#前の話 (あらすじはトップ)
~嘘~
対ダイヤリアンの作戦会議が始まった。
ミライ
「あのダイヤリアンは一体どこから・・・?」
ダイアウルフ
「金剛山の鉱山跡地さ。
転がり出てたダイヤの
セルリアン化したところを たまたま見掛けてね。
すぐに
サーバル
「こんごーざんのこーざんあとち…?」
アナツバメ (¬д¬)キラン
カラカル
「早口言葉みたいね」
ミライ
「ロープウェイのある場所の近くですね」
ダイア
「監視してたら、ダイヤリアンが移動を始めてさ。
そしたら尾行して逐一報告しろって言うもんだから・・・
オーダーきついよなー。 ほんとフレンズ使いの荒い姉さんだよ」
カバ
「ーでも、結局見失っちゃったわけね」
ダイア
「仕方ないだろ? 乗ってきた自転車が なかなか見つからなかったんだから」
ミライ
「すいません。 私が勝手に『としょかん』に移動してしまったせいで…」
ダイア
「いや、乗り捨てた私も悪かったし...」
カバ
「わたくしも忙しいのですわ。 セルリアンがパーク各地に大量に出没して。
そろそろ1人でやることにも、体力的にも限界を感じていますのよ」
サーバル
「ありがとう、カバ。 それとダイアウルフも」
カラカル
「私たちの知らないところで頑張ってくれてたのね」
ミライ
「カバさんはお強いですからね。
でも体力の限界って…」
カバ
「私の戦闘力もピークは過ぎてますもの。
そろそろセルリアン退治は誰かに任せて、悠々自適の暮らしを考えようかと」
博士
「なんにしても今いるメンバーでは戦力不足かもしれませんね」
助手
「コウテイの声が出ないのも地味に痛いですしね」
プリンセス
「ダイヤリアン討伐に何か支障が?」
博士
「けも技を使う時には技名を言わないと、カッコよくないのです」
助手
「SSの演出上、盛り上がりに欠けることが予想されるのです」
プリンセス
「発声しないと発動できない呪文的なモノ、とかじゃないんかい!」 (*`Д´)っ))
アナツ
「だったら僕、今から『声が良くなるクサ』を取ってきます。
こうなったらダイヤと引き換えに、とか言ってる場合じゃないですから」
ダイア
「タスカル。 けど、かなり遠いよ?」
アナツ
「大丈夫。 これでも僕、飛ぶのが得意なフレンズなんです」
ミライ
「そう言えばアナツバメさんのお仲間の#アマツバメさんは鳥類最速なんでしたね」
サーバル
「あなつばめのなかまのあまつばめ…」
カラカル
「早口言葉みたいね…」 (´・∀・`)
アナツ
「とにかく行ってきます!」 ( ̄^ ̄)ゞ
ニワトリ
「カッコいい…///」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
博士
「さて、こちらも戦力を補充しておくのです」
カバ
「では、知り合いを呼びますわ。
後継者として有望な子が1人居ますの」
ミライ
「カバさんの推薦なら、さぞ お強い方なんでしょうね」
助手
「我々は『まったり浮遊部』員を招集するのです」
サーバル「弱そーな名前ぇ」
カラカル「大丈夫なのぉ?」
博士手練 れ揃いなのです」
「何を言ってるです?
勢力拡大中、というか鳥類の仲間を統合したので、なかなかの
ミライ
「雲海エリア(ホートクチホー)の猛禽類フレンズさん なんかは強そうですよね」
助手
「更に、特殊技『グループリンク』も使えるようになるのです」
プリンセス
「グループリンク? それって どんな技なの?」
博士「同種族限定の合体技です」
助手「風属性で『ふわっとストーム』というのです」
サーバル「弱そぉ」
カラカル「大丈夫ぅ?」
博士「何を言うのです」
助手「異常気象さえ招きかねない威力を持つのですよ?」
プリンセス(異常気象…?)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私にも何か出来ることは無いだろうか?
・・・❗
1つ思い付いた私は、思い切って提案してみることにした。
プリンセス
「ねえ、ミライ。 時任博士に連絡は取れない?」
場の空気が凍った・・・ような気がした。
ーが、構わず私は続ける。
プリンセス
「確かに胡散臭いし、扱いづらいヤツだけど悪い人ではないと思う。
彼なら何か助言くらいはくれるんじゃないかしら?」
ミライ
「・・・
すみません。 私は その『時任博士』という方を存じ上げません」
❓
今度はこちらの思考が凍った。
プリンセス活間 … パークの職員のはずよ?」
「え・・・?
時任
ミライは黙って首を横に振る。
彼の言う『ここの職員』という自己紹介は嘘だった…?
それに関しては確かに、鵜呑みにした私が悪かったのだろうけど・・・
いや、そもそも何かがおかしい...?
私は焦りを覚えつつも不安をなんとか押し殺し、話を続ける。
プリンセス
「ミライ、あなた見たでしょ?
