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~終わる世界~
ダイヤリアン戦・第二ラウンドが始まった。
カラカルが陽動でダイヤリアンの気を引きながら、
サーバルが攻撃することで「へし」の位置移動を促す予定だったが、
ダリヤリアンは なぜかアナツバメばかり執拗に狙う。
アナツ
「なんでぇ~ どうして~?」
アナツバメはダイヤリアンに追われ、逃げ惑う。
仕方が無いのでデコイ役をアナツバメに任せ、隙を見てサーカラが攻撃する作戦に切り替えた。
「へし」の位置は徐々に上がり、今は背中側の首と肩の間、
#大椎穴(冷え性のツボというのは皮肉だったが)
ーの辺りに移動していた。
作戦発動まで、もう少しだ。
しかし疲労の蓄積したアナツバメは足を もつれさせ、転倒してしまう。
その拍子に服のポケットから、さっきのミドリクサ🌿の残りが散乱する。
アナツバメは起き上がるが、ダイヤリアンの触腕が目の前に迫る。
ニワトリ
「危ない!」
ニワトリが身を投げ出してアナツバメを突き飛ばす。
ニワ・アナツ
「うぅ...」
その拍子にポケットから、今度はダイヤのカケラが転がり出る。 💎
!?
クサを取りに行った時に、ダイヤも拾っていたのか。
ダイヤリアンは そもそも攻撃する意図では無かったらしく、触腕の軌道を変え、ダイヤを掴む。
実は最初から ずっとアナツバメの持つダイヤを狙っていたようだ。
ダイヤリアンは、そのままダイヤを引き寄せ体内に取り込む。
ずももも…
カバ
「なんですの!?」
ダイヤリアンは一回り大きくなり、それにつれ「へし」の周りの肉(?)まで盛り上がり、
体内に埋もれそうになる。
ヒグマ
「このままだと『へし』に攻撃を加えられなくなるぞ」
ダイヤリアンは再びアナツバメに向き直り、攻撃態勢に入る。
アナツ
「ひ…」
どうやら、まだダイヤを隠し持っているようだ。
ミライ
「アナツさん、こちらへ!」
ミライがアナツバメに声を掛ける。
プリンセス「どうするつもり?」
このままでは、ミライまで狙われてしまう。
アナツバメがバスに駆け寄る。
ミライは、そのままアナツバメをバスに引っ張り込み、保護するのかと思いきや、ポケットに手を突っ込む。
「こんなもの!」 💎
そう言うと、鷲掴んだダイヤをバラ撒いた。 💎
💎
アナツ
「あぁ…」 (´・△・`)~
ミライ
「今は作戦の
自分の役割を
アナツ「はい…」 (´・ω・`)
ニワトリ
「カッコいい…」 ///
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ダイヤリアンはバラ撒かれたダイヤのカケラを前に、戸惑っているように見える。
ダイヤリアン(どのダイヤにしようかな? 神・様・の・言・う・通…)
ミライ
「今です!」
ダイヤリアン(ステイ? ステイの流れですか?)
トキ・ショウジョウトキ・博士・助手・アナツ・ニワトリ
「ふわっとストーム!」
グループリンク技が発動した。
風が巻き起こり、それは だんだんと勢いを増し、吹き飛ばされそうな程の強さになる
落ちていたクサが舞い上がり、様々な方角に飛び去っていく。
🍃
同時に『ゆきやまちほー』から強烈な冷気が流れ込んできた
辺りは たちまち凍えそうなほどの寒さになる。
ダイヤリアン(さぶっ!)
私たちは「としょかん」で手に入れたベルトを腰に巻き、カードを差す。
PPP「変、身!」
ダイア「仮免ライダー!?」
ダイヤリアン(ニチアサ展開でっか? お約束通り『待ち』で正解やったな)
ミライ「セーラームーン!?」
ダイヤリアン(あれ? これまでの流れからして『トランプモチーフのトキドキフ。リキュア』かと)
#変身完了・キメポーズ!
カバ「そっちの戦隊かい! (*`Д´)っ)) しかも衣装変わってないし」
ダイヤリアン(チャンネル変わった!?)
