けものフレンズBBS NEO

文藝誌 ジャパリ文學(SS総合投稿スレ)

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ここはジャパリ文庫
SSシリーズを投稿するスレです。
多分何言ってるかわからんと思うからざっくり説明すると、

出版社みたいにここでたくさんの作者さんがSSを投稿し、みんなを楽しませる感じのスレ、
個人で出すよりこういう感じで出した方が知名度も上がるかもしれないし、何より人気投票とかも取るつもりだから(取らないかもしれないけど)みんなももっともっとSSという存在に触れられると思うんだ。
だけど作者さんが傷つくようなことは言うなよ、おかしいと思ったらおかしいっていうのは悪いことじゃないがアドバイスって形で言ってよな

自分の作品を投稿して、君もスターになろう!!

《【現在連載中の作品】》

・【アラフェネぶらり旅〜まんまるを探して2周目〜】(完結)

・【サバずきんちゃん】

・【アナザーワールド・サンドスターストーリーズ】

・【けものフレンズ2】

・【虫喰いでないフレンズ】

亡き人
作成: 2018/06/01 (金) 23:47:38
最終更新: 2019/02/20 (水) 20:41:19
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377
未来 2018/09/25 (火) 15:16:30 c36f4@3652f

・・・・・・・・・・・・

ミライ
「ふー、最後に一回は この観覧車に乗っておかなくちゃね!
 結局、パークの職員は島を出ることになりました。
 短い間でしたけど、私はここで出会えた沢山の奇跡に、感謝しています! きっとまた……
 ラッキー、留守をよろしくね!

ラッキービースト「マカセテ…」

ミライ「ごめんね…すぐ戻るから…… あっ!」

一陣の風が吹き、ミライのぼうしは飛ばされた。

そして・・・ 

そのぼうしはやがて・・・

378
名無しのフレンズ 2018/09/25 (火) 16:11:34 c36f4@3652f

【未来のぼうし】
 [1話] ~Aパート~

未来「ん゙ん゙っ 我ながら良い話っ!」

・・・イさん… mライさん… 

未来「ぐへへ… 」(じゅるり)

???「ミライ先生!」

未来「誰が先生やねん!」

両耳を摘んで左右に引っ張る。

未来「私のことを先生って呼ぶなって言うたやろ!」

???「イタイイタイ!」
 
ハッ! . Σ(゜Д゜)
未来「ごめんなさい。 引っ張りやすい耳だったから、つい… 」

???「ひどいよ~」

私の名前は未来。
ラノベ作家だ。 ちなみに未来はペンネームだ。

処女作は「かばんとぼうし」
仮想空間に作られたサファリパークに迷い込んだ主人公かばんの冒険活劇だ。

それが、とあるプロデューサーの目に留まり、まさかのアニメ化。
そしてネットの評判をきっかけにメガヒット。 劇場版まで作られた。
しかし、その後は・・・

佐波「もう、自分の作品を読みながら悦に入るのは気持ち悪いからやめてよぉ!」

彼女の名前は佐波(さば) 音子(ねこ)
一応、担当(編集)さんだ。 
私はサバちゃんと呼んでいるが、本人は「みんみ」と呼んで欲しかったらしい。
どういう云われなんだろう?

目はクリクリしてて鼻筋は通っていて、ほっぺはぷにぷに。
キレイな富士額にいつも上がった口角。(例えるならmとω )
中学生かと見紛うような童顔だ。

そしていつも手乗りサイズのぬいぐるみ(ミンミービーストというらしい)を肌身離さず持っている。
なんでも護身用だと言う。
防犯ブザー的なアレだろうか?

未来「いいじゃないですか… 少しくらい過去の栄光に浸っても・・・」

サバ「じゃあ、せめてヨダレぐらいは拭いてよぉ」

未来「おっと、ごめんなさい」

言葉遣いが逆、と思われるかもしれないが、これは私から提案したものだ。
最初サバちゃんもおかしいと訴えた。

未来「いつの間に勝手に部屋に入ったんですか?」 
やっと本題に入れた。

サバ「連絡は入れたよ?」

確かにラインメッセージが届いていた。
だが時間はAM2:05 なんでも彼女は夜行性だから、らしい。
そういうわりには昼間も元気なのだが・・・

サバ「部屋のチャイムも鳴らしたのに返事が無いから、孤独死でもしてるのかと思って」
縁起でもない。

未来「 ーで、今日は何ですか?」
担当が作家の所に来て、何も無いものだが一応聞いてみる。

サバ「ねぇ、未来さん。 そろそろ新作を書こうよ!」

未来「・・・」
 
この子が担当になってから、仕事らしい仕事もせず、他愛もない話をしているだけだったので
いつ、そう言い出しても不思議ではなかった。
今まで決して急かしてこなかったボス(編集長)にも頭が上がらない。