そうよ! 『としょかん』で初めて彼と出会った時、あなた入り口で・・・」
ミライ
「誠に申し上げにくいんですが、私にはあなたの言ってることが理解できません」
申し訳なさそうに否定する。
それどころか、
サーバル「あそこにはプリンセス独りしか居なかったよ」
カラカル「私は『可哀想なコ』かと…」
2人も言いにくそうにしながらも同調する。 トドメに等しい言葉だった。
背筋が凍る。
『可哀想なコ』と言われたことに、ではない(ちょっとキズついたけど)。
彼の存在が実体の無い幻...いや、私自身が永い夢を見ていたのかもしれないことに・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いつも通り1時間ほど早く来て、振り付けやセリフの確認をしていたはずだが、弛 んでいる。
いつの間にか眠ってしまっていたらしい・・・
人鳥姫の公演も近いというのに
いや、だからこそ疲れていたのかもしれない。
ふと違和感を覚えた。
もう集合時間だというのに誰も来ない。
ジェーンはだいたい5分前、イワビーは大抵 時間ギリギリ、フルルは不定期(たまに遅刻)
でもコウテイだけは必ず10分前には来ていたはずなのに、だ。
ちらっと入り口のドアを見やる。
当たり前だが、隙間は無いし、マーゲイが覗いている、ということも無い。
なのに不安になった私は、建物の中を探し回る。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
隅々まで探したが、誰も居ない。
痕跡どころか、気配さえ感じない。
それどころか、パークに私独りなんじゃないか?
そんな あり得ない妄想まで浮かんでくる。
一周回ってレッスン場に居るんじゃないか、と戻ってみるが やはり誰も居ない。
ふと視界の端に姿見が映った。
なんの気なしに近付き・・・
覗き込んでみると・・・
そこに映っていたのは時任博士だった…
❗❓
私は『としょかん』の例の部屋にいた。
まるでワープしたかのようだったが、なぜか それをすんなりと受け止められている自分がいた。
目の前には時任博士が居る。
しかし初めて彼に会った時と同じシチュエーション...とは違い、彼は椅子に座っていた。
机の上には数枚のカードが散らばっている。
彼は引き出しに何かを乱雑に放り込むと、おもむろに立ち上がる。
せっかく会えたのだ。 聞きたいことは山ほどある。
プリンセス
「あなたは... あなたは一体何者なの?」
でも口から出たのは事態の解決には程遠い、それでいて純粋かつ根源的な問いだった。却 って謎の深まる答だった…
そして返ってきたのは、衝撃的かつ
時任
「オレか?
オレは・・・ お前だ」
❗❓
博士「さあ、声を掛けてやるのです」
助手「眠っていても声は聞こえるのですよ」
コウテイ「すまなかった、プリンセス」
プリンセス(私の方こそ話を聞かずにごめんなさい)
ジェーン「どうか戻ってきてください」
プリンセス(戻りたいのは やまやまなんだけど…)
イワビー「起きろ、プリンセス!」
プリンセス(いつも寝てるのはフルルでしょ?)
フルル「もう本番だよ~」
ジェーン「なんですか? それ」
フルル「慌てて起きるかと思って~」
イワビー「お前は慌てたことないだろ?」
プリンセス(フルルは相変わらずね)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
❗❓
サーバル
「気にすることないよ!
私も天井とか部屋の隅をじーっと見ちゃうクセがあって。
『霊が見えるの?』って聞かれたことあるし」
我に返った。
頭が混乱する。
どうやら白昼夢でも見ていたらしい。
カラカル
「見えないの?」
サーバル
「見えないし見たくないよ、オバケなんて。 怖いし」
私のことなんてお構いなしに、話はどんどん進んでいく。
カラカル
「じゃあ何見てるの?」
サーバル
「見てるつもりなんてなくて・・・ そうだなぁ、考え事をしてる時?」
カラカル
「あんたが考え事ぉ?」
サーバル
「さっき食べた ジャパまん美味しかったなぁとか、
明日は何味の ジャパまん食べようかなぁとか」
カラカル
「そんなことだと思った。 ってかジャパまんのことばっかじゃん!」
サーバル
「何よ! カラカルだって ぼーっとしてることあるでしょ? 何考えてるのよ!?」
カラカル
「さっきのサーバルの泣き顔、可愛かったなぁとか、
明日はどうやって からかおうかなぁとか」
サーバル
「ひどいよ!」 ><
ミライ
「相変わらず尊いですなぁ… サーカラは」 (じゅるり…)
プリンセス
「・・・」
どうやら本当に、時任博士(と私の関係性)については、全く気にしていないらしい。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そうこうしているうちに、追加戦士たちがやってきた。
トキ「よろしく…」
ショウジョウトキ「私に任せなさい!」 どやぁ
博士
「みんな出払っていたのです」 orz
助手
「こんなヤツらしか居なかったのです」 orz
プリンセス(この頃の博士たちって、まだそれほど人望は厚くなかったのかしら?)
