けものフレンズBBS NEO

シン・某作者のSSスレ / 103

174 コメント
views
89 フォロー
103
名無しのフレンズ 2019/08/04 (日) 16:11:23 修正 b652b@9a4dd

#前の話 (あらすじはトップ)

第4章 2話 ~ペパプの声 PPP‘s sonic~ 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

トンネル内は暗く、静まり返っている。

コウテイ
「すまないな、皆を巻き込んでしまって」

プリンセス
「何を今更w」

ジェーン
「一蓮托生ですよ」

フルル
「水臭いよね~」

イワビー
「ペンギンだけにな!」

ツチノコ 🔈
「お喋りはそこまでだ。 来るぞ!」

スピーカーからの声がカウントダウンを始める。

「5!」 コウテイ「覚悟はいいか?」

「4!」 イワビー「ロックに行くぜ!」

「3!」 ジェーン「はい!」

「・・・」 フルル「・・・」 (ぎゅっ)

「・・・」 プリンセス「行くわよ!」

💡パパパパッ💡
スポットライトがPPPを、そしてトンネル内を明るく照らす。

PPP「!?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

通報 ...
  • 104
    名無しのフレンズ 2019/08/04 (日) 16:17:11 b652b@9a4dd >> 103

    PPPとかばんが会議場を出ていくと、

    オーロックス
    「おい! どういうことだ!?」

    オリックス
    「ちょっとこれはヒドいんじゃないか?」

    シロサイ
    「納得できませんわ!」

    フレンズたちが不満を口にした。
    他のへいげん組も同様で、今にも追い掛けて行きそうな勢いだ。

    博士
    「お前たち、落ち着くのです」

    助手
    「ライオン、ヘラジカ、止めるのです」

    ライオン
    「でもなぁ、気持ちは分からんでもないしなぁ…」

    ヘラジカ
    「かばんにしては筋が通ってないな」

    擁護の声は聞かれない。

    ヒグマ
    「・・・」

    キンシコウ
    「名誉挽回のチャンスも与えてもらえないなんて・・・」

    リカオン
    「キツいっすよ…」

    マーゲイ
    「どうして、どうしてこんなことに…」

    タイリク
    「議長としての務めまで放棄するのは、さすがに私も弁護できない」

    議場には、ギスギスした空気が漂いだす。

    博士
    「我々の任命責任なのです」

    助手
    「申し開きもないのです」

    タイリク
    「そういうことを言ってるんじゃないんだ。
     あとをどう取りまとめるかを・・・」

    アライ
    「だったら、アライさんが立候補するのだ」

    フェネック
    「いや~ それはさすがにヤメておいた方が~」

    アミメ
    「議長はヤギね!」

    タイリク
    「いや、そこは博士たちが・・・」

    後半に行くにつれ、収拾が付かなくなってくる。
    ツチノコはさっきからじっと手元を見ていた。

    ダイア
    「だからヒトなど信用するべきじゃなかったんだ。
     それにペンギン風情に何が出来る?」

    ナルカ
    「きっと先輩方は自らを実験台にするつもりなんです」

    マルカ
    「それを元に私たちに後を託そうと・・・」

    イッカク
    「そんな!」

    ドルカ
    「いずれ君たちの力が・・・ってそういうこと?」

    ランペ
    「二度と歌えなくなるかもしれないことまで覚悟しているでしょう」

    ロティ
    「アイドル文化を守れ、ってそういうことなのか?」

    ビーバー
    「心配っすねぇ」

    プレーリー
    「なんとかタッケテあげたいであります」

    ジャガー
    「私はかばんもPPPも信じているが、どうしていいかまでは分からん」

    コツメ
    「たのしくやろーよー」

    様々な意見が飛び交い、議場はたちまち紛糾した。
     
    ダイア
    「ふん! とても付いて行けない。
     私は私で勝手にやらせてもらう」

    そう言うとダイアウルフも出ていってしまう。
    カバはそれを横目で見ていたが、やがて部屋を出て行った。

    気まずい雰囲気が部屋全体を覆う。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    ツチノコ
    「なぁアルパカ。 お茶を淹れてくれないか?」