未来「よし! じゃあ今から打ち合わせに行きましょう!」

サバちゃんは途端に「例の顔」になった。

・・・・・・・・・・・・

379
亡き人 2018/09/29 (土) 20:49:33
380
381
亡き人 2018/09/30 (日) 18:35:23
382
383
名無しのフレンズ 2018/10/01 (月) 16:55:37 修正 f2808@7d493

【未来のぼうし】
  [1話] ~Bパート-1~

今日は何か事件があったのか、やけにパトカーや警察官の姿が目に付く。
おかしいな。 脱走犯は捕まったはずだけど・・・

気を取り直して#きんのぶたにやってきた。
関西ローカルのしゃぶしゃぶ店だ。

サバ「普通、打ち合わせって言ったらファミレスとかAライセンスとかじゃないの!?」

サバちゃんの抗議も もっともな気もするが、
喫茶店に行くなら行くで そこらで良いのに、なんでわざわざ東京まで行かにゃならんのだ。

そもそも打ち合わせなんて口実で、サバちゃんを愛でたりイジるのが目的なのに。
サバちゃんはバニラジェラートをパク付きながらこちらを睨んでいる。(ジト目も可愛い)

一方の私はミミガーを しゃぶしゃぶしながら、
未来「ねぇ、食事で お肉を食べてるカップルはデキてる、ってホントなのかな?」
―と振ってみる。

サバ「知らんわ! しかもウチら、女の子同士やぞ!?」
セクハラチックな発言に半ギレだった。(でも大阪弁のツッコミも可愛いから許す!)

この店に彼女と来るのは3回目だが、菜食主義なのか、肉を食べているところを見たことが無い。

でも立場や環境が変わると、考え方や信条は変わるものだ。
ブレてる、とか掌返しなどと批判されることも多いが、柔軟な考え方や多角的視点は大事だ。
そういった適応能力の高さもヒトの強みなのかもしれない。
ズルい大人の言い訳かもしれないけど・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

しゃぶしゃぶとサバちゃんのリアクションをたっぷり堪能した後は
「声を出すとアイデアも出てくるものですよ」と言って、2人でカラオケに行った。
(そんな出任せも素直に信じて付いてくる、ちょろいサバちゃんも可愛い)

未来「よくそんな歌手・曲を知ってますね」

サバ
「エゴサをしたら ある掲示板の安価スレに私のプロフィールが載ってて、興味が沸いたんだ。
 最初はCV:尾崎豊って誰? って感じだったけど」

ホント何言ってんだろ? その掲示板。
サバちゃんは声優の尾崎由香さんみたいにピュアで可愛い声なのに・・・
ーて、そういうことか! なかなかセンスのあるボケじゃない。
それにしても最近は一般人までエゴサなんてするんだ…

その後、1時間ほどで帰路についた。
私が「アイデアが出ないと声も出ない」と言って歌わなかったので、
サバちゃんが歌うか おしゃべりをしていたのだが、間が持たなくなったのだ。
(ここでもサバちゃんはあっさり信じた・・・ 大丈夫かな? この子。 ちょっと心配になってきた…)

アナウンサー「・・・n王寺動物園からジャガーが逃げ出しました・・・」

未来「!」

ちょうど町の電気屋さんの前を通りかかったところ、TVからニュースが聞こえてきたので思わず立ち止まった。

サバ「未来さん...?」

私は動物が好きで、動物園にも よく行っている。
だからその手の話題には敏感だった。

ワイドショーが「動物園からジャガーが忽然と居なくなった」という話題を取り上げていたのだ。

サバ「未来さん、店先でTVにかじりつくのはやめようよ~」

未来「・・・」

番組MC「では現地と中継が繋がっています。 津田さん?」

リポーター「はい。 津田です。 今、天王寺動物園に来ております」

リポーターが経緯をおさらいしている。 
そう言えば今日は警察の姿が目に付くと思った。

リポ「では飼育員さんのお話をお聞きしましたので、そちらをどうぞ」

リポ
「では最後に園長の『(かば)さん』からのメッセージです」

カバ「野生のジャガーを見たら基本 逃げるんですのよ?」

リポ「現場からは以上です」

MC「はい。 ありがとうございました。 皆さんもお気を付け下さい。 では次の話題です」

サバ「ばったり出くわして、噛まれたりしないかな?」
アナウンサー「気象庁によると大阪府内で頻発している震度0の無感地震が、火山性と思われるとの報告が・・・」

未来「機嫌が悪そうだったら、気を付けよーね」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

384
名無しのフレンズ 2018/10/01 (月) 18:45:42 修正 f2808@7d493 >> 383
385
名無しのフレンズ 2018/10/02 (火) 11:20:32 f2808@7d493