その代わりと言ってはなんだが、それぞれ「剣」「棍棒」「大鎌」「ジャパまん」
そしてダイヤ付きの王冠を手にしていた。
コウテイ「剣か。 カッコいい…」
イワビー「棍棒… カッコわりぃ」
ジェーン「大鎌? 死神ぃ!?」
プリンセス「これ、武器…?」
フルル「もぐもぐ」
イワビー「武器を食うな! フルル!」 (ノ`ο´)ノ
フルル「でも美味しいよ?」
悲喜こもごもだった。
ダイヤリアン(その使い方、#実は誤用やってんけどな)
カバ
「カバハメハ! ハー!」
ダイヤリアン(やっぱりDBやん)
両手から放たれたエネルギー弾が、それぞれ両膝を撃ち抜く。
ダイヤリアンは呆然と自身の膝を見つめているようだ…
ダイヤリアン(うっわ… グロ・・・)
ダイアウルフ →イワビー→プリンセス→コウテイ →ジェーン →フルル
「ダイヤモンド・ダスト・ロイヤル・ストレート・フラーッシュ! らぶらぶぅ…」
ピキキキ…
ダイヤリアン(ダイヤモンドダスト!? 氷属性やん)
けもリンク技で、まず溢れ出ていた水たまりが凍り、銀盤と化す。
冷気はダイヤリアンの体内にも波及し、足→腰→・・・と凍っていく。
ダイヤリアン(ステイ通り越してフリーズですやん)
やがて見事なダイヤリアンの氷像が出来上がった。
ダイヤリアン(・・・)
サーバル「ヒグマ!」
カラカル「いまよ!」
ダイヤリアンの背後に回っていたサーカラが向かい合わせで手を組んでいる。
ヒグマ
「うおぉぉぉ」
ヒグマが走りながら、2人の組んだ腕を足場にジャンプ!
ヒグマ
「サイキョースタンプインパクトぉ!」
ヒグマは大きく振りかぶった熊手を『へし』に叩きつけた!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
高さ=厚みで強化した氷に叩きつけた衝撃で、ダイヤ製「へし」を破壊する。
それが作戦だった。
そのために、サーカラの攻撃で「へし」を頭部に移動させ、
風属性の「グループリンク」で ゆきやまちほーの冷気を流入させ、
氷属性の「けもリンク」でダイヤリアンの体を氷柱させ、
ヒグマの「けも技」で へしに衝撃を与える。
ここまでは ほぼ完璧にコトは運んだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ガッ!
熊手が「へし」にクリティカルヒットした。
…シャ シャシャーン!
氷柱が壊れていく。 ダイヤは形を保ったままだ。
グシャシャシャ…
みるみるうちに腰の辺りまで崩れてしまう。
プリンセス
「ダイヤって そんなに硬いの!?」
氷の厚みが足らなかった?
やはり「へし」を頭まで移動させるまで待った方が良かったのだろうか?
ダイヤリアンだったものは、今や原型を留めていなかった。
ヒグマ
「おらあぁぁぁ!」
ガシィ!!
へしは地面… の水溜まりだった氷上に叩きつけられた。
ピキ… キシ…
2種類の「ヒビが入った音」が聞こえる...?
パッキャーン!
ぱっかーん!
氷と・・・
そしてダイヤの「へし」が粉々に砕け散った。
それは まるで#ダイヤモンドダストのようだった・・・
ダイヤリアン(これで出番 終わりでっか? ほな、またの機会に( ̄□:;.:... ( ̄:;....::;.:. :::;..
