時任
「お前はさっきから訊いてばっかだな」
そうだった。 ろくに挨拶もしていない。
ロイヤル「私は...
時任「お前のことなら知っている」
自己紹介をしようとしたのに途中で遮られる。
しかも『知っている』って何よ? こっちは何も知らないのに。
時任
「だから聞くことなんてない。
じゃあな」
背中を向けて右手を上げる。
ロイヤル
「ちょっ… と待ってよ」
ここで団長のように去られては、来た甲斐がない。
ロイヤル
「私はこれからどうしたらいい?」
時任
「丸投げ人生相談かよ?
だったら占い師の所にでも行け。 ダチョウとか…」
一応、振り返って答えてはくれるが、相変わらず つっけんどんだ。
相談に乗ってあげようなんて気は、さらさら無いらしい。
ロイヤル
「何でも知ってるんでしょ? 私のことなら」
必死で食い下がる。 藁わらにも縋すがる思いだった。
時任
「何でもは知らねぇよ、お前の知ってることだけだ」
今度は三つ編みお下げきょぬーキャラみたいなことを言い出す。
共通点は眼鏡くらいしか無いじゃない。
ロイヤル
「なにを言ってるのか分からない」
その眼鏡の向こうの表情は見えない。
考えも全く読めない。
時任
「・・・ ちっ! めんどくせぇなぁ」
ボリボリと頭を掻く。
まるで物わかりの悪い子供を相手にするような...
舌打ちまでして、実に大人げない態度だ。
時任
「答えはいつも、お前の中にあるってことだ」
ロイヤル
「?
私の中...?」
タイミングによっては名言になりそうなセリフだが、
今は はぐらかされているようにしか感じられない。
時任
「少しは自分の頭で考えてみろってんだよ。 ったく」
心底 面倒くさそうに言うと、おもむろに棚に手を伸ばす。
その先に視線を向けると・・・
レコードジャケット…?
❗
ロイヤル「ありがとう!」
時任 ((( ̄へ ̄井)
「フン!」
ツンデレなんだろうか?
時任
「デレることはあり得ない。 フラグでもない」
ロイヤル
「・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・