【未来のぼうし】
 [1話] ~Bパート-2~

自宅マンションの前に着いた。

・・・イさん… mライさん… 

未来「ぐへへ… 」(じゅるり)

サバ「ミライ先生!」

未来「誰が先生やねん!」

両耳を摘んで左右に引っ張る。

未来「私のことを先生って呼ぶなって言うたやろ!」

サバ「イタイイタイ!」
  
ハッ! . Σ(゜Д゜)
未来「ごめんなさい。 引っ張りやすい耳だったから、つい… 」

サバ「ひどいよ~」
 
つい妄想にふけってしまった…
コホン。 では気を取り直して・・・

未来「ねえ、うちに寄ってかない?」 (イケボ)

サバ「やっとその気になってくれたんですね!」

未来「え?」 (サバちゃんってそのケがあったの? 心の準備ができてないよ~)

サバ「え? お仕事してくれるんじゃ?」

未来「何もしないよ!?」

サバ「ひどいよ~」

なんか思ってたのと微妙にズレた展開になってしまった… 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

結局ウチに寄っていったサバちゃんと思う存分 遊んだ。

このSSは「子供が読んでも大丈夫な健全路線」がモットーだから「トランプ」で、だ。
中でも「スピード」は半端ない速さだった。
世界チャンピオンのCHIKUTAにも負けないんじゃないだろうか?
要はコテンパンにされた。

あんまり悔しかったので、明日は「動物園に取材」に行く、と伝えた。
作家がそう言えば一般的には創作活動の一環だが、私の場合は実質遊びに行くようなものだ。

未来「じゃあ明日、朝9:00に。 例のコスで」

例によって、サバちゃんは「例の顔」になった。
うんうん、やっぱり可愛いよ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1人になった部屋で、私は後ろの壁を見やった。
そこには2本の羽飾りの付いた ぼうし(白い探検帽)が掛かっていた・・・

~to be continued~

386
名無しのフレンズ 2018/10/02 (火) 18:29:04 f2808@7d493 >> 385

[おまけ]

387
ファンタグレープ_炭酸GIGAMAX@ふるるーになりたい 2018/10/04 (木) 01:14:39

安価ssより、「天才アライ博士の研究録」
の改訂版を公開予定

388
ファンタグレープ_炭酸GIGAMAX@ふるるーになりたい 2018/10/04 (木) 01:32:57

天才アライ博士の研究録

389
名無しのフレンズ 2018/10/08 (月) 13:08:52 修正 f2808@7d493

前の話>> 377>> 378>> 383>> 384>> 385>> 386

【未来のぼうし】
 [2話] ~アバン~

取材が建前であろうと、プライベートの遊びであろうと、
私が動物園に行くときには、イベントの有無に関わらずコスプレをする。
会社員が戦闘服のようにスーツを着るのと似ている。
ーというのは口実で、純粋に「たーのしー」からだ。

私は青い迷彩柄の縁取りされた白の上下、お腹の辺りにウエストポーチ、伊達眼鏡とお気に入りのぼうし
ぼうしは白の探検帽で、2本の色違いの飾り羽が付いている。
気持ちだけでも探検気分を味わいたいのだ。

一方のサバちゃんは猫娘だ。
ーと言っても最近流行(はや)りの赤系某妖怪ではなく、黄色ベースのリアルに近い猫っぽい恰好だ。
#某高校の校舎にありそうな大きい猫耳、バナナのようにボリューミーな髪、
蝶ネクタイとスカートは黄色地に黒い斑点、ご丁寧に縞模様のシッポまで付いている。
そして、いつものようにお気に入りのヌイグルミ「ミンミービースト」も一緒だ。

未来「どうしたんですか? これ…」

サバ「自分でコーディネートしてみたんだけど、変かな?」

未来 (♡ ´ ∨`♡)

