いつも通り1時間ほど早く来て、振り付けやセリフの確認をしていたはずだが、
いつの間にか眠ってしまっていたらしい・・・
人鳥姫の公演も近いというのに
いや、だからこそ疲れていたのかもしれない。
ふと違和感を覚えた。
もう集合時間だというのに誰も来ない。
ジェーンはだいたい5分前、イワビーは大抵 時間ギリギリ、フルルは不定期(たまに遅刻)
でもコウテイだけは必ず10分前には来ていたはずなのに、だ。
ちらっと入り口のドアを見やる。
当たり前だが、隙間は無いし、マーゲイが覗いている、ということも無い。
なのに不安になった私は、建物の中を探し回る。
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隅々まで探したが、誰も居ない。
痕跡どころか、気配さえ感じない。
それどころか、パークに私独りなんじゃないか?
そんな あり得ない妄想まで浮かんでくる。
一周回ってレッスン場に居るんじゃないか、と戻ってみるが やはり誰も居ない。
ふと視界の端に姿見が映った。
なんの気なしに近付き・・・
覗き込んでみると・・・
そこに映っていたのは時任博士だった…
❗❓
私は『としょかん』の例の部屋にいた。
まるでワープしたかのようだったが、なぜか それをすんなりと受け止められている自分がいた。
目の前には時任博士が居る。
しかし初めて彼に会った時と同じシチュエーション...とは違い、彼は椅子に座っていた。
机の上には数枚のカードが散らばっている。
彼は引き出しに何かを乱雑に放り込むと、おもむろに立ち上がる。
せっかく会えたのだ。 聞きたいことは山ほどある。
プリンセス
「あなたは... あなたは一体何者なの?」
でも口から出たのは事態の解決には程遠い、それでいて純粋かつ根源的な問いだった。
そして返ってきたのは、衝撃的かつ
時任
「オレか?
オレは・・・ お前だ」
❗❓
博士「さあ、声を掛けてやるのです」
助手「眠っていても声は聞こえるのですよ」
コウテイ「すまなかった、プリンセス」
プリンセス(私の方こそ話を聞かずにごめんなさい)
ジェーン「どうか戻ってきてください」
プリンセス(戻りたいのは やまやまなんだけど…)
イワビー「起きろ、プリンセス!」
プリンセス(いつも寝てるのはフルルでしょ?)
フルル「もう本番だよ~」
ジェーン「なんですか? それ」
フルル「慌てて起きるかと思って~」
イワビー「お前は慌てたことないだろ?」
プリンセス(フルルは相変わらずね)
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