ダイヤリアンのカケラは、残っていた風に乗って、ろっじの方角へ飛び去っていった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アナツ
「ああ、僕のダイヤが...」 (´・△・`)~
博士
「まったく懲りてないですね」
助手
「いつかイタい目に会うのですよ?」
ミライ
「まあまあ、倒せたんだからいいじゃないですか」
ミライはフレンズに、からっきし甘い。
プリンセス
「仕方ないわね。 ほら、これ」
私はダイヤ付きの王冠を手渡した。
プリンセス
「どうせ もう、要らないものだし」
アナツ
「やったー!」
フルル
「ねぇ、ジャパまん持ってな~い?」
コウテイ
「フルル、食べ過ぎだぞ?」
フルル
「え~? もっとジャパまん~」
イワビー
「・・・
なあ、この棍棒、持ってて大丈夫か?」
ジェーン
「私も。 呪われそうで怖い」
コウテイ
「・・・
これは封印した方が良さそうだな…
博士、これらを預かってくれないか?」
博士
「仕方ないのです」
助手
「ですが、保管場所を考えないといけないですね」
プリンセス(私だけあの子にあげちゃったけど、大丈夫かしら…)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私がライブに参加するに当たっては、幾つか条件を提示した。
PPPに改名した経緯を誰にも話さない。
告知は せずゲリラライブとすること。
1曲のみでMCパートを設けない、などだ。
#♪~ ダイヤモンドだね~
ああ いくつかの場面~
コウテイは それをちゃんと守ってくれた。
本当は まだ正式なメンバーとして加入させたい気持ちが残っているのだろうが、私の想いを尊重してくれた。
ああ(今) 私を動かすのは ダイヤモンド~ ~♪
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
観客
「わ~~~~~~!」
マーゲイ
「ぐふふ… いい写真が取れました」
博士
「お前、今回のライブは撮影禁止なのですよ?」
マーゲイ
「ぐへ…?」
助手
「この写真は没収するのです」
マーゲイ
「あぁ……」 ~(´・△・`)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そしてライブは無事終了した。
コウテイ
「博士、すまないが
このギターの弦を直しておいてくれないか?」
博士
「いいでしょう、と言いたいところですが、道具が必要そうなのです」
ミライ
「それなら『としょかん』はどうですか?」
助手
「としょかん?」
ミライ
「ええ、カコ博士が療養していた建物です。
あそこなら道具もいろいろあるかと」
博士
「なるほど。
あそこならフレンズたちも顔を出しやすいかもしれませんね」
助手
「では早速 引っ越すのです」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
プリンセス
「PPPに誘ってくれてありがとう。 嬉しかった。」
ライブ後の打ち上げ。
私は未練を振り切るように過去形で言った
コウテイは それを察してくれたのか、もう何も言わなかった。
私たちは黙って握手をした。
イワビー「またな」
ジェーン「今度はお芝居で ご一緒しましょう」
フルル「もぐもぐ…」
イワビー「最後くらい空気読めよ!」 (ノ`ο´)ノ
いつの間にか3人も加わってきて・・・ やがて円陣になる。
コウテイが右手を前に出す。
イワビーが、すぐさま その上に手を重ねる。
ジェーンが・・・
そしてフルルが、(ジャパまんを慌てて口に咥え、手を服で拭うと)手を重ねる。
コウテイが、そして他のメンバーも私を見る。
おずおずと手を差し出し、そっと一番上に重ねる。
コウテイ
「ペパプ!」
一同
「おー お、おぉ お~」
こんな時にも息が合わないのが、PPPらしいと言えば らしかった…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
カラカル
「PPPって素敵なチームよね」
サーバル
「私たちだって負けてないんだからー!」
カラカル
「だから なんの対抗心よ」
ミライ
「ダイヤモンドの石言葉は『永遠の絆』
・・・なんですよね」
心の中で呟いた。
(また5人でライブをしましょう。
いいえ。今度は私がメンバーを集めるわ。
いつになるか分からないけど)
トキ
「プリンセスが抜けるなら私たちとコラボしましょ?」
トキたちが売り込みを始めている。
ショウジョウトキ
「これでも歌には自信があるのよ。 聞かせてあげる」 (どやぁ)
コウテイ
「え? えぇ…?」
トキ&ショウジョウトキ
「あ゙~~~ 「あ゙~~~ 」」 (ぼえ゙~゙)
パキャッ…ン
どこかで妙な音と悲鳴が聞こえた。
アナツ
「あ゙――― ダイヤが粉々に~!?」
プリンセス
「・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
サーバル
「私たちって素敵なコンビだよね、ね?」
カラカル
「もう。 まだ言ってんの?」
サーバル
「だってはぐらかすから。
私たち、生まれ変わっても、すっとパートナー
『ずっぱな』でしょ?」
カラカル
「何よそのダサいネーミング。
それにどうかしら?
もう出会えないかもしれないし、会えたとしても2000年先かもよ?」
サーバル
「も~。 どうしてそんな いぢわる言うのよ~」
カラカル
「そりゃロマンティックだけどさ、そういうの。
でも、め~てるポジのアンタはレギュラー確定だけど、
テツロ~が主人公の世界線では、私はそうじゃないかもしれないでしょ?」
サーバル
「めたいよ…」
カラカル
「アンタが幸せなら私は隣に居なくても構わないし、アンタが誰と組んでたって私は いいのよ?