私は押し倒して食べちゃいたい気持ちをなんとか抑えながら、いい顔で親指を立てて見せた。

未来「よ~し! #みさき公園に向かって、しゅっぱーつ!」

サバ「おー!」 (ノ`・ ω・´)ノ

390
名無しのフレンズ 2018/10/08 (月) 14:23:00 f2808@7d493

【未来のぼうし】
 [2話] ~Aパート1~

初めて電車に乗る子供のようにはしゃぐサバちゃんを横目に見ながら、私は物思いにふけっていた・・・

サバ「ミライさん! もうすぐ乗換えだよ?」 ⊂( ̄^ ̄)⊃

サバちゃんは腰に手を当て「ふっふーん!」とフン反り返っている。
確かに私がさっきまでボーッと考え事をしていたとは言え、
さっきまでシートに膝立ちしながら景色を見ながらキャッキャとはしゃいでいた子に、エラそうに言われたくはない。

ほどなく「なんば」に着いた。
みさき公園には、ここで南海電鉄に乗り換える。
ドアが開く。
他の乗客に続いて降りようをした瞬間、あの不穏な音が周囲で鳴り響いた。
緊急地震速報だった。
ーと、ほぼ同時に足元が揺れた。

サバ「きゃあ!」

未来「大丈夫? サバちゃん」 (イケボ)

私の胸にしがみ付くサバちゃん。
優しく抱き寄せ、余裕のある微笑を見せる私。
そして・・・
サバ「・・・イさん… mライさん!」

未来「ぐへへ… 」(じゅるり)

サバ「ミライ先生!」

未来「誰が先生やねん!」

手の自由が利かない。
サバちゃんが私の体をしっかり抑えていたからだ。

未来「結構、力が強いんですね」

サバ「鍛えてるから!」💪

意外だった。
見た感じ、上背がある訳じゃないし、筋肉質にも見えない。 
しなやかそうではあるけど。
休みの日も猫みたいに ぐうたらしてると思ってた。

とりあえず電車は しばらく動きそうにない。

未来「みさき公園に行くのは諦めて、そこらをブラブラして時間を潰しましょうか…」

サバ「はいよ~」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

391
亡き人 2018/10/08 (月) 18:48:54 修正
392
393
ヘキサノイック 2018/10/10 (水) 15:10:51

虫喰いでないフレンズ
六話>> 371

394
ヘキサノイック 2018/10/10 (水) 15:16:05 修正 >> 393
395
名無しのフレンズ 2018/10/12 (金) 16:01:59 f2808@7d493

【未来のぼうし】
 [2話] ~Aパート-2~

道頓堀にやってきた。
帰ろうにも電車が止まっているので、そこで時間を潰そうと思ったのだ。

いつもは賑わっているこの場所も、地震のせいなのか今は人通りが少ない。
ブラブラ歩きながら、また物思いにふけっていた。

未来「こんな話、つまらないですよね」

サバ「いきなり本編に戻ってきて、回想の感想を私に振らないでよ!」

396
名無しのフレンズ 2018/10/13 (土) 14:46:54 修正 f2808@7d493

【未来のぼうし】
 [2話] ~Bパート-1~

未来「そう言えばサバちゃんは休みの日は何してるのですか?」

サバ「ミンミーちゃんと『狩りごっこ』だね~」

サバちゃんがいつも持ち歩いている「ミンミービースト」を見る。
どう見てもヌイグルミだ。
動きそうにない。

未来「!」 
そうか。 膝に乗せて一緒に「モンハン」でもしているのだろう。 
そう思うことにした。

未来(?)
気のせいか、ミンミービーストの顔が曇ったように見えたが角度のせいだろう…

サバ「でも最近はお休み続きで、体ばっかり鍛えられるんだよね~」 (¬д¬。)

しまった! うどんs… やぶへびだ!
未来「ひゅ~」 ♪~( ̄ε ̄;)

サバ「吹けてないし…」

サバちゃんには言ってなかったが、実は小説をまったく書いてないわけではなかった・・・

未来「そろそろ本気で仕事を再開しようかしら・・・」

サバ「ホント!?」

サバちゃんはチョろいなぁ。
この手には何度も引っ掛かってるはずなのに…
でも元々「かばんとぼうし」は前後編の第一部として考えられた作品で、おおまかなプロットは頭の中にあった。
続編では私の前職での経k…

未来・サバ「「!?」」

grr…
振動している。
最初は雷かと思った。 スピーカーからの重低音にも似ている。
体の芯に響くものだったが、空気の振動ではなかった。

未来「地震?」

振動は地面からのようだったが今まで感じた地震とは明らかに違った。
地球が怒りに震えているようだった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ぱっかーん!!
地面が空気を送り込まれた風船のように みるみる膨れ、破裂したようだった。
目撃者は、そう証言したらしい。
(そんな近くにいながらよく無事だったものだ)

私たちが見たのは、西の空に花火のようにキラキラ光りながら吹き上がるサンドスターだった。

サバ「なにあれ、なにあれー!?」

サバちゃんは無邪気に はしゃいでいるが、私は目の前に起こったことが信じられず、ぼーっとしていた。
心の古傷が疼いた…

ーと、なんばの空にも、虹色の粒と・・・ 黒い粒……?
ーが目の前の#かに道楽の看板に当たった。

未来「まさか…」

それ(・・)は、みるみる蟹型のセルリアンになると、目の前に立ち塞がった。

サバ「未来さん…」

未来(今度こそは・・・! この子だけでも守らないと...)

