるチャイナドレスを着た2人組がSPに お説教(?)をしている。
新井「ウチの者が失礼したのだ。 私は新井さん。 府知事をやらせてもらっているのだ」
ミライ(この方が府知事だったのか…)
「新井山さん…? よろしくお願いします」
新井「新井さんは新井さんなのだ! 新井山さんではないのだ!」
ミライ「???」
笛音邱 笛音 。 中国生まれ、日本国籍を取得した副知事だよ~」
「新井さ~ん、またやってしまったね~。
ごめんね~、新井さんは一人称に敬称まで付けちゃうのがクセなのさ~。
私は
私が奇異に感じているだろうことを察して、さらっと的確に情報を差し込んできた。
デキる人だ。
なぜ2人ともチャイナドレス、なのかは謎のままだが・・・
新井
「カコ博士から話は聞いているのだ。
もうすぐセルリアン対策会議を始めるので、部屋で待ってて欲しいのだ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
会議室は かなり広かった。
大勢のヒトとフレンズ(見たことの無い子も)がいる。
そんな中に、誰かと話をしている1人の女の子の後ろ姿を見付けた。
ミライ「あの子は・・・!?」
黒タイツに包まれた細い脚、白い半ズボンに包まれたデカいけつ、
赤い半袖シャツ、黒い手袋、右手首に巻かれた腕時計状のもの、クセの付いた黒髪、そして・・・
ミライ「まさか…」
これまで私は前の職業柄、たくさんのフレンズたちを見てきた。
「姿形も十人十色」だから まだ出会ったことのないフレンズがいても不思議ではない。
セルリアンも同様だ。
でも彼女だけは違う。
ミライ「ありえない...」
なぜなら・・・
実在するはずがない !
なぜなら彼女は... 私が創作した「架空のキャラ」だからだ。
どうやら話が終わったらしい。
その子は振り向くと私に気付いて、軽く会釈した。
淵に穴の空いたぼうし越しに・・・
明かされるサンドスター&フレンズ&セルリアンの謎!
かばん&ミライ&セルリアンの願いとは?
物語は どこに向かうのか?
第3話、怒涛の展開が待っている!
~to be continued~
【おまけ】
#折楠
#小禄
#邱
1話>> 377、>> 378、>> 383、>> 384、>> 385、>> 386
2話>> 389、>> 390、>> 395、>> 396、>> 404、>> 405、>> 406、>> 407
【未来のぼうし】
[3話] ~Aパート-1~
かばん
「はじめまして。 かばん、です。
カコさんからお話は伺ってます。 ミライさん」
そう言うと、かばんちゃんは手を差し出した。
恐る恐る握ったその手は温かかった。
ミライ「本当にあの かばんちゃん…なの?」
かばん
「はい。
ツチノコさんやカコさんの見立てによると、
僕は貴方の飛ばしたぼうしに付着していた髪の毛から生まれた、と考えるのが合理的だそうですが・・・」
ツチノコさんの見解に関しては、私の書いた小説の設定と同じだ・・・
かばん
「小説も読ませてもらいました。
僕も驚きましたよ。 まるで見てきたかのように僕の冒険がお話になってるなんて・・・」
面と向かって本人に感想を聞く、というのは思った以上に恥ずかしくて・・・ 居た堪れない…
かばん
「キョウシュウを出て、ゴコクを目指して船で漕ぎ出したんですけど、すぐシケに遭って。
その後もいろいろありましたけど、カコさんのいるジャパリパークに辿り着いたんです」
カコ
「私も『別のジャパリパークから来た』という かばんちゃんが尋ねてきたときは驚いたけど、
ジャパリパークは、ほぼ同時にいくつも存在するようね。
便宜的に私たちの居たパークをJP-AP、かばんちゃんのいたパークをJP-AN1、
音子ちゃんのいたパークをAN2と名付けています。
他にもCO、PA、FEなど複数のパークが確認されていて、今回おおさかちほーにも出来つつあるわ」
ミライ「でも時系列が・・・」
カコ
「かばんちゃんが目の前にいることが何よりの証拠よ。
それにぼうしはともかく髪の毛がそんなに長く原型を留めていられると思う?