    流れを変えたのはツチノコだった。

    アルパカ
    「・・・そうだにぇ~
     ハーブティーでも飲んだら気持ちも落ち着くよぉ~?」

    同じく成り行きを見守っていたアルパカが、それに同調する。

    博士「そうですね。 一度クールダウンするのです」
    助手「我々も手伝うのです」

    アドミ
    「じゃあ備蓄品庫に案内するヨ。 給湯室も近くにあるヨ」

    トキ「私たちも運ぶのを手伝うわ」
    ショウジョウ「しょうがないわね」

    会議は、ひとまず中断すること(ティーブレイクタイム)になった。

    マーゲイ
    「ところでシェルターのモブフレさんたちは、どうしましょう…」

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 105
    名無しのフレンズ 2019/08/04 (日) 16:18:48 b652b@9a4dd >> 103

    先ほど室内で火を使ったのに消火設備が働かなかったことといい、
    施設の老朽化はアドミービーストの手にも余るほど深刻なのかもしれない。
    そんな電球の切れかけた薄暗い廊下で、カバとダイアウルフは喋っていた。

    ダイア
    「なあ、カバ姐さん。
     あんなヤツらは放っておいて、昔みたいに2人でセルリアンを倒そう。
     私たちが組めばきっとダイヤリアンだって・・・」

    カバはそれには答えず、
    「部屋に戻りましょう。
     『困難は群れで分け合う』ものよ?」

    ダイア
    「どうしてそんなことを言うんだ。
     貴方は・・・ あの頃のカバ姐さんじゃないのか?」

    カバ
    「・・・」

    ダイア
    「もういい! 今更私が、あの輪(フレンズ)の中になんて入れるわけないだろ!?」

    ダイアウルフは今度こそどこかへ行ってしまう。

    博士
    「いいのですか? 追いかけなくて」

    助手
    「話は聞いてしまったのです。 少しだけですが」

    物陰から出てきたのは博士たちだった。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 106
    名無しのフレンズ 2019/08/04 (日) 16:20:36 b652b@9a4dd >> 103

    アルパカたちが淹れたお茶で、一定の落ち着きを取り戻したフレンズたちだったが、
    雰囲気は依然として微妙なままで、会議が再開される様子もなかった。
    博士と助手が戻っていないことにも誰も気付かない。

    スナネコ
    「サーバルは どう思ってるんですか?」

    部屋の隅でゴロゴロしていたサーバルに、スナネコが声を掛ける。
    そう言えば、先ほどの騒動でもサーバルは口を挟んでいなかった。

    サーバル ~(⌒(´・ω・`)
    「だってかばんちゃん、ちょっと待っててって・・・

    一同「!」

    部屋の空気が少し変わる。
    フレンズたちは顔を見合わせた。

    ポーン!
    壁のモニターが音を立て、としょかんの様子が映し出される。
    フレンズたちが一斉に、そちらに注意を向ける。

    かばんの姿が映る。
    横目でカメラの存在を確認すると、PPPのメンバーに気付かれないよう、
    かばんは右手で「b」の形を作ってみせた。
    その後にPPPの面々が続く・・・

    サーバル
    「だから私は、もうちょっと待ってみるよ」

    部屋の雰囲気は完全に変わった。
    とにかくかばんを待とう、何か考えがあるに違いない、という意見が大半だった。

    ツチノコ
    「手の平返すの早ぇな…」

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    コウテイ
    「なんでこんなところまで移動するんだ?
     部屋なら他に幾つもあっただろう?」

    かばん
    「ここの方が説明しやすいんで」

    辿り着いた先の扉には『staff only』と書いてある。
    懐かしくもあり、お馴染みでもある部屋だった。

    かばん
    「どうぞ入ってください」

    PPPの面々が入室すると、かばんは宣言した。
    これより、作戦名『PPPソニック』のブリーフィングを始めます!

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 107
    名無しのフレンズ 2019/08/04 (日) 16:26:51 b652b@9a4dd >> 103

    カバ
    「ダイアウルフは、かつて『セレンズ』と呼ばれる存在でした。
     その名の通りサンドスターとロウが同時に当たるという奇跡によって生まれた存在。
     でも実際は、フレンズでもセルリアンでもない、どっちつかずの呪われた存在。
     フレンズ、セルリアン、ヒトを手当たり次第に襲うという、手の付けられない子でした。

     手を焼いた職員は、なんとか捕獲をして、保護という名の『監禁』扱いにしました。
     研究員は『処分もやむなし派』と『放置して消耗・消滅を待つ派』に別れ、議論しました。
     そんな中で、パークガイドのミライと園長だけは親身に世話を続け、
     カコ博士だけが、ダイアを救う手段について研究を続けました」