とにかく、アンタはシリーズの顔なんだからドンと構えてればいいのよ」
ミライ
「やっぱりサーカラは尊いですねぇ」 (じゅるり…)
プリンセス
「あなたはいいの?」
ミライ
「どういうことですか?」
プリンセス
「あの子たちと離れ離れの未来が待っていても?」
ミライ
「まるで見てきたようなことを言うんですね」
う…
禁則事項に触れてしまった?
ミライ
「それはツラいさんですね。 でも私もカラカルさんに近い意見です」
プリンセス
「え? だって、さっきは『永遠の絆』がどーのこーの…」
ミライ
「・・・
ヒトは『そんなものは無い』って悟っているから、その不安を押し隠すために。
そして『そうあって欲しい』という願いを込めて言っているのかもしれませんね」
プリンセス
「言霊ってヤツ?」
ミライ我儘 かもしれませんけど」
「もし『私がヒトだから』別れる運命だ、というなら
フレンズとして生まれ変わってみたいですね。
そうすれば、ずっとフレンズさんたちと・・・
ただの
プリンセス
「・・・きっと叶うわよ」
ミライ
「あなたに そう言っていただけると・・・
なぜか とても嬉しいです」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アライ
「あ~~! 活躍の場が終わっているのだ」
フェネック
「やってしまったね~、アライさ~ん。
ミライさ~ん、どんなだったか だけでも教えてあげてくれないかな~」
ミライ
「はーい。 では。
あなたとお話しできて良かったです」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ミライ
「その時カバさんは言ったんです。
『困難は群れで分け合いましょう』と」
プリンセス(ん? 意味は大体 合ってるけど、言い方が ちょっと変わってる?)
フェネ
「お~ 名言だね~」
アライ
「いつか使う時のために魂に刻み付けておくのだ」 _〆(゚▽゚*);
フェネ
「良かったねぇ、アライさ~ん。 好きだもんねぇ、そういうの~」
アライ
「こういうのもあるのだ。
『悪しき言葉は 弱き者の卑しい心の声、
美しき言葉は 強き者の豊かな心の声』なのだ!」
フェネ
「お~ それも名言ぽいね~ 誰の言葉~?」
アライ
「・・・ 誰だったのだ?」
プリンセス
「・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
???
「おいおい、物騒だな。
何か良いことでもあったのか?」
だから地の文を(ry
でも、この やりとりも最後かと思うと一抹の寂しさを覚えないでもない。
プリンセス
「現れたわね。 っていうのも白々しいわね。
私が願ったから登場した。 でしょ?」
「・・・」
「伏線回収したつもりで『どやっ』てる所を悪いが、
ダイヤリアンを倒した時の『けもリンク技』 あれなぁ・・・
死神をジョーカー扱いにしたところでスート(マーク)が揃ってない以上
ただの『ストレート』だからな」
プリンセス ( ゚д゚)
「ど、どやってないし・・・ そういう無粋なこと言わないでよ」
前言撤回。 もうこんな やりとりは最後にするべきだ。
時任
「あと♦は厳密に言うとダイヤモンドのことじゃ無いし、
Qは女王や妃の意味、プリンセスは王女やお姫様。 全然違うからな」
作者 ( ゚д゚)
プリンセス
「き、きっとネタよ。 φ(╥╥);
時任
「そうか? 泣きながら書いてるぞ?」
ダメだ。
一刻も早くコイツを消さないと危険だわ。 物語の今後のためにも。
時任
「処す? 処すのか?」
メタい話は このくらいにしよう・・・
そもそも彼は#初めて会った時から「助けない」と明言していたし、ヒントを教えてくれた と思っていたのは、私だけだったのかもしれない。
彼が お助けキャラだと、いつから勘違いしていた?
そう。 彼は#身分を偽ったり、
#セルリアンの出現に関わっていた可能性だってあるじゃないか。
そして、彼の研究対象は『時間と魔法』だと言っていた。
彼こそが私をアプリ世代にタイムスリップさせた張本人にして、
『人鳥姫』に出てきた『セルリアンを使役する悪い魔法使い」だったのでは?