外部コンテンツ
ヒグマ「サイキョーの私に任せときなよ」
カバ
「本当に頼りにしてますわ…」 (¬д¬。)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アナツ
「ただいま戻りました!」
サーバル
「はやっ!」
カラカル
「1話内に戻ってきた、て意味なら早いのかしらね」
アナツ炙 ってください」 🌿
「どうぞ。 これを
博士
「大丈夫なのですか?」
助手
「捕まったりしないのですか?」
アナツ
「例のとは種類の違うクサなので。
本来なら『#紅茶』にした方がいいんですけど、今回は時間がないので『緑茶』で」
ミライ「こうですか?」
🌿
🔥
ダイア
「くしゃい くしゃい!」
サーバル
「そうかなぁ?」
カラカル
「あんたの鼻は飾りかぁっ!」
サーバル
「ひどいよ~ 嫌な匂いじゃないってことだよ」
カラカル
「まあ、私も嫌いな匂いじゃないけど」
ミライ
「イヌ科のフレンズさんは特に臭いに敏感ですから…」
アナツ濾 して・・・
「お湯を注いで、
出来た! キイロは用意できませんでしたけど・・・」
博士
「飲んで大丈夫なのですか?」
助手
「おどろおどろしい見た目なのです」
カラカル
「確かに青汁っぽいわよねぇ。 マズそー」
サーバル
「緑色だから『ミドリジル』じゃないの? マズそーなのは分かるけど」
カラカル
「そう言われてみればそうね。
なんで『ミドリジル』って言わないのかしら? それにしてもマズそーね」
ミライ
「確かに、日本語には緑なのに『青〇』という言葉がたくさんありますね。
なんでも『#みどり』という言葉は古代からあったそうですけど、『あを』よりも示す範囲かなり狭かったので
広範囲で便利な『青』が一般的に使われる傾向が強かったらしいですよ。
それにしてもマズそーですね」
サーバル
「へ~ そうなんだ~ マズそー」
博士
「ではマズそーに飲むのです。 コウテイ」
助手
「一気に飲むのです。 マズそー」
コウテイ ( ̄Д ̄;;
「・・・」
マズそーなミドリジルを目の前に置かれたコウテイは涙目にも見える。呷 る・・・
やがてカップを両手で掴むと,一気に
かと思いきや、ちょっとだけ口に含むと、
コウテイ
「まっずっ! うぇ… マズい!」
呑み込めずに吐き出した。
ジェーン「あ…」
イワビー「あ~」
フルル「💤」
プリンセス「シャベッタァァァーー!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コウテイ騙 すようなことをして悪かった」
「
コウテイは、他のPPPのメンバーと共に正座し、神妙な顔で謝った。
複雑な気分だった。
確かに「コウテイがウソをついていたこと」はショックだったが、
自分を曲げてまで私を必要としてくれたこと自体は嬉しかった。
そしてPPPに入らずに済む、ということに安堵を覚えると同時に、
入る必要が無くなったことに寂しさを覚えていた。
プリンセス
「別に怒ってないわ」
許す、だと上から目線っぽい気がして、そんな言い方になってしまった。
逆に気を悪くしたり、気に病まないだろうか? と心配していると、
コウテイ
「ありがとう。
・・・ この流れで言うのもどうかと思うが、改めてお願いしたい。
PPPに入ってくれないか?」
驚いた。 まったく懲 りてなかったw
確かに初代pppに私が在籍出来ていたら、という夢想したことは何度もある。
一度くらいなら・・・ 今なら、その夢を叶えても罰は当たらないかもしれない・・・
覚醒しつつあることを自覚した私は、
改めて「この世界のしくみ」について考えてみる・・・
きっと大丈夫。 そんな気がした。
プリンセス一度 だけなら」
「
コウテイ
「ありがとう!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その後、私は作戦会議で幾つかの「気付き」を、みんなに伝えた。
ダイヤは衝撃には弱い。
つまり何か叩きつけることが出来れば。
ダイヤリアンのゼリー状の体は水だった。
異常気象について。
現有戦力と使える「技」について。
などなど…
この「ウソだらけだったけど素晴らしい世界」を守りたかった。
あまり意味は無いのかもしれないけど...
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
カラカル
「ほら、あんた。 そろそろシメなさいよ」
サーバル
「え…? えーと・・・
とにかく皆で力を合わせてがんばろー!」
一同「おーーー!」
あまり締まらなかったが、
カバさんが良い言葉でシメてくれた。
カバ
「そうですわ。 困難は群れで分け合わないといけませんものね」
ミライ
「カッコいい… ///」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私は『としょかん』に来ていた。
この世界に来て、初めて時任博士に会った部屋だ。
その彼も今は居ない。
なぜなら私が必要としていないからだ。
片隅には「自転車」が置いてある。
私は机の上に散らばっていたカードから5枚を手に取る。
そして引き出しを開ける。
大量のウォッチ付きベルトがあったので、それも手に入れる。
・・・これで準備は整った。
すべてを終わらせるために・・・
~to be continued~