【未来のぼうし】
[2話] ~Bパート-3~
ジャガー「大丈夫?」
ジャガーが心配そうに私に声を掛ける。
地震に噴火。 セルリアンにフレンズ。 守るどころか まんまと誘拐されてしまったサバちゃん。
目の前で起こっていることに思考が追いつかない。 これは本当に現実なのだろうか?
ミンミービースト「
ジャガ「うわぁぁぁ・・・ シャベッターー!!」
!?
聞き覚えのある声にジャパリパークでの想い出が一気に蘇る。
やっと肝が据わった。
ミライ
「お久しぶりです、カコ博士。 サバちゃんはセルリアンに
私がついていながら・・・ 申し訳ありません」
私は簡単に経緯を説明した。
カコ
「音子ちゃんのことなら大丈夫。 ああ見えて、鍛えてるから。
取りあえず、あなたたちは『
咲洲? 皆? また新たなキーワードが出てきたが、乗りかかった船だ。 行くしかない。
ただ電車は動いていない。 どうやって?
ジャガー「咲洲まで行けばいいんだね」 ピュー(  ̄3 ̄)~♪
やけにものわかりのいいジャガーが指笛を吹くと、
ポニーほどの大きさをしたシマシマの軟体動物(?)が屋台を
ジャガ「さあ! 乗って!」
屋台に揺られながら聞いたところによると、
ミンミービーストにはGPS機能と通信機能が備わっていて、逐一連絡を取り合っていたらしい。
今回は緊急連絡ボタンによる警報信号を受信したため話しかけてきたという。
サバちゃんもパーク関係者だったのか…
ミライ「じーーーーっ!」
ミンミー(見てる… めっちゃ見てるヨ…)
前から気になって仕方なかったことだが、今一番訊きたいことを質問すると、
やがて一番答えにくいことを訊き返される可能性が高い。
なので、その次に気になっていたことを訊いた。
ミライ「ジャガーさんは、もしかして天王寺動物園から逃げ出した・・・」
ジャガ
「そうだよ。
動物だった頃のことだけど、なんの気なしに地面を掘ってたらキレイな石が出てきてね。
気になったから飼育さんの目を盗んでバックヤードに咥えて帰ったんだよ。
明け方、その石を前足でイジってたら、ぱっかーんと割れて・・・
サンドスターが降り注いだかと思うと、フレンズ化してしまったんだ。
あとは鍵を内側から開けて・・・ 晴れて自由の身になったというわけさ。
ちなみに この子は・・・」
シマナメの背中を撫でながら続ける。
「#ワールド牧場のポニーにたまたま野生のナメクジがひっついてて、
更に野生のヒトスジシマカが血を吸おうと留まったところにサンドスターが当たったようだね。
いわゆるキメラってヤツさ」
察しが良過ぎる… バックに「わかる~(天地無双)」という文字が見えた気がした。
カコ
「そちらの地質学者の研究で、おおさかちほーの地層にもサンドスターが含有されていることが分かってるわ。
サンドスター関連ではジャパリパークが最先端だからね。 情報提供、共同研究をしているんだけど・・・」
カコ博士は研究に戻っているのか。 ジャパリパーク自体はどうなんだろう?
カコ
「少し前から地殻変動に伴ってサンドスターが地表に現れるようになり、
ジャガーちゃんのようなフレンズ化の例が報告され始めていたのね。
大阪府知事は話の分かる人で、ジャパリパーク側から派遣した子と一緒に
フレンズ化した動物の保護、動物園との折衝、仕事の斡旋など、いろいろ取り計らってくれてるわ」
そう言えば大阪都構想やIR(カジノ)法案は、どうなったんだっけ?
現知事は前の人たちほど声高に訴えてなかった気がする。
ジャガ
「私もこの仕事を紹介してもらったクチだよ。
でも地震のせいでお客さんがいないから、早じまいして帰ろうと思ったけど、
悲鳴が聞こえたので駆けつけたら君たちと出会ったというわけさ・・・」
ミライ「でも そのお耳と尻尾は?」
ジャガ
「ん? ああ… ゆるキャラの着ぐるみとでも思ってくれてるんじゃないかな?
誰もツッコんでこなかったよ?」
大阪人って…
カコ
「最近になって国も やっと重い腰をあげたけど、
もし火山活動が起こってしまってフレンズ化・・・ 特にセルリアン化が大量に発生すると
おおごとになる、と以前から警告はしておいたんだけどね」
壮大(?)な世界観のストーリーになりつつあるけど、ちゃんと畳めるんだろうか?
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