    博士
    「捨てる神あれば拾う神あり、ですね」

    助手
    「しかし現状、セルリアンらしさは見当たりませんし、落ち着いているようですが・・・」

    カバ
    「カコ博士が解決策を見つけたんです。
     皮肉なことに『ワルドミーネの魔法書』の中に・・・」

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    カバ
    「彼は人工的に『セレンズ』を作り出す研究をしていましたが、同時に
     ロウを分離し、フレンズ化する方法も研究し、残していました」

    博士「そんな話は初めて聞いたのです」
    助手「論文は抹消されたのでは?」

    カバ
    「正確には論文ではなく、プライベートな日記の中に、です。
     しかも日付は論文発表より前でした」

    博士「つまり論文に載せることも出来た、と」
    助手「そうしておけば、そこまで叩かれることも無かったでしょうに」

    カバ
    「なぜそんな判断をしたのかは分かりません。
     センセーショナルな内容で世間の注目を浴びたかったのか、追試が不十分だったのか。
     周囲に有能な共同研究者(パートナーやチーム)でも居れば、また違ったのかもしれませんが…」

    博士「ヒトというのは、つくづく不思議な生き物なのです」
    助手「それで? その分離方法とは?」

    カバ
    「セレンズ(実験動物)を遠心分離機に掛け、活性炭にロウを吸着させるという方法でした」

    博士
    「それでも充分、非人道的に思えますが・・・」

    カバ
    「ダイアウルフの場合はサイズ的に機械に入らなかったので、
     屋外でジャイアントスイング、
     →活性炭の壁に叩きつけることで分離しました」

    助手
    「大雑把すぎるでしょう!」

    カバ
    「その後、活性炭は汚染物質として、とある廃坑に埋設されました」

    博士「え…?」
    助手「まさか…?」

    カバ
    「ええ。 金剛山、ダイヤモンド鉱山跡地です。
     その後、あの子はセルリアンを倒すことを生き甲斐にするようになりました。
     のけものにされていたのは、ロウ=セルリアンのせいだと考えていたようです。
     中でもダイヤリアン討伐は、あの子にとっての因縁に決着を付けること、に他ならないのでしょう」

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 108
    名無しのフレンズ 2019/08/04 (日) 16:31:02 b652b@9a4dd >> 103

    コウテイ
    「すまないな、かばん。 
     仲間(フレンズ)を裏切るようなマネに加担させてしまって」

    かばん
    「いえ…」

    コウテイ
    「私は、この戦いでフレンズでなくなってしまったとしても。
     たとえ声を枯らし、二度と歌えなくなったとしても。
     それでパークが救うことができるなら本望だ。
     そのために、かばん 君の知恵を貸して欲しい」

    かばん
    「皆さんもですか?」

    全員頷く。

    かばん
    「皆さんの覚悟は十分伝わりました。 
     でも、そこまでする必要はありません」

    そう言うと、かばんはボスウォッチを幾つか、テーブルの上に並べた。

    かばん
    #リカオンさんの話を覚えていますか?」

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    ここで5ヶ月前の伏線回収!?

    かばんは『作戦』について、まるで何ヶ月も前から決まっていたかのように説明した。

    「1、音波の指向性を高めるため、さばくちほーのバイパス内にセルリアンをおびき寄せます。
     2、『ようジャパ』の冒頭1フレーズを使って、特定の音程『G#』をPPPの皆さんが発声。
     3、それをボスピ-カーでハウリング増幅(音圧増大)し、音響攻撃。
     4、共振現象によりセルリアンの『へし』を破壊するという作戦です。

     何か質問は?」

    外部コンテンツ

    かばんの顔はいつになく自信に満ちていた。

    コウテイ「完璧な作戦だ」
    ジェーン「ヒトの叡智って、やっぱりスゴいんですね」
    イワビー「さすかば!」
    フルル「かばんでかいけつ~」

    称賛の声が相次ぐ。
    確かに『ぐうの音』も出なかった。 
    ーが、同時に出来すぎているとも思った。

    作戦自体に穴がある、という訳ではない。  
    成功はするだろう。 そう確信はしているのだが・・・
    何か裏があるのではないか? 
    ふと、そんな思いがよぎるのだ。

    だが今は、この作戦に乗るしかなかった。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 109
    名無しのフレンズ 2019/08/04 (日) 16:32:52 b652b@9a4dd >> 103

    かばん
    「僕はまだ、いろいろ準備しないといけないことがあるので、これで失礼します。
     以降は、お渡ししたボスウォッチを通しての指示となります。
     作戦決行の夕方までは時間がありますので、お茶でも飲んで、ゆっくりなさってて下さい」

