カバ
「ダイアウルフは、かつて『セレンズ』と呼ばれる存在でした。
その名の通りサンドスターとロウが同時に当たるという奇跡によって生まれた存在。
でも実際は、フレンズでもセルリアンでもない、どっちつかずの呪われた存在。
フレンズ、セルリアン、ヒトを手当たり次第に襲うという、手の付けられない子でした。
手を焼いた職員は、なんとか捕獲をして、保護という名の『監禁』扱いにしました。
研究員は『処分もやむなし派』と『放置して消耗・消滅を待つ派』に別れ、議論しました。
そんな中で、パークガイドのミライと園長だけは親身に世話を続け、
カコ博士だけが、ダイアを救う手段について研究を続けました」
博士
「捨てる神あれば拾う神あり、ですね」
助手
「しかし現状、セルリアンらしさは見当たりませんし、落ち着いているようですが・・・」
カバ
「カコ博士が解決策を見つけたんです。
皮肉なことに『ワルドミーネの魔法書』の中に・・・」
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カバ
「彼は人工的に『セレンズ』を作り出す研究をしていましたが、同時に
ロウを分離し、フレンズ化する方法も研究し、残していました」
博士「そんな話は初めて聞いたのです」
助手「論文は抹消されたのでは?」
カバ
「正確には論文ではなく、プライベートな日記の中に、です。
しかも日付は論文発表より前でした」
博士「つまり論文に載せることも出来た、と」
助手「そうしておけば、そこまで叩かれることも無かったでしょうに」
カバ
「なぜそんな判断をしたのかは分かりません。
センセーショナルな内容で世間の注目を浴びたかったのか、追試が不十分だったのか。
周囲に有能な共同研究者(パートナーやチーム)でも居れば、また違ったのかもしれませんが…」
博士「ヒトというのは、つくづく不思議な生き物なのです」
助手「それで? その分離方法とは?」
カバ
「セレンズ(実験動物)を遠心分離機に掛け、活性炭にロウを吸着させるという方法でした」
博士
「それでも充分、非人道的に思えますが・・・」
カバ
「ダイアウルフの場合はサイズ的に機械に入らなかったので、
屋外でジャイアントスイング、
→活性炭の壁に叩きつけることで分離しました」
助手
「大雑把すぎるでしょう!」
カバ
「その後、活性炭は汚染物質として、とある廃坑に埋設されました」
博士「え…?」
助手「まさか…?」
カバ
「ええ。 金剛山、ダイヤモンド鉱山跡地です。
その後、あの子はセルリアンを倒すことを生き甲斐にするようになりました。
のけものにされていたのは、ロウ=セルリアンのせいだと考えていたようです。
中でもダイヤリアン討伐は、あの子にとっての因縁に決着を付けること、に他ならないのでしょう」
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