疑心暗鬼が、私にそんな妄想を見せていたらしい。
私たちは、#動画の最後に出てきた場所で事務机を挟んで向かい合わせに椅子に座っていた。
シュール過ぎる光景だ。
時任
「ここは冠水すると地面が鏡状になって、夜なら上下に星空が映ってキレイなんだとよ」
そんなロマンチックな光景を、こんな男なんかと2人で過ごしたくはなかった。
時任
「ひでぇな…」
プリンセス
「だからぁ・・・」
時任
「読んでねえよ、共有してるんだよ」
プリンセス
「・・・」
この流れにも慣れてきたし、
こういう「設定」でなければ、案外ステキなコンビになれたかもしれない。
プリンセス
「ねぇ、初めて会った時にお話したこと覚えてる?」
時任
「さあな」
プリンセス
「もうちょいノってよ!」
時任
「お前とオレじゃあ、ステキなコンビには なれそうにないな」 ┐(´ー`)┌
プリンセス
「・・・」
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プリンセス
「もうネタバラシしてくれてもいいでしょ?
この世界が何なのかとか、あなたの正体とか」
時任
「言ったろ? オレはお前だって。
だったらお前も気が付いてるはずだ。
つまり お前が語っても同じじゃないか」
プリンセス
「どこの世界に そんな主人公がいるのよ?
物語には『役割』ってもんがあるでしょ?
スベったお笑い芸人が『これこれ こういうギャグだったんですよ』なんて解説する?」
時任
「よく分からん例えだな。
推理モノで探偵を差し置いて、犯人がトリックをべらべら喋るようなもんだ、
って言いたいのか?」
本当に彼=私、なんだろうか?
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