❗❓
気が付くと、時任博士の体からドス黒いオーラが立ち上る。
ーと、背後からセルリアンが博士を丸のみしたかと思うと、
さらに時任博士がセルリアンを丸のみする・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
疑心暗鬼が、私にそんな妄想を見せていたらしい。
私たちは、#動画の最後に出てきた場所で事務机を挟んで向かい合わせに椅子に座っていた。
シュール過ぎる光景だ。
時任
「ここは冠水すると地面が鏡状になって、夜なら上下に星空が映ってキレイなんだとよ」
そんなロマンチックな光景を、こんな男なんかと2人で過ごしたくはなかった。
時任
「ひでぇな…」
プリンセス
「だからぁ・・・」
時任
「読んでねえよ、共有してるんだよ」
プリンセス
「・・・」
この流れにも慣れてきたし、
こういう「設定」でなければ、案外ステキなコンビになれたかもしれない。
プリンセス
「ねぇ、初めて会った時にお話したこと覚えてる?」
時任
「さあな」
プリンセス
「もうちょいノってよ!」
時任
「お前とオレじゃあ、ステキなコンビには なれそうにないな」 ┐(´ー`)┌
プリンセス
「・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
プリンセス
「もうネタバラシしてくれてもいいでしょ?
この世界が何なのかとか、あなたの正体とか」
時任
「言ったろ? オレはお前だって。
だったらお前も気が付いてるはずだ。
つまり お前が語っても同じじゃないか」
プリンセス
「どこの世界に そんな主人公がいるのよ?
物語には『役割』ってもんがあるでしょ?
スベったお笑い芸人が『これこれ こういうギャグだったんですよ』なんて解説する?」
時任
「よく分からん例えだな。
推理モノで探偵を差し置いて、犯人がトリックをべらべら喋るようなもんだ、
って言いたいのか?」
本当に彼=私、なんだろうか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
しゃあねぇなぁ、 あ~ めんどくせぇ、
とか言いながら、やっと話し出した。
プリンセス
「まさかの夢オチ!?」
おお、良いリアクションだな。
とてもヤラセとは思えない役者っぷりだよ。
プリンセス
「やりにくいわね。
・・・ コホン。
あの紫式部でさえ『古っ!』って切って捨てたとされる夢オチ!?」
・・・
何言ってんだ、#フルルも#アミメも言い当ててたぞ?
後者は作者に止められたけどな。
忘れてるかもしれないけど、
お前はコウテイから逃げ出し、バスにぶつかり、気を失った。
その時、お前は思ったよな? #「時間を巻き戻すことができたなら・・・」
プリンセス
「だからアプリ世代だったの!?」
そして現実逃避先として「夢の中」を選んだ。
なにしろ自分の思い通りの世界だからな。
現実とは違って皆がお前を求めてくれるし、自身の願いも叶う。
プリンセス
「・・・」
まあ、逃げることは決して悪いことじゃないさ。
おっと、これじゃあ自己弁護くさいか?
プリンセス
「・・・セルリアンに襲われたりしたけど?」
多少の苦難は乗り越えないとカタルシスは得られない。
その辺りは「お話」を読んで学んだろ?
プリンセス
「たった数行の『あらすじ』で語れる夢の話を こんなに引き延ばしてきたの?」
物語ってのは そういうもんだろ?
けど、ここまで長い話になるなんてなぁ。
作者
「・・・」
プリンセス
「ちょっと待って。
コウテイがウソをつくキャラに、なんて私は望んでないわよ?」
他にも・・・」
本当に?
「げんじつちほー」でのコウテイの言動に「ウソだと言って」と
一度でも思… プリンセス「ヤメて!」 …か?
・・・
あとは・・・ そうだな。
わからないことは『としょかん』で博士たちに訊け。
そして... オレはお前だ。 以上!
プリンセス端折 り過ぎでしょ!?」
「ちょっと待ってよ!
いくらなんでも
時任
「じゃあ名前の由来でも・・・」
プリンセス
「そういうことは#早く言いなさいよぉ」
時任
「#ココでの「PPPメンバーの会話に出てきた感じのアナグラムだ」
プリンセス
「誰得!?」
時任
「なんだよ。 知りたがってたみたいだからバラしたのに。
オレがスベったみたいじゃねぇか」
プリンセス
「もういいわ。
それより私=あなたってどういうこと?