    コウテイ
    「世話になった、かばん」
     
    イワビー「サンキュー!」
    ジェーン「ありがとうございます」
    フルル「ありがと~」
    プリンセス「ありがと…」

    そんなお礼を背中に受けながら僕は部屋を出た。
    賽は投げられた。
    もう後戻りはできない。
    鬼が出ようが蛇が出ようが、やり遂げるしかないのだ。

    あの子は・・・と・・くしには懐いてくれていました。
    形はどうあれ恩人ですからね。
    フレンズの輪の中には入りづらいでしょうからね。

    地下の廊下を歩いていると、声が聞こえてきた。
    電気が切れているのか、先の方は薄暗い。

    カバ
    「・・・なので、ヒトがパークを去ってしまった後は、かなり荒れていました」

    博士
    「また見捨てられた、と思ったのでしょう」

    助手
    「そう考えると『ヒトの帰り』を人一倍待ちわびていたのは、あの子かもしれませんね」

    かばん
    「皆さん、こんなところで何を…?」

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 110
    名無しのフレンズ 2019/08/04 (日) 16:33:41 b652b@9a4dd >> 103

    議場に戻ると、皆の拍手と「おかえり」の声と笑顔が出迎えてくれた。
    この温かいものを失わせてはいけない。
    サーバルちゃんと目が合った。
    無言で頷き合う。
    ツチノコさんともアイコンタクトを交わした。

    パークの危機を救うために僕は・・・

    フレンズの前に立って、かばんは宣言した。
    これより、作戦名『backyard staff』のブリーフィングを始めます!

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 111
    名無しのフレンズ 2019/08/04 (日) 16:37:15 b652b@9a4dd >> 103

    Remote file

    博士
    「お前を待っていたのです」

    助手
    「どうせお前のことです。 迷っているのでしょう」

    カバ
    「背中を押してあげようと思ったのですわ」

    実のところ『迷い』は無かった。
    『やるべきこと』は分かっている。

    かばん
    「実は・・・」

    博士「ーと思ったのですが・・・
    助手「分かっているようなのです」
    カバ「思うようになさい」

    かばん
    「え…」

    カバ
    「あなたが言ったんでしょ? 
     『困難は群れで分け合え』と・・・」

    確かに僕は、フレンズの皆を巻き込もうとしている。

    かばん
    「僕、そんなこと言った覚えがないんですけど・・・」

    そうやって言葉が独り歩きするのは、実は居心地が悪かった。

    カバ
    「誰が言い出したかは問題じゃないわ。 いつ使うかよ?」

    博士
    「一致団結している時に言っても心には響きません」

    助手
    「パークが分裂の危機を迎えている今こそ使い時なのです」

    カバ
    「きっと上手くいきますわ」

    かばん「そういうのは年長であるカb…
    カバ「おほん!」 💢

    かばん
    「・・・ 長である博士たちから言った方が…」 おどおど…

    博士
    「いいですか。 長というのは支配者であってはいけません」

    助手
    「ですが長の私たちが出ると、ほぼ命令になってしまい、もし間違っていても反論されないのです」

    かばん
    「でも、もし僕が間違っていたら・・・」

    博士
    「お前たちならアドリブで軌道修正できるのです」

    助手
    「長は責任を取るためだけに存在すればいいのです」

    いまさら、僕に迷いは無かったが、背中を押して欲しいとは思っていた。
    それは『正しい判断』ではないことに、自分でうすうす気付いているからなのだろう。

    でも間違っていてもいい。
    自分に出来ること。 自分にしか出来ないことを精一杯やればいい。
    そう言ってもらえたんだ、と思うことにした。

    自分を信じて。
    皆を信じて。

    カバ
    「さあ、みんな待ってますわよ」

    助手
    「行ってくるのです」

    助手
    「必ず戻ってくるのですよ、皆で」

    かばん
    「はい! 行ってきます!」
    外部コンテンツ

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 112
    名無しのフレンズ 2019/08/04 (日) 16:40:09 b652b@9a4dd >> 103

    昼間と違って夕方の さばくちほーは冷える。
    そんなバイパス入り口に私たちは降り立った。

    ここまではhaquAのトラックに同乗させてもらった。
    トンネル内は暗い。

    ツチノコ 🔈
    「はぐれないように全員、手を繋げ」

    握ったアナツバメの手は緊張しているのか冷たかった。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    トラックに乗り込むとアナツバメが既に座っていた。