パーク自体が作られたのは設備の老朽具合などから見て、実はAN1が一番古かったということでしょうね。
誰が、いつ作ったものなのかは、これから調査してみないと分からないけど・・・」
辻褄は合っている。 ・・・ように思う。
壮大な「どっきり」ということも疑ったが、すぐに打ち消した。
誰得なんだ? という話だ。
それにもし、どっきり番組なら「事前の打ち合わせ」があるはずだ。
昨今では こういった番組に、いわゆる「やらせ」があるのは当たり前で、
騙される役の側にも演技力が求められるようになっているのだ。
ミライ「ところでサーバルちゃんは一緒じゃないんですか?」
訊いてしまってから、しまったと思った。
かばんちゃんがものすごく悲しい顔をしたからだ。
カコ
「現状でフレンズがパーク外、特にげんじつちほーに渡航しようとした場合、ヒトと同じ扱いというわけにはいかない。
煩雑な手続きの上、檻に入れられ貨物扱いになるわ」
げんじつちほーは非情だった。
かばん
「サーバルちゃんにはなんとか分かってもらって、いわゆる単身赴任でこちらに来ているんです。
僕は一見したらヒトに見えますから。
僕はいつかフレンズさんたちが、どこにでも自由に行き来できるようにしたいんです」
そう言ったかばんちゃんの顔は決意に満たされていた。
それに引き換え私は・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
かばん「こちらは地質学者の木ノ葉博士です」
先ほどまでかばんちゃんと話していた女の子(?)を紹介された。
超小柄な上にベビーフェイスだが、無表情でどこか尊大な雰囲気を醸し出している。
博士
「木ノ葉ミミなのです。 府知事の相談役としてここにいるのです。
お前たちにもサンドスターのことを教えてやりましょうか?」
教えを請うと、給料3ヶ分とか ご飯を奢 らされそうだった。
喋り方も偉そうで生意気だ。
「博士」に対する評価としては失礼な表現かもしれないが・・・
博士
「ちなみに戸籍上は「木葉」なのです。 誰も『このは』と読まないので「ノ」を入れたのです。
語呂は似ていますが、木〇実ナナとは無関係なのです」
そんなこと全然思ってなかったのに、もう2時間ドラマに定番の「ある女優の顔」が浮かんで仕方なかった。
アルパカ「ハイ、ドウゾー」
メイドさんがグラスに入ったアイスティーを渡してくれた。
他の参加者にも甲斐甲斐しく飲み物を提供している。
かばん
「さっきの方は#五月山動物園生まれのアルパカさん
大阪 日本橋(東京で言うところの秋葉原)でメイド喫茶を経営されています」
「病気」が出そうになったが、太股をつねって堪える。
「あちらは#みさき公園のアメリカビーバーさんとプレーリードッグさん。
今は土木課に勤めてらっしゃいます」
ミライ(ダメ、どんなに耳がしゃぶりたくても、今は我慢よ!) ぷるぷる…
かばん
「あ、大丈夫ですよ。 ちゃんと公務員試験を通って、正規のルートで採用されてますから。
談合とも無縁ですし」
私が必死に発作を抑えているのを、義憤に震えていると勘違いしたらしい。
でも、さらっとスゴいこと言ってるなぁ...
ーと、着物姿で長身の見たことのないフレンズ(?)が、音もなくかばんちゃんの背後に近寄ってきた。
その気配に不穏なものを感じて、叫んだ。
ミライ「かばんさん、うしろうしろ!」
かばん「たうぇ…」
振り返ったかばんちゃんを、そのフレンズは腰に佩 いていた刀を抜いたかと思うと袈裟懸けに斬り付け、鞘に戻した。
居合いだろうか? 目にも留まらぬ速さ、流れるような所作で見とれてしまった。
かばん「うあぁぁぁ...」
かばんちゃんは左手で斬られた胸を押さえ、右手を広げて仰け反ったかと思うと、蹲 った。
やがて膝から崩れ、右手を床に付け
ミライ「どうして… どうしてこんなことに...」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・