時任
「そりゃ、さんざん『お前のことは知っている』発言をしてきたし、
『地の文も読んで』やったろ?」
プリンセス
「ぐ... それにしちゃ『似ても似つかない』ところが多すぎるのは どういうこと!?」
時任
「そりゃ全くの同人格って訳じゃねえよ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
お前 ⇔ オレ
女 ⇔ 男
身だしなみに気を遣う ⇔だらしない
基本、丁寧な言葉遣い ⇔荒っぽい
喜怒哀楽が顔や声に出やすい⇔表情・口調が変わらない
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
プリンセス
「なにこれ?」
時任
「何か気付かないか?」
プリンセス
「なぞなぞなんて やってる場合じゃないでしょ?」 💢
ついにキレた私は、思わず立ち上がり、
「あなたは一体、何者なのよ!?」
左手で机を叩きながら、右手で指差す。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
彼は表情一つ変えず、おもむろに立ち上がると...
右手を机に付き、左手で私を指差しながら
「お前だよ」
と返した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
プリンセス
「・・・
鏡...?」
伏線はあったんだけどな。
極め付けはお前が見た妄想の中で鏡に#オレが映っていたところだ。
あとは#動画のBGMタイトルが「あなたの鏡」だったり、
ラストシーンのモデルでもある#ウユニ塩湖の別名が「天空の鏡」だったりな。
それもこれも元はと言えば、お前が1章で博士たちからミラーニューロンの話を聞いてたから、なんだけどな。
「そんなの分かんないって!」と言いたかったが、無意識化では気付いたのだろう。
彼は、鏡に映った左右反転の私、なのだから・・・
とんだ自作自演だった。
自縄自縛に陥っていたお前は、夢を作り出すと同時に「それまでのやり方で通用しない」と感じたのか、
正反対の存在であるオレを生み出し、頼ろうとした。
所詮、自分は超えられないんだけどな。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そうか、そうだったのか…
周りの景色が色を失い 始めていた。
私は夢の中とは言え自分と向き合い「まんぞく…」した・・・
だから、この世界は終わる・・・
まわりの景色はほとんど見えなくなっていた...
今度こそ。
今度こそ逃げちゃだめだ。
コウテイと・・・PPPの皆と向き合おう。
皆は私をどう思っているのか。
自分が どうしたいのか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ありがとう あなたのおかげよ。
もう見えない相手に言う。
オレは何もしちゃいないさ。
お前が自分で何とかしたんだ。
そうだ今、自分は自分に感謝しているんだ。
そう考えると、どこか くすぐったい気がした。
いいか、どうしようもない自分を認めろ。
そして、ここまでやってきた自分を認めてやれ。
他人の評価なんかで承認欲求は満たせない。
それを満たせるのは・・・自分だけだ。
そう言えば、コウテイもそんなことを言っていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私は、思い出していた。
たまたま「としょかん」で見つけた、あの一枚の写真を。
クールにギターを弾きこなすコウテイの姿を。 4人のメンバーを・・・
あの横に、もし私が立てたら・・・
そうして「夢」を叶えるために私はパークを奔走し、
メンバーを一人一人勧誘・説得して回った・・・
今の自分があるのは、コウテイ、PPPのメンバー、お客さんたち...
そして・・・自分の努力…
そして私は「目覚める」・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
目を開けた私が見たのは『知らない天井』だった。
辺りを見回す。
ここは・・・ としょかんのベッドの上だった。
カコ博士が療養していた部屋だろうか。
プリンセス戻ってきた んだ・・・)
(
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コウテイが入ってきた。
ジェーン・イワビー・フルル(ジャパリまんを咥えている)も一緒だ。
❗
コウテイ「目が覚めたのか!」
ジェーン「どこか痛いところはありませんか?」
フルル「お腹空いてな~い?」
イワビー「まったく心配させやがって」
プリンセス
(ごめんね)
コウテイ
「?」
部屋の中に妙な緊張が走った...
♪~ (めっさヒキが良くなる万能EDのイントロ)
プリンセス(どうしたの?)
コウテイ「もう一度『言って』みてくれ」
プリンセス(どうしたのよ、みんな)
コウテイは私の問いには答えず、慌てた様子で部屋の外へ向かう。
コウテイ
「博士、助手! ちょっと来てくれ!」
~Cパート~
博士「あー」
プリンセス(あー)
助手は医学書を捲 っている。
PPPの面々やお見舞いに来た かばんたちも見守っている。
やがて博士は重々しく宣告した。
博士
「心因性失声症なのです」
助手
「運動機能には問題ないようなので」
コウテイ
「治る… のか?」
博士
「なんとも言えないのです」
助手
「万能サンドスターと言えど、心までは治せないのです」
私は言葉を失った...
~第2章 完~