    アナツ
    「あ… トンネル内を案内させてもらいます。
     よろしく・・・」

    コウテイ
    「どうしてアナツバメ君まで!?
     haquAを巻き込むだけでも心苦しいのに」

    コウテイがボスウォッチ越しに抗議する。

    ツチノコ 🔈
    「パークの危機を救うんだろ? 守るべき存在が一人増えたぐらいでガタガタ言うな」

    アナツ
    「暗闇を移動するのに僕のエコロケーションが役立つと思ってお手伝いを申し出ました。
     お邪魔にはならないようにするので・・・」

    2人から そう言われてはコウテイも、それ以上強く言えなかった。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    アナツバメ
    「ここ、少し足場が悪いです。
    「この先、少し右カーブになってます。
    「段差があるので気を付けて・・・」

    最期は段差というより階段(?)状になっていた・・・

    アナツバメの案内は完璧で、全員無事に目的地に到着したようだ。

    ツチノコ 🔈
    「よし、そこで待機だ。 3分後にセルリアンを迎え撃つ」

    コウテイ
    「ここまでありがとう、君は逃げて」

    アナツバメは軽く会釈をすると、黙って奥の暗闇に消えていった。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 113
    名無しのフレンズ 2019/08/04 (日) 16:41:28 b652b@9a4dd >> 103

    トンネル内は暗く、静まり返っている。

    コウテイ
    「プリンセス、君には聞いてなかったな。
     これからどうする?」

    何を言っているのだろう?
    セルリアンと戦うに決まっている・・・

    コウテイ
    「私は、もう一度PPPを組みたい。
     誰もが憧れるアイドルとして。 加入したいと思える魅力あるグループとして。
     その時には自分の足で集めたい。
     この気持ちは変わらず続いていく(Heart goes on)だろう。 
     たとえ世代が代わっても・・・」

    そういうことかw
    コウテイは最後まで口下手なんだな、と呆れてしまった。

    プリンセス
    「そうね。
     私も再結成するわよ。 何度だって。
     PPPの絆はダイヤモンドより硬いんだから。
     どっちが早いか競争ね!」

    イワビー・ジェーンも何かを思い浮かべているようだ。
    フルルは、ファンからもらったという卵形の小石を手の平で転がしている。

    コウテイ
    「すまないな、皆を巻き込んでしまって」

    プリンセス
    「何を今更w」

    ジェーン
    「一蓮托生ですよ」

    フルル
    「水臭いよね~」

    イワビー
    「ペンギンだけにな!」

    ツチノコ 🔈
    「お喋りはそこまでだ。 来るぞ!」

    「5!」 コウテイ「覚悟はいいか?」

    「4!」 イワビー「ロックに行くぜ!」

    「3!」 ジェーン「はい!」

    「・・・」 フルル「・・・」 (ぎゅっ)

    「・・・」 プリンセス「行くわよ!」

    💡パパパパッ💡
    スポットライトがPPPを、そしてトンネル内を明るく照らす。

    PPP「!?」

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 114
    名無しのフレンズ 2019/08/04 (日) 16:50:17 修正 b652b@9a4dd >> 103

    明るくなったトンネル内の、辺りの様子を改めて見渡すと・・・

    自分たちが立っていたのはステージだった。
    恐らく「ぜねこんカルテット」が突貫で作ったのだろう、
    簡易的ではあるが、しっかりした作りだ。

    ・・・いや、なぜこんなものがあるんだろう?

    ーと、後ろに掛かっていた幕状の緞帳(どんちょう)が落ちる。
    その裏にはhaquAとMINDがスタンバり、大勢のモブフレたちが立っていた。

    マーゲイ(CV:プリンセス)「みんなー! 始まるわよ!」

    一同「おーー!」

    プリンセス
    「え? え?」

    コウテイ
    「おい!?」

    声のした方と私の方を交互に見ている。

    イワビー「おいおい」
    ジェーン「どういうことでしょう?」
    フルル「ぽか~ん」

    私はだんだん事情が呑み込めてきた。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    ダイヤリアン
    「うおおおぉぉぉぉーー!」