397
亡き人 2018/10/13 (土) 21:13:40
398
らくがき参謀ゆがみネコ 2018/10/13 (土) 21:28:23
399
青い鳥 2018/10/13 (土) 21:44:18
401
ヘキサノイック 2018/10/15 (月) 18:32:40

二作も新作が…!
負けていられないッ!

402
未来のぼうし 作者 2018/10/15 (月) 20:50:45 df5cd@cb22a

「書きっこ」だね!
負けないんだからぁ!

403
亡き人 2018/10/15 (月) 20:53:11

さらに賑わってくれて嬉しい限り
自分もまだまだ序章に過ぎないんで頑張ろう。

私事を終わらせてからですがね

404
名無しのフレンズ 2018/10/16 (火) 18:03:32 f2808@7d493

【未来のぼうし】
 [2話] ~Bパート-2~

目の前に蟹型セルリアンが立ち塞がっている。

未来(守ると言っても一体どうやって・・・)

元が看板だけに見上げるような大きさだ。

カニ「僕のために#ええ曲作ってもろて」

サバ「うわぁぁぁ... シャベッターーー!!」

未来「それも大阪弁…?」

カニ「浪花のモーツァルトことキダタロー先生にお礼を()わな」

カニはそう言うと、私たちのリアクションもスルーして横歩きで去っていった。

未来「・・・」

サバ「なにあれ? 襲ってこなくて助かったけど…」

ツッコミどころは多々ある...が、 \(・_\)それはまあ(/_・)/置いといて。 ツッコミどころ

げんじつちほーにサンドスターが降り注ぎ、動物がフレンズ化することで起こりそうな混乱もさることながら、
もっと心配なのはサンドスター・ロウによってセルリアンが野に放たれることの影響だった。
でも自分に何が出来るというのだろう? 過去、逃げ出すことしか出来なかった私に・・・

サバ「危ない!」

視界の端で「黒い影」が襲い掛かってくるのを捉えた、と思った瞬間、サバちゃんが私の襟を引っ掴んで放り投げた。
道端の花壇に頭から突っ込む。 
まるで いぬがみけ のようだ... 

未来「イタタ...」

なんとか起き上がり、サバちゃんの方を見やって驚いた。
#食い倒れ太郎」型セルリアンがサバちゃんを拘束していた。
いつもは太鼓を持っている場所に、サバちゃんを背後から抱きしめるように・・・

未来「そこを変わr… サバちゃんを放してください!」

太郎「それは でけへん相談やなぁ」 ┐(´ー`)┌

まただ。 
大阪で生まれたセルリアンは大阪弁がデフォなんだろうか?

未来「じゃあ、何がしたいのですか!? まさか、サバちゃんに あんなことやそんn…」

太郎「それ以上言うな! このSSは『子供に見せても大丈夫な健全路線』なんやかr…」 

ーと、セルリアンに ずんぐりむっくりな黒い影が襲い掛かった・・・ ーが、

太郎「おっと」

セルリアンは体を軽く のけ反らして避けた。

それはフレンズ化した姿のジャガーだった。

未来「ジャガー・・・さん?」

天王寺動物園から逃げ出したというジャガーがたまたま近くにいて、たまたまサンドスターに当たったのだろうか?

太郎「さすがに強そうな腕のジャガーを相手取るのは分が悪そうやな。 ここは一旦 引いとこか」

ジャガ「おい、待て!」

太郎は間抜けな見た目とは裏腹に、機敏な動きでサバちゃんを捕らえたまま去っていった。
太郎がいた場所には、サバちゃんの落としていったミンミービーストだけが残されていた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

405
名無しのフレンズ 2018/10/22 (月) 13:59:43 修正 f2808@7d493

【未来のぼうし】
 [2話] ~Bパート-3~

ジャガー「大丈夫?」

ジャガーが心配そうに私に声を掛ける。
地震に噴火。 セルリアンにフレンズ。 守るどころか まんまと誘拐されてしまったサバちゃん。
目の前で起こっていることに思考が追いつかない。 これは本当に現実なのだろうか?