    そこにダイヤリアンが乱入してくる。

    コツメ
    「でっかいぞー!」

    確かに大きかった。
    最後に見た時の倍くらいには なっている。

    アミメ
    「容疑者発見!」

    モブフレ
    「ちょっと大きすぎない?
    「こわーい!」

    アライ
    「怯むな、なのだ! 
     かばんさんも言ってたのだ。 『困難は群れで分け合え』と」

    モブフレ
    「そうだよね」
    「皆で歌えば怖くない!」
    「ふるる~」

    壁や天井に据え付けられた大量のボスピーカーもダイヤリアンに向いている。

    コウテイ
    「どうやらかばんにいっぱい食わされたようだな」

    さすがにコウテイも気付いたらしい。

    イワビー「ロックすぎるだろ!」
    ジェーン「とにかく、やることは同じです」
    フルル「やるしかないよね~」

    画像

    ぱぱー ぱぱぱー
    イントロのホルンが鳴り響く。

    うぇかとぅ ようこそ ジャパリパークへ・・・

    マドンナ+イッカク=MINDとスナネコ(ギター担当)が歌い、伴奏する。

    スピーカーからは覚えのある声から無い声まで、とにかく大勢のフレンズの声が聞こえる。 
    どうやって集めたのか分からないが、パーク中のフレンズが参加しているのではないだろうか?
    それだけ多くの声なのに、なぜか音程に狂いは全くない。

    どったんばったん お・お・さ・わ・ぎ!

    まったくだ。
    でも、やっと肚が座った。
    ダイヤリアンに向き直る。
    手を繋ぐ。
    PPPが今、繋がっていた。
    お客さんに背を向けて歌うのは初めてだな、と思うとおかしかった。
    でも心では皆、繋がっている。
    そう実感できた。

    カンココ カンココ ・・・・ ・・・・ (間奏:サーバル・空き缶)

    うーがおー!

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 115
    名無しのフレンズ 2019/08/04 (日) 16:52:10 b652b@9a4dd >> 103

    体の芯に届くほどビリビリと空気が震えた。
    もの凄い圧力がセルリアンを襲うと、反響の揺り返しが やまびこのように戻って来た。
    そして時間は止まっ(フリーズし)(フリーズし)た。

    一切の音も声もしない。
    これだけのフレンズがいるのに、だ。
    世界から音という音が消えてしまったかのようだった。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    ぴし… 
    聞こえた。
    (かす)かではあるが、確かに聞こえた・・・

    ぴしっ ぴしぴしっ!
    その音は徐々に大きくなっていき・・・ そして。

    ぱっかーん!

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 116
    名無しのフレンズ 2019/08/04 (日) 16:53:49 b652b@9a4dd >> 103

    \やったー!/
    歓声が沸く。

    粉々に砕け散った『ダイヤのへし』がライトに照らされてキラキラ輝く。

    コウテイ
    「まるでダイヤモンドダストのようだ・・・」

    プリンセス
    「!?」

    コウテイ
    「ん? ダイヤモンドダストってなんだ?」

    イワビー
    「なんだってなんだよ。 自分で言っといて」

    コウテイ
    「いや、分からない。
     見たことも聞いたこともない言葉のはずなのに、自然と口をついて出てきたんだ」

    イワビー
    「なんだそりゃ」

    ジェーン
    「でも美しい言葉の響きですよね」

    フルル
    「それしかないって感じ~」

    プリンセス
    「でもダストってゴミとかチリって意味じゃなかったっけ・・・」

    フルル
    「ちゃんと細かい粒とか粉末って意味もあるよ~」

    イワビー
    「なんでそんなことは知ってんだ~?」

    ジェーン
    「・・・でも、なんだか初めて見た気がしませんね」

    イワビー
    「そう言われてみれば、オレも。
     なんか前にも見たことがあるような気がしてきたなぁ…」

    フルル
    「懐かしいって感じ~?」

    コウテイ
    「もしかしたら、こうやって5人で見たことがあるのかもしれないな・・・」

    プリンセス
    「・・・」

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 117
    名無しのフレンズ 2019/08/04 (日) 16:54:18 修正 b652b@9a4dd >> 103

    ダイア ΛΛ”
    「ふん、倒したか
     これで私も・・・」

    カバ
    「気が済みまして?」

    ダイア
    「! ・・・ああ、終わったよ」

    カバ
    「じゃあ、行きましょうか…」

    ダイア
    「うん!」

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 118
    名無しのフレンズ 2019/08/04 (日) 16:56:17 b652b@9a4dd >> 103

    ツチノコ
    「状況終了!」

    薄暗い部屋の中、フレンズたちの歓声をスピーカー越しに聞きながら、
    かばんは大きく息を吐き、壁に背中を預ける。

    ツチノコ
    「作戦は成功だ。 
    ・・・けど。 本当に良かったのか? これで…」

    3話 ~縁の下の力持ち backyard staff~ ...に続く