ミンミービースト「音子(ねこ)ちゃん、何かあったの? 応答して?」

ジャガ「うわぁぁぁ・・・ シャベッターー!!」

!?
聞き覚えのある声にジャパリパークでの想い出が一気に蘇る。
やっと肝が据わった。

ミライ
「お久しぶりです、カコ博士。 サバちゃんはセルリアンに(さら)われてしまいました。
 私がついていながら・・・ 申し訳ありません」

私は簡単に経緯を説明した。

カコ
「音子ちゃんのことなら大丈夫。 ああ見えて、鍛えてるから。
 取りあえず、あなたたちは『咲洲(さきしま)』に向かってくれる? そこに皆いるわ」

咲洲? 皆? また新たなキーワードが出てきたが、乗りかかった船だ。 行くしかない。

ただ電車は動いていない。 どうやって?

ジャガー「咲洲まで行けばいいんだね」 ピュー(  ̄3 ̄)~♪

やけにものわかりのいいジャガーが指笛を吹くと、
ポニーほどの大きさをしたシマシマの軟体動物(?)が屋台を()いてやってきた。

ジャガ「さあ! 乗って!」

屋台に揺られながら聞いたところによると、
ミンミービーストにはGPS機能と通信機能が備わっていて、逐一連絡を取り合っていたらしい。
今回は緊急連絡ボタンによる警報信号を受信したため話しかけてきたという。
サバちゃんもパーク関係者だったのか…

ミライ「じーーーーっ!」

ミンミー(見てる… めっちゃ見てるヨ…)

前から気になって仕方なかったことだが、今一番訊きたいことを質問すると、
やがて一番答えにくいことを訊き返される可能性が高い。

なので、その次に気になっていたことを訊いた。

ミライ「ジャガーさんは、もしかして天王寺動物園から逃げ出した・・・」

ジャガ
「そうだよ。 
 動物だった頃のことだけど、なんの気なしに地面を掘ってたらキレイな石が出てきてね。
 気になったから飼育さんの目を盗んでバックヤードに咥えて帰ったんだよ。
 明け方、その石を前足でイジってたら、ぱっかーんと割れて・・・ 
 サンドスターが降り注いだかと思うと、フレンズ化してしまったんだ。
 あとは鍵を内側から開けて・・・ 晴れて自由の身になったというわけさ。
 ちなみに この子は・・・」

シマナメの背中を撫でながら続ける。

#ワールド牧場のポニーにたまたま野生のナメクジがひっついてて、
 更に野生のヒトスジシマカが血を吸おうと留まったところにサンドスターが当たったようだね。
 いわゆるキメラってヤツさ」

察しが良過ぎる… バックに「わかる~(天地無双)」という文字が見えた気がした。

カコ
「そちらの地質学者の研究で、おおさかちほーの地層にもサンドスターが含有されていることが分かってるわ。
 サンドスター関連ではジャパリパークが最先端だからね。 情報提供、共同研究をしているんだけど・・・」

カコ博士は研究に戻っているのか。 ジャパリパーク自体はどうなんだろう?

カコ
「少し前から地殻変動に伴ってサンドスターが地表に現れるようになり、
 ジャガーちゃんのようなフレンズ化の例が報告され始めていたのね。
 大阪府知事は話の分かる人で、ジャパリパーク側から派遣した子と一緒に
 フレンズ化した動物の保護、動物園との折衝、仕事の斡旋など、いろいろ取り計らってくれてるわ」

そう言えば大阪都構想やIR(カジノ)法案は、どうなったんだっけ?
現知事は前の人たちほど声高に訴えてなかった気がする。

ジャガ
「私もこの仕事を紹介してもらったクチだよ。 
 でも地震のせいでお客さんがいないから、早じまいして帰ろうと思ったけど、
 悲鳴が聞こえたので駆けつけたら君たちと出会ったというわけさ・・・」

ミライ「でも そのお耳と尻尾は?」

ジャガ
「ん? ああ… ゆるキャラの着ぐるみとでも思ってくれてるんじゃないかな?
 誰もツッコんでこなかったよ?」

大阪人って…

カコ
「最近になって国も やっと重い腰をあげたけど、
 もし火山活動が起こってしまってフレンズ化・・・ 特にセルリアン化が大量に発生すると
 おおごとになる、と以前から警告はしておいたんだけどね」

壮大(?)な世界観のストーリーになりつつあるけど、ちゃんと畳めるんだろうか?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

406
名無しのフレンズ 2018/10/22 (月) 14:46:08 修正 f2808@7d493

【未来のぼうし】
 [2話] ~Bパート-4~

シマナメの曳く屋台は、ほどなく「大阪府 咲州庁舎」に着いた。

「知事には話を通してあるから」
カコ博士は そう言っていた。

これから何が起こるか分からないが、覚悟を決めて庁舎に一歩を踏み出した。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
折楠(おりくす)「怪しいやつを連れてきました」

小禄(おろく)「変なものに乗ってやってきました」

SPに捕まってしまった...

???
「ご苦労。 ーと言いたいところだけど、
 キミたちSPが守るべき主の元に怪しいヤツを連れてきてどうするのだ? 
 新井さんが襲われたらどうするのだ!?」

???
「ジャガーさんの屋台は何度も見てるでしょ~ 確かにシマナメさんは何度見ても謎の生命体だけどさ~」

なぜか場違いに思われるチャイナドレスを着た2人組がSPに お説教(?)をしている。

新井「ウチの者が失礼したのだ。 私は新井さん。 府知事をやらせてもらっているのだ」

ミライ(この方が府知事だったのか…)
「新井山さん…? よろしくお願いします」
 
新井「新井さんは新井さんなのだ! 新井山さんではないのだ!」

ミライ「???」

笛音
「新井さ~ん、またやってしまったね~。 
 ごめんね~、新井さんは一人称に敬称まで付けちゃうのがクセなのさ~。
 私は(くー) 笛音(ふえね)。 中国生まれ、日本国籍を取得した副知事だよ~」

私が奇異に感じているだろうことを察して、さらっと的確に情報を差し込んできた。
デキる人だ。
なぜ2人ともチャイナドレス、なのかは謎のままだが・・・

新井
「カコ博士から話は聞いているのだ。
もうすぐセルリアン対策会議を始めるので、部屋で待ってて欲しいのだ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

会議室は かなり広かった。
大勢のヒトとフレンズ(見たことの無い子も)がいる。

そんな中に、誰かと話をしている1人の女の子の後ろ姿を見付けた。

ミライ「あの子は・・・!?」

黒タイツに包まれた細い脚、白い半ズボンに包まれたデカいけつ、
赤い半袖シャツ、黒い手袋、右手首に巻かれた腕時計状のもの、クセの付いた黒髪、そして・・・

ミライ「まさか…」

これまで私は前の職業柄、たくさんのフレンズたちを見てきた。
「姿形も十人十色」だから まだ出会ったことのないフレンズがいても不思議ではない。
セルリアンも同様だ。
でも彼女だけは違う。 

ミライ「ありえない...」

なぜなら・・・ 
なぜなら彼女は... 私が創作した「架空のキャラ」だからだ。
実在するはずがない(・・・・・・・・・)

どうやら話が終わったらしい。 
その子は振り向くと私に気付いて、軽く会釈した。

淵に穴の空いたぼうし越しに・・・

~to be continued~

407
名無しのフレンズ 2018/10/22 (月) 14:50:09 f2808@7d493 >> 406

【おまけ】
#折楠
#小禄
#邱

408
名無しのフレンズ 2018/10/28 (日) 12:15:48 修正 f2808@7d493

1話>> 377>> 378>> 383>> 384>> 385>> 386
2話>> 389>> 390>> 395>> 396>> 404>> 405>> 406>> 407

【未来のぼうし】
 [3話] ~Aパート-1~

かばん
「はじめまして。 かばん、です。
 カコさんからお話は伺ってます。 ミライさん」

そう言うと、かばんちゃんは手を差し出した。
恐る恐る握ったその手は温かかった。

ミライ「本当にあの(・・) かばんちゃん…なの?」

かばん
「はい。
 ツチノコさんやカコさんの見立てによると、
 僕は貴方の飛ばしたぼうしに付着していた髪の毛から生まれた、と考えるのが合理的だそうですが・・・」

ツチノコさんの見解に関しては、私の書いた小説の設定と同じだ・・・

かばん
「小説も読ませてもらいました。
 僕も驚きましたよ。 まるで見てきたかのように僕の冒険がお話になってるなんて・・・」

面と向かって本人に感想を聞く、というのは思った以上に恥ずかしくて・・・ 居た堪れない…

かばん
「キョウシュウを出て、ゴコクを目指して船で漕ぎ出したんですけど、すぐシケに遭って。
 その後もいろいろありましたけど、カコさんのいるジャパリパークに辿り着いたんです」

カコ
「私も『別のジャパリパークから来た』という かばんちゃんが尋ねてきたときは驚いたけど、
 ジャパリパークは、ほぼ同時にいくつも存在するようね。
 便宜的に私たちの居たパークをJP-AP、かばんちゃんのいたパークをJP-AN1、
 音子ちゃんのいたパークをAN2と名付けています。
 他にもCO、PA、FEなど複数のパークが確認されていて、今回おおさかちほーにも出来つつあるわ」

ミライ「でも時系列が・・・」

カコ
「かばんちゃんが目の前にいることが何よりの証拠よ。
 それにぼうしはともかく髪の毛がそんなに長く原型を留めていられると思う?
 パーク自体が作られたのは設備の老朽具合などから見て、実はAN1が一番古かったということでしょうね。
 誰が、いつ作ったものなのかは、これから調査してみないと分からないけど・・・」

辻褄は合っている。 ・・・ように思う。
壮大な「どっきり」ということも疑ったが、すぐに打ち消した。
誰得なんだ? という話だ。
それにもし、どっきり番組なら「事前の打ち合わせ」があるはずだ。
昨今では こういった番組に、いわゆる「やらせ」があるのは当たり前で、
騙される役の側にも演技力が求められるようになっているのだ。

ミライ「ところでサーバルちゃんは一緒じゃないんですか?」

訊いてしまってから、しまったと思った。
かばんちゃんがものすごく悲しい顔をしたからだ。

カコ
「現状でフレンズがパーク外、特にげんじつちほーに渡航しようとした場合、ヒトと同じ扱いというわけにはいかない。 
 煩雑な手続きの上、檻に入れられ貨物扱いになるわ」

げんじつちほーは非情だった。

かばん
「サーバルちゃんにはなんとか分かってもらって、いわゆる単身赴任でこちらに来ているんです。
 僕は一見したらヒトに見えますから。
 僕はいつかフレンズさんたちが、どこにでも自由に行き来できるようにしたいんです」

そう言ったかばんちゃんの顔は決意に満たされていた。
それに引き換え私は・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

409
名無しのフレンズ 2018/10/28 (日) 13:05:23 修正 f2808@7d493

かばん「こちらは地質学者の木ノ葉博士です」

先ほどまでかばんちゃんと話していた女の子(?)を紹介された。
超小柄な上にベビーフェイスだが、無表情でどこか尊大な雰囲気を醸し出している。

博士
「木ノ葉ミミなのです。 府知事の相談役としてここにいるのです。
 お前たちにもサンドスターのことを教えてやりましょうか?」

教えを請うと、給料3ヶ分とか ご飯を(おご)らされそうだった。
喋り方も偉そうで生意気だ。
「博士」に対する評価としては失礼な表現かもしれないが・・・

博士
「ちなみに戸籍上は「木葉」なのです。 誰も『このは』と読まないので「ノ」を入れたのです。
 語呂は似ていますが、木〇実ナナとは無関係なのです」

そんなこと全然思ってなかったのに、もう2時間ドラマに定番の「ある女優の顔」が浮かんで仕方なかった。

アルパカ「ハイ、ドウゾー」

メイドさんがグラスに入ったアイスティーを渡してくれた。
他の参加者にも甲斐甲斐しく飲み物を提供している。

かばん
「さっきの方は#五月山動物園生まれのアルパカさん
 大阪 日本橋(東京で言うところの秋葉原)でメイド喫茶を経営されています」

「病気」が出そうになったが、太股をつねって堪える。

「あちらは#みさき公園のアメリカビーバーさんとプレーリードッグさん。
今は土木課に勤めてらっしゃいます」

ミライ(ダメ、どんなに耳がしゃぶりたくても、今は我慢よ!) ぷるぷる…

かばん
「あ、大丈夫ですよ。 ちゃんと公務員試験を通って、正規のルートで採用されてますから。
 談合とも無縁ですし」

私が必死に発作を抑えているのを、義憤に震えていると勘違いしたらしい。
でも、さらっとスゴいこと言ってるなぁ...

ーと、着物姿で長身の見たことのないフレンズ(?)が、音もなくかばんちゃんの背後に近寄ってきた。
その気配に不穏なものを感じて、叫んだ。

ミライ「かばんさん、うしろうしろ!」

かばん「たうぇ…」

振り返ったかばんちゃんを、そのフレンズは腰に()いていた刀を抜いたかと思うと袈裟懸けに斬り付け、鞘に戻した。
居合いだろうか? 目にも留まらぬ速さ、流れるような所作で見とれてしまった。

かばん「うあぁぁぁ...」

かばんちゃんは左手で斬られた胸を押さえ、右手を広げて仰け反ったかと思うと、
やがて膝から崩れ、右手を床に付け(うずくま)った。

ミライ「どうして… どうしてこんなことに...」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・